
マネージャーには幅広い仕事と能力が求められますが、大きく分けると以下の4つが求められる仕事内容となります。
目的・目標を設定して、計画を作成する
マネージャーはチームとしての目的や目標を明確にして、やるべき業務を見定める必要があります。そのために求められるのが、主に以下の能力です。
コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルとは、複雑な情報や知識を概念化するスキルです。物事の本質や構造をとらえることで、チームや組織の進む方向性を正しく決めることができます。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキングは論理的思考であり、現状や課題、目標とのギャップなどを分析し、問題解決や目標を達成する道筋を見出す思考法です。マネージャーには必須スキルといえます。
計数能力
計数能力とは、数字を把握して使う意味を理解し、適切な対策を取る力のことです。
組織における目標は多くが数値化されています。目標達成に向けて、ゴールの数字に対して現状がどうなっているのか、それまでのステップ数値がどのように影響してくるのか、目標達成をどういう数字の組立で構成するのかといったことを考えるために、計数能力は必要となります。
信頼関係を作り、人を動かす
マネージャーは目標達成に向けて人財というリソースを活用していくため、メンバーそれぞれや関係者と信頼関係を築く必要があります。良好な人間関係の構築に求められるのが、以下の能力です。
人間性
人間性とは、人格や愛情、公平性、思いやり、仕事への姿勢といった人間の内面を指します。コミュニケーションのテクニックや技術はさまざまありますが、根本的にはメンバーから「人としての尊敬」を得られなければ、中長期的な人間関係は築けません。
人間性は、短期間で劇的に高められるようなものではありませんが、人をマネジメントするうえでは「人間性を磨く」ことが不可欠です。
コミュニケーション力
コミュニケーション力とは、相手とスムーズに意思疎通する能力全般を指します。人を動かして成果をあげるマネージャーにとって、コミュニケーション力に代表されるヒューマンスキルは非常に大切です。
なかでも大切なものは聴く力と伝える力です。信頼関係を築くうえでは聴く力が、人を鼓舞し動かすには伝える力が大切です。
コーチング
コーチングとは、適切な質問によって相手から答えを引き出し、行動に導くスキルになります。答えを教えるのではなく、メンバー自ら考えさせることで、メンバーのモチベーションを高めたり、主体性の高い人材を育てたりすることが可能です。
ファシリテーション
ファシリテーションとは、会議やプロジェクトの進行などを活性化させるスキルです。コーチングが“1対1”で相手の意見を引き出すスキルだとすれば、ファシリテーションは“会議の場”で参加者の意見を引き出すことに役立ちます。
ファシリテーションスキルを活用することで、論点の整理や合意形成、アイデアの創出等によって良質な結果が得られるとともに、メンバーのモチベーション向上への効果も期待できます。
コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルは効果的な計画作成等に大切な能力ですが、チームを動かすうえでも役立ちます。チームのミッションやビジョン、施策のコンセプト等を伝えることで、やるべきことが明確になり、メンバーのパフォーマンスを引き出しやすくなります。
計画を実行する
計画を実行するためには、メンバーとコミュニケーションを図り、モチベーションを高めることも大切ですが、実務的な実行力もプレイヤー時代以上に求められます。メンバーがスムーズに動ける、力を発揮できるようにするためには、以下のような能力が必要です。
段取り力
段取り力とは、計画をスムーズに実行するためにやるべきタスクを整理したり、スケジュールを決めたりして準備する能力です。マネージャーが高所大所からしっかりと段取りを組むことで、メンバーがスムーズに各タスクに取り組み、計画をスピーディーに進めることができます。
調整力
調整力とは、業務が円滑に行なわれるよう、さまざまな過不足や意見を調整する能力になります。計画を円滑に実行するうえでは、他部署や上司との調整が欠かせません。
また、例えば、メンバーのリソース状況によって仕事を再配分したり、他部署からのリソースを借りてきたりすることも、マネージャーに求められる調整力のひとつです。
振り返り力
振り返り力とは、計画の進捗や成果などを整理して、計画とのギャップ、うまくいったこと、うまくいっていないこと、改善点などを洗い出して、次の計画・実行に反映していく力です。いわゆるPDCAサイクルの、“C(check)”と“A(Action)”を動かす力です。
現場のメンバーは目先のタスクに精一杯になりがちです。定期的に計画の進捗を振り返って、目標達成に向けて軌道修正していくことがマネージャーの役割です。また、チームやメンバーの状態に大きな影響を与える自分の言葉や行動を客観的に捉え、改善点を洗い出すことも大切です。
メンバーを育てる
マネージャーの役割として、組織の成果を出すこと以外にメンバーを育てることもあります。メンバーを育てるにあたっては以下のスキルが求められます。
ティーチング
ティーチングとは、経験や知識が乏しいメンバーに対して答えを教え、成長を促す手法です。経験の浅いメンバーに対して、業務に必要な知識・スキルを習得させるのに効果的で、具体的な答えややり方をわかりやすく教えることで、部下はスムーズに成長できるでしょう。
コーチング
ティーチングと違い、適切な質問によって相手から答えを引き出すのがコーチングです。ある程度の知識やスキルがあるメンバーに実施すると効果的で、内発的動機や主体性を高めることができます。ティーチングとコーチングを相手や状況に応じてうまく使い分けられることが効果的な人材育成につながります。
モチベート
モチベートとは“動機づけ”のことで、自分自身はもちろん、部下を鼓舞してモチベーションを高める力です。よくできたときはメンバーをしっかりと褒める、また、改善点として具体的な解決策を提示する、仕事の価値や意味づけをするといったことが求められます。