世界のHONDAが生まれた日【人を残すvol.33】

2020/06/03

世界のHONDAが生まれた日

いつも大変お世話になっております。
株式会社ジェイックの梶田です。

 

…コロナ禍で随分と様相が変わってしまいましたね。
3月初めには、ここまでの事態は想像もできませんでした。

 

私どもジェイックも、この環境変化に適応すべく、
様々なビジネスモデルへのチャレンジを続けています。

 

特にオンラインでの採用紹介や教育研修へのチャレンジは、
最初は手探りでしたが、少しづつ皆様からの理解も得られるように
進化してきたと感じています。

 

ただし、そこは弊社に限らず各社様も様々な取組の中で、
業績回復や向上にまい進され、より競争環境が洗練されていき、
満足や妥協を許さない日々が続くことを覚悟せねばなりません。

 

とはいえ、緊急事態宣言も解除され、私の娘(小6)も
“ならし登校”ということで学校に行くようになりました。

 

少しずつ元の生活に戻れるとよいのですが…

 

話は変わりますが、

「機械遺産」という言葉を聞いたことがありますか?

 

「世界遺産」ではなく「機械遺産」です。

 

なんでも、人々の生活や社会の発展に貢献した機械技術を保存して
次世代に伝える事を目的として、
一般社団法人日本機械学会が認定する制度なのだそうです。

 

世界初の高速鉄道「0系新幹線」や、温水洗浄便座の代名詞、
「ウォシュレット」などが、そこに名を刻んでいるそうです。

 

その「機械遺産」の中には、私の生まれた1972年に開発された、
画期的な技術機械もあります。

 

本田技研工業株式会社を、一躍世界のHONDAに押し上げた、
世界初の低公害型エンジン「CVCCエンジン」です。

 

経済発展ともに、1960年代の後半から、
車の排ガスによる大気汚染は、深刻な社会問題となっていました。

 

自動車産業の大きな市場であるアメリカでは、排ガスの規制を求める
世論の声を受けて、1970年大気浄化法(マスキー法)が成立します。

 

この法律は、1975年以降に製造する自動車の排気ガス量を規制、
従来の10分の1の基準をクリアしなければ、米国内での販売を
認めないというもので、

 

当時の自動車メーカーの多くが「クリア不可能」と声をそろえました。

 

しかし、本田宗一郎氏は、

 

“四輪の最後発メーカーであるHONDAにとって、
他社と技術的に同一ラインに立つ絶好のチャンス!
アメリカのビックスリーと肩を並べられるぞ!”

 

と社内プロジェクトを立ち上げ発破をかけたそうです。

 

そして、1972年世界に先駆けて低公害型「CVCCエンジン」を
搭載した「ホンダシビック」が誕生したのです。

 

この「ホンダシビック」の発売と共に、HONDAは躍進します。

 

常に“世界一の技術屋になりたい”と言い続けた本田宗一郎氏の
夢が実現したと言えます。

 

しかし、この「CVCCエンジン」開発に関わった
プロジェクトエンジニアたちの思いは別のところにありました。

 

彼らはビッグスリーに勝つためでもなければ、会社の為でもなく、

 

“なんとかして、未来の子供たちに
きれいな空気を残してあげたい”

 

という使命感から困難な開発に取り組んでいたそうです。

 

後に、本田宗一郎氏は、
社長退任の挨拶の際に、このことに触れ、自分の発想が、

 

いつのまにか「企業本位」になっていた、と
反省の言葉を述べたそうです。

 

この、現場の開発者たちの、
「競争に勝つ」という相対価値ではなく、
「世の為人の為」という絶対価値を追求した姿勢は、
多くの自動車メーカーの模範となり、会社の枠組みを超えて行き、
トヨタのハイブリッド車の開発でも同様の思想が受け継がれました。

 

名著「失敗の本質」や「SECIモデル」で知られる、
一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生は、このHONDAの事例を紐解き、
こんなことを述べておられます。

 

“企業や組織において、社員やメンバーたちが、
「何がよいことなのか」という共通善を価値基準として持つと、
それを目指そうという思いが共有され、企業であっても、
利益至上主義ではない共同体的な組織が生まれます。
その共同体的な組織風土のもとで、一人ひとりが、
即興的な判断力を発揮し、機動力が生まれるところに、
日本企業の強みがありました”
(引用:『全員経営―自律分散イノベーション企業 成功の本質』
日本経済出版社)

 

いかが思われますか?

 

経済環境が厳しくなれば、ゲームのルールも変わりやすくなります。

 

コロナ禍で、すべての企業が負けているわけではなく、
新たな機会も生まれているでしょうし、
そこに競争優位や売上拡大を目論むことは、当然といえば当然です。

 

しかし、

 

“それが、本当の顧客本位になっているのか”

 

を忘れてはならないと思います。

 

こんな時だから、
人も組織も、潜在的不安を刺激するキーワードには敏感になります。

 

顔の見えないSNSやオンラインで流れてくる情報の正しさは、
自分自身で判断するしかありません。

 

巷にはそういう、ある種の恐れや不安を刺激する言葉が溢れていて、
それを巧みに使いこなす者が強者であるような風潮があります、

 

が、しかし、

 

本田宗一郎氏が述懐し、野中郁次郎先生が指摘する、
「共通善」という言葉、哲学用語では「コモングッド:Common Good」

 

ここにメンバーが参集し、そこで生み出されるサービスに顧客が集まる、
これぞ企業の営みの本質であるように思うのです。

 

「マネジメントとは共通善である」

 

本当にお客様の為になる、そのまたお客様や、
その方のご家族をも、心の面でも経済的にも、豊かに出来るような…

 

そんな価値を提供していける個人でありたいですし、
そういう個人の集まりである組織でありたい…そう願っております。

 

是非、今後とも忌憚のないご意見、ご要望を頂けましたら幸いです。

 

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

 

株式会社ジェイック
教育事業部ゼネラルマネージャー
梶田 貴俊

著者情報

梶田 貴俊

株式会社ジェイック 西日本代表講師

梶田 貴俊

前職、通信機器ベンチャー商社勤務時代にリーマンショックを経験。代表取締役として、事業再生計画を推進し同社のV字回復を実現した。現在はジェイックの講師として西日本の研修事業を牽引している。

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