マズローの欲求5段階説の面白い使い方【人を残すvol.10】

経営者向けメールマガジン「人を残す」fromJAIC

マズローの欲求5段階説の面白い使い方

ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

 

1ヶ月半近くに渡り、大いに盛り上がった

ラグビーワールドカップ日本大会が

南アフリカの優勝で幕を閉じました。

 

幸運にも、神奈川県民枠で応募して当選し

予選1試合、準決勝2試合、決勝と計4試合を

スタジアムで観ることができました。

(もう1試合、イングランドvsフランス戦も持っていた

のですが、台風で中止になってしまい、残念。。。)

 

決勝は1階席で、その他の試合は2階席でした。

1階席は、6列目でしたのでグラウンドがすぐそばで

臨場感があり良かったのですが、ラグビーの試合を

みようとすると、2階席の方が勝りました。

 

2階席で、最初に感じたことは、両チームあわせて、

30人いると、グラウンドが狭く感じてスペースが

ないことです。

 

また、テレビ観戦では気付きにくいですが、バックス陣が

ポジションを状況に合わせて、頻繁に変えています。

 

貴重な体験でした。

 

ラグビーワールドカップを生で観られるのは一生に一度の

ことと思い、チケットを購入したのですが、ラグビーファンの

知り合いに、4年後のフランス大会に行きませんか?

との誘いをもらいました。

 

メドック・マラソンも重ねて参加できますよとのこと。

ちょっと、気持ちが揺らいでいます。

(メドック・マラソンは、有名なシャトーを数多くめぐり

エイドステーションでワインが振る舞われるという大会です。)

 

さて、メルマガシリーズ【人を残す】に関して

以下、情報をご提供させていただきます。

 

今回は、10月30日に参加したセミナーの内容をご紹介させて

いただきます。

 

講師は、平塚市にある横田園芸の横田社長でした。

バラの栽培を事業とされていらっしゃいます。

 

自らの事業やアクションを、自己実現の分野では有名な

マズローの欲求5段階説に当てはめて、解説されました。

 

ご存知かとは思いますが、簡単に欲求5段階説をご紹介します。

(諸説ありますが、シンプルに説明致します。)

 

人は、満たしたい欲求が5つの階層に分かれていて

下層の欲求を満たすと、それより上の欲求を満たそうと

するという説です。

 

5階層 自己実現の欲求(自分の能力を最大限に発揮)

4階層 承認の欲求(認められたい)

3階層 親和の欲求(家族、仲間などに所属)

2階層 安心・安全の欲求(安全、健康、住居など)

1階層 生理的欲求(生存するために必要な食べ物・水、睡眠など)

 

元々は、ウェディング用のバラを栽培していました。

ウェディング用ですので、大きな花でかつ大きさを揃え

虫食いがないように、肥料や農薬をたくさん使っていたそうです。

 

大きな花を作るためには、化学肥料で栄養をたくさん与える。

栄養をたくさん与えると、花には無理をさせていているので

虫がついたり、病気になりやすくなる。

そこで、化学農薬を使う。

 

これを、5段階説に当てはめると

5階層 自己実現の欲求 ⇒ 年間安定供給(大量生産)

4階層 承認の欲求 ⇒ 化学農薬(きれいな生産物)

3階層 親和の欲求 ⇒ 化学肥料(規格に合わせる)

2階層 安心・安全の欲求 ⇒ 温室・ビニール(環境をコントロール)

1階層 生理的欲求 ⇒ 土・培地

 

ただ、横田さんは、化学肥料・農薬がたくさん使われている花が

結婚式で使われていることに、違和感がありました。

 

そんな折にある転機が訪れます。

 

それは、東日本大震災。

 

震災の影響で、結婚式の自粛が続き、当然、横田さんのところへの

バラの発注もぴたっと止まります。

 

そこで、横田さんは一気に、バラの栽培法を転換

無農薬・自然力畑でバラを栽培することにします。

安全で安心な、食べられるバラです。

 

この事業をまた、当てはめると

5階層 自己実現の欲求 ⇒ 旬の物(自然)

4階層 承認の欲求 ⇒ 天敵・良い菌(自然を利用)

3階層 親和の欲求 ⇒ 自然の養分(自然に合わせる)

2階層 安心・安全の欲求 ⇒ 時期・気候(季節に添う)

1階層 生理的欲求 ⇒ 土

 

最初は、試行錯誤の連続だったそうです。

 

農薬を使いませんので、虫がたくさんつきます。

そこで、虫を避ける効果のあるハーブをバラの周りに

植えました。

すると、ハーブを避けて、逆にバラに虫が集まってしまう。

そこで、ハーブとバラを混栽してみましたが

バラに虫がつかないようにするためには、ほぼハーブで

少しだけバラ位のバランスでないと意味がないことが

分かります。

 

考えた末、出した答えが、虫を避けるのではなく

バラよりも虫が好む植物を隣に植えれば良いのではとの

アイディアです。

これが、見事あたります。

横田さんの農園では、バラの隣にピーマンが植えられています。

 

また、アブラムシが発生する時期は特定の時期なのだそうですが

その時には、近所から天敵であるてんとう虫を大量に捕まえて

自分の畑に離します。

てんとう虫にとって、生理的欲求が満たされ、安心安全な場で

あるとわかると、横田さんの畑で、てんとう虫が定着し

世代交代をします。

 

安定して食べられるバラが出荷できるようになると

ミシュランの星を持っているレストランや高級デザートを

つくるお店などから、発注が舞い込みます。

 

いまでは、シンガポールなど海外にも出荷しているとのこと。

 

横田さんご自身の承認欲求や自己実現欲求も満たされていきます。

 

皆様の事業や担当されている仕事に5段階説を

当てはめて、一度思考してみては、如何でしょうか?

 

横田社長は、大変勉強熱心な方で、しかも実践型。

ご興味がありましたら、以下のHPをご確認ください。

https://yokota0141rose.wixsite.com/ethical

 

横田社長が書かれているブログも面白いです。

https://ameblo.jp/wideleaf/

 

追伸

弊社は、10月29日に東証マザーズに上場させていただきました。

これまで、ご支援ご指導いただきました多くの方々に

御礼申し上げます。

今後とも宜しくお願い申し上げます。

 

お薦めのお店は、大阪・淀屋橋にあるイタリアン「CANAL」

敷居が低くて、料理もワインもコスパ抜群です。

http://www.italian-canal.com/

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 執行役員|上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 副董事長

知見寺 直樹

東北大学を卒業後、大手コンサルティング会社へ入社。その後、株式会社エフアンドエム副本部長、チャレンジャー・グレイ・クリスマス常務取締役等を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海法人(上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 )の立ち上げ等を経て、現在はHumanResourceおよび事業開発を担当する。

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