面接官がすぐ使える42の質問事例集!いい面接を行うためのノウハウと心構え

2020/03/31

面接官がすぐ使える42の質問事例集!いい面接を行うためのノウハウと心構え

面接官は、採用選考の合否を決める重要な存在です。“自社に必要な人材、また採用していけない人材を見抜く”のも面接官の役割ですし、同時に面接を通じて“応募者を魅了付けする”ことも面接官の重要な仕事です。

 

人材を見抜く精度を上げたり、魅了付けしたりするためには、面接で生じるバイアスや構造化面接の実施、人間の動機に関する実践的な理論、コミュニケーションスタイルに応じた魅了付けのやり方などの知識やスキルが必要です。加えて、昨今では「応募者に聞いてはいけない質問」などのコンプライアンス的な側面も知っておく必要があるでしょう。

 

その中で「面接官としてのトレーニングを受けたことがない」「何となくやっているけど大丈夫なのか?」といった悩みを感じている面接官の方もいらっしゃいます。良い面接を行うためには、本来は「面接官トレーニング」が必須です。この記事では、面接官に必要な心構えやすぐに使える質問例、求職者に聞いてはいけない質問をわかりやすく解説しています。面接官の教育にぜひお役立てください。

 

すぐ使える!採用面接 42の質問事例集

<目次>

面接官の質問や対応が求職者の印象を左右する!面接官の心得

面接官の心構えとして一番重要なことは、「面接は合否を決めると同時に、応募者を魅了付けする場である」という自覚です。面接は「企業が応募者を選考する場」ですが、同時に「応募者が企業を選ぶ場」です。

 

最近、採用マーケティングの領域では、“採用CX(Candidate Experience)”という考え方が注目されています。採用CXは「応募者が企業を見つけて応募、説明会や選考に参加してから選考を終えるまでにどんな体験をするか」です。採用CXの中でも“面接”は大きな影響を与える要因の1つです。

 

転職サイト「エン・ジャパン」が行った調査では、「面接を受けて『この会社に入社したくない』と思った経験がある」転職者は79.9%もいます。逆に「面接を受けて『この会社に入社したい』と思った経験がある」転職者も67.4%います。面接官の質問や態度が、求職者の志望度に大きく影響するのです。

 

採りたい応募者であれば「面接が終わった時、面接の前よりも志望度が上がっている」状態にすることが面接官の仕事です。では、“内定レベルに達しない応募者であれば、面接官はぞんざいな対応でいいのか”と言えば、そうではありません。いまは面接の内容から面接官の態度まで、すぐネット上に書き込まれる時代です。態度が悪い面接官は企業ブランドを壊し、企業の採用難易度を上げてしまう存在なのです。

 

 

求職者から選ばれている意識を持つ

面接官には、応募者の本質を見抜き、自社で採るべき人材かを見極める役割があります。従って、どうしても「探る」「見極める」「見抜く」といった意識や態度になりがちです。しかし、前述したように面接官には「求職者から選ばれている」という意識が必要です。

 

“求職者1人に何件の求人があるか”、裏を返せば“何社の企業で1人の求職者を取り合うか”を示す求人倍率という指標があります。新卒採用の主な対象になる大卒の求人倍率が1倍を下回る、つまり“求職者よりも求人が少なかった”ことは、過去34年間の調査の中で1回しかありません。

 

とりわけ300人未満の中小企業の求人倍率は、リーマンショック後の2011年3月卒で4.4倍、過去10年間のピークである2019年3月卒では9.9倍となっています。今後、2022年3月卒からは分母となる大卒者の人数が減り始めます。過去10年間は少子化と大学進学率の上昇が釣り合って横ばいだった大卒者の人数ですが、いよいよ少子化が目に見える形で始まります。

 

新型コロナウイルスの感染拡大等によって求人倍率は大きく動きますが、中長期的に大きく低下することなないでしょう。

(出典:リクルートワークス研究所、「第36回ワークス求人倍率調査」

 

不況時でも「4社に3社は採れない」のが中小企業の採用環境です。だからこそ、面接官は自社に必要な人材を見抜くと同時に「選ばれている」ことをしっかり認識する必要があります。

 

 

面接で企業の「魅了付け」を行う

面接の場は、“質問を通じて応募者のことを深く理解する”からこそ、自社の魅力をアピールできる絶好の機会です。どれだけ考え抜いたとしても、採用広告や説明会での情報提供は1対多での発信であり、発信できる情報量も限られます。しかし、面接は1対1の時間の中で、相手のニーズや判断基準に応じて情報提供をできる時間です。

 

面接の「質疑」を通じて、相手の志向性に応じた情報提供を行うことが重要です。実施イメージは非常に簡単です。

 

  • 価値観に関する質問

⇒ 相手の答え

⇒ 相手の価値観と一致する自社の社風、働き方を紹介する

 

  • 会社選びの軸に関する質問

⇒ 相手の答え

⇒ 相手の会社選びの軸と自社がどう一致するかを紹介する

 

  • キャリアプランに関する質問

⇒ 相手の答え

⇒ ロールプランとなるような先輩社員の活躍を紹介する

 

すぐ使える!採用面接 42の質問事例集

すぐに使える!面接官42の質問例

2人の面接官を前に採用面接に臨んでいる求職者

 

面接官は面接の序盤で応募者と信頼関係を築き、“応募者がリラックスして本音や素を見せやすくする”場を作ったうえで、応募者の能力や特性をしっかりと見極め、同時に応募者を魅了付けしていく必要あります。ここでは面接官が活かせる質問42個をご紹介します。

 

 

求職者をリラックスさせる質問

求職者の本音や素を引き出すためには、相手がリラックスした状態をつくることが大切です。最初はあまり考えずに答えられる質問を投げかけたり、相手との共通点を見出していくような質問をしたりして、リラックスした場をつくりましょう。

 

例えば、住まいや出身、家族、趣味、経験などで共通点を多く見出せると、面接の場がリラックスした雰囲気となり、“求職者の素”が出やすくなります。来社してくれたことへの感謝や面接官の自己紹介、面接のスタンスなどを説明するのも、求職者の緊張をほぐすことに繋がるでしょう。

 

  1. 今日はここまでどのように来ましたか?
  2. 当社までどのくらいかかりましたか?
  3. 昨日はよく眠れましたか?
  4. 今日はお仕事されてからいらっしゃったのですか?
  5. 当社のことはご存知でしたか?
  6. 筆記試験はどうでしたか?
  7. お待たせして申し訳ありません、何分くらいお待たせしましたか?
  8. 本日面接をさせていただく、○○社の○○と申します。
  9. 今日は面接にお越しいただき、ありがとうございます。
  10. 今日の面接は、お互いに入社後の活躍イメージが持てるかを重視しています。

リラックスして、ざっくばらんにお話ください。

 

 

経歴や実績に関する質問

経歴や実績を聞くうえでは、単に内容を聞いていくのではなく、「求職者がどう関わっていたのか?」をしっかり確認していくことが重要です。「大きなプロジェクトで成果を上げた」という場合でも、“プロジェクトの中心にいた”わけではなく、“指示されたことを実行していた”だけという場合もあります。従って、仕事やプロジェクトにおけるポジション、役割はしっかり確認していきましょう。

 

経歴や実績を質問する目的は「どんな状況でどう思考・判断・行動する人なのか?」という求職者の特性を見抜くことです。経歴や実績を確認する際に「STAR法」を使うと、相手の関わり方や行動特性を見極めやすくなるでしょう。STAR法とは、1つのエピソードや行動に関して、Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)を確認する、という構造面接の最もシンプルなやり方です。

 

なお、質問する際には応募者目線の主観的な情報だけでなく、客観的な数字や事実を把握していくことが大事です。

 

<質問例>

  1. 自己紹介をお願いします。
  2. こちらの大学(専門学校など)を選んだ理由を教えてください。
  3. 前職で担当されていた業務について教えてください。
  4. これまでの最も大きな成果と、その成果を得るためにどんな努力をしましたか?
  5. ○○に関する知識はありますか?
  6. ○○の経験はありますか?
  7. ○○の仕事をおまかせした場合、業務を遂行できますか?
  8. 前職で企業から与えられていた目標について教えてください。
  9. 仕事を通じて表彰や評価された経験を教えてください。
  10. 前職ではどのようなメンバーと仕事をしていましたか?
  11. 前職ではどのような目標・目的を持って臨んでいましたか?
  12. これまでの経歴の中で、最も成長できたと思える時期について詳しく教えてください。

 

 

転職理由に関する質問(中途採用の場合)

中途採用の場合、転職は「前職では得られなかったものを得る」ための手段です。初めは建前的な理由が出ることも多いですが、本音を探っていくとポジティブな理由だけではないこともあります。ネガティブな理由も求職者の本質や価値観が表れるポイントですので、しっかりと深掘りしましょう。

 

<質問例>

  1. 転職を考えるようになったきっかけは何ですか?
  2. なぜ今、転職しようと決めたのですか?
  3. 前職の同僚や仲間たちは、○○さんの転職についてどう感じていますか?
  4. もし、退職理由の○○が前職で得られるとしたら、退職せずに続けていましたか?
  5. 今後また転職するとしたら、どんな理由だと思いますか?

 

 

志望動機に関する質問

志望動機に関する質問は注意が必要です。「自社への志望度が高い人を採りたい」という企業は多いですが、志望動機は応募者にとって一番「準備する」部分です。ストレートに志望動機を質問すると、基本的には「説明会やこれまでの選考で伝えた情報」が返ってくるだけです。

 

従って、志望動機を聞くよりも「企業を選ぶ基準」を質問する方が有効です。そのうえで、「企業を選ぶ基準」と「自社」がどう重なっているかを確認すると、自社に対する応募者の理解度もわかります。中途採用の場合には、前段で聞いた「転職理由」と「企業を選ぶ基準」が一貫性を持っているかもチェックすべきポイントです。

 

<質問例>

  1. 企業選びで重視していることは何ですか?
  2. 転職を通して、当社にどのようなことを期待していますか?
  3. 当社でどのようなスキルや経験を身につけたいですか?
  4. 自由に選べるとしたら、どんな企業で働きたいですか?
  5. いつまでに転職を決めたいですか?
  6. 当社でどんな業務に携わってみたいですか?

 

 

特性や自己認識を見極める質問

入社後の定着や成長可能性を見極めるうえでは、求職者の性格特性や動機が重要です。また、経歴や実績の質問を通じて見えてきた性格特性や動機と、自己認識にズレがないかも確認しておきたいところです。

 

<質問例>

  1. 友人や周囲の人からどのような人だと言われますか?
  2. 前職の同僚や上司は、あなたのことをどう評価していましたか?
  3. これまで挫折した経験はありますか?また、それはどのような出来事ですか?
  4. あなたの強みは何ですか?
  5. あなたの苦手なことは何ですか?
  6. 人間関係において苦手なタイプはどんな人ですか?
  7. 前職で最もストレスを感じたことは何ですか?
  8. 将来の夢や目標を教えてください。
  9. モチベーションが上がるのはどんな時ですか?

 

すぐ使える!採用面接 42の質問事例集

面接官がしてはいけないNG質問や対応は?

求職者に気になることを訪ねている面接官

 

求職者の本音を引き出し、見極めを行うのが面接官の役割ですが、何を質問しても良いわけではありません。とくにコンプライアンス上、家族や家庭環境に踏み込んだ質問や、宗教や支持政党などの質問はタブーとされているので注意しましょう。とくに就職差別に繋がる恐れがあるとして、厚生労働省で注意喚起されている質問は避けましょう。

 

 

本人に責任が生じない事項

本籍や出生地、家族や育ってきた家庭環境などが該当します。

<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること

出典:公正な採用選考の基本|厚生労働省

 

 

自由であるべき事項

宗教や支持政党、人生観や生活信条、思想などが該当します。厳密には愛読書や尊敬する人物なども含まれてきます。

<b.本来自由であるべき事項(思想信条に関わること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

出典:公正な採用選考の基本|厚生労働省

まとめ

面接官の質問や対応は、応募者の志望度に大きな影響を与えます。面接は「企業が応募者を選考する」場であると同時に、「応募者が企業を選ぶ」場です。従って、面接官は「面接は合否を決めると同時に、応募者を魅了付けする場である」という自覚を持つ必要があります。

 

面接官は面接の序盤で応募者と信頼関係を築き、そのうえで応募者の能力や特性をしっかりと見極め、同時に応募者を魅了付けしていきましょう。面接は応募者のことを深く理解するからこそ、自社の魅力をアピールする絶好の機会です。1対1の時間の中で、相手のニーズや判断基準に応じて情報提供していきましょう。

 

すぐ使える!採用面接 42の質問事例集

著者情報

株式会社ジェイック 取締役 古庄 拓

HRドクター 編集長

株式会社ジェイック 取締役 古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。 7つの習慣R認定担当インストラクター、原田メソッド認定パートナー、EQPI認定アナリスト等 twitterはコチラ。ぜひご覧ください。 古庄拓/ジェイック取締役 https://twitter.com/tfurusyo

関連記事

企業の採用・教育に役立つノウハウ

採用・教育にお困りでしたら
ご相談ください

一人でも多くの人生を輝かせ、一社でも多くの企業を元気にする。
そのために、私たちジェイックは存在します。

pagetop