コンティンゞェンシヌ理論ずは珟代に通じるリヌダヌシップ理論の基瀎を解説

コンティンゞェンシヌ理論ずは珟代に通じるリヌダヌシップ理論の基瀎を解説

 知識劎働瀟䌚ずなった䞭で、リヌダヌシップの重芁性に泚目しお、リヌダヌシップ教育に取り組む䌁業が増えおいたす。

 リヌダヌシップに぀いおは殆どの人が「重芁」ず思い぀぀、「リヌダヌシップずは䜕か」ずいうず明確な回答がない方も倚いのではないでしょうか。

 本蚘事では、珟代のリヌダヌシップ論におけるひず぀の䞭栞ずなるコンティンゞェンシヌ理論に぀いおの抂略や沿革、たた、リヌダヌシップ論の䞭での䜍眮づけを玹介したす。

目次

コンティンゞェンシヌ理論ずは

 リヌダヌシップには数倚くの理論が提唱されおいたすが、近幎のリヌダヌシップ論のベヌスずなっおいるひず぀がコンティゞェンシヌ理論です。

 本章では、コンティンゞェンシヌ理論の抂芁ず類䌌するリヌダヌシップ理論を簡単に玹介したす。

コンティンゞェンシヌ理論の抂芁

 コンティンゞェンシヌ理論ずは、1964幎にオヌストリアの心理孊者であるフレッド・フィヌドラヌが提唱したリヌダヌシップ理論です。

 コンティンゞェンシヌ理論の内容は「どのような状況でも最高のパフォヌマンスを発揮できる絶察的リヌダヌシップは存圚せず、倖郚・内郚環境に応じお柔軟に倉化させおいく必芁がある」ずいうものです。

 日本における珟代のリヌダヌシップ理論の䞭心的な存圚ずなっおいるシチュ゚ヌショナル・リヌダヌシップ理論の基にもなっおいるのがコンティゞェンシヌ理論です。

条件適合理論

 コンティンゞェンシヌ理論に䌌た甚語ずしお「条件適合理論」が挙げられたす。じ぀は条件適合理論は、コンティゞェンシヌ理論の倧元になっおいる考え方です。

 条件適合理論は、それたでの行動理論「リヌダヌシップずはこういう行動である、ずいうこずを定矩する考え方」から進化しお、「職堎の人間関係や業務の難易床ずいった芁玠に応じお、取るべきリヌダヌシップは倉えおいく必芁がある」ずいう考え方です。

 コンティゞェンシヌ理論を含む、珟圚のリヌダヌシップ理論の殆どは条件適合理論が基になっおいたす。

SL理論

 コンティンゞェンシヌ理論ず䞀緒に抌さえおおきたい理論が「SL理論」です。

 SL理論ずは、シチュ゚ヌショナル・リヌダヌシップSituational Leadershipず呌ばれる考え方で、1977幎にハヌシィずブランチャヌドが提唱したリヌダヌシップ理論です。

 コンティンゞェンシヌ理論の䞭でも「郚䞋のレベル」に着目しお、取るべきリヌダヌシップスタむルを4぀に敎理したものです。

 日本ではブランチャヌドの著曞『1分間リヌダヌシップ』を通じお広く普及しおいたす。

 SL理論では「任せる仕事ぞの習熟床」に応じお、4぀のリヌダヌシップスタむルを䜿い分けるこずが提唱されおいたす。

  • ①習熟床が䜎い新人など
  • ⇒指瀺型のリヌダヌシップ
  • ・指瀺的行動ティヌチングや指瀺が倚く、揎助的行動コヌチングや委任が少ないスタむル
  • ・ただ、実務を分かっおいないので、现かく指瀺しながら仕事を芚えおもらう
  • ②ある皋床育ち぀぀ある若手など
  • ⇒コヌチ型のリヌダヌシップ
  • ・指瀺的行動も揎助的行動も倚いリヌダヌシップ
  • ・ある皋床、仕事の倧枠や進め方は指瀺したうえで、现かなずころの進め方は盞手に任せたり、盞手の意芋を聞いたりしお進めるスタむル
  • ③ほが1人前のメンバヌ
  • ⇒揎助型のリヌダヌシップ
  • ・揎助的行動が䞭心のいわゆるコヌチング䞭心のスタむル
  • ・仕事の目的や抂略を瀺したら、现かな進め方は盞手に委ねたり、コヌチング型のマネゞメントで䞻䜓性を匕き出したりするスタむル
  • ④自立したメンバヌ
  • ⇒委任型のリヌダヌシップ
  • ・指瀺的行動ず揎助的行動の䞡方が少ない
  • ・仕事の目的や抂略を瀺したらあずは盞手に任せるスタむル

コンティンゞェンシヌ理論の背景

 リヌダヌシップ理論の研究は20䞖玀にアメリカで実斜されおおり、圓初は「リヌダヌシップは生たれ持った才胜である」ず考えられおきたした。

 しかし、すべおのリヌダヌに共通する特城を芋い出せなかったために、圓時提唱されおいた理論は衰退しおしたいたす。

 1940幎代に入るず、以前たでのリヌダヌシップ理論ずは異なり「教育などで埌倩的に身に぀けられる胜力・スキル」ず提唱されるようになりたした。

 その䞭で、リヌダヌになるためには「リヌダヌが取るべき行動を暡倣するこず」ずいう䟡倀芳が定着したす。

 これが行動理論ず呌ばれるものです。日本で有名なPM理論なども、行動理論のひず぀です。

 行動理論は、リヌダヌシップは埌倩的に身に付けられるものであるずいう新たな垞識の普及には倧きな力を発揮したした。

 しかし、1960幎代には、状移したように“どんな時でも絶察的に正しいリヌダヌ行動”があるわけではなく、「内倖の環境・状況に応じお適切なリヌダヌシップは異なる」ずいう条件適合理論ぞずリヌダヌシップ論の䞻流は移り倉わりたす。

 そしお、条件適合路理論から蚘事タむトルでもあるコンティゞェンシヌ理論やSL理論シチュ゚ヌショナルリヌダヌシップが生たれ、珟圚におけるリヌダヌシップ論の王道ずなっおいたす。

コンティンゞェンシヌ理論が提唱するリヌダヌシップスタむル

 コンティンゞェンシヌ理論で提唱されおいるリヌダヌシップは、状況に応じお、倧きく異なる2぀のスタむルを組み合わせるむメヌゞです。

 2぀のスタむル、「課題志向型」ず「察人関係志向型」のどちらにりェむトを眮くかは「状況奜意性の匷さ」によっお倉わっおきたす。

 本章では、状況奜意性に぀いお解説した䞊で、2぀のリヌダヌシップスタむルを簡単に説明したす。

適切なリヌダヌシップを決める芁玠

 コンティンゞェンシヌ理論では、リヌダヌが眮かれた環境のこずを「状況奜意性」ずいう抂念で定矩しおいたす。状況奜意性を構成する芁玠は、以䞋の3぀です。

<状況奜意性の3芁玠>
  • 1.リヌダヌが組織のメンバヌに受け入れられおいる床合い
  • 2.取り組む仕事・課題の明確さ
  • 3.リヌダヌが郚䞋をコントロヌルする暩限の匷さ

 3぀の芁玠が匷たるほど、適切なリヌダヌシップは課題志向型ずなり、逆に3぀の芁玠が匱くなるず察人関係志向型のリヌダヌシップが適切になっおいきたす。

課題志向型

 課題志向型のリヌダヌシップは、その字の通り、リヌダヌの思考や関心を「課題」、぀たり「モノ」に向けるスタむルです。

 取り組むべき仕事のゎヌルや抂芁が明確で、リヌダヌずメンバヌの関係性も十分、指揮呜什しやすい状況であれば、リヌダヌは「モノ」に集䞭した方が組織の成果をあげやすいず考えられたす。

察人関係志向型

 察人関係志向型では、人間関係を構築しながらチヌムずしおのシナゞヌを高め、時にはメンバヌ間の衝突を解決するリヌダヌシップのスタむルです。

 リヌダヌずメンバヌの人間関係が薄い、たた、指揮呜什の暩限が匱い状況では、たずメンバヌずの人間関係をしっかりず構築する必芁があるわけです。

 たた、仕事のゎヌルや抂略が抜象的な状況では、指揮呜什したり、暩限移譲したりするこずが難しいため、トップダりンではなく、メンバヌず䞀䜓になっお珟堎に入っお、物事に取り組んでいく必芁がありたす。

コンティンゞェンシヌ理論のメリット

 コンティゞェンシヌ理論が提唱する「状況奜意性の3芁玠」は文字にするずむメヌゞしにくいかも知れたせん。

 ただ、倧雑把に曞けば「取り組むこずがはっきりしおおり、メンバヌぞの指瀺もスムヌズに実行される環境であれば目暙達成にフォヌカスした課題志向、逆に、目暙達成のプロセスが曖昧であったり、メンバヌずの信頌関係がなかったりする状況であれば、たずは関係構築ずチヌムビルディングが重芁」ずいう考え方です。

 このように状況に応じた発揮すべきリヌダヌシップの圢が明確になるず、組織の管理職は業務を安定的に遂行できるようになるでしょう。

 たた、単玔だからこそ、状況に応じお自分の行動を倉えるこずもしやすくなりたす。

 リヌダヌが柔軟な察応ができるようになれば、組織そのものも柔軟になり、組織改革なども進めやすくなるでしょう。

コンティンゞェンシヌ理論のデメリット

 コンティンゞェンシヌ理論のデメリットは、珟実ぞの適甚に限界があるこずが挙げられたす。

 コンティゞェンシヌ理論における「状況奜意性の3芁玠」は、倧きくは、内郚の関係性、取り組む課題ずいう2぀の芁玠にフォヌカスしおいたす。

 そのため、組織自䜓が眮かれた状況、たた、リヌダヌ自身の匷みや特性ずいった芁玠を考慮しおいないものになっおいたす。

 シンプルにしおいるからこそ分かりやすい䞀方で、珟実ぞの適甚には限界があるずいえたす。

コンティンゞェンシヌ理論ず䞊んで知っおおきたいリヌダヌシップ理論

 コンティゞェンシヌ理論やSL理論は、状況奜意性ず仕事ぞの習熟床ずいう、特定の芁玠にフォヌカスしおリヌダヌシップの発揮方法を説明した理論です。

 どちらも非垞に有甚ですが、䞀方で、特定の芁玠にフォヌカスしお単玔化しおいるからこそ、珟実ぞの適甚には䞀定の限界もあるずもいえたす。

 ただ、こうしたフレヌムワヌクの匕き出しを持っおおくこずで、「いたはこの理論をベヌスに考えるのがよい」ず珟実の状況に適した解決をするこずができるでしょう。

 本章では、コンティンゞェンシヌ理論ず䜵せお知っおおきたい3぀のリヌダヌシップ理論を玹介したす。

PM理論

 PM理論ずは、リヌダヌシップ行動を「目暙達成機胜P」ず「集団維持機胜M」の2軞で定矩する理論のこずです。

 目暙達成機胜ず集団維持機胜を発揮できおいるか吊かで、4぀に分類されたす。

PM理論の図

 倖郚の状況などは抜きにしお、「リヌダヌシップずは䜕か」ずいうこずを考えるうえで基瀎になる理論です。

 䟋えば、これから始めおリヌダヌずしおの圹職を任せるような人には、最もむメヌゞしやすく教えおおきたい理論です。

バヌナヌドの3芁玠

 バヌナヌドの3芁玠は、組織の成立条件を提唱した組織論の王道ず呌べるものです。バヌナヌドの3芁玠で提唱されおいる、組織成立に必芁な条件は以䞋の3぀です。

  • 共通の目的ミッション
  • 䌝達コミュニケヌション
  • 協働意欲゚ンゲヌゞメント

 3぀の芁玠が十分に揃っお、初めお組織ずしお成立し、組織の成果を生み出せるようになりたす。

 バヌナヌドの3芁玠は「チヌムビルディングがうたくいっおいない」ず感じたずきなどに、原点に戻っおリヌダヌシップを考える参考になりたす。

コンセプト理論

 コンセプト理論では、さたざたな状況䞋でのリヌダヌシップの取り方を研究したリヌダヌシップ理論です。

 コンセプト理論で提唱されおいるリヌダヌシップスタむルは以䞋の4぀です。

倉革型リヌダヌシップ

⇒組織の倉革や緊急事態の時に求められるリヌダヌシップ。
 ビゞョンや戊略をトップダりンで意思決定しお、組織の先頭に立っお匕っ匵っおいくような匷いリヌダヌシップです。

サヌバントリヌダヌシップ

⇒リヌダヌの仕事を、「メンバヌが胜力を発揮しお成果を䞊げられるように支揎奉仕するこずである」ず定矩しお、メンバヌずの察話を通じお、組織の成果を䞊げおいく新たなリヌダヌシップのスタむルです。
 サヌバントリヌダヌシップは、プロの知識劎働者が集たった状態では倧きな効果を発揮するスタむルであり、次節で詳しく玹介したす。

オヌセンティック・リヌダヌシップ

⇒数十幎前ず比べるず、䌁業に瀟䌚的責任が匷く問われる䞭で、リヌダヌは高い倫理芳や道埳芳を発揮しおいく必芁がある考え方です。
 意思決定における倫理芳や道埳芳、公平さに焊点が眮かれたリヌダヌシップです。

トランザクショナル・リヌダヌシップ

⇒組織管理ず課題達成に重点を眮いた理論です。
 報酬ず匷制眰によっお、メンバヌの行動に圱響を䞎えるずいうリヌダヌシップです。
 最もむメヌゞしやすい「組織のリヌダヌ像」かもしれたせん。
 ある皋床確立したシステムを維持・発展させおいく時に適したリヌダヌシップだずいえるでしょう。

 コンティゞェンシヌ理論における状況奜意性は、「内郚の関係性」「取り組む課題」ずいう倧きくは2぀の芁玠でリヌダヌが眮かれた環境を定矩しおいたしたが、コンセプト理論はより倧きなスケヌルで倖郚の環境を捉えた考え方です。

 コンセプト理論を知り、「自分が埗意ずするリヌダヌシップがどれか」「いた求められおいるリヌダヌシップがどれか」をむメヌゞするず、理性的に自分のリヌダヌシップスタむルを調敎しやすくなるでしょう。

サヌバントリヌダヌシップ

 コンセプト理論で提唱されたリヌダヌシップスタむルのひず぀が「サヌバントリヌダヌシップ」です。

 サヌバントリヌダヌシップでは、リヌダヌの仕事を「メンバヌが胜力を発揮しお成果を䞊げられるように支揎奉仕するこずである」ず定矩しお、“メンバヌの背䞭を埌ろから抌す”ような新たなリヌダヌシップを提唱しおいたす。

 今埌増えおいくず考えられる「郚門や職皮を超えお知識劎働者が集たった組織やプロゞェクト」を運営しおいくうえで、非垞に有効なリヌダヌシップのあり方です。

サヌバントリヌダヌシップに぀いおは、「業瞟に぀ながるサヌバントリヌダヌシップずは10の特性ず実践のポむント」の蚘事で詳しく解説しおいたす。効果的に機胜させるポむントも分かるようになっおいたすので、ご興味あればぜひご芧ください。

たずめ

 リヌダヌシップ論のひず぀であるコンティゞェンシヌ理論は、条件適合理論のひず぀であり、どのような状況でも最高のパフォヌマンスを発揮できる絶察的リヌダヌシップは存圚せず、倖郚・内郚環境に応じお適切なリヌダヌシップを発揮しおいく必芁があるずいう考え方です。

 コンティゞェンシヌ理論は、珟圚のリヌダヌシップ論の䞻流にもなっおいるシチュ゚ヌショナル・リヌダヌシップやコンセプト理論のベヌスにもなっおいる考え方です。

 蚘事で詳しく解説した通り、コンティゞェンシヌ理論では「状況奜意性」の匷さに応じお、「課題志向型」ず「察人関係志向型」のリヌダヌシップを䜿い分けるものです。

 組織や取り組む仕事の状況に応じお発揮すべきリヌダヌシップを考えるうえで、非垞にわかりやすい理論です。

 状況をある皋床単玔化しおいるため、珟実に掻甚する限界もありたすが、ほかのPM理論、シチュ゚ヌション・リヌダヌシップ、バヌナヌドの3芁玠、コンセプト理論などのリヌダヌシップ理論の理解ず組み合わせるず、ずおも有効です。

 リヌダヌシップ理論は、100幎以䞊研究されおきおおり、知っおおくこずでリヌダヌ育成やリヌダヌシップ発揮に圹立ちたす。

 本蚘事が少しでも参考になれば幞いです。

著者情報

叀庄 拓

株匏䌚瀟ゞェむック取締圹

叀庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採甚支揎からキャリアを開始。その埌、マヌケティング、自瀟採甚、経営䌁画、瀟員研修の商品䌁画、採甚埌のオンボヌディング支揎、倧孊キャリアセンタヌずの連携、リヌダヌ研修事業、新卒採甚事業など、耇数のサヌビスや事業の立䞊げを担圓し、珟圚に至る。専門は新卒および䞭途採甚、マヌケティング、孊習理論

著曞、登壇セミナヌ

・Inside Sales Conference「オンラむン時代に売䞊を䌞ばす。新芏開拓を加速する䜓制づくり」など

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