マネジメント研修の内容や課題に合わせたポイント、また、マネジメント研修のおすすめサービスと選び方について、研修会社としての知見を踏まえて紹介します。
現代は先が見通せない時代で、組織は生き残りをかけて、適切な舵取りをこまめに行う必要があります。
短期的な成果や業績も重要ですし、人材の流動性が高まる中で人材育成や優秀な社員の引き留めなども取り組むべき課題です。
これらの課題を解決する上で重要となるのが、マネージャー人材の育成です。
記事では、マネジメント研修のポイントや内容、また、マネジメントの研修のおすすめサービス7選とマネジメント研修を選ぶポイントを、研修会社としての視点で紹介します。
研修実施の際に生じやすい課題や研修成果を高める「4:2:4の原則」も解説しますので、参考になれば幸いです。
<目次>
- マネジメント研修とは
- マネジメント研修の内容
- 課題ごとのマネジメント研修の内容
- 対象者ごとのマネジメント研修の内容
- マネジメント研修サービスを選ぶポイント
- おすすめのマネジメント研修7選
- マネジメント研修の費用相場
- マネジメント研修を行う上での注意点
- マネジメント研修の効果を上げる方法
- まとめ
マネジメント研修とは
マネジメント研修とは、マネージャーを対象とした教育プログラムの一つです。はじめに、マネジメント研修の概要を見ていきましょう。
マネジメント研修の目的
研修の目的は、リーダーシップやコミュニケーションスキルなどの能力向上を図り、企業が期待する成果をあげられるマネージャーを形成することです。
研修の内容は、対象となるマネージャーの階層や解決したい課題によって異なりますので、階層毎にどういったマネジメント研修が適しているかを紹介します。
新任管理職の場合は、基本的なマネジメントスキルの習得を目指すことが必要です。まず管理職としての心構え。そして、目標設定や計画立案、問題解決などに必要な「管理職としてのテクニカルスキル」と人を動かすための「管理職としてのヒューマンスキル」を身に付ける必要があります。
中堅管理職の場合には、不足しているスキルの強化が重要です。基礎的なテクニカルスキルやヒューマンスキルは身に付けていることを前提にして、ロジカルシンキング、KPIマネジメント、コーチング、チームビルディングなどの、より高度なスキルを磨いていきます。また、マンネリ感の打破も中堅管理職の時期には重要なテーマといえるでしょう。
上級管理職であればマーケティングや経営戦略などの経営幹部に求められるテクニカルスキル、そしてクリティカルシンキングやビジョンメイキングなどのコンセプチュアルスキルが必要です。
マネジメント研修は内製で行うこともあります。一方で、マネジメント研修は指導する側にも専門的な知識や経験が必要となってくるため、外部講師を招くことで、研修の効果性を高めようとする企業も多くあります。
外部研修では、新たな視点や専門知識を取り入れたり、第三者からのフィードバックやコメントを得たりすることで、内製では教えることができなかった角度から、マネージャーの成長を促進することが可能です。
マネジメント研修が必要な理由
マネージャーは組織の成長を支える不可欠な存在として、多くの重要な役割を担っています。
まず、マネージャーは経営層が立案した経営方針や事業計画を現場に浸透させ、メンバーを指導し、短期的な業績向上を目指す推進力となります。
また、現場の課題や顧客の声を上層部に報告するボトムアップ機能も果たす必要があります。さらに、マネージャーは中長期的な人生育成の役割も担っています。
このように短期的な成果創出、ミッションやビジョンの浸透、人材育成、次世代のリーダー育成など組織ののカギとなる存在です。
一方で、「名プレイヤー名監督ならず」という言葉が示すように、マネージャーはプレイヤーとは異なる視点とスキルセットが必要となります。
必要なスキルセットやマインドセットはマネジメントの階層ごとに異なります。そのため、必要なスキルを身に付けるために、各階層に合わせたマネジメント研修が重要となってきます。
マネジメント研修を実施する場合、内部人材を活用して行う方法もあります。ミッションやビジョンの浸透、自社におけるマネジメント原則などの教育に関しては、社内研修が適しているでしょう。
一方で、マネジメント研修は研修の対象人数が減少し、指導する側にも知識・経験が必要なため、実施できるメンバーが限られます。
加えて、管理職になると、日常でフィードバックを受ける機会なども少なくなるため、他流試合の刺激なども求めて、基本的なマネジメント研修は外注・外部派遣することも一般的です。
マネジメント研修の内容
次に、マネジメント研修を受講させることで社員が身に付く知識やスキルを確認していきます。一般的にマネジメント研修で学習する内容は下記のものです。
マネジメントの役割認識と責任感
マネジメントの役割は、チームを管理・運営して目標達成へと導くことであり、チームの成果創出に対して責任を担うことです。
「目標達成できないのは、メンバーのせいだ」など、成果創出に関する責任を誤解しているマネージャーでは、マネージャーとしての役割を果たすことは難しいでしょう。
課題の要因となっているのは、マネジメントとしての責任感やリーダーシップへの誤解や不理解です。マネジメントの役割は、「人を動かしてチームの成果をあげる」ことです。
業績や数字を部下のせいにする意識、指示だけして実行は部下の責任と思っているような状態は、マネジメントの責任を果たしているとは到底言えません。
マネジメント研修を受講させることで、マネジメントの役割と責任を確認し、マネージャーとしての自覚を持たせます。
マネジメントの原理原則
マネジメントで成果をあげるための “原理原則”を理解しておくことが、安定して成果を上げるためには大切です。
マネジメントの原理原則は、例えば下記のようなものです。
- 意思決定とリーダーシップ
- 人間性を土台とした信頼関係
- 目標達成に向けたテクニカルスキルの必要性
研修で社員がマネジメントの本質を理解し、実際の現場で実行してもらうことが重要です。
マネジメントに必要なヒューマンスキル
マネジメントにはヒューマンスキルが最も重要だと言っても過言ではありません。マネジメントは、メンバーと信頼関係を築き、メンバーの行動を通じてチームとして成果をあげていくことが求められるからです。
マネージャーには、1対1で信頼関係を築いていく力、同時に、チームを作っていく力、両方が求められます。
とくにプレイヤー時代、自分の力で成果をあげていたタイプの人ほど、マネージャーになってから苦労することは多いでしょう。マネージャーは自分が成果を出すのではなく、メンバーを導き、チームで成果を出すことが必要だからです。
ヒューマンスキルを構成するのは以下5つの能力などです。
- 信頼関係を形成する力
- 聴く力(傾聴力)
- 理解する力
- 引き出す力
- 伝える力
「上司は部下を見抜くのに3年かかるが、部下は上司を3日で見抜く」とも言われるように、信頼関係の構築はテクニックだけでできるものではありません。
マネージャーは、信頼関係の根っことなる人間性を磨いていくことも求められます。
ヒューマンスキルについては以下の記事も参考にしてみてください。
マネジメントに必要なロジカルシンキング
基本的なマネジメントの知識やスキルが十分でないため成果をあげられないマネージャーも多くいます。マネジメントに必要なテクニカルスキルの根底にくるのがロジカルシンキングです。
物事を理論立てて考えられなければ、正しく状況判断をすることができません。直観的で根拠のない指示は部下に不信感を与えかねませんし、それによってチームのパフォーマンスも低下する可能性があります。
ロジカルシンキングを土台にして、適切な目標達成、達成に向けた方針や計画作成、KPIマネジメントやPDCAサイクルの実践など、成果をあげるためのマネジメント能力が求められます。
PM理論でいうPerformance(目標達成)とMaintenance(集団維持)のうち、Performanceを実現するためのマネジメントの根底がロジカルシンキングです。
人材育成の意識とスキル
マネジメントの役割には人材育成も含まれます。従って、マネジメントスキルには人材育成に必要なスキルも含まれてきます。
人材育成は、3年後、5年後など継続的な企業成長のカギを握る重要な要素です。マネージャーが人材育成の必要性を十分に理解していなければ、会社として持続的な成長を実現することは難しいでしょう。
また、意識を持つだけではなく部下やチームを成長させるためには、人材を育成するスキルも身に付ける必要があります。人材育成に関するスキルとしては次のようなものがあります。
- ティーチングスキル
- コーチングスキル
- コミュニケーションスキル
- ロジカルシンキング
- クリティカルシンキング
人材育成は中長期的な視点で見て組織の成長にとって必要不可欠なことですが、短期的な視点で見てもチーム力の向上や生産性の向上などにつながる重要なことです。
マネジメントする上での注意点
具体的なスキルとともに、マネジメントの失敗しやすいポイント、陥りがちな罠なども事前に知っておくことで、失敗を避けることができるでしょう。
- 人間関係を気にするあまり必要な指導や叱責ができない
- 結果追及と人間関係、どちらかに偏り過ぎてしまう
- メンバーのモチベーションを落としてしまう
- 人材育成が疎かになる
- ハラスメントやコンプライアンス
課題ごとのマネジメント研修の内容
マネジメントの課題について先ほど説明しました。次に課題も踏まえて課題に応じてマネジメント研修の内容、一般的に盛り込まれるテーマを紹介します。
マネジメントの役割を理解していない
マネジメントにおける課題として、とくに新任管理職などはマネジメントの役割を理解していない、誤解しているケースがあります。その場合にはスキル以前にマネジメントの役割と責任を再度確認してもらう必要があります。
中堅マネージャー層でも「人を動かす」という役割だけを変に理解して、「成果が上がらないのは部下のせいだ」といった意識を持っている人もいます。
繰り返しになりますが、マネジメントの役割や責任は、人的リソースを活用して組織の目標達成を実現することです。自分自身で動いて個人の目標達成を実現するプレイヤーとマネジメントは役割と責任が異なります。
とくに新任マネージャー向けのマネジメント研修を実施する場合は、マネジメントに求められる役割と責任について、しっかりと盛り込みましょう。それにより、「人的リソースを活用して組織の目標達成を実現する」というマネジメントの役割を認識してもらえるでしょう。
部下を動かせない・チームビルディングができない
マネジメントは「人に自ら動いてもらう」ことによって目標達成することが仕事の主軸です。部下を動かせない、チームビルディングができないといった課題を持っている場合は、チームや人を動かすために必要なヒューマンスキルの向上をマネジメント研修の内容とすると良いでしょう。
ヒューマンスキルは、テクニック的なものもあれば、根底として「信頼される人間となるための人格を磨く」ものもあります。
また、ファシリテーションやコーチング、褒め方や叱り方などのコミュニケーション系スキルも部下を動かしたりチームビルディングをしたりする上で有効です。
ただし、スキルだけでどうにかなるほど信頼関係の構築は簡単なものではありません。必要と状況に応じて、どういったヒューマンスキルのトレーニングが必要かを見極めていきましょう。
「ヒューマンスキル」については、下記の記事で詳しく解説していますので、ご興味あればご覧ください。
計画作成やタスクマネジメントが甘い
計画作成やタスクマネジメントが甘いといった課題を持つ場合も、マネジメント研修によって必要なスキル・知識を得ることが出来るでしょう。
マネージャーは、チームの目標設定と目標達成までの計画を作るだけでなく、メンバーの目標設定や計画作成を支援することも仕事の1つです。
例えば、設定した目標が、
- 「SMART」な目標になっているか?
- ゴールから逆算された論理的な計画か?
- どんなKPIをマネジメントすれば良いか?
などを考える目標管理の基礎知識やロジカルシンキング。また、KPIマネジメントなどもマネジメントで成果をあげるための必須能力です。
マンネリ感がある・自己評価と周囲の評価がズレている
マンネリ感がある・自己評価と周囲の評価がズレているといった課題がある場合、マネジメント研修においては、自己紹介と他己評価のギャップを確認して他者から見た「マネージャーとしての自分」を見つめなおすようなマインド革新系のマネジメント研修が有効です。
中堅層のマネージャーは、マンネリ化が課題になることも多く、そうした場合にはマネジメント研修によって停滞した意識に刺激を与えることを考える必要もあります。
対象者ごとのマネジメント研修の内容
マネジメント研修の内容は、対象となる管理職の役割や企業によってもさまざまです。管理職に必要となるマネジメントスキルは「カッツ理論」を1つの土台として考えると分かりやすいです。
カッツ理論を基に考えると、同じ管理職でも階層によって必要な能力の比重は変わってきます。従って、管理職向けのマネジメント研修を考えるうえでは、対象となる管理職の階層に応じて研修内容を考えることが重要です。
カッツ理論とは?
カッツ理論は、米国の経営学者ロバート・L・カッツ氏によって提唱された考え方で、「ビジネスパーソンに必要な能力は大きく3つに分けることができ、階層によって求められる能力も変わってくる」というものです。
3つの能力 | 具体的なスキル |
テクニカルスキル | 実務を行なうスキル Ex)ビジネスマナー、時間管理、タスク管理、商品知識、語学力、情報収集力、技術力、計画力… |
ヒューマンスキル | 人間関係を作り、人を動かすスキル Ex)コミュニケーション力、ヒアリング力、交渉力、説得力、ファシリテーション力、コーチング… |
コンセプチュアルスキル | 抽象的な概念を扱うスキル Ex)クリティカルシンキング、ラテラルシンキング、ビジョンメイキング、ビジネスモデル構築… |
テクニカルスキルとは業務知識や業務遂行能力であり、職種を横断して必要となる基礎的なビジネススキルに加えて、営業であれば「商品知識やヒアリング項目」、会計であれば「経理・財務知識」、エンジニアであれば「プログラミング知識」等が該当します。
ヒューマンスキルは対人関係能力のことで、部下とのコミュニケーションや動機付け、社内外における交渉力、調整力等です。
コンセプチュアルスキルは、物事を概念化して捉えたり、抽象的に考えたりする能力であり、ビジョンを示して組織を鼓舞したり、ビジネスモデルや戦略の勘所を押さえたりといったところで必要な能力です。
一般的に、プレイヤー時代に成果を上げるために必要なのは、大半がテクニカルスキルです(営業や販売の場合には、顧客向けのヒューマンスキルももちろん必要です)。
そこから新任管理職に上がると、「管理職としてのテクニカルスキル(計画立案や数値管理等)」と「管理職としてのヒューマンスキル」が必要になってきます。
そこから幹部候補・上級管理職になるに連れて、ある程度のテクニカルスキル・ヒューマンスキルを身に付けていることは前提として、コンセプチュアルスキルの重要性が増していきます。
<カッツの理論:階層に応じて必要となるスキルの違い>
新任管理職
新任管理職や新任マネージャーには、「マネジメントしてのマインドセット」、そして「管理職としてのテクニカルスキル(計画立案や数値管理等)」と「管理職としてのヒューマンスキル」を教えることが大切です。プレイヤー時代にもテクニカルスキルやヒューマンスキルは身に付けていますが、管理職として必要なスキルはプレイヤーとは異なります。
たとえば、テクニカルスキルである「数値管理」や「進捗管理」も自分1人の仕事を対象としたものではなく、組織全体のタスクを重要度も付けながら動かしていくものになります。また、ヒューマンスキルも、プレイヤー時代は、顧客や同僚、上司に対しての関係構築や交渉・説得等でしたが、管理職になると部下を対象とした関係構築、ファシリテーションやコーチング、指示命令や報連相を受けるスキルが必要となります。
<新任管理職のマネジメント研修で盛り込む内容>
- マネジメント層としてのマインドセット(プレイヤーとの役割の違い、企業への貢献の仕方、求められる成果等)
- 管理職としてのテクニカルスキル(目標設定、進捗管理、数値管理、PDCA、ロジカルシンキング等)
- 管理職としてのヒューマンスキル(部下からの見られ方、褒め方・叱り方、指示の出し方、報連相の受け方、ファシリテーション、コーチング等)
研修対象者がテクニカルスキルをある程度習得している場合は、コーチングやファシリテーションといった「ヒューマンスキル」の比重を大きめにすると良いでしょう。
中堅管理職
中堅クラスの管理職は、理想としてはテクニカルスキルやヒューマンスキルを身に付けていることを前提にして、徐々にコンセプチュアルスキルを身に付けていく段階です。ただし、現実的には管理職としてのテクニカルスキルやヒューマンスキルがすべて身に付いているということはあまりありません。
また、管理職となると、急激に周囲や上司からのフィードバックが減る中で、悪い意味で緊張感がなくなってきたり、マンネリ化が起こりやすかったりするのも中堅管理職の時期です。
従って、中堅管理職を対象とした研修は、対象者の成長課題に合わせて、大きくは3つの内容を取り扱っていくことが望ましいでしょう。
<対象の成長課題に応じた中堅管理職向けのマネジメント研修>
- テクニカルスキルの補強(大きくは、計画立案やPDCAの精度に課題がある、もしくは数値管理や進捗管理に課題があることが多いでしょう)
- ヒューマンスキルの補強(部下との信頼関係を築けていない、褒める・叱ることができない、ファシリテーションやコーチングで部下の力を引き出せないといった課題が多いでしょう)
- マインドセット(360度評価を踏まえた内観とキャリアプラン等、現状を見つめなおし、自分自身の殻を破るような内容が良いでしょう)
上級管理職
上級管理職になると幹部候補として、1つの職種やセクションだけではなく、部門全体や事業等を幅広くマネジメントして、短期的な業績創出と同時に、中長期的な視野で方針や施策を立案・実行していくことが期待されます。
従って、経営幹部候補として必要となる新たなテクニカルスキルの習得とコンセプチュアルスキルを磨くことが求められます。
<上級管理職向けのマネジメント研修>
- 経営に求められるテクニカルスキル(戦略立案、マーケティング、アカウンティング等)
- コンセプチュアルスキル(高度な意思決定、クリティカルシンキング、ラテラルシンキング、ビジョンメイキング)
マネジメント研修サービスを選ぶポイント
前章では、7つのマネジメント研修サービスを紹介しました。本章ではさまざまなプログラムから自社に合ったマネジメント研修を選ぶコツを解説します。
育成テーマと内容の一致
マネジメント研修サービスを選ぶときには、まず自社の育成テーマと研修内容を一致させることが重要です。
例えば、新任マネージャーに「マネジメントの原理原則」や「基本的なマネジメントスキル」を身につけてもらいたいとします。
その場合、「経営者視点でのマネジメント」の内容が多い研修はミスマッチとなり、期待していた研修効果は発揮しにくいでしょう。
中堅管理職や上級管理職においても同様です。例えば、テクニカルスキルに課題がある中堅管理職向けにマネジメント研修を行うのであれば、計画立案やPDCAの精度を向上させるような研修内容が用意されているマネジメント研修を選定することが重要です。逆にこうした管理職にヒューマンスキルの研修を実施しても望む効果は得られません。
最初に、「誰に」「どのようなマインド、知識やスキル」を身につけて欲しいのかという育成テーマを明確にすることで、自社に適した研修を選びやすくなります。
教育担当者が研修サービスの担当者に相談し、対話する過程で、情報不足が明らかになることがあります。その場合は、無理に選定を進めるのではなく、スタートに立ち返って、何が解決すべき課題なのかを明確にしましょう。
開催実績
研修の開催実績も、研修サービスの依頼先を選ぶときの確認ポイントです。
既にある程度の開催実績がある研修サービスのほうが、サービスや講師の品質が安定している場合は多いでしょう。
また講師も重要です。マネジメント研修は、受講者もプレイヤー、管理職としての実績を持っているメンバーです。そうしたメンバーから信頼を得られる経験がある、また、納得感を生み出せる研修自体のフレームワークや権威性も大切です。
オンラインやeラーニングに対応しているか
マネージャーは、自身の担当業務やチームや部下の人材育成などで忙しく、研修に参加できる時間を取りづらいことも多いです。
また、店舗型のビジネスでは、店長などはなかなか時間を捻出することが難しい、店舗から離れづらいといった状況もあるでしょう。
自社の状況に応じてオンライン研修やeラーニングも検討すると良いでしょう。オンライン研修やeラーニングには、以下のメリットがあります。
- 研修会場までの電車移動など、無駄な時間を減らせる
- 移動経費などのコストを削除できる
- 個々に、空いた時間で学習ができる
- 主体的な学習を促し、学習の習慣を形成することができる
実践的な内容か
マネジメント研修を選ぶ際、実践的な内容になっているかどうかも重要です。マネジメントの実力は研修だけで身につくものではありません。
参加者が研修に参加して「良い話を聞いた」で終わってしまっては、参加者の時間や研修費用は無駄になってしまいます。マネジメント研修の効果を出すためには、研修で学んで、現場で実践して、結果を振り返るというサイクルが大事です。
従って、マネジメント研修を選ぶうえでは、短期間で知識を詰め込むようなものではなく、しっかりと職場での「実践」が担保されるようなプログラム構成になっているものがおススメです。
おすすめのマネジメント研修7選
本章では、多くの企業が導入されているマネジメント研修サービスを7つ、それぞれの特徴とあわせて紹介します。マネジメント研修の委託先を選ぶ参考にしてください。
1.ジェイック
HRドクターの運営会社である株式会社ジェイックは、社員教育・採用支援を行っている東証上場企業です。
社員教育の重要性を感じているものの、「コストや時間の制約から、なかなか自社だけで実現できない」という企業や現場の声に応え、各種研修プログラムの充実を図っています。
①研修の特徴
・「360度評価」で現状を認識して、変化を決意する
ジェイックが提供するマネジメント研修にはいくつかの種類がありますが、コアプログラムとなるJAICリーダーカレッジは、上司・部下・同僚からの360度評価や上司面談が含まれたマネジメント研修です。
診断結果を分析して、自分の強みや弱み、周囲からの見え方を自覚し、面談で会社からの期待を聴いて、「変化する」ことを決意することから、マネージャーの行動変容を促進する研修となっています。
・「学び、職場で実践して、振り返る」を繰り返す継続学習
ジェイックの研修プログラムは、4:2:4の法則に基づいて研修効果を高めるために、研修前後の取り組みが強化されています。
JAICリーダーカレッジも、1カ月に1回の研修で学んだあとは、「職場での実践行動」を必ず計画・実行して、次回の研修で「実践した結果」をクラス内で発表するという実践型のプログラムになっています。
「自分の仕事で成果をあげるために実践し、他社の管理職と結果を競い、実践結果から再度学ぶ」サイクルを繰り返すプログラムで、タイムスペース・ラーニングと呼ばれる教育効果の高い学習方式を取り入れた研修です。
・「完全クラス制・講師固定制・1on1」で変化をコミット
JAICリーダーカレッジは、完全クラス制で開催される公開プログラムです(但し講師派遣も可能)。
他社のリーダー陣との他流試合によって、成長への危機感が刺激されると同時に、担任講師が1対1で変化をフォローします。
研修と実践を伴走して、変化の兆しを拾い、親身に悩みをサポートして、時には派遣者の代わりに叱咤激励することで変化と実践を後押しします。
②オンラインorリアル
「オンライン」「リアル」どちらも可能です。
③こんな企業におススメ!
- 「マネジメント研修をやってこなかった」
- 「マネジメントの基礎を実践的に身に付けて欲しい」
- 「テクニックよりも考え方やヒューマンスキルを大切にしたい」
という場合には、ジェイックのマネジメント研修がおススメです。
考え方やヒューマンスキルを全社的に強化したいという場合には「7つの習慣🄬」研修もおすすめです。
2017年から6年連続で「働きがいのある会社」ランキングに選出されているジェイックでも自社の社員教育の核としているプログラムです。
2.リクルートマネジメントソリューションズ
リクルートマネジメントソリューションズの階層別研修は「役割意識の転換」を重視しているのが特徴で、ピラミッド型のヒエラルキー的な組織構造にフィットします。
そして、「個」の成長を打ち出した多彩なプログラムが、意欲の高い人材の自律的な学びを支援するものとなっています。
①研修の特徴
・異業種交流の相互研鑽で“気づき”と“実践”を促す
講師による講義だけではなく、受講者同士で高め合うグループワークなどを通し、学びの効果を最大化させる工夫を取り入れた独自のプログラムが特長です。
昨今人気のオンラインの公開コースでは、異業種交流で相互研鑽ができる仕組みを取り入れています。
・経験豊かなトレーナー・講師陣
マネジメント経験のあるトレーナーが担当しています。
また、マネジメントに必要な知識やスキルを培う研修では、専門領域で経験を積んできた「その道のプロ」がプログラム開発から講師まで担当します。
・多彩なマネジメント研修ラインナップ
管理職向けのマネジメント研修は約60コースあり、じっくり学べる2日間コースや、ポイントを絞った3時間コースまで、利用目的にあわせて細かな選択可能です。
②オンラインorリアル
「オンライン」「リアル」どちらも選択可能です。
③こんな企業におススメ!
- 「我流のマネジメントばかりで、なかなか成果が出ない」
- 「プレイングとの両立で管理職の負荷が高まっている」
- 「テレワークでのメンバー育成が難しい」
など、個性の強いタイプや、業務を人に任せられないタイプの人材などに、柔軟な変化を求めていく内容に有効でしょう。
参照:https://www.recruit-ms.co.jp/open-course/manager/
3.インソース
インソースという社名は、世の中的にアウトソーシングが進む中で、自社内の人材を成長・活性化することが大事だという想いから来ているそうです。
組織内の個人の力を引き出すことを主眼に、社内に多くのエンジニアを擁していることを背景に、ITツール等と絡めたデジタルコンテンツを強みとしています。
①研修の特徴
・普遍的なマネジメントの3ポイント
マネジメントの肝となる、「組織」「業務」「人」の3つの管理ポイントを捉えた研修です。
3つの要素を管理するスキルを習得することで、部下の力を最大限に引き出し、組織目標を達成できるマネジメントの実現をめざす研修内容です。
・現代ならではのマネジメント
リモートワーク下での管理スキルやダイバーシティ推進、DXの積極的活用など、時代のニーズに即したマネジメント手法の習得など、従来とは異なるマネジメントに挑む方に向けた新たな研修も続々と開発されています。
・業界・職種に合わせたカスタマイズ
営業マネージャーは、自分も成果を上げながら部下の営業活動のフォローを行うための「進捗状況の見える化」が必要ですし、コールセンターのSVであれば、モニタリング後の「フィードバックスキルを高める」ことが重要です。
基本のマネジメントスキルを網羅したうえで、お客さまの業界や職種でよくある事例やケースを組み込んだプログラムによるカスタマイズ研修が可能です。
②オンラインorリアル
「オンライン」、「リアル」の選択が可能です。
③こんな企業におススメ!
- 「業種別でマネジメント研修を受講させたい」
- 「現代ならではの新しいマネジメントの研修に興味がある」
- 「自社の業務はとても特殊なので、適した研修が見あたらない」
カスタマイズされた研修の一部は「レアもの研修」として特集され、HPでラインナップとして紹介されています。
例えば「男性保育士向け研修 ~保護者の信頼を獲得する編~」や「マスコミ対応研修 ~食品業界向け記者会見における謝罪対応編~」など、かなりニッチなテーマでのピンポイントの研修で提供されています。
参照:https://www.insource.co.jp/kanrisyoku/management-top.html
4.日本能率協会(JMA)
創立80周年の歴史がある一般社団法人で、社長や役員向けのトップマネジメント研修修了者は延べ10,000人を超えています。日本でも有数の歴史を持つ研修会社です。
①研修の特徴
・役職階層別のマネジメント研修
取締役から新任管理職までの多くの階層別マネジメント研修が提供されています。
「他流試合型ワークショップ」研修では、リーダー・マネージャー層が、異業種の参加者との討議で相互に刺激を与え合い、自社の常識や習慣にとらわれない、新しい視点や発想を獲得できる内容になっています。
・経営幹部系の研修
「エグゼクティブ・ビジネスリーダーコース」は、数年以内に社長・役員をめざす方が対象で、経営幹部に求められる経営知識・スキルを各テーマの専門家による講義・演習や他社参加者との討議等を通じて学べます。
修了後の同期会活動もサポートされるなど、上級管理職、幹部層向けのマネジメント研修が提供されていることが大きな特徴です。
②オンラインorリアル
「オンライン」か「リアル」か、研修によって異なります。
③こんな企業におススメ!
- 「さまざまな企業の人材から刺激を受けてほしい」
- 「経営幹部を長期的に育成、交流できる研修を探している」
- 「階層別やスキル別でキャリアプランと組み合わせた研修を考えている」
研修はオーソドックスな内容を幅広くカバーしています。会員企業と会員外企業とで研修費用に差があり、会員外ですと少し価格が高くなります。
5.産業能率大学 総合研究所
経営コンサルティングとマネジメント研究で100年近くの歴史を持つ組織です。学生教育を短大・大学・大学院で実施し、社会人教育を総合研究所が担うという形で運営されています。
課題解決という点に強みをもち、コンサルティングからソリューションまで学びの機会を提供しています。
公開セミナー、講師派遣型・オンライン型の企業内研修があるほか、通信研修も数多く用意されています。
①研修の特徴
・豊富な研修種類とプログラム
全般的なマネジメント研修では、「OJDマネジメント実践研修」や「異文化対応基本研修」、「EXE|ビジネスリーダー特性診断」など、さまざまな研修があります。
・「働き方改革」に合わせたマネジメント研修
管理職、管理者、働き方改革推進リーダーなどが「働き方改革」の意義を理解し、生産性向上のための方法論を習得することで、ミドルアップダウンによる組織変革を実現させる研修も提供されています。
②オンラインorリアル
「オンライン」「リアル」どちらも可能です。
③こんな企業におススメ!
- 「学校法人が運営する社会人向け公開セミナーを受講したい」
- 「課題を明確にして、解決に向けたシナリオを描けるようになりたい」
- 「人事教育部門がラインナップを指定し、参加者にはその中で選択してもらいたいなど、選択的な受講制度を運用したい」
参照:https://www.hj.sanno.ac.jp/cp/public-seminar/search/
6.ラーニングエージェンシー
監査・税務・法務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリーなどを提供しているデロイト トーマツグループ から2019年に独立し、ラーニングエージェンシーへと社名を変更しました。
もともと会員制の受け放題研修サービスを提供してきた沿革があり、マネジメント研修もマネジメントスキルを細分化して、細かな単位で効率よく学べるようになっているのが特徴です。
①研修の特徴
・新任・初級管理職研修
新任・初級管理職を対象とした「管理職が担うべき役割を理解する」ための研修です。
トッププレイヤーとして活躍し成果を残してきたメンバーが、一度自分の培ってきた知識・スキル・経験をリセットし、「マネージャー」としてマインドチェンジできるように促します。
・中級・上級管理職研修
中級・上級管理職を対象にした「その役割の実行・実現の方法を学ぶ」ための研修です。
管理職は自身と若手は物事の考え方が大きく違うことを認識し、どのようなコミュニケーションの取り方が適切かを学ぶことで、組織の上に立つ管理職が、多様な視点を持つための内容が組み込まれています。
②オンラインorリアル
「オンライン」「リアル」どちらも可能です。
③こんな企業におススメ!
- 「経営理念や経営課題への理解や認識が薄い」
- 「マネジメントの知識はあるが、実行に移せていない」
- 「定額制で受講できるようにしたい」
参照:https://www.learningagency.co.jp/seminar/lineup/management/
7.Schoo
「大人たちがずっと学び続ける生放送コミュニティ」という新しいスタイルで、生放送や録画の講義を受けることができます。
短時間の動画授業が基本で、チャットのようにコメントでの参加もできるようになっています。
開講されている研修については、概要、おすすめのほか、学習ゴールも示されていて、自学自習ができる方、目標をもって学ぶことに慣れている方にとって、学びやすく情報が示されています。
①研修の特徴
・管理職としての役割やマネジメントの基本が学べる授業
管理職としての役割理解や、管理職に必要な基礎スキルを身につけることができる授業が全1回や全7回といった内容で、講師の先生ごとに作成されています。
目標管理や業務改善、メンバーマネジメントやリーダーシップなどについて学ぶことができます。
・部下への指導力を向上させる授業
管理職にとっての必須スキルである、メンバーマネジメントについて学べる授業もあります。
部下のモチベーションマネジメントの基本や、チームのメンバーに対して行動変容を促すための働きかけのコツなどを学ぶことができます。
・チーム・ビルディングや組織運営について学べる授業
組織マネジメントに必要な運営力の基本や、チーム・ビルディングの基礎知識を身につけられるものもあります。
②オンラインorリアル
基本的には「動画視聴型のオンライン研修」です。
③こんな企業におススメ!
- 「個人で必要なテーマを自発的に受講してもらいたい」
- 「指定した動画授業を見て、例えば新任管理職の役割を認識してほしい」
- 「ビジネス書を読むような感覚で、動画の授業を受けることに慣れてもらいたい」
ここまでに紹介した他者の研修とは異なり、動画サイトに近いラフな感じがあり、親しみやすさはとても現代的です。
一種のe-leraningサービスとなりますので、社内でどのように運用するかが大きなポイントになります。
参照:https://schoo.jp/biz/theme/manager/
マネジメント研修の費用相場
マネジメント研修でも、階層や目的に応じて研修のテーマや内容、日程が変わるため、一概には言えません。
ただし、新人や若手の研修よりは費用がやや高くなり、講師を派遣する場合は1日あたり40~60万円程度、社員を外部派遣する場合は1日あたり5万円程度が相場となっています。
サービス名 | 研修方式 | 料金 | 人数/日程 | 引用元URL |
---|---|---|---|---|
リクルートマネジメントソリューションズ | 社員派遣型 | 150,000円 | 1名/2日程 | 参考元 |
インソース | 社員派遣型 | 30,000円 | 1名/1日程 | 参考元 |
日本能率協会(JMA) | 社員派遣型(オンライン) | 74,800円(税込) | 1名/1日程 | 参考元 |
産業能率大学 総合研究所 | 社員派遣型 | 528,000円~ | 6名~24名/1日程 | 参考元 |
ラーニングエージェンシー | 社員派遣型 | 55,000円~(月額定額) | 1名~99名/1日程 | 参考元 |
schoo | e-learning | 1,500円(月額定額) | 60分×6コマの動画/1ID | 参考元 |
ジェイック(リーダーカレッジ) | 社員派遣型 ※講師派遣型も可能 | 32,000円 | 1名/1か月 | 参考元 |
※「2023年9月時点各社ホームページでの公開情報より引用」
マネジメント研修を行う上での注意点
マネジメント研修を行う上での注意点としては、以下のようなものがあります。
人材育成の意識やスキル
マネジメント研修に参加するマネージャーの課題として、「人材育成に対する意識不足」があるケースも多いでしょう。特にプレイヤー時代に優秀だったマネージャーほど、部下を育てる意識が薄く、人材育成への時間投下が少ない場合があります。もちろん人材育成のノウハウを持ち得ていない、といった可能性もあります。
人材育成は、継続的な企業成長のカギを握る重要な要素です。マネージャーが人材育成の必要性を十分に理解し、会社として持続的な成長を実現していくことが大切になります。
マネジメント研修を通じて、人材育成の意識とスキルも身に付ける必要があります。
意識のマンネリ化
マネージャーという新たな仕事も数年もすると「飽き」が生じるのが人間です。マネージャーの“マンネリ化”は、組織やチーム全体の停滞を招きます。
こうしたマンネリ化した状況の打破も、マネジメント研修で効果が期待できます。外部の講師から聞く話は参加する社員にとって社内では得られない知見・事例が多く、刺激的な内容になることが多いためです。
また、参加する研修によっては他の企業の受講者と交流をすることもあります。こうした経験を得ることによって、中堅マネージャーに生じやすいマンネリ化を打破することが可能となります。
中堅マネージャー層の停滞に対して、刺激を与えて活性化こと、マネジメント研修に期待されるテーマの1つです。
参加者のモチベーションが低い
研修に参加するマネージャーが、「会社や上司に言われたから……」という姿勢では、モチベーションが低い状態で研修を受けてしまい、教育効果は落ちてしまいます。
研修を受講するマネージャー自身にしっかりと学ぶことを動機づけることが大切です。
例えば、受講前のマネージャーに対して
- 会社からの期待
- 理想とするマネージャー像
- マネジメントができることのメリット
などの声かけを行い、研修後のマネジメントや実践をイメージして受講してもらえるようにしましょう。
学んだだけで成果が上がらない
「マネージャーに研修を受講させたものの、全く成果に繋がっていない」などの課題を抱える企業も多いです。
成果に繋がっていないケースとして、
- 学んだことを実践していない
- 実践を継続していない
ことが殆どの原因です。
学んだ直後の復習や振り返り、その後、研修で学んだことを実行しているかなど、参加したマネージャーの上司がサポートできるしくみづくりも、研修の成果をチームに定着・浸透させていくために必要なフォローです。
マネジメント研修の効果を上げる方法
マネジメント研修の効果を上げるために、ぜひ知っておいていただきたいフレームワークがあります。それが、「4:2:4の原則」という研修業界では有名なフレームワークで、研修効果をあげるための原理原則です。
「4:2:4の原則」は、教育研修における行動変容に与える要素の割合を示したものであり、行動変容に与える影響は研修前の働きかけが4割、研修自体は2割、研修後のフォローが4割となっています。
つまり、じつは行動変容への影響は、研修自体よりも研修前後の取り組みが8割を占めるのです。
<4:2:4の原則を踏まえた研修効果を高める取り組み>
研修前の4割
- 育成テーマに合った研修サービスを選ぶ
- 研修参加者にしっかりと目的や期待を伝える
- 参加者に事前教材を提供する
- 参加者に事前準備や事前課題を実施してもらう
研修中の2割
- 研修の内容やプログラムの品質を高める
- 自分の仕事にしっかりとブリッジングしてもらう
- 研修後に実践することを決める
研修後の4割
- 受講後の振り返りや報告でアウトプットする
- 研修中に決めたことを実践する
- 実践内容を共有、報告する場をつくる
- 継続的な実践をサポートする
研修を選ぶ上でも4:2:4の原則は大切なものです。自社でマネジメント研修を実施する、誰かを外部のマネジメント研修に派遣する際には、「事前の4」と「事後の4」に関する取り組みをしっかりと実施して、マネジメント研修を効果的なものとしましょう。
まとめ
組織が成果を上げ成長を続けていくには、各階層のマネージャーがしっかりと機能することが欠かせません。マネージャーが、メンバーを動かして組織の成果をあげられるかが重要です。
マネージャーとしての役割を果たすためには、役割意識や責任感などのマインド、信頼関係を築くヒューマンスキル、実務的に成果をあげるためのロジカルシンキングや目標設定力など、多様なマネジメント力が求められます。
新任管理職、中堅管理職、上級管理職とそれぞれで必要なマネジメントスキルは異なります。また管理職それぞれにおいても、不足しているスキルや経験、課題なども異なるでしょう。マネジメント研修を受ける前に、課題や研修を受ける目的を明確にすることが重要です。
その上で最適なマネジメント研修を選び、研修を通じて必要なマインドとスキルをしっかりと身に付けてもらいましょう。マネジメント研修を選ぶ、派遣する時は、4:2:4の原則も意識して取り組みをすると良いでしょう。
なお、ひとくちにマネジメント研修といっても得意なテーマ、内容は研修会社によって、また、研修によって異なります。
記事で紹介したおススメのマネジメント研修や研修の選び方を参考に、自社に適したマネジメント研修をしっかりと選び、目標達成また人材育成に貢献するマネージャーを育成していきましょう。