新卒採用、今後のトレンドはどうなる?|採用手法や企業の動向を解説!

更新:2023/01/23

作成:2022/12/08

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

新卒採用、今後のトレンドはどうなる?|採用手法や企業の動向を解説!

自社が欲しい優秀な新卒学生を採用するには、新卒採用のトレンドを知ったうえで、時代や自社の現状に合った採用手法などを選択していくことが大切です。

特に、大手企業と比べて採用難に陥りやすい中堅・中小企業やベンチャー、スタートアップの場合、新卒採用のトレンドに合った柔軟な施策が重要となります。

記事では、まず、近年の新卒における採用動向を紹介します。

そのうえで、後半では、新卒採用における採用手法などのトレンドと、これからの新卒採用を成功させるためのポイントを解説しますので、参考になれば幸いです。

<目次>

新卒の採用動向

書類を抱える新卒、若手の女性
まずは、新卒採用の沿革と近年の動向を見ていきましょう。

現在の採用市場が形成された沿革

1950年代の後半までの学生は、大学の掲示板などを見て、掲示板に広告が出ている説明会に参加するぐらいしか就職先を見つける選択肢がありませんでした。

しかし、1962年にリクルートが求人広告だけを集めた大学新卒者向けの情報誌「企業への招待」を創刊することが転機となります。

リクルートは1996年にリクナビの前身である求人サイト「RECRUIT BOOK on the NET」を開始したことで、“すべての学生が多くの求人情報を容易に見れる”現在の新卒採用市場の原型が形成されることになりました。

そして、個人情報保護の関係から大学におけるOBOG名簿が非公開となったりするなかで、リクルーター制度も下火となり、オンラインでの求人サイトが新卒採用の主流となります。

しかし、2010年代後半になると求人サイト一強の時代が終わりを遂げ、代わりに利用者が増えているのが、人材紹介(新卒紹介)やダイレクトリクルーティング(スカウトサービス)です。

直近では、学生の求人“広告”への信頼感も低下するなかで、オウンドメディアリクルーティングや採用マーケティングを導入する企業も増えています。

採用の早期化

新卒採用は、在学生を対象とすることから、早期に動いたほうが優秀層、情報感度が高い層にリーチしやすいという特徴があり、昔から早期化と規制の強化が繰り返されてきました。

直近10年だけを見ても、早期化に対する是正として、広報活動の解禁日=採用サイトでの説明会エントリーなどの解禁日は以下のように後ろ倒しになってきた経緯があります。

  • ~2012年卒:大学3年次の10月1日
  • 2013~2015年卒:大学3年次の12月1日
  • 2016~2021年卒:大学3年次の3月1日

一方で、上記の裏側で、インターンを利用した採用活動が増加。

また、外資系企業やベンチャー企業など、経団連の採用指針を遵守しない企業の存在感も増すようになり、新卒採用の指針における形骸化が進んできました。

2018年10月に経団連が自分たちでは採用指針を制定しないことを発表したことで、早期化の勢いはさらに加速しています。

2023卒では、大学3年次の3月1日の内定率は28.6%となり、前年同期実績を7.5ポイントも上回っているというデータもあります(ディスコ調べ)。

ある程度回答者層がアクティブ層に偏っている傾向などもあると考えられますが、広報活動の解禁日には、すでに3割近い就活生は内定を持っているということで、かなり衝撃的な数字です。

出典:キャリタス就活2023 2023年卒 Vol.05 3月1日時点の就職活動調査〈速報〉

恒久的な「売り手市場」のスタート

日本で少子化が叫ばれてきて長い期間が経ちますが、しかし、じつは過去30年を見ると、大卒の新卒採用市場は少子化の影響を受けていないどころか、大卒人数は増加しています。

これは少子化を上回るペースで大学進学率が上昇してきたことが背景です。

過去30年間で見ると、前半20年間で大卒人数は大幅に増加、直近10年間はほぼ横這いという状況になっています。

しかし、近年では、大学進学率も頭打ちとなり、いよいよ加速度的に新卒の減少が始まります。

ここからは景気状況の影響はありつつも恒久的な売り手市場となっていくことが予想されます。

オンラインと対面を混合したハイブリッド採用

HRドクターを運営する株式会社ジェイックの調査データでは、コロナ禍をきっかけとして、オンラインと対面を混合したハイブリッド採用が浸透していることがわかります。

  • 企業説明会・一次面接⇒6割前後が「オンラインでの実施」
  • 最終面接⇒7割近くが「対面での実施」

コロナ禍の終息後も、地方学生、研究が忙しい理系・大学院生、アクティブで多忙な優秀層などにリーチするため、新卒採用の入り口をオンライン化する流れは続き、ハイブリッド採用が主流となると考えられます。

課題は学生のつなぎ止め

採用活動のオンライン化によって、エントリーや説明会参加、一次面接などの母集団は確保しやすくなっています。

一方で、オンラインだけでは個別企業の理解が深まらない、雰囲気や人柄などへの確信がないといった理由で、志望度が上がりきらず、結果として、内定辞退されるケースも増えるようになりました。

今後の採用活動では、オンライン採用を取り入れつつ、どこでどうやって学生の企業理解を深めたり、志望度を高めたりするかが問われます。

新卒採用における採用手法等のトレンド

新卒採用を成功させるには、自社の採用力やトレンドに合った採用手法を選ぶことも大切です。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、サービス提供企業と契約することで、匿名状態の求職者データベースを検索して、新卒学生にスカウトメッセージを送れる“攻め”の採用手法です。

ダイレクトリクルーティングの場合、求人媒体に広告を出稿するなどの“待つ”手法と異なり、送信するメッセージを工夫することで、ネームバリューの低い中堅・中小企業やベンチャー、スタートアップでも優秀な人材のエントリーを獲得できます。

ダイレクトリクルーティングは、こうした特徴から、この5年ほどで急速に普及してきました。

中途であればBIZREACHが有名ですが、新卒では、Offerbox、キミスカ、FutureFinderなどが主要なダイレクトリクルーティングサービスです。

HRドクターを運営する株式会社ジェイックが提供する新卒ダイレクトリクルーティングサービス「FutureFinder」は、求人サイトとダイレクトリクルーティングの良いとこどりをしたサービスです。

スカウトメッセージの運用代行なども標準でついているため、工数の問題でダイレクトリクルーティングを利用しづらい企業にもおすすめです。

オウンドメディアリクルーティング

採用企業から掲載費用をもらっているため“良いことしか書かれない”求人サイトや求人広告への信頼感は徐々に低下しています。

また、オンライン採用で雰囲気や人柄への確信を持ちづらくなってもいます。

そこで近年では、採用サイトを「メディア」として、自社の情報を積極的に発信するオウンドメディアリクルーティングに取り組む企業が増えるようになりました。

オウンドメディアリクルーティングでは、自社の採用サイトをメディア化したり、noteやWantedlyなどのプラットフォームを利用したりする企業もあります。

オウンドメディアリクルーティングには、求人媒体依存を避けて採用コストを抑えたり、独自の魅力・価値などを自由に伝えやすくなったりするなどの中長期的なメリットもあります。

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)

採用活動に、以下のようなSNSを活用する手法も注目されています。

  • Twitter
  • Instagram
  • TikTok
  • YouTube
  • Facebook
  • LinkedIn
  • LINE

SNS採用の魅力は、無料や低コストで始められることです。

また、地道な投稿やコンテンツの工夫によって、中堅・中小企業やベンチャー企業でも、フォロワーを集めたり認知度を高めたりできる利点があります。

オウンドメディアリクルーティングと同様に、定性的な魅力を発信しやすいことも魅力でしょう。

採用マーケティング

採用マーケティングとは、「(自社が)採用してあげる」という企業中心の考え方ではなく、「自社の採用基準を満たす人材から、いかに選ばれるか?」という視点で、マーケティングの考え方を採用活動に取り入れることです。

採用ペルソナやKPI設定、後述する採用CXなどの概念的な部分もありますし、リターゲティング広告やMAなどデジタルマーケティングの手法を実際に導入している企業も増えつつあります。

採用CX

採用マーケティングを成功させるうえでも大切になるのが、採用CX(Candidate Experience)の考え方です。

採用CXとは、マーケティングにおけるCustomer Experience(顧客体験、顧客の満足)の考え方を採用に持ち込んだものとなります。

顧客体験とは、自社やサービスを知って利用する流れの中で、「ユーザー目線で“良い体験”を提供する」という考え方です。

採用活動でいえば、「求職者が自社を知って応募する、選考を受けて合否を知る、入社するまでに、どのような“良い体験”をしてもらうか?」という視点を持つことです。

採用CXは、まず採用においてどのようなタッチポイント(接点)があるかを洗い出し、以下のような気持ちをともなう体験をなくすことが最低限になります。

  • 心地悪さ
  • 不安
  • 不満
  • 不快

そのうえで、その接点のなかでどのような良い体験をしてもらうかを思考、工夫することが大切です。

長期インターンシップ

近年では、新卒採用が早期化するなかで、競合よりも早い時期に優秀な学生と接触し、自社に合う人材かどうかを見極めるために、低年次(大学1~2年生)を対象とした中長期の就業型インターンシップを実施する企業も増えています。

オンラインで就業できる企業も増えているなかで、学生も単純なアルバイトよりも社会に近く、学べる場として有償の長期インターンシップを選ぶ層が一定数います。

長期インターンシップは、ベンチャー企業やネット系企業などで特に多く実施されています。

ジョブ型採用

ジョブ型採用とは、「仕事に人を付ける」の考え方で採用することです。

日本での新卒採用は、昔からメンバーシップ型雇用(就“職”ではなく就“社”の考え方)が根底にありました。

また、採用後もジョブローテーションのなかでさまざまな経験をしてもらい、管理職を育てるという考え方が根強くありました。

このようなメンバーシップ型雇用の場合、たとえば、新卒で東京営業部に配属された人材が、3年後に東北のコールセンターに異動になり、5年後に本社の人事部門に配属される……といったキャリアを積むイメージです。

一方でジョブ型採用では、以下を明確に特定した雇用契約が結ばれます。つまり、就“社”よりも就“職”の色が強いのがジョブ型採用です。

  • 仕事内容
  • 役割
  • 待遇
  • 労働時間
  • 地位 など

近年では、新卒採用でもエンジニア層や研究職、幹部候補などを中心に、ポテンシャル採用だけでなく一種の即戦力採用が実施されるようになってきました。

また、“配属ガチャ”という言葉もあるとおり、どこに配属されるかわからないことは不安・リスクがあるという考え方をする学生も増えてきています。

こうしたなかで、新卒採用の一部にジョブ型採用を取り入れる企業もあります。

また、ジョブ型採用をもう少し簡易化して、雇用契約は共通であるが配属先だけ確約するといった職種別採用を実施している企業も多くなります。

総合職とエンジニア職などで職種別採用をしている企業は、昔から一定数あります。

また、近年では、職種をより細分化したり、選考評価に応じて待遇条件が変わってくる形で運用したりする企業も増えるようになっています。

これからの新卒採用を成功させるには?

面接を受ける様子
恒久的な売り手市場に突入するなかで、企業が新卒採用を成功させるには、以下のポイントを押さえて採用活動を進めていく必要があるでしょう。

1つの採用手法に依存しない

ここまで紹介した採用手法のどれか1つに依存するのではなく、自社に合うものを複数組み合わせて活用していくことが大切です。

新卒採用の分野は、上述してきたようにある程度のトレンド変化があることが特徴です。

そのため、1つの手法だけに依存すると、変化に追随できず、気が付くと時代遅れになっている、選ばれない状態になってしまう可能性もあります。

また、短期の施策を実施しながら、並行してSNSリクルーティングやオウンドメディアリクルーティングのような中長期の施策を組み合わせていくようなことも大切です。

トレンドに敏感になる

コロナ禍によってオンライン採用が一気に普及したことで、近年では、オンラインのインターンシップや企業説明会が一般的になりました。

結果として、対面での説明会のみでは母集団形成が困難になるとともに、地方企業が首都圏や大都市圏の企業と採用競争を迫られるようになるなどの変化も起こっています。

このように、採用活動のトレンドは、世界的な疫病や経済危機などの影響で一気に変わるケースもあります。

また、新卒採用は若年層を対象にしている分、コミュニケーションのインフラなどもある程度の周期で移り変わっていくものです。

したがって、いま高い効果を出している採用手法があったとしても、採用トレンドや新卒学生のニーズに合ったやり方に興味を持ち、切り替えていく柔軟性を持つことが大切になります。

新しい手法を取り入れれば良いわけではありませんが、時代変化のなかでインフラや意識の変化に追随しておくことは大切です。

HRテックを活用する

今後、新卒採用の早期化・長期化・複雑化や売り手市場の恒常化によって、採用工数や担当者の負担が増大していくと考えられます。

こうしたなかで、自社に合う人材を効率よく獲得していくには、HRテックの活用も大切です。

HRテックとは、「Human Resources」と「technology」を組み合わせた言葉です。

具体的には、人事部門が抱える課題を解決につなげるITツールやサービスの総称になります。採用活動の場合、以下のカテゴリでHRテックを導入できるでしょう。

  • 母集団形成(求人広告、ダイレクトリクルーティング)
  • 採用管理ツール(ATS)
  • 選考補助(適性検査、Web面接ツール)
  • 内定者フォローツール など

HRテックを導入するうえでは、以下のように自社の抱える課題を洗い出し、課題解決につながりそうなカテゴリでサービスの比較をしていくとよいでしょう。

  • 高い広告料を払っても母集団形成がうまくいかない ⇒ ダイレクトリクルーティング
  • ジョブ型採用や選考時期の分散で求職者の管理が大変 ⇒ 採用管理ツール
  • 内定辞退を防ぐために双方向コミュニケーションに力を入れたい ⇒ 内定者フォローツール など

まとめ

近年の新卒採用では、以下のトピックがトレンドになっています。

  • 採用の早期化
  • 恒久的な売り手市場のスタート
  • オンラインと対面を混合したハイブリッド採用

優秀な学生を獲得するには、トレンドに合った採用手法を活用することも大切です。最近では、以下のようなものが採用活動で広がっています。

  • ダイレクトリクルーティング
  • オウンドメディアリクルーティング
  • SNSリクルーティング
  • 採用マーケティング
  • 採用CX
  • 長期インターンシップ
  • ジョブ型採用

新卒採用は時代の変化を受けやすい分野であり、ある程度の周期で採用チャネルの移り変わりや学生の変化も生じます。

1つの採用手法に依存し過ぎず、ある程度はトレンドや新しい手法も取り入れていくことが大切です。

HRドクターを運営する株式会社ジェイックでは、新卒採用で当たり前になりつつあるダイレクトリクルーティングサービス「FutureFinder」を提供しています。

また、第5世代型の適性検査である「MARCOPOLO」なども提供していますので、ご興味あれば資料をご覧ください。


著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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