面接官の「役割」と「心構え」を確認
企業の採用活動における面接は、非常に重要な役割を担っています。面接官とは、自社の未来を共に創り上げていく人材を、面接を通じて“見抜き”、そして“入社したい”と感じてもらうことが必要です。まずは、面接官として知っておきたい「役割」と「心構え」、「魅了付け」という概念からおさらいしていきましょう。
面接官の役割と心構え①応募者から選ばれている意識を持つ
面接官には、応募者の本質を見抜き、自社で採るべき人材かを見極める役割があります。従って、どうしても「探る」「見極める」「見抜く」といった意識や態度になりがちです。しかし、前述したように面接官には「応募者から選ばれている」という意識が必要です。
“応募者1人に何件の求人があるか”、裏を返せば“何社の企業で1人の応募者を取り合うか”を示す求人倍率という指標があります。新卒採用の主な対象になる大卒の求人倍率が1倍を下回る、つまり“応募者よりも求人が少なかった”ことは、過去34年間の調査の中で1回しかありません。
とりわけ300人未満の中小企業の求人倍率は、リーマンショック後の2011年3月卒で4.4倍、過去10年間のピークである2019年3月卒では9.9倍となっています。今後、2022年3月卒からは分母となる大卒者の人数が減り始めます。過去10年間は少子化と大学進学率の上昇が釣り合って横ばいだった大卒者の人数ですが、いよいよ少子化が目に見える形で始まります。
新型コロナウイルスの感染拡大等によって求人倍率は大きく動きますが、中長期的に大きく低下することはないでしょう。不況時でも「4社に3社は採れない」のが中小企業の採用環境です。だからこそ、面接官は自社に必要な人材を見抜くと同時に、応募者から「選ばれている」ことをしっかり認識する必要があります。
面接官の役割と心構え②面接官の立ち位置について
面接官の心構えとして一番重要なことは、「面接は合否を決めると同時に、応募者を魅了付けする場である」という自覚です。面接は「企業が応募者を選考する場」ですが、同時に「応募者が企業を選ぶ場」です。
最近、採用マーケティングの領域では、“採用CX(Candidate Experience)”という考え方が注目されています。採用CXは「応募者が企業を見つけて応募、説明会や選考に参加してから選考を終えるまでにどんな体験をするか」です。採用CXの中でも“面接”は大きな影響を与える要因の1つです。
転職希望者3,026名に「面接を受けて『この会社は入社したくない』と思ったことはありますか?」と伺ったところ、実に84%の方が、面接での悪印象で「入社したくない」と思ったことがあると回答しています。
(出典:「エン 人事のミカタ」アンケート 「ブラック面接」についてを発表 | エン・ジャパン(en Japan))
採りたい人材であれば「面接が終わった時、面接の前よりも志望度が上がっている」状態にすることが面接官の仕事です。
では、“内定レベルに達しない応募者であれば、面接官はぞんざいな対応でいいのか”と言えば、そうではありません。いまは面接の内容から面接官の態度まで、すぐネット上に書き込まれてしまう時代です。態度が悪い面接官は企業ブランドを壊し、企業の採用難易度を上げてしまう存在なのです。そのため、面接官としての役割と心構えは、リスクヘッジのためにも身につけておく必要があります。
面接官の役割と心構え③自社にとって優秀な人材モデルを作る
自社にとって優秀な人材かどうかを見抜き、採用することが面接官としての役割ということは先述しました。しかし、自社にとって優秀かどうかは、採用したい人物像(ペルソナ)を設定しなければ、判断基準がなく、良い採用には至りません。
面接官によって、選考の点数基準が異なれば、『会社が獲りたい人材』を獲得することは難しくなってしまいます。なぜなら、1次選考の面接官が言っていることと、3次面接の面接官が言っていることが異なれば、一貫性のない会社だと思われてしまう可能性が高くなるからです。
『どんな人を採用したいのか?』に対して、明確な共通認識と一貫した方針を持つことが採用活動を成功させるための第一歩です。
面接官の役割と心構え④ 面接の場で自社に魅了付けする
上述の通り、面接官の仕事は「見極める」ことだけではなく、面接の場で魅力付けを実施して、応募者の志望動機を高めることも面接官の大切な仕事です。
以下で、魅了付けのポイントを押さえていきましょう。
面接の場は、“質問を通じて応募者のことを深く理解する”からこそ、自社の魅力をアピールできる絶好の機会です。どれだけ考え抜いたとしても、採用広告や説明会での情報提供は1対多での発信であり、発信できる情報量も限られます。しかし、面接は1対1の時間の中で、相手のニーズや判断基準に応じて情報を提供できる時間です。
面接の「質疑」を通じて、相手の志向性に応じた質問と情報提供を行うことが重要です。質問と実施イメージは非常に簡単です。
- 価値観に関する質問
⇒ 相手の答え
⇒ (相手の答えに対する面接官の回答)
相手の価値観と一致する自社の社風、働き方を紹介する
例)応募者から「○○ということを重視して仕事したいです」といった場合
「そうですね。○○、△△を重視する風土を弊社も大事にしています」といった回答
- 会社選びの軸に関する質問
⇒ 相手の答え
⇒ (相手の答えに対する面接官の回答)
相手の会社選びの軸と自社がどう一致するかを紹介する
- キャリアプランに関する質問
⇒ 相手の答え
⇒ (相手の答えに対する面接官の回答)
ロールプランとなるような先輩社員の活躍を紹介する






