「思考停止ワード」という言葉をご存じでしょうか。その名の通り、「思考停止に陥っている人が使う」、もしくは「思考停止につながる」言葉という意味です。
皆さんは、職場で無意識のうちにこの言葉を発していないでしょうか。今回は思考停止ワードの例を挙げ、仕事の思考を停止させる原因と改善法を考えます。
<目次>
思考停止ワードの例
「仕方がない」
日常でもよく聞く言葉ですが、職場でも使う方が少なくありません。
「忙しかったのでミスをしてしまった」「電車遅延で待ち合わせに遅れた」「できると見込んでいたができなかった」などの失敗を、「仕方がない」で片付けていないでしょうか。
本来は同じ失敗を繰り返さないように対策を考えなくてはならないところですが、「仕方がない」の一言で思考停止に陥ってしまうのです。
「これまでと同様」
「今まで同じやり方でやってきたのだから、変える必要はない」というニュアンスが含まれた思考停止ワードです。
1度決めた仕事の進め方や社内ルールを変更することは面倒ですが、非効率的な仕組みをいつまでも続けることは問題です。
ビジネスを取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。日々の業務も常に見直しを行い、仕事の品質を高められる余地はないか、より早くできる方法はないかなどの改善策を検討することが大切です。
しかし、この思考停止ワードが出てきた瞬間、状況を好転させるきっかけが消えてしまいます。
「忙しい・時間がない」
忙しくて時間がないために出る言葉ですが、聞かされる側はうんざりしてしまいます。忙しさを緩和する工夫、時間をつくる工夫をしようという意思が感じられない、典型的な思考停止ワードです。
「無理」
このワードほど改善や成長の機会を奪ってしまう言葉はないでしょう。「無理」が口癖の方は、状況に対処しようという意識を持っていない可能性があります。
思考停止ワードを使ってしまう原因
前述のワードの他にも、「ゆとり世代」「空気を読め」などの数々の思考停止ワードがあります。それでは、なぜこのような言葉を使ってしまうのでしょうか。
その原因は、職場に起因する場合と個人に起因する場合の2つに分けられます。
「仕方がない」「これまでと同様」が多用されるのは、職場の雰囲気が原因の場合が少なくありません。
例えば、職場内が上司の言ったことには逆らえない雰囲気であったり、従業員同士の意見の衝突を好まない雰囲気であったりすると、思考停止ワードが使われがちです。
一方、「忙しい」「時間がない」「無理」は、仕事に対するあきらめや自分ができないことを人のせいにしようとする心理が働いていると考えられます。
思考停止しないための改善法
思考停止に陥ることを防ぐためには、どのように対処すべきでしょうか。
ぜひおすすめしたい方法は、思考停止ワードを発しそうになったときに「なぜ」「どうすれば」と考えてみることです。
「業務を時間内に終わらせることは難しい」「目標達成は不可能」と感じた場合、「なぜ時間がないのか」「どうすれば実現できるのか」を考えることで、何かしら工夫や改善策が見つかるものです。
困難な状況に対して思考停止してしまえば、そこで終わりです。課題に真正面から向き合い、アクションを起こすことにより、新しい未来が開けます。
おわりに
考えることは、仕事をする上で最も重要な行為です。「面倒だから考えない」「どうせ変わらないので考えない」など、考えることを拒否する理由はいくらでもあるでしょう。
しかし、仕事の効率や業績、職場を取り巻く環境などを改善し、自らの可能性も伸ばすためには、思考停止ワードに対して「なぜ」「どうすれば」と問いかけることが大切です。