採用イベントには形式や主催者によって様々な種類があります。本章では、新卒採用イベントにフォーカスして主な種類を解説します。
中途向け採用イベントの種類も基本的には新卒採用イベントと同じですが、大学などの開催がない分、バリエーションや種類は少なくなります。
1.民間主催の合同企業説明会【総合型】
目にする機会の多い新卒採用イベントの1つが、複数の企業が同じ会場に集まって開催する合同企業説明会(合同説明会)です。
リクナビやマイナビなど、採用関連の民間企業が主催になって行うことも多いです。こういった民間企業による新卒学生向けの合同企業説明会でまず多いものが、志望業界・業種の決まっていない学生をターゲットに様々な企業が集まる「総合型」の採用イベントです。
総合型の採用イベントは大規模なものでは参加企業も数百社、来場者も数千人から数万人になります。総合型の大規模な採用イベントでは、これまで全く接点のなかった学生に出会える可能性があります。
参加学生は、まだ業界が絞り切れていない状態の人も多いので、企業紹介がうまくいけば自社にエントリーしてもらえる可能性も高いでしょう。成功のポイントは、いかに多くの学生を自社ブースに誘導できるか、また、自社のよさが伝わるプレゼンテーションができるかどうかです。
ただ、総合型の大型イベントは、大手企業なども多数参加するため、どうしても参加企業の一覧表を見て、社名を知っている企業、人気業界などに学生が集中する傾向があります。
中堅中小の企業の場合は、大規模イベントでは埋もれてしまう可能性があるので、中規模~小規模の新卒採用イベントに参加するほうが成果につなげられるかもしれません。
2.民間主催の合同企業説明会【特化型】
特化型とは、参加企業の業界や求人の職種、または対象学生の専攻、企業のエリアなどを絞り込んだ新卒採用イベントのことです。
例えば、参加企業の業界や募集職種を絞り込んだ「業界・職種特化型」、参加者を特定の学部・学科(主に理系、工学系を専攻する学生)に絞り込んだ「学部・学科限定型」などがあります。
特化型の採用イベントは総合型と比べて小規模になり、参加する学生の数も少なくなりますが、自社の業界や職種に興味を持っている学生、また、自社で求める学生に会える可能性は高くなります。
3.大学主催の合同企業説明会(学内説明会)
新卒の場合、各大学が開催する合同企業説明会(学内説明会)があります。大学が企業を一同に集め、自校の学生と企業の関わりを後押しします。原則として開催大学に所属する学生が参加対象です。
全学部の学生が参加するケースもありますし、キャンパス単位などで開催して理系学部の学生のみが参加するような学内説明会もあります。
学内説明会のメリットは、特定大学の学生にまとめてアプローチできる点です。
また、民間主催の就職イベントの場合、ブースへの訪問数は学生からの認知度に大きく影響されます。そのため、認知度・知名度の低い企業の場合、どうしても母集団形成の段階で不利になりがちです。
しかし、学内説明会であれば「自分の大学で説明会があるから、話だけでも聞きにいこうかな」「大学開催のイベントに参加している企業だから」という点で学生に安心感や信頼感が生まれやすく、知名度に関わらず、学生が自社ブースに足を運んでくれる可能性があがります。
また、基本的には大学主催ということもあって参加費用が掛からないことも大きな魅力です。その分、参加競争も激しく、中堅大学以上になってくると半年前に参加企業が決まってしまったり、卒業生の採用実績があるなどでないと参加が難しかったりします。
4.行政・自治体主催の合同企業説明会
労働局やハローワーク、地方自治体などの行政・自治体主催でも合同企業説明会を開催しています。
自治体ごとやエリア単位で開催される場合や、Uターン・Iターンでの就業希望者を対象に、ある程度広域で開催されることもあります。東京労働局だけでも年間数十のイベントを開催しています。
(参照元)厚生労働省ホームページ 東京労働局2022年度イベント
行政や自治体主催のものは「エリア」単位での開催になり、参加する人も「地元(このエリア)で働きたい」という人が多くなるため、特定エリアで働きたい人に会いたい場合は有効な手段でしょう。
大学開催のものと同じく、行政開催のイベントも基本的には参加無料であることが多いです。
5.マッチングイベント
マッチングイベントは、「就活生・転職者に会いたい企業担当者」と「企業担当者に話を聞きたい就活生・転職者」を集めて、お互い話せる機会を提供する小規模な採用イベントです。
企業側にとってマッチングイベントのメリットは、総当たりで参加者全員と接触できる点です。合同説明会型の採用イベントだと、自社のブースに集客できるかどうかは企業の知名度に左右されるため、知名度のない企業は不利になりがちです。
対してマッチングイベントの場合、総当たりで参加した就活生・転職者と接触する機会を持てることが多く、知名度に関わらず、どの企業も自社PRができ、求職者を口説くチャンスが生まれます。
また、イベントによっては、一回のイベント内で一気に面談や一次選考まで実施できるため、効率的でスピーディーな選考ができる点もメリットです。
6.逆求人
一般的な新卒採用イベントは、上述のように企業ブースを学生がまわるというスタイルです。
しかし、逆求人と呼ばれるイベント、学生側がブースを構えて自己アピールを行い、企業から声が掛かるのを待つ仕組みになっています。
学生にとって自分の強みをアピールし、そこに興味を持った企業のほうがアプローチしてくれることになります。
企業にとっても、自社の求める人材に直接アプローチできることや、企業規模に関わらず出会うチャンスがあるといったメリットがあります。
逆求人型のイベントは、ベンチャー志向がある学生、また、スタートアップやベンチャー企業向けに開催されていることが多くなります。
7.会社説明会、インターンシップ
ここまで紹介したイベントは、いずれも1つの会場に複数の企業を集めて合同で行われるものでした。
基本的に採用イベントという場合には、こうした合同開催するものを指しますが、各企業が個社で開催するようなものも採用イベントと言えないことはありませんので、念のため紹介しておきます。
各企業による会社説明会は、企業理念や事業内容、自社が求める人物像などの詳細をじっくり伝えることができます。また、自社に関心を持っている新卒の学生や中途求職者を集められます。
そのため、志望度や興味関心が高い求職者の母集団を形成できる点が、会社説明会の一番のメリットといえます。半面、知名度の低い企業にとっては、集客面が大きなハードルとなります。
また、早期の母集団形成としてインターンシップを実施することも、最近の新卒採用では一般的になっています。
大学2年生や3年生をターゲットにしたインターンシップは母集団形成と同時に、学生が業務を具体的にイメージする機会となり、志望度を高めたり、ミスマッチを防いだりする効果も期待できます。
8.大学等での個別企業説明会
採用担当者が大学や専門学校へ出向き求人案内や自社PRを行うなど、大学等で個別に企業説明会を実施するケースもあります。
大学等での個別企業説明会のメリットには、求める学生に絞り込んでアプローチすることで質の高い母集団形成ができる点、安定的に学生を確保できる点が挙げられます。
大学等での個別企業説明会の実施に当たっては、学校との関係構築がポイントです。大学との信頼関係を構築できれば、優秀な学生を優先して紹介してもらえるなど期待できるでしょう。
アポイント先は、先方のキャリア課担当者の他、担当教授などが窓口になることが多いです。