
離職率を低下させる上では、離職の要因、離職率が高い企業の特徴を知ることが大切です。大きくは以下3つへの対策が離職率を一般以下の水準まで低下させるポイントになります。
- 待遇(給与)への不満
- 人間関係が好ましくない
- 労働時間、休日等の労働条件が悪い
待遇(給与)への不満
厚生労働省『令和3年上半期雇用動向調査結果の概況』 によれば、「その他の個人的理由」を除いた25~29歳の退職理由第1位は「給料等収入が少なかった」です。イメージしやすいと思いますが、給与への不満から退職する人はかなり多いことが分かります。
国税庁『民間給与実態統計調査』 によれば、令和2年版の調査では、平均給与は433万円(正規と非正規両方を含む)となっており、雇用形態別にみると、正規496万円・非正規176万円となっています。
性別でみると、男性532万円、女性293万円となっています。なお、先は正規と非正規の双方を含んだデータであり、女性にパートタイム雇用が多くなっていることが、男女格差が大きくなっている理由と考えられます。
また、年齢別に見ると以下のとおりです(こちらも、正規と非正規の双方を含んだデータです)。
- 20〜24歳:260万円(男性:277万円、女性:242万円)
- 25〜29歳:362万円(男性:393万円、女性:319万円)
- 30〜34歳:400万円(男性:518万円、女性:311万円)
- 35〜39歳:437万円(男性:571万円、女性:317万円)
給与は地域や業種・業態などによって大きく異なるため「全国平均に満たないから」といって離職率の悪化と直接的につながるわけではありません。しかし、地域や業種の平均、市場の相場観から著しく給与が低い場合は離職の主たる要因になり得ます。
人間関係が好ましくない
20〜24歳、40代で最も多い退職理由は人間関係です。職場の人間関係は、極端にいえば週5日・1日8時間、働いている間はずっと付きまとうためです。従って、人間関係が良好でない状態は、モチベーション低下や結果的に離職につながりやすくなります。
特に部下にとっては、上司との人間関係は非常に重要です。上司と部下の人間関係は、上司にだけ責任があるわけではありませんが、職場において優越的な地位、指揮命令権や評価者である上司が良好な人間関係を作れるように気を配ることは大切です。
人間関係には、上司の人間性や器量が大切になります。特定の部門だけ離職率が高い等があれば、上司向けの研修を考えることも必要です。
労働時間、休日等の労働条件が悪い
30代で多い退職理由が労働条件です。30代になると結婚して家庭を持つ人が増え、体力的に20代のような働き方ができなくなってくることもあり、労働条件が退職につながる可能性も少なくありません。
労働条件は給与などと同じく衛生要因です。平均よりも悪いと大きな不満要因につながりやすくなります。当たり前のことですが、きちんと労働基準法を遵守した状態へと組織全体を改善することが重要です。