
内定辞退を減らす・防ぐには、大前提として接触頻度を高く保つことが重要です。接触頻度を高くしつつ、以下の対策を実施するとよいでしょう。
不安を解消するための定期的な情報発信
内定承諾後は、選考期間中や内定承諾までの連絡頻度と比べて、連絡頻度が落ちるのが一般的です。
人事からすれば、たとえば、まだ採用目標人数に足りていないため、ほかの学生の母集団形成や選考で忙しい、翌年度の採用活動がスタートしているといった事情があるでしょう。
一方で、学生からすれば、内定から入社まで企業から何の音沙汰もない状態が続けば、「この企業は大丈夫なのかな?」などの不安が生じてしまいます。
また、「内定承諾したら対応が雑になった……(入社後はもっと疎かになるかも……)」といった気持ちが生じることも避けられないでしょう。
したがって、内定辞退を防ぐには、フォローメールなどを通して、企業側から定期的かつ親しみのある接触を続けることが基本となります。
まずは、以下のような連絡事項をきちんと伝えていくことが必須です。
- 内定~入社までのスケジュール
- 内定式の案内
- 内定者研修の案内
- 入社式の案内 など
上記の連絡に併せて、社内のニュースや先輩の活躍などの情報を発信することが有効です。
さらにたとえば、内定者研修までに各自に学んで欲しい教材なども、最初にすべてをまとめて発送するのではなく、小分けにするなどすると、接触機会を増やしやすくなるでしょう。
SNSやWeb会議を使った定期的なコミュニケーション
最近では、SNSなどをうまく使って、上記のような連絡をすることも有効です。SNSなどを使うときには、内定者にあまり負担をかけない形で、双方向性を持たせることも大切です。
コロナ禍前には、双方向のコミュニケーションとなると対面で実施するケースが多くハードルもありましたが、近年では、Web会議が完全に普及したのでオンラインで座談会等を開催することも容易です。
ほかには、内定者側から質問や相談、既存社員との交流ができる場を設けることも大切です。
定期的にコミュニケーションをとれる手段をつくると、内定者の不安や違和感の早期解決が可能になります。
また、逆説的ですが、コミュニケーションへのレスポンスがない人、イベントに参加しない人などは、入社意欲が落ちている可能性もあると考えられます。
こうした内定者には、内定辞退を防ぐ個別フォローが必要です。
内定者同士のコミュニケーション機会と人間関係の醸成
多くの内定者は、入社後に同期となる仲間と交流したい気持ちを持っています。また、逆に「どんな人と一緒に働くのか?」「合わないかもしれない」といった不安を抱えています。
したがって、内定者同士の人間関係を早期につくることで、入社後の不安を拭い去り、入社後へと気持ちを向けることも可能になるでしょう。
たとえば、SNSなどを使ってクローズなコミュニケーション環境を活用することもおすすめです。
ただし、たとえば、内定者の中に企業に不満をこぼすような人がいた場合、連鎖反応的な内定辞退につながることもあります。
また、内定者間で人間関係のトラブルが起こったりするケースなどもありえます。
こうした問題による内定辞退を防ぐため、内定者同士のコミュニケーションにSNSなどを運用する場合、人事がある程度ケアできるような環境にしたり、ルールを決めたりすることも大切です。
内定者イベントや座談会による魅力の再訴求
内定承諾時の熱を維持、思い出してもらうためには、座談会や懇親会などの内定者イベントを行ない、内定者の頭のなかにある自社の魅力を思い出してもらう、アップデートしていくことも大切です。
もちろん、次に述べる内定者研修なども入社後への意識付けと同時に、承諾理由の再認識の場として活用できるでしょう。
ただし、たとえば、座談会や懇親会で先輩社員が内定者の熱を下げるような発言をした場合、逆効果になってしまう危険性もあります。
したがって、座談会や懇親会に参加する先輩社員の選定や話す内容には注意をする必要があるでしょう。
なお、基本的な参加者選定さえきちんと行なえば、“NG質問”や“言ってはいけない内容”などを作る必要はありません。
しかし、座談会や懇親会を魅了付けにつなげるには、よくある“仕事のやりがいや大変な点”、“入社理由”などの質問に関する回答をきちんと準備しておいてもらうなどの準備は大切となります。
内定者研修や座談会を通じた入社後イメージの強化
ここまで紹介したことと少し重なる部分もありますが、内定ブルーは、先の見えない不安から起こる部分もあります。
不安に対して、先輩社員との座談会や内定者研修は、承諾理由を再認識してもらうと同時に、入社後のイメージを明確にしてもらい、意識を入社後に誘導していくうえでも有効です。
座談会や内定者研修では、たとえば、以下のようなイメージを具体化してもらえるとよいでしょう。
- 入社直後の自分がOJT研修を受けているイメージ
- 入社3年後の自分が現場で活躍しているイメージ
- 先輩社員と仲良く働けているイメージ
- ママになった自分も仕事を続けられているイメージ など
先輩社員が座談会で、たとえば、自分のプロジェクトの面白さなどを楽しそうに語れば、話の良い印象から内定者にポジティブなイメージも生まれやすくなります。
内定者研修で、キャリアビジョンやライフプランを描くことも、上記のような入社後のイメージ強化につながります。