この章では3年目社員の教育において、悩みや不安を解消し、成長への意欲を喚起させるために教えるべき3つのポイントをお伝えします。
1.自分を知る(セルフコントロールを身に付ける)
任せられる仕事量も増えてくる中で、自分を知り、自分をコントロールすることが、仕事でコンスタントにパフォーマンスを上げるためには必要になります。自分が「何を知っていて何を知らないのか」「何ができていて何ができていないのか」を認識できてこそ、正しい努力もできるでしょう。また、自分の「思考の癖」を知ることで、感情やストレスをコントロールすることも可能になります。
入社から現在までの出来事や、自分の言動を分析・棚卸しすることで、自分自身を客観視できるようになります。自分という人間を第三者的に冷静に見ることができると、置かれた状況に対して「自分は何ができるか」を冷静に考え、適切な行動を起こすことができます。自分の意思で行動を起こし、壁を乗り越えたり、ストレスを除去できたりした経験を積めると、自分に対する自信が徐々に確立されてくるでしょう。
2.巻き込み力を身に付ける
組織の中で働き、大きな成果を上げていくためには、周囲の力を借りることが必要です。数年の経験を積んだとは言え、まだまだ必要十分な能力を持っているとは言えないのが3年目です。「周囲とコミュニケーションを取って周囲の力を借りる」ことの必要性は3年目社員も当然分かっています。
しかし、「コミュニケーションとは何か」の理解は意外とあいまいなことが多いものです。従って、「周囲を巻き込んで成果を上げるためのコミュニケーションが重要なのである」ということを正しく理解させる必要があります。
自分を客観視できるようにすることと同じように、周囲との人間関係も、“好き嫌い”や“合うか合わない”は置いておいて、冷静に分析させましょう。具体的には、自分を取り巻く人間関係について、誰がどのような情報を持っているか、相手からどんなサポートを期待できるか、普段の接触頻度はどうか、等を整理させます。
すると、自分が多くの人々に支えられていることを自覚するはずです。そのうえで、周囲の人々とどのように人間関係を構築していくのかを考えさせます。業務遂行を軸に、周囲との人間関係を捉え、周りを巻き込みながら仕事を進めていけると、仕事に対する達成感や充実感だけでなく、組織への帰属意識も高まるでしょう。
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3.この会社で働く意味を納得する
「こんな仕事をするためにこの会社には入ったのではない」
「この仕事をする意味が分からない」
「この会社で自分が成長するイメージが湧かない」
3年目社員が抱える仕事への悩みとして、上記のようなものが挙げられます。生活に困った体験が少ない中で、仕事に「意味」を求める欲求が強いことが若者世代の特徴です。意味や価値への悩みに対して、
「必ずしもやりたい仕事をやれるわけではない」
「どんな仕事にも意味がある」
「成長できるかどうかは自分の努力次第」
といった正論を伝えたところで、彼ら彼女らの悩みは解消しません。今の自分をどう成長させるか・何が不足しているのかを含め客観視させることと同時に、自分の未来・今後のビジョンを明確に考えさせることが重要です。
今の若者たちは、社会に貢献したいという意欲が非常に強くなっています。従って、未来やビジョンを考えるうえでは、2つの視点で自分の仕事がどう貢献に繋がっているかを考えさせましょう。
1つは、会社の事業が社会や顧客にどう「貢献」しているのか、そして、自分の仕事がどう「貢献」に繋がっているかということです。もう1つは、自分がどんな「貢献」をしたいのかということです。「自分が成し遂げたい貢献が会社の仕事を通じて実現できる」ことが腹に落ちると、仕事への意欲が掻き立てられます。
「この会社で働くことは自分にとってどんな意味があるのか」「この会社で自分は何を成し遂げたいか、どのような役割を果たそうと思うのか」ということが整理されると、自分のやるべきことや磨くべき知識・スキルも自ずと見えてくるはずですし、自分で見出したものには責任を持って取り組むでしょう。