オンボーディングとは?
オンボーディングとは、新卒や中途を問わず“採用した新人”を組織や部署の環境に馴染ませ、早期のうちに能力を発揮できるようにする一連のサポートプログラムです。
もともと「船や飛行機に乗り組む」という意味のon-boardから派生した言葉であり、「船や飛行機に新たに乗り込んできたクルーや乗客に必要なサポートを行ない、環境に慣れてもらうプロセス」を指すものでした。それが転じて、ビジネスやHRの世界では、「組織への受け入れプロセス」を指す用語として使われています。
オンボーディングが求められる背景
オンボーディングはもともと欧米企業においては、従来から実施されている取り組みでしたが、それが昨今、日本企業でも注目されるようになった背景は何でしょうか。
従来までの日本企業では、人員構成は「新卒採用」を中心に行なわれることが一般的でした。日本における新卒採用は、中途採用とは明確に識別された“一括ポテンシャル採用”です。4月1日に一斉に入社して、入社後は社会人としての心構えからビジネスマナーに至るまで、長期間の集合研修を行なう仕組みがあります。
一方で、転職が当たり前になってきたことに伴って、企業の採用活動において「中途採用」の比率も徐々に増えてきました。中途採用の場合、多くの場合は社会人経験者であり、かつ、個別のタイミングでバラバラと入社してくることになるため、十分な初期教育が実施されない状況が一般的でした。
逆に、ポテンシャル一括採用の文化がない欧米では、「個別のタイミングでバラバラと入社する」ことが当たり前であり、それに対応できる初期教育の仕組みとして、オンボーディングが整備されてきました。
日本でも、中途採用の比率が増える中で、個別入社してくる中途社員へ対応できる仕組みとしてオンボーディングを導入する企業が拡がっています。
また、オンボーディングの普及が進むもう一つの背景として、「中途社員は社会人経験や業界経験があるとしても、自社の組織に馴染むための初期教育をちゃんと行なわないと、スムーズに組織に溶け込み、能力を発揮することはできない」という認識が広がっていることもあります。
オンボーディングと新卒受け入れ研修との違いとは?
オンボーディングは、従来の新卒受け入れ研修とどのように違うのでしょうか。最も大きな違いは「対象となる人」です。新卒受け入れ研修は「新卒で入社する新人」だけが対象ですが、オンボーディングは「中途社員」も対象となります。
また、従来の「中途受け入れ研修」等とは、実施するスパンが違うことも大きな特徴です。日本では、新卒の受け入れ研修は4月~6月の3か月ぐらいの長期間にわたって実施されます。一方で、中途の受け入れ研修は入社直後に単発で行なわれるケースが大半でした。
これに対してオンボーディングは、社員が組織に馴染み、戦力化するまで3~6か月の継続的なプロセスになっています。
さらに、従来の受け入れ研修は、入社した本人と人事部門だけで進めるプロセスであることが大半ですが、オンボーディングは、OJT指導者や上司等も含め、社内のさまざまな立場の人を巻き込むプログラムであることが特徴です。






