サーバントリーダーシップとは?
そもそもサーバントリーダーシップとはどのようなもので、従来のリーダーシップと何が違うのか、基本的な事項を解説します。
サーバントリーダーシップの特徴
「サーバント=使用人、召使い」という語を冠していることからもわかるとおり、サーバントリーダーシップとは、「リーダーとはメンバーに奉仕するものである」という考えに基づくリーダーのあり方です。
“奉仕する”といわれると違和感があるかもしれませんが、サーバントリーダーシップにおいて、「リーダー」はそれぞれのメンバーが持っている力を最大限に発揮できるようにサポート(支援)する役割を担います。そのため、サーバントリーダーシップは「支援型リーダーシップ」ともいわれます。
スターバックスの取締役として同社を世界的企業へと成長させたハワード・ビーハー氏は、「すべての人に尽くす人間こそが最も有能なリーダーである」と述べており、これこそが、サーバントリーダーシップの考え方であるといえるでしょう。
支配型リーダーシップと支援型リーダーシップの違い
サーバントリーダーシップ・支援型リーダーシップの対局に置かれるのが、「支配型リーダーシップ」です。支配型リーダーシップでは、リーダーが部下に指示や命令をすることにより、成果を目指します。
強い意志と卓越した能力でチームを引っ張るリーダー像は、支配型リーダーシップにおけるリーダーのあり方です。これに対して支援型リーダーシップは、部下の能力や強みをうまく引き出し、チームの成果につなげていきます。支配型がピラミッドだとしたら、支援型は逆ピラミッドのような構造です。
サーバントリーダーシップの中では、各メンバーは、上司の指示を受けて義務感で動くのではなく、自分の意志で主体的な行動を取ることが可能になります。
サーバントリーダーシップが注目される背景
サーバントリーダーシップは、もともとアメリカで生まれた考え方です。サーバントリーダーシップが日本でも注目されるようになった背景には働き方の変化があります。
まず技術の進化に伴って、単純労働はどんどん機械やITに置き換えられ、人間には機械やITには生み出せないホスピタリティや創造的なアイデアが求められるようになっています。それに伴って、リーダーが経験や知識に基づいて指示・命令して、メンバーが実行すれば成果が出ていた時代から、メンバー一人ひとりが考えることが必要な時代となってきました。
同時に、これまで終身雇用や大家族主義といった中に存在していた企業と従業員、リーダーとメンバーとの間に生じていた精神的な“上下関係”も崩壊しつつあります。90年代の不景気やリーマンショック等で行なわれたリストラ等により、「企業は社員の一生を守ってくれるわけではない」という価値観が当たり前になりました。その中で転職も当たり前になり、フリーランスや兼業・副業といった働き方が生まれ、組織内においても、プロジェクト型の働き方等が増えてきました。
結果として、リーダーが上下関係、また個人の力でチームをコントロールするのではなく、メンバーそれぞれの能力や意志を活かすことでチームとしての成果を目指すサーバントリーダーシップの考え方が注目されるようになっています。
サーバントリーダーシップで期待される効果
サーバントリーダーシップには、いくつかの効果が期待できます。まずリーダーが一人ひとりの声に耳を傾けるスタイルは、メンバーのモチベーションを向上させます。高いモチベーションは、業務効率や生産性の向上に寄与するでしょう。
また、メンバーの自主性が尊重される環境で、上司と部下との信頼関係はより強固なものとなります。そうした信頼関係のもとでは、立場を超えたディスカッションが活発になり、優れたアイデアが生まれ、結果として組織全体の生産性も向上します。
サーバントリーダーシップを提唱したロバート・K・グリーンリーフ氏の著作は、日本語にも翻訳されています。サーバントリーダーシップを詳しく知りたい方は、以下の書籍から深く学ぶのもおすすめです。






