ロジカルシンキング研修の目的やメリット、ビジネスでの活用方法

ロジカルシンキング研修の目的・メリット!実践的な研修の選び方は?

「メンバーから上がってくる売上計画の精度が低い」「管理職層ですら営業計画の構成や振り返りのレベルが低い」「課題に対する考察や施策が的はずれ…」などの課題に悩む経営陣や事業部長は少なくありません。課題が生じる要因の1つが「ロジカルシンキング能力の不足」です。

 

ビジネスの主な目標は「売上と利益」で表され、基本的には四則演算でプロセス指標に分解できます。また、定性的な情報を扱う顧客満足度やブランド評価も、調査によって定量化することが大半です。

 

ビジネスのほとんどは数値で検証され、数値が動いた因果関係の考察、数値を動かす施策の立案と実行を繰り返していくものなのです。だからこそ、数値や因果関係、全体と部分などを扱うスキルであるロジカルシンキングの能力は、ビジネスに不可欠なのです。

 

本記事では、ロジカルシンキング能力を鍛える目的やメリット、研修で学べる内容やロジカルシンキング研修の選び方をご紹介します。

 

<目次>

研修でロジカルシンキングを身に付けさせる目的とメリットは?

前提として研修等を通じてロジカルシンキングの能力を鍛える目的とメリットを確認しましょう。

 

 

ロジカルシンキング能力とは?

ロジカルシンキングは、数値や因果関係、全体と部分などを適切に扱う思考方法です。各種のフレームワークを使って問題の全体像を整理したり、現象が起こっている因果関係を検討したり、成果をあげるための方法論を洗い出すような能力に繋がります。

 

当然、状況を把握するためのヒアリング、分かりやすく伝えるプレゼンテーションなどのコミュニケーションにも生かすことができます。

 

 

ロジカルシンキングの重要性

繰り返しになりますが、ビジネスの成果とプロセスは数値で計測・検証することがほとんどであり、大半は四則演算でプロセス分解できます。例えば、「利益=売上-費用」「売上=顧客数×購買頻度×購買単価」「売上=商談数×受注率」などは最も基本的な分解です。

 

従って施策を考えるうえでも、「売り上げを増やすために、顧客数を増やすのか、購買頻度を上げるのか、購買単価を上げるのか?」や、「顧客構造をA・B・Cの3顧客に分類して、分類ごとの打ち手を考える」、「施策の優先順位を、見込める効果性、かかる費用、かかる工数、実施できるスピード、4つの視点で考える」など、論理性が求められることが多くなります。

 

「売り上げが目標通りに推移していない」という課題を分析して、対応策を考えるうえでも、プロセスへの分解は必須です。課題の分析も施策も、数値の分解だけで導き出せるものではありません。

 

しかし、「売り上げが目標通りに推移していないのはなぜだろう?」ではなく、適切に分解して「新規商談からの受注率が落ちているのはなぜだろう?」とか、「既存顧客のリピート率が想定より高く推移しているのは顧客のどんなニーズ、評価だろう?」と考えた方が、より深い考察が得られることは言うまでもありません。

 

従って、一人ひとりの社員が論理性を持って考えられるか、チームリーダーや拠点長が自走できるか、それとも幹部陣だけがロジカルに考えられるのか、組織内におけるロジカルシンキングの浸透度は、事業推進スピードの圧倒的な違いとなるでしょう。

 

 

ロジカルシンキング研修を実施するメリット

ロジカルシンキングは数値や抽象的な概念、フレームワークを扱うため、学ぶ初期段階ではOff-JTとして実施する方が効果的にインプットできます。その上で、職場で使いながら身に付けていくこと(OJT)が、能力を育成する早道です。

 

初期教育が終われば、前述のようにP/Lから営業計画、提案書までロジカルシンキングを練習する素材は、日常の中であふれています。

 

ロジカルシンキング研修を通じて、理解力や問題解決力が向上することで、社員一人ひとりが自走できるようになります。また、会議でのコミュニケーションやフィードバック、社外へのプレゼンテーションなどにおいても、プラスの効果が期待できます。

 

ロジカルシンキング研修で学べる内容は?

ロジカルシンキング研修で学べる内容

 

多くのロジカルシンキングの研修や教材は、ロジカルシンキングの考え方と体系を学ぶパッケージになっています。しかし、研修を実施する目的は、人材育成を通じて実務における変化を生み出すことです。

 

従って、ロジカルシンキング研修を考える上では、「自社の課題」が「どんな論理性の欠如で起こっているのか」をしっかりと整理しておくことが必要です。なお、ロジカルシンキング研修で学ぶ基本は以下のような要素です。

 

 

ロジカルシンキングの基本的な思考

ロジカルシンキングの基本的な思考は「演繹法」と「帰納法」です。名前を覚えることは重要ではありませんが、ビジネス実務でどう使われるか、「論理的でない」場合や「ミスリード」が起こりがちなケースを知っておくことが重要です。

 

【演繹法】

前提を積み上げていくことで結論を導く考え方が「演繹法」です。演繹法で有名なのが古代ギリシャの哲学者アリストテレスの3段論法です。

 

  • 前提A:すべての人間は死すべき定めにある
  • 前提B:私は人間である
  • 結論:ゆえに私もいつかは死ぬ

 

演繹法においては、「前提」が間違っていると結論が成立しません。ビジネス実務における演繹法では、「前提」が正しいことを確認することが必要です。

 

【帰納法】

物事の共通項をまとめることによって、結論を出すやり方が「帰納法」です。例えば、

 

  • 事実A:○○銀行は年収が高い
  • 事実B:△△証券は年収が高い
  • 事実C:□□生命は年収が高い
  • 結論:金融業界は年収が高い

 

という流れです。帰納法においては、事実の数が少ないと結論の正しさが疑わしくなります。ビジネス実務においては、「この現象が起こっているのはなぜか?」という設問に対して、

 

  • 事実:顧客Aがこうだった
  • 事実:顧客Bがこうだった
  • 事実:顧客Cがこうだった
  • 結論:こういうことが起こっています。

 

といった形で使われることも多いかもしれません。ビジネス実務の中では、統計的に正しいサンプル数を準備することは難しいですし、スピード感も重要です。従って、少ない事実から「こういうことが起こっているかもしれない」という仮説を立てて、施策を打ちながら、仮説を検証するということが行われます。

 

この時には、事実として取り上げた顧客は「一般的」なのか確認すること、また、直近の記憶やインパクトの大きい記憶に引っ張られていないかを確認することが必要です。

 

 

ピラミッド構造

ロジカルシンキングにおいて重要な要素が「ピラミッド構造」です。ピラミッド構造はテーマを分解していくための手法です。ピラミッド構造という名の通り、頂点に分解するテーマを置き、下に向けて要素へと分解してきます。

 

冒頭でご紹介したような「利益=売上-費用」「売上=顧客数×購買頻度×購買単価」「売上=商談数×受注率」などはピラミッド構造の一番シンプルな形です。ピラミッド構造はロジックツリーとも呼ばれ、頂点のテーマをどのように分解するのかによって、大きく4つの種類があります。

・KPIツリー:テーマを数値で分解していくものEx)売上UP…顧客数UP、購買頻度UP、購買単価UP

顧客数UP…新規商談数、受注率、既存顧客数、リピート率

 

・Whatツリー:テーマを数値以外の要素で分解していくものEx)顧客満足度UP…サービス品質への満足度UP、顧客対応への満足度UP

 

・Whyツリー:ミスが起こった原因はなぜか?などの原因を究明していくEx)ミスの原因…手順の複雑さ、マニュアルの不足、教育不足

 

・Howツリー(イシューツリー)Ex)どうやったら新人の戦力化をスムーズにできるか?… 育成ステップの標準化、業務のマニュアル化、役割分担etc

 

ビジネス実務においては、ピラミッド構造を理解してKPI/What/Why/Howという4つのツリー構造を使いこなせるかで、計画作成、状況分析、施策立案などの精度や、考えられる内容に差が付きます。

 

また、コミュニケーションにおいても、「ピラミッドの頂点に結論を置いて下に根拠を整理する」というピラミッド構造を意識すると、分かりやすいプレゼンテーションが可能です。

 

 

MECE

ピラミッド構造を活用する上で重要な考え方が「MECE」です。MECEとは、Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive の頭文字を取ったものです。英語をそのまま翻訳すると。「相互に排他的」であり「完全な全体集合」である、という意味です。分かりやすく言うと「漏れなく、ダブりなく」です。

 

ピラミッド構造を使うする時にMECEの視点を持っておくことが非常に重要です。何かを検討したり、タスク分解したりする時に、「漏れ」があると問題あることは言うまでもありませんし、「ダブり」があることも効率性の低下や結論を誤らせることに繋がります。

 

MECEはKPIツリー、Whatツリー、Whyツリー、Howツリー、どのロジックツリーを使う際にも重要です。例えば、「売上をあげたい」という施策を考える時、「新商品を出す」「キャンペーンをやる」「新規顧客の開拓」「広告を出す」「値上げする」「見込客にアプローチし直す」など、さまざまな施策が思い浮かびます。

 

しかし、思いつくままに考えて並べているだけでは、抜け漏れが起こったり、検討を誤ったりする可能性があります。

 

そこでMECEに分解すること有効なのです。例えば、KPIツリーを使った分解の一例は、「売上=成約件数×単価」であり、「成約件数=商談数×成約率」です。

 

MECEに分解することで、現状がどうなっているかという把握、売上をあげるためにどこを動かせれば効率的か、それぞれを動かすための施策を洗い出す、といったことが効率よくできるようになります。

 

また、MECEは「漏れなく、ダブりなく」分解する手法ですのでもう少し大きな視点での計画作成、状況の整理にも役立ち、ます。あとでご紹介しますが3C分析、4P/4C分析、SWOT分析などのフレームワークはいずれもMECEを意識して作られているフレームワークです。

 

ロジカルシンキング研修を成功させるポイントは?

ロジカルシンキングは活用範囲も広く、非常に有効な思考法ですが、もともとの特性や地頭を理由に苦手とする人も多くいます。苦手な人にとっては“非常に抵抗感がある”研修とも言えるでしょう。「うちの社員は論理性が低い」という漠然とした理由でロジカルシンキング研修を行うと、期待するような効果は出ません。

 

ロジカルシンキング研修を成功させるための2つのポイントをまとめてみました。

 

 

ロジカルシンキング研修で重要な目的と目標設定

普通の研修でも重要な目的と目標設定が、ロジカルシンキング研修においては特に重要です。全体として“ロジカルシンキングが苦手な人を底上げしたいのか?”“ロジカルシンキングが得意(または普通)な人の能力をさらに伸ばし次のステージに進ませるのか?”、どちらかをはっきりさせる必要あります。

 

また、“ロジカルシンキングの不足で組織で何が起こっているか?”“ロジカルシンキングを強化して組織で何を実現させたいのか?”という目標の明確化も重要です。

 

やりたいことは「ロジカルシンキングの能力をあげる」ことではなく、例えば「施策も含めた売上計画の作成と振り返りの品質をあげる」ことです。苦手な人を底上げしたい場合には、「ロジカルシンキングの概念を理解させる」研修よりも、「特定の課題を解決するために必要なロジカルシンキングを実務と直結させながら鍛える」研修の方が効果的です。

 

 

ロジカルシンキング研修の選び方

ロジカルシンキングが得意(または普通)な人を伸ばす場合、ロジカルシンキング全般の概念や体系を学ぶ研修プログラムが良いです。概念や全体像を学び、実践への落とし込みはある程度本人に任せる形で良いでしょう。この場合にはインハウス研修も良いですし、外部の公開コースに派遣することも1つです。

 

一方で、ロジカルシンキングが苦手な人を底上げする場合は、現場で実際に行うこと紐づけながら教えていく実践的な研修が良いでしょう。この場合、外部研修での派遣ではなかなか難しい場合もあります。

 

自社の社員だけを対象にプログラムをカスタマイズしてもらうインハウス研修や、実務に入りながら教えてくれるようなハンズオンのコンサルティング形式が良いかもしれません。

 

ロジカルシンキング研修を受けると効果的に使える!仕事で役立つ実践的フレームワーク

ロジカルシンキング研修を受講する社員

 

ロジカルシンキングを実務で使う上では、フレームワークを知っておくことで生産性が高まります。各種のフレームワークはピラミッド構造やMECEの概念を踏まえて作られていますので、ロジカルシンキングの考え方を学んだ上で使うと、非常に有効です。

 

 

KPIによる分解とマネジメント(KPIツリーとHowツリーの組み合わせ)

「利益=売上-費用」「売上=顧客数×購買頻度×購買単価」「売上=商談数×受注率」などはすべてKGIからKPIへの分解です。達成したいゴール指標(KGI)を四則演算で分解し、働きかけられるプロセス指標を軸にして、計画・施策立案を行います。

 

個人やチーム・事業で、KPIによる計画立案・マネジメント・振り返りがどれぐらいの精度で行えているのかは、経営の実行力や改善力に直結します。

 

 

「軸」の設定による分類(Whatツリーの利用ノウハウ)

Whatツリーを使ったりする際によく行われることが「軸」の設定です。例えば…

 

・時間軸による分解:第1四半期・第2四半期・第3四半期・第4四半期などの時間軸で分解して、計画や方針を考えます。シーズン性のあるサービスの場合、時間軸を設定して施策や体制を思考しやすくなります。

 

・顧客の分類:累計売上高、購買頻度といった自社との関係性で分類したり、エリアや業界、従業員規模やサービスの導入理由などでグルーピングしたりします。分類することでアプローチ方法を工夫することができます。

 

・ポジショニングマップ:Whatツリーなどのロジックツリーとは異なりますが、価格(高い~低い)、機能(多い~少ない)、対象(広範囲~ニッチ)などの軸を設定して、自社サービスや競合をマッピングして競合他社の特徴を把握したり、自社を差別化したりします。

 

 

マーケティングのフレームワーク

 

SWOT分析

SWOT分析は、「内部環境/外部環境」×「プラス要因/マイナス要因」で分析するフレームワークです。事業の内部環境(組織力、商品やサービスの品質、価格、ブランドなど)を強み(Strenghts)と弱み(Weaknesses)に分類。

 

事業に影響を与える外部環境(競合の動き、法律、時代や市場のトレンド、技術のなど)を自社に追い風になる機会(Opportunities)と向かい風やリスクになる脅威(Threats)に分類します。

 

それぞれの頭文字を取ってSWOT分析と呼ばれます。事業環境を俯瞰して、大きな方向性や戦略を考えるうえで役立ちます。

 

 

3C分析

3C分析はSWOT分析を同じように自社の事業を俯瞰するものです。3C分析では、事業をCustomer(市場/顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)という「3つのC」で捉えます。市場/顧客から見た自社、市場/顧客から見た競合、自社と競合といった視点で、事業を整理できます。

 

 

4P/4C分析

4P/4C分析は、「製品・サービスをいかに販売するか?」を整理できるフレームワークです。「製品・サービスを顧客に販売する」ためのマーケティングの基本要素、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotion)、4つの頭文字を取ったのが4Pです。

 

4Pは企業視点で「いかに販売するか?」という視点で作られています。そこで、顧客目線での思考を行うために、「4Pの要素を“購入者目線でいかに購買するか”に置き換えたもの」が4Cです。要素は4Pに1対1で対応しており、

 

  • 製品(Product)      ⇒購入する価値(Customer Value)
  • 価格(Price)        ⇒購入にかかるコスト(Cost)
  • 流通(Place)        ⇒購入するうえでの利便性(Convenience)
  • 販促(Promotion)    ⇒購入プロセスにおけるコミュニケーション(Communication)という4つの頭文字で4Cです。

 

 

0思考を加速するフレームワーク

・マンダラート

マンダラートとは、曼荼羅(マンダラ)模様に由来し、中央に達成したい目標を書き込み、マンダラの外へ施策案を展開していきます。

 

まず目標を達成するための施策分野を、8つの大テーマとして書き出します。例えば、「売上目標の達成」に対して、「新規顧客の開拓」「リピート率のUP」「単価アップ」「営業マンのトレーニング」「マネジメントの強化」…といった形です。

 

そして、それぞれの大テーマをさらに8つの小テーマ(実行する施策案)に分解します。例えば「新規顧客の開拓」に対して、「テレアポの時間を取る」「アプローチリストを整備する」「既存顧客を分析してターゲティングを考える」「マーケティング部に相談する」「既存顧客に紹介してもらう」…といった形です。

 

マンダラートを完成させると、目標を達成するための64個の施策案が出てきます。マンダラートを使った研修で有名な原田メソッドでは、マンダラートのことを“オープンウインドウ64”などと呼んでおり、大リーグで活躍する大谷翔平選手が使っていることでも有名です。

 

 

・ECRS

ECRS(イーシーアールエス)は業務の効率化を考えるためのフレームワークで、Eliminate(排除)、Combine(結合/分離)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)の頭文字を取ったものです。

 

業務の効率化を考える時には、ECRSの順番で考えることが有効と言われています。

  1. 【排除】「業務を止めてしまえないか?」
  2. 【結合】「似た作業と一緒にやって効率を上げられないか?」【分離】「異なる種類の作業ならバラバラに実行した方が良いのではないか?」
  3. 【交換】「作業順序や手順を変えることで効率を上げられないか?」
  4. 【簡素化】「工程やチェックを簡易にできないか?」

という順番です。

 

 

・オズボーンのチェックリスト

オズボーンのチェックリストは、アイデアを考えるための方法論です。ブレストなどを行う際に手元にあると思考が膨らみます。

 

  • 転用:他の使い道はないか?
  • 応用:他の製品やサービスからアイデアを借用できないか?
  • 変更:意味、色、動き、音、匂い、様式、型などを変えられないか?
  • 拡大:大きくできないか?
  • 縮小:小さくできないか?
  • 代用:他の素材、アプローチ、要素で代用できないか?
  • 置換:何かと入れ替え、置き換えられないか?
  • 逆転:逆にできないか?
  • 結合:他のものと組み合わせられないか?

 

 

多くのフレームワークは、ピラミッド構造やMECEを踏まえて作られています。ロジカルシンキング研修を通じて、ロジカルシンキングの能力を身に付けたうえでフレームワークを使うと、生産性を高める00ことができます。

 

まとめ

ロジカルシンキングは、数値や因果関係、全体と部分などを適切に扱う思考方法です。ビジネスの多くは数値で表現できる指標をゴールとして、計画・現状の把握・対策を行い、達成を目指します。この過程でロジカルシンキングの能力は必須です。

 

社員一人ひとり、また管理職層がロジカルシンキングの能力をどれぐらいのレベルで持っているかで、経営の実行力が変わってくるでしょう。

 

経営やビジネスの全体像を整理して戦略を考えるうえでも、ロジカルシンキングは必須です。経営戦略やマーケティングのフレームワークは、ピラミッド構造やMECEなどのロジカルシンキングの考え方に基づいて設計されています。従って、ロジカルシンキングの能力を持っているかで、フレームワークを効果的に使えるかも変わってきます。

 

このようにロジカルシンキングはビジネスにおいて必須なものであり、社員のロジカルシンキング力を高めるための研修は非常に重要です。一方で、ロジカルシンキングは得意/苦手が比較的はっきりしている分野です。

 

従って、ロジカルシンキングの研修を考えるうえでは、通常の研修以上に「ロジカルシンキングが得意な人を伸ばすのか、ロジカルシンキングが得意でない人を底上げするのか」、また、「研修を通じてどんな課題の解決、状態の実現を目指すのか」という目的と目標の設定が重要です。

 

対象者や目的・目標に応じて、概念的な研修を行うのか実践的な研修を行うのか、適切な研修プログラムを選んでいきましょう。

著者情報

近藤 浩充

株式会社ジェイック|常務取締役

近藤 浩充

大学卒業後、情報システム系の会社を経て、ジェイックに入社。執行役員としてIT技術者の派遣を行う「IT戦略事業部」の創設、全社のマーケティング機能を担う「経営戦略室」室長を歴任。取締役/教育事業部長として、社内の人材育成、マネジメントで手腕を磨く。2013年には中小企業向け原田メソッド研修の立ち上げを企画推進し、自部門および全社の業績を向上させた貢献により、常務取締役に就任。カレッジ事業本部長、マーケティング本部長、教育事業本部長等を歴任。

著書、登壇セミナー

・社長の右腕 ~上場企業 現役ナンバー2の告白~
・今だからできる!若手採用と組織活性化のヒント
・withコロナ時代における新しい採用力・定着率向上の秘訣
・オンライン研修の「今と未来」、社員育成への上手な取り入れ方
・社長が知っておくべき、業績達成する目標管理と人事評価
・社長の右腕 ~ナンバー2の上司マネジメント / 部下マネジメント~
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・社長の右腕 10の職掌 など

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