
エルダー制度の導入時には以下のポイントを押さえると、うまく運用しやすくなります。
エルダーを任せる社員に「エルダーをすることのメリット」を明確に伝える
エルダー制度の効果をアップさせるには、先輩社員が制度の意味や効果を理解し、高いモチベーションで新人に関わることが重要です。そのためには、先輩社員に一方的にエルダーを任せるのではなく、エルダーになることで自分の問題解決力や管理スキルなどが高まるメリットを伝える必要があります。
エルダーを任せられることが、マネジメントや人材育成の体験となり、次世代リーダーになるうえでも欠かせないことが伝わると、制度への関心やモチベーションも高まりやすくなるでしょう。
先輩社員には「新人と年配社員の架け橋になる」といった具体的なメリットも伝えると、組織内で自分に求められていることを理解しやすくなります。
エルダーを任せる社員に「教え方」をトレーニングする
エルダー制度では、エルダーとなる先輩社員が実務の指導も行なうことになります。エルダーとなる先輩社員の「教えるスキル」がないと、新人の成長スピードにも悪影響をおよぼします。したがって、エルダーとなる社員には、OJTの基本となる教え方の5ステップ等を指導することがおススメです。
<OJTの基本となる教え方の5ステップ>
1. 仕事の意味や全体像を伝える
まず仕事の全体像やキャリアステップを共有して、作業への不安を解消することが大切です。特に、これから教える内容の価値創出や、全体像のなかでどこを担っているかを教えると、作業を通したやりがいも生まれやすくなります。
2. やってみせる
初めて仕事に携わる新人は、口頭や文章で説明されても、作業イメージをつかみにくいものです。そのため、実際に作業をしているところを見せて概要を把握してもらうとともに、「自分もできそうだ」というイメージを高めてもらうことが大切になります。
3. 作業内容を説明する
全体像を伝え、できるイメージを膨らませてもらったあとに、マニュアル等を使って具体的なポイントや手順の解説に入ります。指導をするエルダー側も事前にマニュアル内容を整理しておくと、伝え漏れも生じにくくなります。
4. 新人に経験させる
新人のなかに「できそうなイメージ」があるうちに、なるべく早めに経験をしてもらいます。そうすることで、エルダーが説明した作業手順や守るべきルール、注意点等の定着率が高まりやすくなります。
5. 評価・フィードバックを伝える
新人に業務を経験させたら、なるべく間を置かずにフィードバックを行ないます。理想はポジティブなフィードバックとネガティブなものを「3:1」の割合にすることです。未来志向のフィードバックを行なうと、モチベーションも高まりやすくなります。
教え方の5ステップについては、以下のページで解説しています。エルダーやOJTのトレーナー研修に役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。
エルダーと新入社員の相互理解を促進する
エルダー制度のスタート時は、エルダーと新入社員の相互理解の場を設けましょう。診断やプログラムを使って、お互いのコミュニケーションスタイルや強み・価値観の違いを理解すると、「相性」の問題が生じにくくなります。
ポイントはお互いの「共通項」と「違い」を見えるようにすることです。共通項を見える化することで親近感が生じます。逆に違いを見える化することで、「嫌われている」「そりが合わない」といった感情的反発や不安が生じにくくなります。
エルダー側も新入社員の強みや価値観を理解することで、相手を受け入れやすくなると同時に、相手の適性や性格に応じた教え方を理性的に選びやすくなります。