内定承諾率を上げるために重要となるポイント7つを、採用活動のステップに沿って解説します。
①“他の企業とは違う”と思ってもらえる「差別化」を打ち出す
求職者から内定承諾を得るためには、最初に、エントリー段階での工夫も大切です。エントリー段階でのポイントとは、いかに“他の企業と違う”と思ってもらうか、つまり「差別化」です。
とくに新卒採用の場合により重要になります。
ビジネス分野で「差別化」というと、オンリーワンのビジネスモデルや強み、シェアトップなどでなければいけないと思ってしまうかもしれません。
もちろん、そういったものがあれば良いですが、ない会社の方がおおいでしょう。
では、差別化できないのかというとそんなことはありません。例えば、採用活動で考えれば「目新しさ」や「面白さ」などとも差別化のひとつです。
たとえば、ユニークさやエンターテインメント性のある採用方法(入口の新しさ、ニッチな間口)、他社では狙わない人材のターゲット化(独自の選考方法)、また、福利厚生や人事制度などで打ち出すことも可能でしょう。
もちろん作りたいイメージとの一致が大事ですが、「この企業はちょっと違うな…」と思ってもらうことが非常に大切です。入り口での差別化が、最後の決め手となることは意外とあるものです。
② 学生の持つネガティブなイメージを払しょくする
新卒採用では、学生から不人気業界とみなされやすい企業の場合、どうしても内定承諾率は低くなりがちです。
不人気業界と言われる業界・業種の企業が内定承諾率を高めるためには、学生の持つネガティブな思い込みを払しょくすることがポイントです。もちろん、ほかの業界でも使える要素です。
まずは、自社が学生からどんな印象を持たれているか確認することから始めていきましょう。
「合同説明会でのアンケート」「口コミサイトの投稿」「SNSの反応」「業界に対する学生の意識調査」などで確認すると良いでしょう。
これらを通じて、自業界と自社に対する学生の印象をある程度つかめたら、ネガティブな印象を払拭するPR活動、広報活動を展開していきます。
具体的には、アンケートの声や口コミサイト、SNS等の投稿・反応を基に、ネガティブ要素を一覧にして分類し、
- ・改善項目
- ⇒以前は悪かったが、現在は改善されている、今後改善する予定
- ・期待値調整
- ⇒マイナスポイントだが、現時点で改善の計画は無い
上記2つの項目に整理すると良いでしょう。どんな企業にも良い面と悪い面があります。採用選考などでもこれらを噓偽りなく発信することが、内定承諾に対する不安要素を減らすことにつながります。
③ 会社全体で求職者へのマナーを徹底する
選考に進んでからは、どんなことが内定承諾率を上げるポイントとなるでしょうか。
前章でお伝えしたように、面接等で企業を訪れた求職者は、面接官の印象、また訪問時にすれ違った社員や見えた職場の雰囲気で会社のイメージを判断します。
従って、まず面接官や採用担当者が、求職者に悪い印象を与えないよう十分配慮する、同時に、良い印象を与えるように努めることが大前提です。
採用慣れしていない企業、年配の方などは無意識のうちに“上から目線”などになっていることもあるので注意が必要です。
また、職場全体で求職者への対応やマナーを統一することも大切です。繰り返しの通り、求職者は受付を待っている間にすれ違った社員の顔つきや雰囲気、会話などもよく見ています。
「受付で通りがかった社員皆さん、笑顔で声をかけてくれた」といったことが意思決定の決め手になったりします。
④ 面接での伝え方・口説き方を工夫する
内定承諾率を高めるためには、面接での伝え方・口説き方を工夫することが大切です。
面接というと、つい“見極める”ことに意識がいってしまいがちだったりしますが、面接は“口説く”ことで志望度を高める場でもあります。
たとえば、以下のようなアプローチです。
- 先方の就職軸に合わせて、自社の魅力を伝える
- 先方のキャリア志向を踏まえて、身に付く力やキャリアの事例を話す
- 働きかたなどに関して、他社員の事例を伝える
会社説明会や採用ホームページは、どうしても1対多のメッセージ発信です。しかし、面接は1対1で相手にあわせて魅力を伝えることができます。
「相手への質問 ⇒ 相手の回答 ⇒ 相手の回答に合わせた魅力付け」という流れを意識しましょう。
⑤ 内定までの選考過程を迅速に行う
何度か紹介した通り、選考スピードは内定承諾率に影響します。内定を出すまでの選考過程は、可能な限り迅速に進めることが重要です。
基本は、面接が終わったらその日中に合否判断をして次選考を案内することです。この時に、評価ポイントなどを伝えることも大切です。
また、いまの選考過程で時間がかかっている場合は、どこになぜ時間がかかっているのか確認して、原因を潰していくことも大切です。
⑥不安を解消するためのフォローを行う
内定を出した後は、安心して内定承諾できるよう、不安を解消するためのフォローをすることもポイントです。
意欲が高まり切った時点で内定を出すことが原則ですが、それができない、また、それを意識してもその場で内定承諾してもらえないことも当然あります。
学生が内定承諾を保留する理由には、他社との比較検討もありますが、「この企業を選んでよいのかどうか?」という自分自身の気持ちの揺らぎや不安も大きく影響しています。
内定保留した学生から、承諾の返事を得るためには、こうした学生の気持ちや不安に寄り添い、不安を解消するためのフォローの関わりが重要です。
下記の記事で、内定保留中の学生が抱えやすい「不安」について解説していますので、ご興味あればご覧ください。
⑦“自分たちが選ばれる側である”という考えで採用選考にのぞむ
これまでお伝えしたことの根底となりますが、内定承諾率を上げるためには、“自分たちが選ばれる側である”という意識を持つことが大切です。
「内定承諾を得る」とは、言い換えれば「来て欲しい人(内定を出した人)に、自社を選んでもらう」ということです。
自社が採りたいと思う人は、やはり他社でもそう思うものです。つまり、内定を出す相手は、基本的に複数社から内定をもらう立場であり、“選ぶ権利”を持っているわけです。
従って、マーケティングや営業活動と同じで、選択権を持った顧客=求職者に“自社”という商品を選んでもらうための施策が必要になります。これまで述べたポイントは、すべてその施策の一例です。
上記を踏まえた採用選考の基本プロセスは以下のようなイメージです。
ステップ1.本人の志望度や他社の選考状況を確認する
⇒求職者に自社を選んでもらうためには、相手が今どんな状況にいるのか?志望度合いはどうか?を知る必要があります。
求職者と接するタイミングで、これらをヒアリングして把握していく必要があります。
ステップ2.自社を魅了付けするためのシナリオを考える
⇒内定を出した求職者の状況が分かったら、自社を魅了付けするためのシナリオを作りましょう。
シナリオをつくる際は、たとえば、「相手が自社を選ぶとしたら、何が決め手になるのか?」「入社後にワクワクするイメージを持ってもらうためにはどうすればいいか?」といった観点を基に考えていきます。
ステップ3.最後まで志望度アップに手を抜かず、内定出しを「演出」する
⇒最終面接は、求職者と面と向かって接触できる最後の機会です。最終面接が終わって内定通知を出してしまうと、承諾するかどうかの主導権は求職者が握ることになります。
したがって、最終面接の終わりまで「本人が入社したい」と思える状態になるよう、手を抜かずに志望度アップにフォーカスし続けることが肝心です。
また、内定出しを「演出」することもポイントです。前章では、内定通知の際に伝えるポイントなどを紹介しましたが、内定の出し方なども重要です。
たとえば、HRドクターを運営する株式会社ジェイクでは、内定通知後に内定者をオフィスに連れていき、社員たちの前で簡単な挨拶・自己紹介をしてもらう機会を用意しています。
これにより、内定者に「先輩たちに迎え入れてもらえる」イメージを持ってもらい、入社へと気持ちを固めていきます。