アート思考とは
アート思考とはどのような思考法でしょうか。アート思考が求められる背景も含めて解説します。
アート思考とは
アート思考とは、アーティストが作品を創造するときと同じプロセスを用いた思考法のことです。アーティストは、自己の内部にある感情や感覚を起点として、湧き上がってくる想いを表現することによって作品を生み出していきます。そして、作品を通じて社会に問題提起し、人々の感情を動かします。
自由に発想を追求していくアーティストの思考法をビジネスに応用し、これまでにない革新的な商品やサービスを生み出していくのに有効だと考えられています。
アート思考とデザイン思考の違い
アート思考の少し前からビジネス分野で取り入れられている思考法が「デザイン思考」です。アートとデザインは、両方ともクリエイティブ分野に紐づく言葉であり、似たように思えますが、じつはまったく違う思考法です。
アート思考は、自己の内部を見つめ、そこから生まれる表現の欲求が軸となります。全てのことにとらわれない発想を重視することから、今までにない新しい商品開発やコンセプトづくりに適した思考法といえます。
対して、デザイン思考は、徹底したユーザー視点が基礎となっていて、そこからユーザーが潜在的に求めているものを探っていきます。ユーザーのニーズを深く掘り下げて再定義し、その解決策を考えていくことで満足度の高い体験を提供していきます。
このように、アート思考は自己を思考の出発点と考え、デザイン思考はユーザーを起点として思考すると、思考の出発点がある意味では正反対です。
2つの思考法は、どちらが優れているということではありません。コンセプトとなるビジョンを考えるにはアート思考、製品化のアイデアを整理するにはデザイン思考、といったようにケースによって使い分けもできるでしょう。
アート思考が注目されるのはなぜか?
アート思考が注目される背景には、現代の市場環境が関係しています。技術の発達によって、市場には溢れるほどの商品・サービスが投入されています。どの企業でも様々なデータや競合分析に基づいて商品・サービスの開発をしています。その結果として、市場は同じような商品・サービスばかりになっています。
また、技術革新によって、新しい商品・サービスが投入されてもすぐに陳腐化してしまい、さらに競争が厳しくなるという負の連鎖にも陥っています。
そこで求められているのが、これまでの商品・サービスの改良版ではなく、革新的なコンセプトの提案です。
ユーザーのニーズや企業の既存事業からは一旦離れて、「何を提供したいのか」を突き詰めていくことで、オリジナリティのある商品・サービス、経営手法を生み出せると考えられています。そこで役立つのがアート思考なのです。






