『7つの習慣』とは?
『7つの習慣』の著者であるフランクリン・コヴィー博士は、本の中で「成功を目指すならば、まず成功を支える土台となる人格を構築することが何よりも重要である」と説いています。人生の成功をテーマにした本は他にもたくさんありますが、人格を成功の土台に据えていることが同書の大きな特徴です。
本章では、『7つの習慣』の“人格主義”という考え方を紹介するとともに、『7つの習慣』が今なお世界中で支持を集めている理由を解説します。
人格主義という考え方
コヴィー博士は『7つの習慣』を執筆するにあたり、アメリカ合衆国の建国から200有余年に渡る「成功に関する文献」を徹底的に調査・研究しました。
結果として、直近の約50年間に出版された文献には、「成功は社会的イメージ、態度・行動、スキル、テクニックなどによって人間関係を円滑にすることから生まれる」という考えが中心に書かれていることがわかりました。コヴィー博士は、直近50年間の文献に共通する考えを「個性主義」と呼んでいます。
一方、建国から約150年の間に書かれた文献には、誠意、謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐、勤勉、質素、節制、黄金律など、「人間の内面にある人格的なものが成功の条件である」と書かれています。コヴィー博士は建国から約150年の間に書かれた文献に共通する考え方を「人格主義」と呼んでいます。
そして、コヴィー博士は、スキルやテクニックは必要ではあるけれども、個性主義の考えのみで成功しようというのは、“応急処置”や“一夜漬けの勉強”のようだ、と言っています。スキルやテクニックは、人格という土台が備わっていて、はじめて本来の効果を発揮し続けることができるということです。
HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、企業向けに「7つの習慣®」研修を提供しています。某IT系企業でシステムエンジニアを対象に「7つの習慣®」研修を実施した時のことです。実施企業の役員が受講生に向けて以下のような話を伝えられていました。
「システムエンジニアとしてスキルを磨き、優れたエンジニアになることは重要です。ですが、その前に人格を磨き、優れた人間になることはもっと重要です。なぜなら、スキルは、どのように使うかに価値があり、正しく適切に使うためには、優れた人格や人間性が備わっている必要があるからです。」
完訳版『7つの習慣』の書籍には、「人格主義の回復」という副題がついています。上記役員の言葉は、とかくスキルやテクニックがもてはやされるなかで、あらためて「人格」に目を向けようという「7つの習慣®」の考えを表すようなメッセージです。
不変の原則
『7つの習慣』の中で、コヴィー博士は以下のように言っています。
人格主義の土台となる考え方は、人間の有意義なあり方を支配する原則が存在するということである。自然界に存在する引力の法則などと同じように、人間社会にもまた、時間を超えて不変であり異論を挟む余地のない、普遍的にして絶対的な法則があるのだ。
『完訳 7つの習慣』より引用
人間の有意義なあり方、つまり誠実さや正直さ、奉仕や貢献、公正さ、忍耐、励まし、などを重んじることが人生をより豊かにする、人生の原理原則だということです。一見古臭いように聞こえるかもしれません。しかし、書籍『7つの習慣』やそれをもとにした研修が、時代や国を超えて支持されることこそが、「原則」の存在を示しています。
真の自立を実現し、豊かな人間関係を生み出し、成功を収める人生の原理原則がわかりやすくまとまっているからこそ、『7つの習慣』は世界中で多くの人々から支持を集めているのです。






