
新人研修で行なう朝礼も、上述のように会社や状況によっていくつかの目的があり、朝礼で得られるメリットも、実施するプログラムによって変わってきます。本章では新人研修で朝礼を実施することに関して、よくある目的や作り出せる効果をいくつか紹介します。
新人のモチベーションや状況を把握する
研修期間中の新人は、学生時代から生活リズムが変わり人間関係も変わった中で、新しい知識や心構えを詰め込んでいる状態です。かなりストレスも多く、仕事ではないところで気がかりや引っかかりが生じている状態のこともあります。
そのため、朝礼内で新人の表情や声を見て、モチベーションや状況を把握することは非常に大切です。
朝礼時間は、まだ研修が始まっていないため、新人も素の状態が出やすい傾向があります。とくに朝礼の前後などで少し雑談・会話することでリスクの把握や悩みの解消もしやすくなります。
同期の連携を深める
新人の同期は、研修中に支え合う仲間であり、部門配属後も組織内連携を行いやすい大事なつながりとなります。朝礼で相互理解を目的としたプログラムを実施することで、同期のコミュニケーションも強くすることができます。
特にリモートワークが進んでいたり、物理的に離れた拠点に配属されたりする場合などは、新人研修の期間中に「同期の絆」をしっかりと作ることがポイントになります。
企業に馴染む
「組織社会化」という組織に馴染むプロセスのなかでも、組織の既存メンバーと交流をはかり、人間関係を築くことは非常に大切です。特にリモートワーク中の企業の場合、新人と先輩社員との交流が持ちにくいため、朝礼中にコミュニケーションを促進するプログラムを取り入れることもおススメです。
例えば、毎日の朝礼に先輩社員が1人参加して自己紹介や質問を受けるだけでも、新人の組織への馴染みやすさが促進されることでしょう。何度か実施することで、部門配属後の仕事内容などもイメージが深まり、不安が解消されやすくなります。
組織のミッションなどを浸透させる
新人研修中の朝礼は、組織のミッションやビジョン、バリューを実務や具体的な行動と紐づけて浸透させるうえでも役立ちます。
世界トップランクのホテル「リッツ・カールトンの朝礼」は、クレドと呼ばれる企業理念を浸透させるための場として非常に有名です。「ラインナップ」と呼ばれるリッツ・カールトンの朝礼では、理念が書かれたクレドカードを使いながらディスカッションを行なっています。
ミッションやバリューは抽象的な表現であることが多いため、朝礼などを使って、ケーススタディの繰り返しや実践事例の共有で浸透させていくことが有効です。
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一日のスケジュールやゴールを明確化する習慣を作る
新人研修の効果を高めるには目的意識を持って研修を受けてもらうことが大切です。また、OJTや部門配属後は、自分でスケジュールを決めたり、自由に動ける時間が増えたりする分、スケジュール設計やゴール設定の習慣がより重要になってきます。
朝礼を通じて、「朝の時点で一日のスケジュールやゴールを明確にした状態で仕事を始める」習慣を作りましょう。
ロジカルコミュニケーション力を高める
ビジネスでは「端的でわかりやすい発信力(ロジカルコミュニケーション)」が必要です。ロジカルコミュニケーション力が低い状態で部門配属されると、新人の報連相が問題になりがちです。
ロジカルコミュニケーション力を育てるためには、30秒や1分、3分などで、端的に事実と意見を発信できるようにするトレーニングがおススメです。
例えば、「経済ニュースなどで1つ気になったものをピックアップして、1分間で相手に記事の内容と意見を伝える」といったペアワークを朝礼で繰り返すと、ロジカルコミュニケーション力を鍛えられます。