第3の習慣「最優先事項を優先する」とは?
第3の習慣「最優先事項を優先する」という表現を聞いて、「そんなことは誰もが当たり前にやっていることじゃないか?」と思う方もいるかもしれません。しかし、冷静に振り返ってみると、「スケジュール」や「納期」、突発的に入ってくる「他人からの依頼」や「緊急対応」に追われているという方もいるでしょう。
本章では、第3の習慣を実践するうえでキーになる「時間管理のマトリックス」「最優先事項」「大きな石」という3つの概念を解説します。
時間管理のマトリックス
第3の習慣を理解するうえで前提になるのが「時間管理のマトリックス」という考え方です。時間管理のマトリックスは、私たちの活動を「緊急度」と「重要度」という2つの軸で4つの領域に分けて考えられるものです。
<時間管理のマトリックス>
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時間管理のマトリックスは、「緊急度」「重要度」という2つの軸によって、私たちの活動を
①緊急で重要 第1領域(別名「必須の領域」)
②重要だが緊急でない 第2領域(別名「効果性の領域」)
③緊急だが重要でない 第3領域(別名「錯覚の領域」)
④緊急でも重要でもない 第4領域(別名「浪費・過剰の領域」)
という4つに分類します。
私たちは日常生活のなかでつい「緊急性」に重きをおいて、第1領域、そして第3領域に時間を使ってしまいがちです。ただ、望む結果を得るためには「重要性」の軸をしっかりと考え、第2領域に時間を使いましょうということが、第3の法則が教えるポイントです。
「最優先事項」は何か?
第3の習慣「最優先事項を優先する」の最優先事項とは何でしょうか。最優先事項とは何か、ということは、時間管理のマトリックスにおける「重要」の基準は何か、ということとも紐づきます。
最優先事項や重要事項を考えるうえでヒントになるのは、じつは第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」です。自分の人生で何を大事にしたいか、また一つひとつの活動などのなかで望む結果は何かをしっかりと描いてください。その望む結果を得るために重要な活動が重要事項であり、最優先事項です。
仕事で継続的・長期的に成果を上げるための活動、ミッションやビジョンを実現するための活動、大切にしたい相手との交流、人間関係の構築、人材育成、自らのコンディションを整えるための運動やメンテナンス、自己成長に向けたインプットや学び等が重要事項に入ることが多いでしょう。
そして、上記の多くは「重要だが緊急ではない」活動です。もっと具体的には「納期がない活動」です。私たちは日常のなかで「納期」に追われ、つい「納期がない」活動を後回しにしがちです。しかし、重要事項、最優先事項に時間を投資しなければ、望む結果は得られません。
「大きな石を入れる」という考え方
「重要事項に時間を割く必要がある」という考え方は多くの人が「そのとおりだ」と頷くことでしょう。しかし、同時に「現実は忙しく、そんな暇はない……」と思われる方も多くいるのではないでしょうか。
第3の習慣を実践するためには、「大きな石を入れる」という考え方が有効です。手元にバケツと砂、そして、大小の石があると想像してみてください。バケツの中に砂と石を入れるにはどうしたら良いでしょうか。ポイントは大きな石を先に入れることです。
ここでの「バケツ」は1週間の予定です。バケツの中に、さほど重要ではないがやらなくてはならない(と感じている)こと、すなわち「小さな石」や「砂」を先に入れていくとどうなるでしょうか。あっという間に、バケツの半分ぐらいが埋まってしまうかもしれません。バケツの半分が埋まってしまったあとに、いくつかの「大きな石」、すなわち長期的に重要な仕事の進捗、新しいプロジェクトの企画、家族との会話、運動や自己研鑽の時間等、あなたにとって重要な活動を入れようとしても、バケツからはみ出してしまいます。
では、どうすれば良いのでしょうか。前述のとおり、まず大きな石を入れてしまえば良いのです。まずは、バケツの中に大きな石を入れ、あとから小さな石を、そして砂を入れていけば、すべて入るかもしれません。大きな石の隙間に小石や砂はスルスルと入っていきます。
つまり、スケジュールするときは、小さな石や砂、つまり第3領域ではなく、大きな石である第1領域、次に第2領域を優先してスケジュールすることが大切なのです。「重要性」の軸を優先してスケジュールすることで、最重要事項を優先して、自分にとって望む結果を得るための活動にしっかりと時間を割くことができるのです。
第3の習慣の位置づけ
『7つの習慣』は、第1~3の習慣の実践で得られる「私的成功(自立)」と、第4~6の習慣の実践で得られる「公的成功(相互依存)」、そして、自己研鑽の成長である第7の習慣という3つに分けられます。
第3の習慣「最優先事項を優先する」は私的成功を実現するための最後の習慣です。第1の習慣「主体的である」で人間が持っている力を活用することで選択する習慣を身に付け、第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」では、自分の人生で大切な価値観やミッションを明確にして、また、常に物事に取り組む前にゴールを描く「第一の創造」を実践する習慣を身に付けます。
第1の習慣と第2の習慣からなる土台の上で、私的成功を実現するための実践が第3の習慣です。自分の時間を何に投資するかを選択する(第1の習慣)ことを身に付け、何が重要かという基準(第2の習慣)を手に入れたうえに成り立つのが第3の習慣です。






