2022年元旦、全国紙5紙の社説【人を残すvol.107】

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2022年元旦、全国紙5紙の社説

ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

オミクロン株の感染力は凄いですね。
第5波のピークを越えるのではないでしょうか?

日ごとの感染者数の棒グラフをみると、第1波から第5波まで
ピーク日の前後でほぼ相似形にみえます。
フラクタル理論(※1)を援用して、新型コロナの全体での感染も
同様に相似形になると想定し、
・第6波が新型コロナのピークになる
・第6波のピークは、2月になる
と仮定すると、

新型コロナの感染スタートが2020年2月として、
ピークが2022年2月であれば、終結は2024年2月となります。

コロナの感染を耳にしなくなるのは、2年先くらいのつもりで
考えた方が良いかもしれません。

(※1 複雑で不規則な図形では、どの微小部分にも全体と
同様の形が現れる自己相似性があるという考え)

さて、今回は、2022年元旦の新聞各紙の社説をご紹介させていただきます。

各紙、元旦の社説は力を入れて書いているそうです。
そこで、普段とっている日経新聞に加えて、読売・朝日・毎日・産経の各紙を、
元旦にコンビニで購入してきました。

各紙の社説を抜粋してご紹介します。

日経新聞 タイトル「資本主義を鍛え直す年にしよう」 13版 2面
コロナ禍は世界がこれまで内包していた問題をあぶり出した。
米中などの国家間の対立・摩擦や、国内の貧富、人種、性別による分断が
これまでより先鋭化してきたようにみえる。
このことは、経済の根幹の資本主義そのものを揺るがしている。
世界では、日米欧など民主主義型の資本主義と、中国、ロシアなど
権威主義型の資本主義が対峙する構図が鮮明になっている。

かつて資本主義の失敗は極端な思想や戦争を招いた。
大恐慌後に全体主義や共産主義が伸長し、第2次世界大戦、その後の
東西冷戦につながった。高齢化、デジタル化など構造変化で制度疲労が
目立つ資本主義のほころびを繕う不断の改革が、民主主義を守るためにも
重要になっている。

グローバル・コモンズ(国際公共財)への対応も21世紀の資本主義が
抱える緊急課題だ。

体力低下が目立つ資本主義を鍛え直す。その契機となる年にしたい。

読売新聞 タイトル「災厄越え次の一歩を踏み出そう」 13版 3面
産業が成熟して金融資本主義の時代になり、経済活動の主軸がマネー取得の
最大化にあるかのような行き過ぎから、様々な歪みが生じてきた。
中国の軍事大国化によって、国際秩序が動揺し、国の安全が脅かされる時代にもなった。
経済社会の変調と軍事的脅威の高まりという二つの変動が、同時に進行しつつある。
市場経済を健全な軌道に戻して活性化させ、平和で安定した国民生活を築くという
二つの難題に立ち向かわなければならない。
新しい発想と粘り強い努力が必要だ。その一歩を踏み出す年である。

国の財政は巨額の赤字だが、企業の内部留保など民間資金はたっぷり眠っている。
これを企業、大学などの研究機関に対する投資に生かし、新しい技術開発を通じて
雇用の創出につなげるべきだ。

カギはイノベーション(技術的革新)にある。

ただ同時に、技術開発が世界の覇権争いの舞台になっている現実も、
見落としてはならない。
何もしなければ平和が保たれるなどというのは、危険な幻想である。
平和を守るには何が必要か、その「平和の方法」を具体的に考え、
行動しなければならない。
国際社会では、何よりも国力が大事だ。経済力が豊かで政治的にも安定した大国の
筋の通った主張であって初めて、影響力をもつ。

国力のもととなる経済の立て直しと政治の安定こそ、岸田内閣が取り組むべき課題である。
目指す目標と具体策をはっきりと掲げ、打って出ることによって、
難局乗り切りの活路を開かなければならない。

朝日新聞 タイトル「データの大海で人権を守る」 13版 11面
現実の国家の多くが、憲法によって権力の行使を制約され、
個人の基本的人権を保障しているのと同じように、巨大IT企業の行動にも、
一定の枠をはめ、個人を守るべきだという議論がされている。

日本国憲法の施行75年を迎える今年、データの大海であるデジタル空間のありようを
めぐる議論を、より深めたい。
憲法学者でAI(人工知能)にも通じる山本龍彦慶応大学教授は、
フェイスブックの「メタバース」事業について、国家をしのぎかねない
プラットフォーマーの力を「リアルに感じた」と語る。
「我々の生活が仮想空間に移る。そこでのルールはザッカーバーグが作る。
彼はいわば立法者。民主的な手続きを経ていない『法』が我々を拘束することになる。」
昨年初め、暴力をあおるトランプ米前大統領のアカウントをフェイスブックと
ツイッターが凍結した一件も、その当否はともかく、プラットフォーマーが
場合によっては表現の自由、ひいては民主主義と衝突する危うさを浮き彫りにした。
その力の源泉は、ネットを通じ、世界中から手に入れている膨大な量の個人情報である。

こうした危うさにいち早く対応しているのが、個人情報の保護を基本的人権と
位置付けている欧州連合(EU)だ。
伝統的に表現の自由を重視してきた米国でも、規制への流れが強まっている。
日本は追いついていない。
日本国憲法の核心とされる13条は「個人の尊重」を掲げ、個人が自分に関する情報も
ここから導き出される。長年の議論が実っていないのがもどかしい。

国民の「知る権利」とのバランスに留意しつつ、データをめぐる自由と権利を
整えていく必要がある。
何より個人の尊重に軸足をおき、力あるものらの抑制と均衡を探って
いかなければならない。

毎日新聞 タイトル「つなぎ合う力が試される」 13版 2面
冷戦終結直後に広がった「世界はいずれ民主化する」との楽観論は影を潜めた。
30年後の今、浮上しているのは、専制的な権威主義が拡大する現状への懸念である。
深刻なのは、民主国家でも権威主義的な政治が幅を利かせていることだ。

各国政府は感染症の流行や気候危機など地球規模の問題への対応に苦慮し、
経済のグローバル化で拡大した格差を是正する有効な処方箋を示せていない。
その結果、民主国家を中心に政治への不信や不満が強まっている。
一方、徹底した行動管理で感染を抑制した共産党一党独裁の中国は
体制の「優位性」を誇示する。

安倍晋三・菅義偉両政権下で異論を排除する動きが強まり、国民の分断が深まった。
「数の力」にものを言わせる政治と、市民との距離が広がっている。

現在の民主政治の土台は、有権者が選挙で自らの代表を選ぶ議会である。
だが、議員を介する分、人々の声が十分に政治に反映されにくいという問題も抱えている。
注目されるのは、市民による政治参加の動きが近年、活発になっていることだ。
市民参加の活動に詳しい吉田徹・同志社大教授は
「代議制民主主義の足りないところを補完しあう関係が望ましい」と指摘する。
夏には参院選がある。人々が声を上げ、政治がその多様な意見を吸い上げる。
市民と政治をつなぐ民主主義の力が試されている。

産経新聞 タイトル「さらば『おめでたい憲法』」 12版 1面
世界保健機関(WHO)が、昨年発表した最新の世界保健統計によると、
日本人の平均寿命は84.3歳と、2位のスイスに1歳近く差をつけて堂々の1位に輝いた。
個人が保有する金融資産も1999兆8千億円と前年より5.7%も増えた。
国民1人当たり1600万円近くもあり、世界第2位なのだ。
何より戦後76年以上にわたって、他国と干戈を交えることなく、
のほほんと平和に過ごせたのがめでたい。
問題は、あまりにも平和が長続きしたため、「いざ鎌倉」となった場合の備えが、
まったくできていないことだ。

世界は、米国を中心とした「民主主義国家」と中露を主軸とした「強権国家」が
対峙する新たな冷戦時代に突入した。
両陣営が角逐する最前線が、ウクライナと台湾であるのは、論をまたない。
習近平国家主席が目指す「台湾有事」がごく近い将来起きる可能性は、かなりある。
もしもの事態が起きた場合、台湾在留邦人や尖閣諸島を抱える先島諸島住民の避難を
どうするのか一つとっても何の準備もできていない。

「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」国民の安全を図ろうという
「おめでたい」憲法は、もう要らない。

それぞれの主訴テーマを整理すると、
日経;資本主義
読売;平和の方法
朝日;個人情報保護
毎日;市民と政治
産経;憲法改正

ご参考までに、2021年元旦の主訴テーマは、各紙、以下の通りでした。
日経;経済・民主主義・国際協調
読売;国力
朝日;核・環境・コロナ
毎日;衆院選
産経;中国共産党

各紙のベースとしている考え方が、みえてきそうです。

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 執行役員|上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 副董事長

知見寺 直樹

東北大学を卒業後、大手コンサルティング会社へ入社。その後、株式会社エフアンドエム副本部長、チャレンジャー・グレイ・クリスマス常務取締役等を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海法人(上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 )の立ち上げ等を経て、現在はHumanResourceおよび事業開発を担当する。

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