リーダーシップ研修とは?目的や対象者、研修成功のポイントとおすすめの研修会社を紹介

リーダーシップ研修の目的とは?具体的内容や実践的な能力開発に繋げる方法

企業を取り巻く環境変化の激しい現在では、「リーダーシップ」はどの階層の社員にも求められるものになりつつあります。そのため、近年では、リーダーシップ研修を実施する企業は、とても増えるようになりました。

 

リーダーシップ研修を効果的に行なうには、実施目的や対象を明確にすることが重要です。なぜなら研修内容は、研修の目的や対象、組織のどの階層向けに実施するのか、どのようなリーダーシップを求めるのかに応じて変わってくるからです。

 

記事では、まずリーダーシップ研修の目的と対象者を確認します。そのうえで、具体的なプログラム内容や研修を成功させるポイント、おすすめのリーダーシップ研修会社を紹介します。

<目次>

リーダーシップ研修の概要と対象者

ここでは最初に、リーダーシップ研修の概要と対象者を解説します。

 

リーダーシップ研修の概要

リーダーシップ研修は、組織内でのリーダー育成を目的とした研修プログラムです。

 

現代のビジネス環境は、マーケットの変化や、急速なDX化といった、劇的な変化にさらされています。このような環境で企業が勝ち残るためには、社員一人ひとりの自律的な行動を促し、組織の機動力を高めることが不可欠です。その意味で、今後の企業組織は、リーダーシップ研修を通じて、社員それぞれの役割において変化に適応しながら自律的な行動を促すリーダーの育成がますます求められていると言えます。

 

リーダーシップ研修の対象者

一般に「リーダーシップ研修」という場合、研修の対象者は大きく以下の2つがあります。

 

1つ目は、チームリーダーや課長・係長など、役職/階層としての現リーダーや新任リーダー、あるいはリーダー候補である層を対象とするリーダーシップ研修です。この場合の“リーダー”は、“管理職”に近い意味合いで使われており、研修では、管理職として必要な「リーダーシップ」にフォーカスして、マインドセットや必要なスキルを学んでいきます。

 

2つ目が、若手や全社員を対象としたリーダーシップ研修です。全社員などを対象とする場合の“リーダーシップ”は、主として“セルフリーダーシップの発揮”を指します。セルフリーダーシップは、「主体性」などの単語ともニュアンスが近いでしょう。若手や全社員を対象としたリーダーシップ研修では、セルフリーダーシップを発揮する心構えなどを座学やワークを通じて身に付けていきます。

 

前者の管理職としてのリーダーシップ研修でも、下地となるのはセルフリーダーシップです。そのため、両者には重複する内容もありますが、似て異なるものです。従って、リーダーシップ研修に向けて準備や計画を始めるときには、まず、どちらの対象向けに実施したいのかで切り分けをする必要があります。

 

なお、本記事では、前者の「管理職」や「プロジェクトリーダー」および、将来のリーダーやマネージャー候補者を対象としたリーダーシップ研修について解説します。

リーダー育成の重要性

リーダーシップのイメージ
リーダーの不足は、多くの企業が共通して抱えている悩みです。本章では、リーダーの不在によるリスクやリーダー育成の必要性を確認していきます。

 

企業には「強いリーダー」が必要

企業が新拠点の開設や新規事業の展開を進める上では、『強いリーダー』が必要です。しかし、特に中小企業においては、リーダーの不在が原因で、新事業、新拠点の展開が進まないケースも少なくありません。

 

もし、リーダーが育っていない組織の場合、今いるリーダーを次のステージに引き上げたり、新事業の責任者に抜擢したりすることが困難になってしまうでしょう。

 

リーマンショックやコロナ禍のような社会の激動時には、組織が生き残る上で、厳しい環境の中でメンバーを鼓舞し成果に向けて施策を打ち続ける強いリーダーの存在が不可欠です。強いリーダーがいなければ業績の悪化に歯止めが効かず、組織が一気に崩れてしまう恐れすらあるのです。

 

 

多くの企業でリーダーが育っていない

前述のように、多くの企業では、強いリーダーの必要性を自覚していながらも、自社に適したリーダーを育てられていないのが実情です。

 

組織の規模が拡大している従業員50~1000人規模の成長企業に対し、リクルートマネジメントソリューションズが2018年に実施した調査があります。

 

調査結果によると、経営者・人事責任者・事業責任者の約5割が、人事・組織戦略上での課題として『次世代リーダーが育っていないこと』を選択しています。リーダー育成が経営層にとって悩ましい課題となっている状況が見て取れるでしょう。

 

https://www.recruit-ms.co.jp/news/pressrelease/0000000274/
(参考)「成長企業における人材・組織マネジメントに関する実態調査」(リクルート・マネジメントソリューションズ)

 

リーダー研修と現場体験の組み合わせによる育成が重要

組織開発において、「リーダーは育つものなのか?育てるものなのか?」というテーマがあります。今後の組織をけん引できるような優れたリーダーは、研修だけで育成できるものではなく、本人の資質も必要とされます。また、幹部や後継者育成で“修羅場体験が大事”などと言われるのと同じように、現場で成功・失敗体験を通して学ぶことも非常に大切です。

 

しかし、一方で、組織としてリーダー育成に取り組まず、自然とリーダーが育つのを待っているだけでは、組織はリーダー不足に陥り、組織の維持・拡大、拠点の展開、新規事業への取り組み、環境変化への対応ができなくなってしまいます。

 

リーダーを育成するうえでは、「リーダー研修」を通じて体系やフレームワーク、マインドセットを身に付ける ⇒ 「現場」で実践して成功・失敗する ⇒ 成功・失敗を振り返ったり、フィードバックをもらったりして内省する(研修&日々のマネジメント) ⇒ 学びを自分の血肉とする、という経験学習のサイクルを動かすことが大切です。

 

研修と現場体験のどちらが重要、ということではなく組み合わせることで、組織として意図的に「リーダーを育成する」ことが大切です。

 

リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーには、文字通りのリーダーシップが求められます。リーダーシップの根幹は、チームをけん引するために物事を『決める』能力のことです。また、決めた後に『広げる』ことでメンバーを鼓舞することもリーダーシップの機能です。

 

一方で、リーダーシップと混同されやすい言葉にマネジメントがあります。マネジメントとは、組織の目標達成を目指して物事を『実行する』能力です。必要やリソース(工数や意表、能力、ノウハウなど)をやりくりしながら、ゴールに向かっていくことがマネジメントの本質です。

 

このように、リーダーシップとマネジメントは、本質的に異なる能力です。

 

現実的には、リーダーやマネージャーなどの管理職には、リーダーシップ(決めて広げる)とマネジメント(実行する)、両方の能力が求められます。そして、マネジメント能力に関しては、現場体験の中で身に付く部分もありますが、リーダーシップを身に付けるにはマインドセットが重要です。ここは研修を通じて、しっかりと伝えることが大切です。

リーダーシップ研修の目的

本章では、リーダーシップ研修を実施する目的を確認します。

 

リーダーの役割を認識する

リーダーシップ研修の1番の目的は、組織におけるリーダーとしての役割を認識してもらうことです。リーダーとして期待する従業員に、まず『リーダーとは何か』を理解してもらうことが重要です。

 

今までプレイヤーとして働いてきた人は、リーダーになるにあたり、より広い視野を持つことが求められます。管理職としてのリーダーは、個人として成果をあげることはもちろん大切ですが、それ以上に、組織・チームとしての成果をあげるという重要な役割があります。

 

また、自分のチームだけでなく、組織全体の最適化を意識しておく必要もあります。リーダーが持つべきなのは、プレイヤーとしての目線ではなく、経営者寄りの目線です。チームを動かして企業の発展に貢献する立場であることを自覚してもらう必要があります。

 

リーダーに必要な人間性を磨く

組織・チームでの成果を上げることが期待されるリーダーには、チームメンバーと信頼関係を築き上げることが求められます。そのためには、リーダーに必要な人間性を磨くことが不可欠です。なぜなら、リーダーはメンバーから信頼されて初めて、メンバー達に動いてもらえるようになるからです。

 

リーダーが持つべき人間性を磨くうえでも、リーダー研修は有効です。人間性というと抽象的に聞こえますが、いくつかの概念を学び習慣化することで、効果的に人間性を磨くことができます。

 

リーダーとしてのコミュニケーション能力、ヒューマンスキルを身に付ける

リーダーは、メンバーを動かして組織の成果を上げることが求められます。メンバーを適切に動かすためには、コミュニケーション能力をはじめとするヒューマンスキルが必要です。

 

メンバーと信頼関係を作り、メンバーに寄り添いながら、しっかりと為すべきことを進めてもらい、成果をあげてもらう能力がリーダーに求められるヒューマンスキルです。

 

ビジョンを描き、目標設定する力を身に付ける

リーダーに求められる役割の一つが、ビジョンや目標を決めることです。方向性を見定めてチームをけん引するためには、ビジョンを描き、目標を設定する力を身に付けなければなりません。

 

また、ここはマネジメント能力になりますが、実務的には目標を決めた後に、目標達成までの道筋を描く計画力や、計画を前に進めていく管理力・推進力がリーダーには求められます。

 

分析力や判断力を養う

リーダーに求められる重要な能力として、分析力や判断力も挙げられます。ビジネスでは何が正しいのか正解がないことも多々ありますが、このような状況でも、リーダーは責任を持って判断を下さなければなりません。

 

分析力や判断力はリーダーだけでなく、メンバー、プレイヤーにとっても重要な能力です。しかし、リーダーやマネージャーは、意思決定を通じて成果を挙げる役割を期待されているので、プレイヤー時代以上に分析力や判断力を養う必要があります。

 

リーダーシップを発揮するために必要な要素や能力

管理職としての「リーダーシップ」はマインドや心構えだけではなく、「組織の成果を上げる」ためのスキルと一体です。

 

リーダーとしてのマインドや心構えがなければ成果を上げられないことはいうまでもありません。しかし、マインドや心構えがあっても、実際に成果を上げるスキルがなければ、求められる成果につなげることはできません。

 

リーダーとしてメンバーや周囲と信頼関係をつくり、組織で成果を上げるために必要な要素や能力は、カッツモデルによる3分類(テクニカルスキル・ヒューマンスキル・コンセプチュアルスキル)で考えるとわかりやすいでしょう。

 

カッツモデルとは、組織内の各階層で求められるビジネススキルと成果を上げるための重要度をわかりやすく分類したものです。ハーバード大学の経営学者・ロバート・カッツ氏によって生み出されたこの考え方は、カッツ理論とも呼ばれます。

 

カッツモデルでは、組織内の階層を以下の3つに分けて考えていきます。

 

※本来のカッツモデルは管理職のみを対象としていますが、ロワーマネジメントを一般的なホワイトカラーのプレイヤー層を含む形で置き換えても理解しやすいため変更しております。

カッツモデル

 

テクニカルスキル

仕事で成果を上げるための実務能力です。管理職であれば、目標設定や達成計画の作成、タスクブレイクと進捗管理などの能力が求められるでしょう。

 

ヒューマンスキル

他者と信頼関係をつくりコミュニケーションを取る「対人関係力」全般です。自分で動いて成果を上げるプレイヤーから、人を動かして成果を上げる管理職になると、ヒューマンスキルの重要度が高まります。

 

ヒューマンスキルには、人材育成やメンバーを動かすためのコミュニケーション力、また、リーダーとして信頼される人間性やあり方も含まれます。

 

コンセプチュアルスキル

管理職になると、プレイヤー時代よりも高い視点、長い時間軸で物事を見ることが求められます。そのときに必要となるのが、成果を上げるための勘所を見抜いたり、ビジョンを描いたりする概念化力です。

 

本質的な結論や解決策を見出すクリティカルシンキングや、組織にミッションやバリューを浸透させたり、明るいビジョンでメンバーを鼓舞したりするためにも必要な力です。

 

リーダーシップ研修の具体的な内容

今いるリーダーや管理職、および将来のリーダー候補者を対象としたリーダーシップ研修では、おもに以下の内容を扱います。

 

組織における「リーダー」の役割や責任

まず最も基本となる部分としてリーダーとしての役割・責任を認識してもらうことが大切です。まず個人の成果に責任を負う「プレイヤー」と、組織としての成果に責任を負う「リーダー」は、役割と責任が大きく違います。

 

また、リーダー=管理職になると、管理することが役割であり、成果をあげるのは部下の仕事だと勘違いしている人もいますが、これも誤りです。確かにリーダーは人を動かして成果を上げることが求められますが、組織の成果に責任を負う以上、状況に応じて、自分が先頭に立って背中を見せる、自分が汗をかいて成果をあげることが必要な場合もあります。

 

リーダーに求められる人格や考え方

どんなに優れたコミュニケーションスキルやマネジメントのノウハウがあっても、それだけで人を動かし続けることはできません。リーダーに人間性が備わっていなければ、長期的・継続的に人はついてきません。コミュニケーションやマネジメントに関する技術は、人間性を伴うことで効果を発揮するものです。

 

リーダーシップ研修では、リーダーに必要な人間性や人格を確認し、磨くことも大切なプログラムです。リーダーに求められる人間性や人格、あり方。人間性や思考習慣は一朝一夕で身に付くものではありません。だからこそ、磨き続けなければならないのです。

 

セルフリーダーシップ

組織を率いて、メンバーを動かして業績をつくり出すリーダーには、自らの意思と責任で選択するセルフリーダーシップが基盤として求められます。自分自身にリーダーシップを発揮できない人が、他人に対するリーダーシップは発揮できるはずがありません。

 

主体性や責任感といったセルフリーダーシップを育むプログラムも、リーダーシップ研修では重要な内容です。

 

統率力(リーダーシップ)

統率力は、目標達成に向けてメンバーをまとめあげ、チーム・組織を引っ張るスキルの総称です。高い統率力を発揮するには、これまで記載してきたようなチームメンバーとの信頼関係、基盤となる信頼される人間性、意思決定力が求められます。

 

そのうえで、他人に対して物事を伝えて動かすためのビジョンメイキング、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルといったものが組み合わさって統率力、周囲へのリーダーシップとなります。

 

ヒューマンスキルとコミュニケーション技法

リーダーは人を動かして成果をあげる仕事ですので、人のマネジメントに必要なコミュニケーション能力も求められます。いわゆるヒューマンスキル、コミュニケーション技法といったものです。

 

ラポール形成、チームビルディング、コミュニケーションスタイルの理解、ロジカルコミュニケーション、ファシリテーション、傾聴、コーチング、動機づけの理論などはリーダーに必要な技術となります。

 

目標設定力・業務遂行力

リーダーシップ研修の目的でもお伝えした通り、リーダーには、目標を決め、チームを目標達成に導くことが求められます。

 

このあたりはマネジメント側の能力となってきますが、目標設定のスキル、また、目標達成に向けた実行力や目標マネジメントといった業務遂行力などです。たとえば、目標設定の基本となるSMARTの原則や、結果の改善に必要なPDCAサイクル、KPIマネジメントなどです。また、意思決定をする上では、適切な計画を作成したり、課題を解決したりするための分析力も必要です。目指すゴールや目標達成のための計画が適切なのか、課題の真因は何なのかといったことをしっかりと分析できなければ、成果にはつながりません。

 

ロジカルシンキング

上述した目標設定力や業務遂行力といったマネジメント側の能力を磨くうえで、基盤となるのがロジカルシンキングです。

 

ロジカルシンキングのスキルを磨くことで、目標設定や計画作成だけでなく、実行の中で生じる問題にも迅速な対応が可能になります。マネジメントの実務は問題発生と解決の連続です。ロジカルシンキングの能力を高めることで、目標達成できる確率は高まるでしょう。

 

人材育成力

リーダーには、メンバーや次期リーダーを育てる人材育成力も求められます。最も基本的な育成は以下のようなティーチングのプロセスになります。

  • 全体像やポイントを解説する
  • 手本を見せる
  • 実際にやらせてみる
  • フィードバックする

仕事に対する相手の習熟レベルに合わせてティーチングとコーチングを併用、切り替えていきながらメンバーを育成する方法を学ぶ必要があるでしょう。

リーダーシップ研修の設計で大切なポイント

MTGでリーダーシップを発揮する女性

効果性の高いリーダーシップ研修を実現するためには、どんなことがポイントになるのでしょうか?本章では、リーダーシップ研修の設計で大切なポイントを紹介します。

 

研修の目的と対象者を明確にする

リーダーシップ研修を企画する際は、まず「リーダーシップ」が何を指すのか?を関係者の間ですり合わせることが重要です。「リーダーシップ」という言葉は、「マネジメント」や「コミュニケーション力」と同様に、人によってイメージする内容が違います。

 

そのため、研修の設計では、最初に、「誰のどのようなリーダーシップを強化したいのか?」という対象と目的をそれぞれ明確化します。そのうえで、研修を通じて、理想と現状のどのようなギャップを埋めるのか?どんな足りない要素を補強するのか?どんな強みを伸ばしていくのか?などを、詳細にしていきましょう。

 

研修内容と研修方法を決める

研修のゴールが決まったら、次は研修内容と研修方法を決定します。そのためにはまず、研修の大まかな概要を決めていく必要があります。研修内容に応じて、集合研修、e-ラーニング、オンライン研修など、適した実施方法も変わってきます。

 

また、管理職層が対象の場合、スケジュールの調整も難しくなることが多いでしょう。そのため、管理職向けのリーダーシップ研修では、早めに研修概要と実施方法、日程を決めていったほうがよいでしょう。そのうえで、研修の詳細カリキュラムを詰めていきましょう。

 

研修の効果性を高める工夫を盛り込む

研修の効果性を高めるための重要な原則は、「4:2:4の法則」として知られています。この法則では、実は、研修の効果性に影響を与えるのは、研修本番(2割)以上に、研修の前(4割)、研修の後(4割)であるということを示しています。

 

従って、研修プログラムを練ることと同時に、研修前後に関して以下のような準備をしていきましょう。

  • ・前向きな姿勢で参加してもらうための事前アナウンス など
    →なぜ研修を実施するのか? どのようなメリットがあるのか? といった意識づけ
  • ・研修内容を「実践」してもらうための仕掛け
    →アクションへの落とし込みやフォロー研修、実施結果の発表会など

 

リーダーシップ研修を成功させるポイント

前章では、リーダーシップ研修を設計するにあたってのポイントをお伝えしました。続いて本章では、リーダーシップ研修を実施して成功させるために大切なポイントについてお伝えします。

 

中長期的な時間軸で育成計画を考える

ここまでお伝えしたように、組織のリーダーには様々なスキルや能力、マインドが求められます。したがって、リーダーは一朝一夕では育ちません。リーダー育成には、1~3年程度の時間が必要となるでしょう。

 

大切なのは、リーダー研修と現場体験を組み合わせ、中長期的な時間軸で育成を考えるということです。長期間にわたる育成の間には、社員の退職や独立による離職の可能性もあるでしょう。こうした事態も想定すると、候補者を選抜する際は、必要と考えられるリーダー数の約3倍の育成対象者を選ぶことが必要です。

 

リーダーに対する期待を具体的に伝える

リーダーシップ研修の効果を高めるためには、経営層や人事責任者、上司から、受講者に具体的な期待を伝えることが大切です。なぜなら、経営者や上司の一言で受講者のモチベーションは高まり、研修効果も大きく変わるからです。

 

具体的には、『あなたが次のリーダーになるんだ』と奮起させる言葉をかけたり、新任リーダーに『どのような役割を期待しているのか』を具体的に伝えたりすると効果的です。また、マンネリ化している既存リーダーには、刺激を与えることも重要です。

 

厳しい環境の中でモチベーションを維持しながら学び続けてもらうためには、経営者や上司による動機づけが欠かせません。研修実施前にはぜひ、研修の目的や期待を具体的に伝えておきましょう。

 

現場実践を組み込む

リーダー育成においてカギを握るのが、現場での経験です。現場経験に加えて、『現場で生かすための意識や知識を学ぶ』『現場での経験を学びに変える』ための学びを研修に設けることで、現場での実践がスムーズなり、成長に繋がりやすくなります。

 

リーダー向けの研修にはさまざまな種類がありますが、知識をインプットするだけではなく、「インプットして実践する」「実践して振り返る」というプロセスを設けたプログラムを検討することが大切です。

 

学びと実践を継続させる仕組みを整える

リーダーに必要なスキルやノウハウは、研修で学んだだけで身に付くものではありません。研修の効果を高めるには、座学研修を受けさせて終わりではなく、学んだ知識やスキルを使って実践する場を作ることが非常に重要です。

 

さらに、現場で実践したことによる成功や失敗を、自分のものとするためには、実践して終わりではなく、“体験を振り返って整理する”プロセスがあると良いでしょう。

 

このように、リーダーの育成では、

  • 研修で効率的に体系や知識を学ぶ
  • 現場で実践する
  • 実践の結果を振り返り、生きたスキルや知恵として身に付ける

というサイクルを回していけるよう、学びと実践を継続させる仕組みを整えることが大切です。

 

組織としてのフォロー体制を整える

個人としてだけでなくチームとして成果を上げることが求められるチームリーダーは、多忙であることが多いでしょう。目先で起こるトラブルの対応や毎月の成果、メンバーのマネジメントに追われがちとなり、なかなか自己成長を考える余裕がないことも少なくありません。

 

こうした問題を解消するには、組織として経営層や人事責任者が、チームリーダーの育成に2つの視点で積極的に関わることが大切です。

 

1つ目は、孤独になりがちなリーダーの相談相手となり、日々の仕事の悩みや中長期的なキャリアアップ等についても、しっかりと展望を見せることです。

 

そして、2つ目は、研修前後における関わりです。繰り返しになりますが、研修前においては、研修に前向きに参加できるように、研修の価値や成長への期待値を伝えること、研修後においては学びを実践するためのフォローを行なうことです。

 

こうした取り組みを組織として行なえるようになると、リーダーのモチベーション向上やストレスの解消、そして、育成効果の向上も期待できるでしょう。

 

リーダーシップ研修を選ぶポイント

リーダーの育成では、学ぶべき内容が多岐にわたります。また、特に中小企業の場合は育成対象となるリーダー数が少ないこともあり、外部研修を利用することも一般的です。外部の研修会社が提供するリーダーシップ研修を選ぶ上で、大切なポイントをお伝えします。

 

組織が目指すリーダー像にフィットした内容か?

リーダーシップ研修を選ぶ上での1つ目のポイントは、組織が目指すリーダー像にフィットしたプログラム内容かどうかということです。

 

例えば、新入社員研修の場合であれば、社会人に求められるマナーや仕事をするための基本など、研修内容はある程度共通したものになるでしょう。しかし、リーダーシップ研修においては、組織文化やマネジメント方針はそれぞれの企業ごとに違います。どんなリーダーを育成したいのか?リーダーに組織をどのようにけん引していってほしいのか?といった、育成したいリーダー像も組織ごとに異なるはずです。

 

外部のリーダーシップ研修サービスを選ぶ上では、自社の組織として育成したいリーダー像を明確にした上で、どんなリーダー育成をコンセプトにした研修なのかを確認することが大切です。

 

講師の実績はどうなっているか?

リーダーシップ研修の受講者は、現リーダーにしてもリーダー候補だとしても、プレイヤーとして実績を出してきたメンバーになるでしょう。従って、リーダー研修の講師は、プレイヤーとしての経験や能力を尊重しつつ、同時に、しっかりと受講者に刺激を与えられる実績と力量を備えている必要があります。

 

また、リーダー研修、とくに新任リーダー研修における大事な目的は「プレイヤーからリーダーへの変化」というマインドセットを実現することです。そして、中堅リーダーの場合は“マンネリ感の打破”等、さらに難易度の高いテーマになることも多くなります。

 

リーダーシップ研修の講師は受講者を惹きつけられる実績や体験、コミュニケーション能力を持っていることが求められるので、研修講師や研修会社の実績はしっかりと確認するようにしましょう。

 

職場での実践・経験が組み込まれているか?

繰り返しになりますが、リーダーとしての能力は座学で知識を吸収しただけで高まるものではありません。とくにプレイヤーからチームリーダーへ昇格した場合には、知識をインプットしたうえで現場での実践や経験を積んで、スキルやマインドを自分の物にしていく必要があります。

 

従って、リーダー研修は実務から切り離されたものではなく、プログラム全体、また研修内のワーク等に関しても実践ときちんと紐づいたものである必要があります。プログラムやワークが経験学習サイクルを踏まえて設計されているかを確認しましょう。

 

「4:2:4の法則」に則った内容か?

記事の中でもお伝えしたように、「4:2:4の法則」は、研修効果に影響を与える要素と割合を示したものです。
繰り返しになりますが、4:2:4の法則によれば、研修成果の影響を及ぼす割合は、

  • 研修前の意識付 4割
  • 研修プログラムの質 2割
  • 研修後の実践・フォロー 4割

となっています。

 

研修の効果性を高めるために研修自体のプログラムはもちろん大切ですが、研修前後にどんなアプローチをするかということが非常に大切になります。

 

リーダー研修を選ぶときには、4:2:4の法則を念頭に置いて、研修自体の質がいいかという点だけではなく、研修前後の仕掛けとして、以下の要素が組み込まれているかを確認しましょう。

 

  • 参加の参加姿勢を作るための仕掛け
  • 職場に戻って実践を促す仕組み
  • 派遣者を巻き込んで“前後”の質を高めるプロセス

おすすめのリーダーシップ研修の提供企業

リーダーシップ研修を提供する研修会社をいくつか紹介します。

 

株式会社ジェイック

HRドクターを運営する株式会社ジェイックは、マザーズ上場の教育研修会社です。国内外の教育プログラムのなかから「自社に導入・実践して効果のあった研修プログラム」のみを顧客に提供しています。

 

リーダーシップ研修では、リーダーとしての原理原則を身に付ける7つの習慣®、目標達成スキルを磨く原田メソッド、リーダーとしてのコミュニケーション力を高めるコミュニケーション研修、管理職としての考え方とスキルを身に付けるJAICリーダーカレッジなど多様なプログラムを提供しています。

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日経ビジネススクール

グローバルにビジネス推進し、社会に変革と活力をもたらす人材育成をミッションとする研修会社です。リーダーシップとコミュニケーションを組み合わせた研修や、女性リーダー向けの研修なども実施しています。

 

株式会社インソース

社会人教育とコンサルティングを行なう教育研修会社です。リーダーシップ研修のほかに、上級管理職や中級管理職、プレイングマネージャー向けなど、多様な階層別研修を提供しています。

 

GLOBIS

経営大学院の創設や企業内リーダーの育成などを行なう企業です。リーダーシップ研修では、ロジカルシンキングや戦略立案や変化に対応できるリーダーの要件などを学べます。

 

アチーヴメント株式会社

個人の目標達成をサポートする人材教育コンサルティング会社です。代表的な研修であるアチーヴメントテクノロジーコースでは、課題抽出や気付きの誘発といった「目標達成技術の体得」を目的とした研修が受けられます。

 

JAICのリーダーシップ研修

HRドクターを運営する教育研修会社ジェイックが提供する4つの主要なリーダーシップ研修プログラムを紹介します。

 

管理職向けのリーダーシップ研修「JAICリーダーカレッジ」

JAICリーダーカレッジは、「周囲を引っ張り、結果を出し続けるリーダーを育成する」というコンセプトのもと、参加者の行動変容を実現するリーダー育成プログラムです。1年間の継続学習と職場実践を通じて「結果を上げるリーダー」を生み出します。

 

JAICリーダーカレッジは、以下のようなリーダー候補に行動変容をもたらします。

 

  • 受け身で主体性が足りない
  • プレイヤーとしては優秀だけど、メンバーがついてこない
  • 専門家としては優秀だが、マネジメントができない など

 

研修では3つのコンテンツと実践を通して、リーダーに必要な人間性、目標達成スキル、コミュニケーション力を学びます。

 

  • アメリカの売上トップ100社“フォーチュン100”の90%以上が社員研修に導入する、リーダーとしての基本と原則を学ぶ「7つの習慣®」
  • 野村証券やキリンビールなども導入する目標達成スキル「原田メソッド」
  • リーダーとして人材育成するために必須となる褒める・叱る等のスキルを身に付ける「コミュニケーション研修」

 

コースは対面(通学)・オンライン、どちらでも受講可能です。オンラインコースも動画での反転学習(事前学習)や2ヵ月に1回の個別面談で、しっかりと行動変容を実現するプログラム構成になっています。

 

研修は座学だけではなく、グループワークやディスカッションが中心です。また、最大の特徴として、「学んで終わり」ではなく、「学んで実践して振り返る」ことで変化を実現する構成になっており、研修と研修の間では必ず「職場実践」を実施します。

 

1名から派遣可能な公開講座となっており、他社のリーダーとの他流試合による刺激も効果性を高められるプログラムです。

 

 

全社員向けのリーダーシップ研修「7つの習慣®」

7つの習慣®は、JAICリーダーカレッジでも導入されているプログラムです。

 

世界で3000万部以上が売れている成功の原則『7つの習慣®』の考え方を社内に浸透させ、社員の「主体性」や「リーダーシップ」を高める内容となります。社員に以下のような課題があれば、非常に高い効果があるプログラムです。

 

  • 失敗の原因を周囲に求めてしまう
  • いわれたことしかやらず、自分で考えて動けない
  • チーム内や部門間の人間関係が悪い
  • 意見の衝突を恐れ、真のチームプレーができない
  • メンバーや取引先と長期的な信頼関係を築けない など

 

セルフリーダーシップの原則を教える研修となっており、年齢や性別、部署を超えて実施できます。

 

単なる座学ではなく、グループワークやディスカッションを通じて、「7つの習慣®」の内容を腹落ちさせ、仕事や生活に落とし込むとともに、社内の社風改善にも大きな効果があります。社内に浸透させるためのアフターフォロープログラムも充実しています。

 

将来のリーダー候補向けの「ブレイクスルーカレッジ」

「ブレイクスルーカレッジ」は、将来リーダーとして活躍を期待する人材に必要な“リーダーシップ”と“貢献意欲”を高めることを主な目的とした次世代リーダーの育成プログラムです。

 

現在のビジネスの環境は、「これをすれば上手くいく」といった答えがなく、ビジネス課題も複雑化して、新しい解決策を創り出さねばならない状況にあります。そのため、令和の時代、これからリーダー・管理職になる人材は、今までの管理職と同じようなマネジメントをしていても、こうした課題に対処することは難しく、今までうまくいっていたマネジメントが、通用しなくなりつつあると言えます。

 

「これまで」と「これから」では、目指すべきこと、やるべきことは全く異なります。リーダー育成においても、新しい学びが求められているのです。

  • 個人の「強み‐Strength‐」を最大限に活用
  • リーダーとして不可欠な「当事者意識‐Ownership‐」
  • 周囲を動かすための「対話力‐Dialog‐」

 

3つを身に付け、チームや組織に対する“リーダーシップ”と“貢献意欲”を醸成し組織全体で成果を上げる管理職候補へとレベルアップを実現するのが、「ブレイクスルーカレッジ」です。

「デール・カーネギー・トレーニング」

ビジネス社会において、リーダーシップやコミュニケーション力は、部下育成、業績目標の達成などを左右する重要なスキルです。こうした、人を動かすためのリーダーシップやコミュニケーションスキルを体得できるのがジェイックのデール・カーネギー・トレーニングです。

 

  • 世界トップ企業、国内大手企業が導入する高品質なプログラム
    ⇒世界100か国以上で展開、FORTUNE500(アメリカの売上トップ500社)の90%以上の企業が社員研修として導入
  • デール・カーネギーの人間関係の原則が身に着く
    ⇒1500万部を超えるベストセラー「人を動かす」の原則で、業種や職種を超えてあらゆるビジネスシーンで効果を発揮
  • 行動を変えることを突き詰めて作られた研修プログラム
    ⇒ロールプレイングやデモンストレーション、ディスカッションワーク、そして、講師からのフィードバックで行動変容を徹底サポート

 

ジェイックでは、2022年7月より米国デールカーネギー・アソシエイツ社とフランチャイズ契約を締結し、日本全国でデール・カーネギー・トレーニングを提供しています。

まとめ

リーダーシップ研修を実施する場合、対象と目的を明確にすることが重要です。

 

リーダーシップ研修と一口にいっても、現管理職と候補者を対象にしたものと、一般社員を対象にしたものでは意味合いが大きく異なります。管理職層を対象とした場合、目的は組織の成果を上げるためのマインドとスキルを身に付けることになります。

 

一方で、一般社員を対象とした場合、目的はセルフリーダーシップを発揮できるようにすることが中心になることが多いでしょう。

 

また、管理職向けのリーダーシップ研修では、以下のようなものがプログラム内容になってきます。

 

  • 組織の成果に責任を持つリーダーとしての自覚とスキル
  • リーダーに必要な人間性や意識
  • メンバーや周囲に良い影響を与えて動かすためのコミュニケーション力

など

 

変化が激しいビジネスシーンにおいて、リーダーシップは全メンバーに求められる力です。ぜひ目的を明確にして、効果的なリーダーシップ研修を実施してください。

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著者情報

宮本 靖之

株式会社ジェイック シニアマネージャー

宮本 靖之

大手生命保険会社にて、営業スタッフの採用・教育担当、営業拠点長職に従事。ジェイック入社後、研修講師として、新入社員から管理職層に至るまで幅広い階層の研修に登壇している。また、大学での就活生の就職対策講座も担当。

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