パラダイムとは?
『7つの習慣』では、私たちの態度や行動は、私たち自身のパラダイムから生じていると解説されています。本章では、最初にパラダイムとは何かを説明します。そして、パラダイムによって取る行動と得られる結果が変わるという“See-Do-Getサイクル”の考え方を紹介します。
パラダイムとは?
何を見たか説明するとき、私たちが説明するのは、煎じ詰めれば自分自身のこと、自分の物の見方、自分のパラダイムなのである。
(スティーブン・R・コヴィー著 「完訳 7つの習慣 人格主義の回復」 より引用)
コヴィー博士が言うように、私たちは物事を客観的に見ているわけではなく、一人ひとり異なった“自分の”見方や捉え方をしています。パラダイムとは、一人ひとりの「物の見方や捉え方」を指す言葉です。
例えば、朝食に目玉焼きが出てきたとします。皆さんは目玉焼きにどんな調味料をかけて食べますか。醤油、ソース、ケチャップ、塩コショウ、何もかけずに食べるという人もいるでしょう。
どれが正解でも間違いでもありませんが、いずれにしても、人によって異なるいろいろな答えが返ってきます。ここでの「目玉焼きにかける調味料といえば〇〇」というのも、見方や捉え方、考え方や価値観であるパラダイムの一つです。
私たちは一人ひとり違ったパラダイムを持っている
先ほどはパラダイムの例として、目玉焼きにかける調味料の話をしました。では、「目玉焼きにかける調味料といえば〇〇」というパラダイムはどこで決まったのでしょうか。
きっと両親が使っていた、子供の頃からの習慣で慣れ親しんだ味、あるいは、たまたま試供品でもらった調味料を使ったらとても美味しくてそれ以来愛用している、など、長年の習慣や過去の経験がきっかけで「目玉焼きにかける調味料といえば〇〇」というパラダイムができたはずです。
“目玉焼きの調味料”に限らず、私たちは人生の経験を通じて、自分なりの物の見方や考え方=パラダイムが形成してきています。相対性理論で有名な物理学者アルベルト・アインシュタインが言ったとされる「常識とは 18 歳までに身に付けた偏見のコレクションでしかない」という言葉を知っている人も多いかもしれません。
ここでいう“常識”こそがパラダイムです。アインシュタインの言葉は、“人生の経験を通じて、常識(パラダイム)が形成される”、そして、“パラダイムとは普遍的に正しいものではなく、自分なりの見方・捉え方なのだ”ということを見事に言い当てています。
パラダイムが私たちの行動と結果を決める ~See-Do-Getサイクル~
『7つの習慣』では、私たちが物事をどう見るか(See)、つまりパラダイムは私たちがどう行動するか(Do)を決め、どう行動するかで得られる結果(Get)が決まると述べています。
この「パラダイム(See)が行動(Do)に影響を与え、行動が得られる結果(Get)を決める」という一連のサイクルを「See-Do-Getサイクル」と呼びます。
ビジネスでもよく聞く逸話を引用して、See-Do-Getサイクルの具体例を解説します。
とある靴メーカーの営業社員がアフリカに市場調査に行きました。現地の住民たちは靴を履かずに素足で生活をしています。住民たちの様子を見た営業社員Aさんは本国の上司に連絡を入れました。「部長、ここはダメです。ここでは誰も靴を履いていません。」
別の靴メーカーに所属する営業社員Bさんも、同じようにアフリカに市場調査に行きました。やはり住民たちは素足で生活をしています。営業社員は本国の上司に報告しました。「部長、これはチャンスです。誰も靴を履いていません。」
二人の営業社員が見たのは同じ光景です。しかし、同じ光景を見たにも関わらず、二人は各々違った受け止め方をしました。二人の受け止め方こそがパラダイムです。
Aさん・Bさんはそれぞれのパラダイムに基づいて、Aさんは「見込みはありません」、Bさんは「チャンスです」という全く異なる報告(行動)をします。
さて、二人の報告(行動)はどんな結果をもたらすでしょうか。「ダメです」と報告されたAさんの会社は、アフリカ進出を諦めるかもしれません。逆に「これはチャンスです」と報告されたBさんの会社は、アフリカ進出を決めて新たな市場を開拓し、大きな利益を上げることに成功するかもしれません。もちろん失敗するかもしれません。
ただ、上記で分かる通り、パラダイム(物事の見方・捉え方)が、私たちの行動を決めて、私たちの行動が得られる結果を変えるのです。







