営業活動の全体像や考え方を伝えたうえで、営業活動に活用できるテクニックを伝えていきます。
営業に役立つテクニックはたくさんありますが、一例として「ザイアンスの法則」と「チャルディーニの法則」を紹介します。他にもプレゼンテーション技法やアイスブレイキング、信頼関係(ラポール)の形成なども営業に役立つテクニックです。
スキルやテクニックは重要ですが、全体像やベネフィットの考え方を理解しないと、「テクニックだけ」になり、大きな成果は上がりません。基盤になる考え方をしっかりと浸透させたうえでテクニックを教えましょう。
ザイアンスの法則
「ザイアンスの法則」は「単純接触効果」とも呼ばれる概念で、心理学者ロバート・ザイアンスによって提唱されたものです。
ザイアンスの法則は、
- 人は知らない人には、攻撃的・冷淡になる
- 会えば会うほど、警戒心が薄れ、好感を持ちやすくなる
- 相手の人間的な側面を知ると、感情的な結びつきがより強くなる
というものです。
営業活動の中で新たな顧客と信頼関係を築くには、一定の時間がかかりますが、ザイアンスの法則を応用すれば信頼関係を築きやすくなります。
例えば、訪問前後にメールや手紙等で事前連絡や御礼を送ることは接触頻度を高める効果があります。また、オンライン営業であれば、プロフィールや趣味、経歴等が書かれたプロフィールURLを事前に送付することが非常に効果的です。SNS等で繋がることも接触頻度を高めやすくなるでしょう。
チャルディーニの法則
「チャルディーニの法則」は、社会心理学者ロバート・B・チャルディーニが提唱した行動心理の法則です。以下6つの心理を理解してうまく活用すると、営業活動の成功率が高まるでしょう。
1.「返報性」
人は親切を受けるとお返しをしなくてはならないと思う心理が働く。まず相手の要望を受け入れたり、相手の役に立ったりすることで、自分の要望も受け入れてもらいやすくなる。
2.「一貫性」
人は自らの言動に一貫性を持たせようとする心理が働く。例えば、「人材育成に力を入れるべきだ」という合意を取ると、「教育投資をすること」に対しても肯定的な返事をもらいやすくなる。
3.「社会的証明」
人は物事について、当事者の発言よりも第三者の評価のほうが信じられるものだと感じる。従って、表彰された実績を見せたり、第三者による顧客満足度の調査結果、顧客の声などを活用したりすると商品・サービスの品質が信頼されやすい。
4.「好意」
人は親密な関係にある人物や友好的な人物からの依頼は引き受けたくなる心理が働く。顧客とのあいだに人間関係を築くことが重要である。
5.「権威」
自分より目上の人物のアドバイスや知識は価値あるものだと感じて、従いたくなる心理が働く。商品・サービスの知名度や自分の資格、専門性などを示すことが有効に働く。
6.「希少性」
人には希少なものは欲しくなる心理が働く。貴重なチャンスであること、購入できる機会や期日が残り少ないことをアピールすると有効なケースがある(期間限定のキャンペーンや限定○社など)
営業力を鍛えるロールプレイング
プレゼンテーションなどの技術以外にも、ザイアンスの法則やチャルディーニの法則のような心理学や行動心理に関する知識は、営業活動に有効に活かせます。
ただし、こうしたスキルやテクニックを実際の営業活動の中で実践できるようになるには、知識のインプットだけでなく、アウトプットできるようにする必要があります。アウトプットの手段としては、ロールプレイングを繰り返すことが非常に有効です。
「営業が強い」と言われる企業では、大半がロールプレイングの文化を持っており、入社1~3年間ぐらいは徹底してロールプレイングを行なっています。ロールプレイングのポイントについては、次の章で紹介します。