
内定ブルーによる内定辞退を防ぐには、これから紹介する複数の対策を上手に組み合わせながら、先述の不安や未練の解消につながるフォローやサポートをすることが大切です。
内定ブルーに対して企業ができる具体的対策を見ていきましょう。
定期接触
内定ブルーを解消する大前提が、内定者との接触頻度を高く保つことです。
内定承諾をした途端に企業からの連絡がピタリと止まれば、内定者はどのように感じるでしょうか。
「自分はただ待っているだけで良いのだろうか?」「この企業を信頼して大丈夫なのだろうか?」などの不安や違和感が生じやすくなるでしょう。
最初は小さな違和感でも次第に不安は大きくなり、「この企業で本当に良かったのか」という内定ブルーを大きくしてしまいます。
大前提として内定ブルーの解消には、定期接触を図り続けることが基本です。
- 1.内定~入社までのスケジュールを伝える
- 2.内定式の案内を出す
- 3.内定者研修や懇親会の案内を出す
- 4.入社までにやる課題や教材を分割して送る
- 5.社内報を共有する
- 6.社内イベントの様子、先輩社員の情報を送る
- 7.翌年度採用の状況などを共有する
ただし、上記だけでは人事担当者から内定者への一方的な連絡になってしまうため、これから紹介する対策なども取り入れて人事部門と内定者、双方向のコミュニケーションを生じさせることも大切です。
内定者研修
内定者研修とは、入社式までの間に行なわれる教育・研修の総称です。
研修の内容は企業によって異なりますが、一般的には以下のゴールを意識したプログラムを設定することで、内定ブルーの解消を図り
ます。
(内定者研修でのゴールの例)
- 承諾理由の再認識
- 不安や疑問点の解消
- 内定者同士や先輩社員との関係構築
- 入社後のビジョン形成
- 学生から社会人へのマインドチェンジ
コロナ禍の影響で2020年からの数年で、オンライン採用、Web会議が一気に浸透しました。
内定者研修においても、対面とZOOMやWebExなどを使ったオフライン・オンラインのハイブリッド型研修の導入が進んでいます。
オンライン研修は、「入社前で遠方に住んでいる内定者も参加しやすい」「会場費が発生しない」「チャットなど気軽に質問できるツールとの連携で双方向型にしやすい」などのメリットがあります。
たとえば、志望動機の再確認や人間関係の構築など、感情・体験の共有が重要な研修は対面で、不安や疑問点の解消やマナー研修など情報のやり取り、先輩社員との座談会はオンラインでといった形で目的に応じてうまく使い分けることがお勧めです。
内定者コミュニティ(内定者SNS)
多くの内定者が、「自分の同期となる仲間と早く会いたい、交流したい」という気持ちを持っています。
入社までにSNSなどを通して内定者同士の人間関係を構築しておくと、「仲が良い人ができるだろうか?」などの人間関係の不安も払拭され、内定ブルーの緩和・解消がしやすくなります。
また、同じ研修や教材に取り組む仲間と交流して悩みを共有し合うことで、「これを難しいと感じているのは、自分だけじゃないんだ!」とわかり、不安解消や自信にもつながるでしょう。
ただし、SNSには、「相手の言っていることを誤解しやすい」「対面よりも厳しい言葉になりやすい」といったデメリットも存在します。
意見の相違から内定者同士のトラブルが起こる可能性も考えられます。
また、人事部門や企業への不満が共有されるなどネガティブな雰囲気になり、内定ブルーの悪化や内定辞退者の増加を引き起こす恐れもあります。
一般のLINEグループなどを使うのもひとつですが、内定者人数が多い場合などは、内定者専用のSNSサービスなどを導入することもひとつです。
いずれにしろ、人事側で投稿に関するルールを決めたり、日々内容を確認・ケアしたりするなどの仕組みづくりも意識しておきたいところです。
懇親会、座談会
懇親会や座談会は、経営陣や先輩社員と交流するイベントです。企業規模が大きく、内定者の人数も多い場合には、複数のエリアで開催するケースもあります。
先輩社員に仕事内容や職場の雰囲気などの質問をすることで、不安や疑問を解消できます。内定者の配属先に近い部署の先輩や同性の社員を選ぶとよいでしょう。
また、活躍している社員を選ぶのもポイントです。前向きな話を多くしてくれるほか、内定者にとっての憧れの存在になります。
たとえば、営業成績トップのメンバーの話を聞くことで、「自分もAさんみたいな営業になりたい!」「自分も早くBさんたちと働きたい!」などと入社動機をさらに高められるでしょう。
女性の内定者には女性管理職などの体験談も有効です。
不安を払拭でき、さらに「Cさんみたいなママ管理職になって、ワーク・ライフ・バランスを充実させたい」というように自分の将来の働き方のイメージの具体化にも役立ちます。
内定者プロジェクト
内定者プロジェクトとは、内定者自身に動いてもらう活動の総称です。
企業の一員として来年度の採用活動に参加してもらう、内定者の立場でSNS発信をしてもらうなどがその一例です。
内定者プロジェクトを通じて企業側の一員として活動してもらうことで、「この企業で大丈夫か?」といった不安やほかの選択肢への未練が生じにくくなります。
ただし、内定者に本格的な活動をしてもらう場合、以下の3点は注意が必要です
- 1.どこから労務管理が必要な範囲になるのか?
- 2.SNSでの発信内容などのルールやコンプライアンスをどうするか?
- 3.大学の授業や研究などに支障が生じないかどうか?
まず、どこまでを内定者の自主的な活動として、どこからを有償とするのかは明確にしておく必要があります。
またSNS等で発信する際にはプライベートの投稿でないというスタンスをはっきりさせたうえで、企業のイメージダウンになる投稿は慎んでもらわなければなりません。
また、内定者に負担をかけ過ぎない点にも配慮が必要です。一部の内定者にだけ負担が集中するという不公平感も生まないようにしましょう。