オンライン研修の進め方とは?失敗しないコツと効果を高めるポイントを解説

更新:2022/07/14

作成:2022/06/30

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

オンライン研修の進め方とは?失敗しないコツと効果を高めるポイントを解説

新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、テレワークを導入する企業が増え、会議や打ち合わせの多くがオンラインで行なわれるようになりました。企業研修も同様で、実施が難しくなった対面研修に代わって遠隔で受講できるオンライン研修が一気に浸透しました。最新の調査では、拠点展開している規模が大きな企業になるほど、緊急事態宣言など等の解除後も、継続的にオンライン研修を活用するしていくというデータもあります。
一方で、とりあえずオンライン研修に取り組んでみたをやったものの「オンライン研修ではどのようなんな準備が必要なのか」「オンライン研修ではどのようなんなことに気をつければいいのか?」といった不安や悩みを抱えている企業も多く存在します。
本記事ではオンライン研修の進め方やり方をテーマに、種類や必要なツールや、研修効果を高めるポイントを分かりやすくお伝えします。
記事をご覧になり、自社のオンライン研修の導入・実施のためのヒントにぜひご活用ください。

<目次>

オンライン研修の種類と特徴

記事では最初に、オンライン研修の種類と特徴を確認しておきます。お伝えします。

オンライン研修の特徴

オンライン研修とは、パソコンやスマートフォンを介して、自宅や外出先など遠隔地から受講できる研修を言います。オンライン研修には、勤務地によって生じる教育格差の解消をはじ始め、交通費や移動時間などのコスト・工数削減といったさまざま様々なメリットがあります。オンライン研修は全国どこからでも受講可能なことから、特に、多拠点展開や店舗型、直行直帰型の企業にはメリットの大きい研修形態とい言えます。

オンライン研修の種類

オンライン研修は大きく、“「ライブ配信型(リアルタイム型(ライブ実施))”」と“「録画型((オンデマンド配信)型)”」の22 種類があります。以下、それぞれの種類をについて説明します。
1 つ目の“リアルタイム「ライブ配信型(ライブ実施リアルタイム型)”」は、講義をリアルタイムで配信して実施するオンライン研修です。リアルタイムライブ配信型のメリットは、リアルタイムで研修を実施できるため、通常の集合研修と同じようにチャットやグループディスカッションなど双方向のコミュニケーションが可能になる点です。リアルタイム型半面、決められた日時での実施となるため、講義内容をあと後から視聴できない点がデメリットに挙げられます。ライブ配信型のによるオンライン研修では、WebEB 会議等で使われる“「Zoom”」が一般的に利用されています。

2 つ目の“「録画型(オンデマンド配信)型)”」は、あらかじめ録画された動画を視聴して受講するオンライン研修です。
いわゆる“e-learning”の形式です。録画型(オンデマンド型)の一番のメリットは、学習者の、好きなとき、都合が良いときにに何度でも繰り返し学習できる点です。とくにそのため、コンプライアンス研修や情報セキュリティ研修など、特に知識のインプットが目的の研修では効果を発揮するでしょうします。一方で録画型の場合、講師への質疑応答や、ほかの受講生とのコミュニケーションは難しくなります。
以上、主な 2 種類のオンライン研修を紹介しました。
実務的には、「リアルタイムライブ配信型のオンライン研修を録画 録画内容⇒をオンラインでを公開する(録画型)」社内サーバーサーバに格納するというケースということもよく行なわれています。これによって、日時が合わなかった対象者未受講者や今後の入社する人材向けに活用したり、自社の研修コンテンツを体系化したりできるなどのメリットが生まれます。権利関係はしっかりとクリアする必要がありますが、再利用できるよう、自社のオンライン研修はぜひを録画して蓄積することをおすす勧めします。
さて、この先では、本記事では、“リアルタイム型「ライブ配信型”(リアルタイム型)”」のオンライン研修にフォーカスして、必要な準備やノウハウ等を解説します。

オンライン研修に必要なツールとは

オンライン研修の実施には、いくつかのツールが必要です。本章では、オンライン研修で必要なツールを、ハードウェアとソフトウェアそれぞれに分けて解説します。

オンライン研修に必要なハードウェア

ハードウェアとして必要なのは、パソコンやスマートフォンなどの端末、およびWebカメラとマイクです。受講者側のWebカメラはパソコンやタブレット内蔵の物で問題ありません。マイクは静かな環境であれば、パソコン内蔵のもの等でも大丈夫ですが、グループワークを行う研修であれば、イヤホンやインカムを用意してもらった方がいいでしょう。

オンライン研修では、講義中の音声にノイズが入ったり画面映りが悪くなったりすると、受講者の集中が阻害され、研修満足度も大きく下がってしまいます。したがって講師・運営者側は、クリアな音声や映像を担保することが大切です。従って、講師・運営者側は、必ずノイズキャンセラー付きのヘッドセット、および必要に応じてLED照明やリングライト等を準備することをおすすめします。

Webカメラについてもパソコン内蔵のものを見下ろすような形の画角にはならないように注意しましょう。パソコン台等を使うか、外付けのWebカメラを利用して、カメラを目線の位置に持ってくることがお勧めです。

オンライン研修に必要なソフトウェア

ソフトウェアとしては、Web会議ツールが必須です。受講者側、講師側それぞれの端末に、Web会議ツールを忘れずにインストールしておくようにしましょう。

ツールの機能を利用することで、オンライン研修でもディスカッションやグループワークなど双方向なコミュニケーションを実施することができます。オンライン研修で最も使われているZoomには、「ブレイクアウトルーム」と呼ばれる“オンライン研修でグループワークを行なえる機能”が用意されています。

ブレイクアウトルームは、例えば「参加者30人のオンライン研修内で、3人×10グループのバーチャルな小部屋を作って、5分間のグループワークを行なえる」といった機能です。オンライン研修の効果性をあげるうえでは、グループワークは必須といえるでしょう。Zoomに限らずいくつかのWeb会議ツールで同じような機能が実装されていますので、ぜひ確認してください。

オンライン研修の進め方

本章ではオンライン研修の基本的な進め方と、各段階での注意点を解説します。

1.研修企画段階の準備と注意点

対面での集合研修と同様に、オンライン研修でも講義スライド資料を使って研修を進めます。集合型研修で使った講義資料は、基本的にオンライン研修でも利用できます。しかし講義資料をそのまま使うのではなく、オンライン研修用に“文字サイズ”や“レイアウト”を調整しなおすことを強くおすすめします。
オンライン研修は端末によって画面サイズが制限されるため、講義資料の文字サイズが小さいとハッキリ視認できない可能性があるからです。したがって、オンライン研修で使うスライド資料は「文字サイズを大きくする」「文字量を減らす」「写真を入れる」に注意して作成することがポイントです。

また、オンライン研修では、タイムスケジュールにも工夫も必要です。パソコン画面を長時間見続けていると、目の疲れや集中力の低下が生じます。全体の時間も短め、また、対面型研修のときよりも多い頻度で休憩を入れるようにしましょう。目安として40分~1時間ごとに5~10分間の休憩を設けましょう。

タイムスケジュールをコンパクトにまとめるコツは、テキストを事前に配布し予習してもらうことです。事前学習してもらうことで、講義中の説明時間を短縮し、その分をグループワークなど双方向の演習に割くことも可能になります。

2.研修実施前の準備・確認

講師・運営の担当者は、オンライン研修の実施前に、研修で使うツールや通信環境、マイクやWebカメラが正常に稼働しているかどうかなど準備・確認するようにしましょう。オンライン研修の運営に慣れていない場合は、一度本番と同じ流れでリハーサルをしておくと安心です。また、テキストやワークシートなどがある場合は、事前に配布しておくと当日のやり取りがスムーズに進みます。

受講者のなかには、オンライン研修が初めての人やツールに不慣れな人もいます。不慣れなまま受講に臨むと、研修の進行にも支障が出てしまいます。このような事態を防ぐためも、通信環境や接続状況の確認、ツールへの事前アクセス(カメラとマイクの利用)等を事前にアナウンスしておくことが重要です。

HRドクターでは、Zoomを利用してオンライン研修を実施する際の分かりやすい学習者向けマニュアルも公開しています。以下のURLより無料でダウンロードできますので、ご興味あればご覧ください。

3.オンライン研修の開始

オンライン研修の冒頭では、アイスブレイクを兼ねて15分程度レクチャーの時間を設けると、不慣れな参加者も安心して受講できます。レクチャーの際は、ツールの基本的な使い方のほか、講義中の音声・映像のオンオフのルール、リアクションの仕方などを一通り説明するとよいでしょう。また、双方向のコミュニケーションに慣れてもらうため、アイスブレイクの質問に回答してもらったり、簡単なグループワークをしてもらったりする機会を設けることも効果的です。

4.オンライン研修の実施中

オンライン研修では、対面研修と比べると講師が参加者の様子を把握することが難しく、一方的なレクチャー中心の講義になりがちです。しかし、オンライン研修は対面研修ほどの没入感・集中力を作ることが難しく、一方的な説明をしているとすぐに学習者の集中力は切れてしまいます。

学習者の集中力を維持するには、資料を事前配布して説明時間を短くすると共に、双方向性を盛り込むことがポイントです。一方的に説明するような状況は短くとどめて、10分に1回程度は「学習者に質問してもらう」「チャットでコメントしてもらう」「誰かを指名して答えてもらう」「グループワークを入れる」等の双方向性を入れることが研修の効果性につながります。

オンライン研修の研修効果を高めるポイント

オンライン研修の効果は、いくつかの工夫をすることでも高められます。本章では、オンライン研修の研修効果を高めるためのポイントをいくつか紹介します。

 

ポイント1 サポート担当者を置く

前章では、オンライン研修の事前に、入念に準備・確認することの重要性をお伝えしました。しかし入念に準備をしても、研修時にトラブルが生じる可能性はゼロではありません。とくにパソコン等とインターネットを介して実施する以上、講師側にトラブルが生じなくても、受講者の誰かにトラブルが生じることはよくあります。

 

本番中のトラブルは、スムーズな進行の妨げになり、受講者の満足度にも大きく影響します。そこでオンライン研修では、講師のほかにもう一人、サポート・運営担当者を待機させておくことをおすすめします。万が一の事態が生じても、サポート担当者が即座に対応することで、講師も受講者も安心して研修に集中できるようになります。

 

また先程お伝えしたように、オンライン研修は対面型に比べ、受講者の様子を講師が把握しづらい難点があります。サポート担当者が、受講者の状況を把握する役目を担い、たとえば「つまずいている様子の受講者がいたら講師に共有する」「受講者の集中が切れていそうであればワーク等を講師に提案する」といった関わり方をすると効果的です。サポート担当者が関わることで、講師と連携し研修効果を高めることができるのです。

 

ポイント2.反転学習を取り入れて研修効果を高める

反転学習を取り入れることも、オンライン研修の効果を高めるうえで効果的です。反転学習とは、「事前に予習してもらったうえで、研修に参加してもらう」方法です。事前にインプットして受講することで、例えば、講義中の説明時間を短縮し、ディスカッションやグループワークのボリュームを増やす、といったことが可能になります。

 

テキストや資料は事前に配布したほうがいい、ということを前述しましたが、オンライン研修の反転学習では動画の活用も効果的です。また、テキストや動画を活用にするに際しては、単に「事前に見ておいてください」ではなく、「こういうディスカッションをして指名しますので、自分なりに意見をまとめておいてください」といった形で事前課題とすると有効です。

 

重すぎる課題は学習者のモチベーションを落としてしまいますが、適切な事前課題を設定するなど反転学習を活用することで、研修を「知識を学ぶ」場ではなく「理解を確認したり深めたりする」場に変えることができます。

 

ポイント3.対面型研修やeラーニングと組み合わせる

記事で触れたように、オンライン研修は対面型の研修に比べメリットもデメリットもあります。そこで近年では、それぞれの研修方法のメリットを組み合わせて研修効果を高める“ブレンディッドラーニング”という学習方法が注目を集めています。

 

ブレンディッドラーニングの実施イメージは、たとえば、以下のような形です。

 

  • 1.最初にeラーニングや動画の事前課題で基礎知識をインプット。
  • 2.対面の集合研修で、参加者間や講師との関係性を構築すると共に、グループでの実践課題を設定
  • 3.オンライン研修でのグループワーク等を挟みながら、実践課題を進めていく
  • 4.参考となる動画等をeラーニングで配信
  • 5.最後に対面で成果発表と講師からのフィードバック、振り返りを実施

 

このように、複数の研修方法を組み合わせることで、それぞれのメリットを活かしたりデメリットをカバーしたりすることが可能になります。結果、オンライン研修単体のときと比べ、学習全体の質や効果性を大きく高めることもできるでしょう。

 

4.研修実施後の評価・振り返り

オンライン研修の実施後に、評価と振り返りを行なうことも重要です。研修後の評価・振り返るポイントは、以下の2点です。

 

ポイントの1点目は、次回以降の改善のために、受講者の反応や理解度を把握することです。研修直後のタイミングでアンケートや確認テストを実施するとよいでしょう。アンケートでは「音声が時々聞きとれなかった」「思ったよりも研修に集中できなかった」など、研修の質に関する声も多く寄せられます。受講者の生の声は、次回以降の研修内容を改善する重要なヒントですので、忘れずに集めるようにしましょう。

 

オンライン研修は、研修が終わった時点で学習者も接続を切ってしまうため、学習者の満足度や理解度などが把握しにくい傾向があります。その意味でも、アンケートや確認テスト、生の声を聴くなどが大切です。

 

また、ポイントの2点目は、研修効果を客観的に評価することです。研修直後のアンケートだけではなく、研修から少し間を開けて、「日常業務のなかで、学んだこと活用されているか?」「業務でどのような成果につながっているか?」「研修内で決めた課題を実践しているか?」等を現場の人にヒアリングするとよいでしょう。

まとめ

記事ではオンライン研修の種類や方法、研修効果を高めるためのポイントを紹介しました。

 

2020年からのコロナ禍をきっかけに、「テレワーク環境でも実施できる」オンライン研修が注目を集め、多くの企業で行なわれるようになりました。今後も対面研修と組み合わせる形で、オンライン研修は浸透すると考えられます。

 

お伝えしたように、遠隔で受講できるオンライン研修にはさまざまなメリットがありますが、実施には事前の準備・確認が不可欠です。また、プログラム設計や実施におけるコツもいくつかあります。オンライン研修の効果を高めるために、記事で紹介したポイントを参考に取り組んでいただければ幸いです。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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