ほめられたくない若者たち【人を残すvol.131】

経営者向けメールマガジン「人を残す」fromJAIC

ほめられたくない若者たち

いつも大変お世話になっております。
株式会社ジェイックの梶田です。

 

突然ですが、皆様が大学生だと仮定して、
100人以上が座れる大きな教室をイメージしてください。
(大学をご卒業されていたら当時を思い出して)
広い教室のどこに座りますか?

 

1)教授の話に集中できる最前列
2)一番生徒が密集している真ん中あたり
3)あまり人がいない端っこや角のほう
4)最後列

 

いかかでしょうか?

私は学生時代、まぁだいたい一番後ろ、教授からは
絶対に見えない場所に陣取っていました。

 

教養課程なんて、とにかく出席することと、
ノートを入手することが目的でしたから、教授の顔なんて
見える必要はありませんでした。

 

同じように考えている学生も多かったので、
広い教室は、だいたい真ん中から後ろにかけてバラバラと
埋まっていた記憶があります。

 

現代の大学生はちょっと事情が異なるようです。

彼らはどこに座るかというと…

多くは、2)だそうです。

しかも椅子の“ひとつ飛ばし”などはせずに、ちゃんと
詰めて座る傾向が多いそうなのです。

 

私も新入社員や若手向けの研修を実施する際に、

「ちょっと暑苦しくない?」と思うほど、
真ん中あたりから密集して席が埋まっていく様子を目にします。

後ろの方に陣取り、ニヒルな感じで「わが道を行くぜ」的な
若者は、最近は本当に見なくなりました。

特にしゃべったりもしないのに、隣を空けずにちょこんと
座ってスマホを弄りながら自分の世界に没頭する姿には、
最初は、なかなか慣れませんでした。

 

なぜ彼らはあえて密集してるところに座るのでしょうか?

金沢大学 融合研究域融合科学系 教授の金間大介氏は、
著書「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」で、
(金間大介著 東洋経済新報社刊)

 

大学の講義中でのこんな経験をつまびらかにしています。

学生のモチベーションを上げるために、
講義中に、何度か生徒を褒めることがあったそうですが、
褒めた後、人が変わったように発言しなくなったり、

講義の後、褒めた生徒が来て、
「先生、皆の前でほめないでください」と言われたことが
あるそうです。

私も、新入社員研修で同様の経験をしたことがあったので、
深くうなずいてしまいました。

 

彼らは、褒められることが嫌なわけではありません。
ちゃんと承認欲求はあります。

人前で褒められることにより、目立つことが嫌なのです。
別の意味で、目を付けられたくないという心理が働くそうです。

「やってみせ、言って聞かせて、
させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」

日本海軍連合艦隊の司令長官 山本五十六さんの言葉です。

この言葉にもあるように、
何でもかんでも若手は褒めないといけないという風潮があります。

そう言う研修講師もいます。

しかし、大切なことは、褒めるにも、彼らにとってのTPOがある、
ということですね。

現代の若者たちには、我々とは異なる特性があります。
良い悪いではなく、彼らも環境に影響を受けながら育っており、
それは彼らの責任の及ばないことに起因することもあります。

 

上述した金間氏の著書は、お客様に薦められた本ですが、
この本は、現代の若者の特性を様々な角度から研究し、
さまざまな例を紹介しながらコミカル(シニカル)にわかりやすく
説明している書かれた良書です。

 

私は将来、大学生たちに、この混迷の時代を生きるための知恵を
習得してもらうべく大学の教壇に立ちたいと思っています。

 

社会人になる前に、そのような機会を若者たちに持ってもらい、
心の面でも経済的な面でも、充実した社会生活を営んで欲しいのです。

 

その為には若者教育と若者研究を同時に行っていく必要があります。

 

経験則だけにとらわれず、若者の特性をきちんと理解することが大切で、
ご紹介した金間先生の本は、その研究本として非常に参考になります。

 

そうして、少しでも多くの若者を導いてあげたいと思っています。

 

ちなみに上述した山本五十六さんの言葉には続きがあります。

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」

 

果たして、これからの時代を担う若者たちに、
この言葉に即した教育がどれくらい役立つものでしょうか?

 

皆様は、どう思われますか?

 

今回の執筆者:「梶田貴俊」
(株式会社ジェイック 西日本代表講師)

著者情報

梶田 貴俊

元株式会社ジェイック シニアマネージャー(現ジェイック契約パートナー)

梶田 貴俊

前職、通信機器ベンチャー商社勤務時代にリーマンショックを経験。代表取締役として、事業再生計画を推進し同社のV字回復を実現した。現在はジェイックの講師として研修事業を牽引している。

著書、登壇セミナー

『会社を潰さないためのSunday Management List ―中小企業のリーダーがやるべき日曜日のマネジメントリスト』

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