デール・カーネギー|生い立ちや功績、著書、3原則や名言を紹介

デール・カーネギーとは?|生い立ちと功績、代表的な3部作を紹介

デール・カーネギーは、アメリカの作家・講演家であり、コミュニケーションやスピーチ・プレゼンテーション、ストレス対応などに関する権威として世界中で名を知られる人物です。著書『人を動かす』『道は開ける』『話し方入門』などで名前を知っている人も多いでしょう。

 

本記事ではデール・カーネギーの生い立ちや功績、また、3部作としても知られる代表的な著書を紹介します。

 

こちらの動画でも簡単に解説していますので併せてご覧ください。

<目次>

デール・カーネギーの生い立ちと功績

最初にデール・カーネギーとは何者か、またデール・カーネギーの生い立ちと功績を紹介します。

 

デール・カーネギーとは?

デール・カーネギーは、リーダーシップ、コミュニケーションやスピーチ・プレゼンテーション、ストレス対応などの権威として世界中で名を知られる人物です。後述しますが、代表作である『人を動かす』『道は開ける』などの著書も非常に有名です。

 

カーネギーは、周囲と良好な人間関係を築き、コミュニケーションで影響力を発揮するためのスキルやマインドセットを研究し、独自のカリキュラムを開発しました。もともとはYMCAの話し方講座として始まったカーネギーのクラスは大評判となります。

 

その後、彼はYMCAから独立し、自分の研究所を設立します。デール・カーネギーの研究所は、カーネギーの死後もコミュニケーションやリーダーシップ、プレゼンテーションなどのトレーニングに関する権威として、現在でも世界中でサービスを提供しています。

 

前述の通り、カーネギーは多くの著書も残しています。その中でも『人を動かす』『道は開ける』『カーネギー話し方入門』は、カーネギーの代表作として挙げられます。

 

これらの書籍には、人間関係やコミュニケーション、人前での話し方に関する普遍的な原則について、具体的かつ実践的なメソッドが記されており、その内容は時代が変わっても色あせず、今でも多くの人々から支持されています。なかでも『人を動かす』は発売から80年以上が経過していますが、いまでもamazonのビジネス書ランキングなどに上位にランクインする通り、時代を超えて通用する普遍的な内容となっています。

 

なお、“カーネギー”の名前で有名な人物として、鉄鋼業で大成功を収めた実業家、アンドリュー・カーネギーがいますが、デール・カーネギーとはまったくの別人物です。

 

デール・カーネギーの生い立ち

カーネギーが生まれたのは、1888年、アメリカのミズーリ州の農家でした。実家は、“家に現金のある日はほとんどなかった”といった経済状況で、カーネギーは朝早く起きて牛の乳絞りをするなどの手伝いをする毎日だったそうです。

 

やがて、カーネギーは学校に通うようになると、演説や弁論術に興味を持ち始めます。青年時代や大学時代には、地元の弁論大会や討論会に参加して、優勝することも何度かありました。

 

カーネギーは大学を卒業したのち、食肉や日用品など様々な商品を売り歩く販売員として働き始めます。彼は、この仕事でトップセールスを記録するなど目覚ましい成果を上げました。しかし、カーネギーの本当の夢は、販売員ではなく、俳優になることでした。

 

カーネギーは、俳優の仕事を目指してニューヨークに移り住みますが、なかなか成功することはできませんでした。そんな中で、カーネギーはYMCAが主催していた夜間学校における「話し方教室」の講師という仕事にめぐり合います。

 

講義の中でカーネギーは、自分の経験や研究をもとに、話し方や人間関係についての実践的なノウハウを伝えるようになりました。受講生たちに自分の体験や考えをスピーチさせながら自信を持たせていく…といったカーネギーの講座は瞬く間に人気を博し、多くの受講生や企業から依頼が殺到するようになります。

 

カーネギーはYMCAから独立後、自分の名前を冠したデール・カーネギー研究所を設立し、企業研修や人材育成などを行う施設として発展させました。研究所は、カーネギーが亡くなる1955年までに、アメリカ国内で750箇所、世界15か国までに拡がることになります。

 

 

デール・カーネギーの功績

前述のように、デール・カーネギーは、生涯に渡って人々に話し方や対人関係のスキルを教え続けることをライフワークとしてきました。彼は自分自身や他人の実体験をもとに、人を動かす方法や悩みを解決するノウハウをまとめ、研修プログラムや著書を通じて、人々に伝えていきました。

 

カーネギーの代表作である書籍『人を動かす』は世界中で1500万部以上売れていますし、1948年に出版された『道は開ける』は、カーネギーのもう一つの代表作として有名です。

 

また、カーネギーが築いたデール・カーネギー・トレーニングも世界各国で展開されています。トレーニングでは「コミュニケーションスキル」「リーダーシップスキル」「プレゼンテーション」などについて実践的なトレーニングを提供しています。

 

トレーニングコースは100年以上の歴史があり、900万人以上の修了者を送り出しています。修了者の中には、米国大統領や伝説的投資家のウォーレン・バフェット氏なども含まれており、バフェット氏は「デール・カーネギー・コースが自分の人生を変えた」とテレビでも語っています。

 

HRドクターを運営する株式会社ジェイックも、デール・カーネギー・アソシエーションと契約して、日本で公式にデール・カーネギー・トレーニングを提供しています。

 

デール・カーネギーの代表著書『人を動かす』『道は開ける』『カーネギー話し方入門』

本章では、カーネギーの3部作とも呼ばれる『人を動かす』『道は開ける』『カーネギー話し方入門』の3つの書籍を解説します。

 

書籍『人を動かす』

カーネギーが1936年に発表した書籍『人を動かす』は、人間関係の原則を実例豊かに説き起こした不朽の名著です。日本でも1937年に翻訳され、邦訳でも500万部以上を売り上げるベストセラーとなりました。本書は、「人を動かす3原則」「人に好かれる6原則」「人を説得する12原則」「人を変える9原則」の4部で構成されています。

 

人を動かすことの本質を、具体的なエピソードと分かりやすい事例で説明した『人を動かす』は、現在でも数多くの人々のコミュニケーション能力向上や人間関係構築に効果を発揮し、世界中で支持され続けています。

 

『人を動かす』は、ビジネスシーンや家庭生活、友人関係といったあらゆる人間関係で役立つ普遍的な知恵が満載の内容となっています。他者と良好な人間関係を築き、人を動かす影響力を身に付けたいなら、一度は読んでみる価値がある一冊です。

 

『人を動かす』について詳しく知りたい人は、以下の記事で内容を要約しているので参考にしてください。

 

 

また、前述の通り、HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、デール・カーネギー・トレーニングと正式に提携して、日本で『人を動かす』の内容を身に付けられるリーダーシップ&コミュニケーション研修を提供しています。ご興味あれば、以下より詳しい資料をダウンロードしてください。

 

書籍『道は開ける』

カーネギーが1948年に発表した『道は開ける』は、悩みやストレスへの対処法を実例豊かに説き起こした自己啓発書です。日本でも発売後すぐの1949年に翻訳され、300万部以上を売り上げるベストセラーとなっています。

 

本書は、「悩みに関する基本事項」「悩みを分析する基礎技術」「悩みの習慣を早期に断つ方法」といった、全10章の構成となっており、それぞれが具体的な物語や事例で説明されています。

 

カーネギーは本書の中で、「過去や未来ではなく今日一日に集中すること」「最悪の事態を受け入れて冷静に対処すること」「自分や他人の長所や恵まれた点に感謝すること」と言ったメッセージを伝えており、これらが心身の健康と幸福の基礎となると主張しています。

 

『道は開ける』に収められた悩みやストレスと付き合うノウハウは、ストレス社会とも言われる現代に生きる私たちにとって非常に参考になるでしょう。

 

書籍『カーネギー話し方入門』

前章でもお伝えしたように、カーネギーは、長年にわたる話し方教室の講師経験を土台にして、深い人間洞察に根ざした独自のスピーチ術を生み出していきました。その集大成ともいえるのが本書『カーネギー話し方入門』です。

 

カーネギーは、人の心をつかむ話し方には理由があり、人前で上手に話せない人でも、正しい方法を学び、意欲を持って取り組めば必ずできるとして、これらがパブリック・スピーキングやプレゼンテーションの基礎となると話しています。

 

本書では、プレゼンテーションのノウハウが懇切に解説されています。実際のスピーチ例やトレーニング内容も豊富に掲載されているので、単なる知識ではなく実践的な学びを得ることができるでしょう。

 

デール・カーネギーの3原則とは?

デール・カーネギーは「人を動かす3原則」でも有名です。人を動かす3原則は、著書『人を動かす』の一部です。 『人を動かす』に書かれている全30の原則の中でも、基礎となる3つの原則として、書籍の初めに解説されています。人を動かす3原則をしっかりと理解すれば、『人を動かす』の根本が分かるでしょう。

 

人を動かす3原則は以下の通りです。

原則1:盗人にも五分の理を認める

「どんな相手に対しても、批判から入るのではなく、まずは理解を示す」という原則です。たとえ犯罪者だとしても、相手は「自分が罪を犯したのはやむを得ない事情があった」「本来の自分は “良い人” である」と思っているものです。普通の人であれば、なおのこと自分が悪いとは思っていません。

 

そんな相手を批判して、論破して屈服させようとしても相手は防御を固めるだけで、あなたの思い通りに動くことはありません。人を動かしたければ、批判や非難から入るのではなく、まずは相手の心情に関心を持ち、理解を示すことが大切です。

 

原則2:重要感を持たせる

人は誰しも「貴方は重要であり、価値がある人間だ」と周囲から認めてもらいたがっています。だからこそ、自分の自己重要感を満たしてくれる相手に対して、人は好意を抱きますし、自己重要感を満たしてくれた相手に何かしら貢献したいという気持ち(返報性の法則)を抱きます。

 

つまり、相手を動かすためには、相手の話を聴く、相手を褒める、相手の意見を訊くなどを通じて、相手の自己重要感を満たすことが大切です。

 

原則3:人の立場に身を置く

カーネギーは「人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ」だと言います。つまり、「動かす」のではなく、「相手が動くようにする」ことが大切なのです。

 

相手の求めるものが何かを理解するためには、相手の立場になって「相手の望みは何なのか?」「相手は何を大切にしているのか?」に焦点を当てて考えることが必要です。これが人の立場に身を置くということです。

 

どれも当たり前のことを言っているようですが、日常を思い起こしてみてください。職場や家庭で誰かを「動かそう」とする時、立場や論理、正しさを使って相手を動かそうとしていないでしょうか。強制的に相手を動かしても、その行動に“熱意”や“主体性”はありません。相手の熱意や主体性を引き出したければ、力で動かすのではなく、人を動かす3原則に肝になります。

 

人を動かす3原則は、以下の記事で詳細と実践のポイントを紹介していますので、興味があればぜひご覧ください。

 

 

デール・カーネギーの名言

カーネギーは『人を動かす』や『道は開ける』などの書籍や講演を通じて、多くの名言を残しています。人間心理、コミュニケーション、ストレス対応等に関する含蓄ある名言は、現代を生きる私たちにとっても非常に参考となるものです。

 

議論から最大の利益を得る唯一の方法は、議論を避けることである
あなたの話し相手は、あなたのことに対して持つ興味の100倍もの興味を、自分自身のことに対して持っているのである
動かないことが疑いと恐れを生み出す。行動は自信と勇気を生み出す。
非難は愚者でもできる、理解は賢者しかできない
相手は間違っているかもしれないが、彼自身は自分が間違っているとは決して思っていない。だから、相手を非難しても始まらない

 

上記のようなデール・カーネギーの名言20個を、以下の記事で解説付きで紹介していますので、ご興味あればぜひご覧ください。

 

 

まとめ

記事では、コミュニケーションや人間関係分野の権威として知られるデール・カーネギーについて、生い立ちや功績、また、カーネギーの代表作である『人を動かす』『道は開ける』『カーネギー話し方入門』」の3冊についても紹介しました。

 

なお、デール・カーネギーの『人を動かす』や『カーネギー話し方入門』のノウハウは、研修を通じて身に付けることができます。HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、デール・カーネギー・アソシエーションと正式に提携して、日本で『人を動かす』の内容を身に付けられるリーダーシップ&コミュニケーション研修を提供しています。ご興味あれば、以下より詳しい資料をダウンロードしてください。

 

 

著者情報

近藤 浩充

株式会社ジェイック|取締役 兼 常務執行役員

近藤 浩充

大学卒業後、情報システム系の会社を経て入社。
IT戦略事業、全社経営戦略、教育事業、採用・就職支援事業の責任者を経て現職。企業の採用・育成課題を知る立場から、当社の企業向け教育研修を監修するほか、一般企業、金融機関、経営者クラブなどで、若手から管理職層までの社員育成の手法やキャリア形成等についての講演を行っている。
昨今では管理職のリーダーシップやコミュニケーションスキルをテーマに、雑誌『プレジデント』(2023年)、J-CASTニュース(2024年)、ほか人事メディアからの取材も多数実績あり。

著書、登壇セミナー

・社長の右腕 ~上場企業 現役ナンバー2の告白~
・今だからできる!若手採用と組織活性化のヒント
・withコロナ時代における新しい採用力・定着率向上の秘訣
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