『7つの習慣』第2領域に集中して成果をあげるために大切なこと

更新:2022/11/16

作成:2022/02/24

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

『7つの習慣』第2領域に集中して 成果をあげるために大切なこと

「時間がいくらあっても仕事が終わらない」「やらなきゃいけないことに追われて、一息つく暇がとれそうにない」など、時間が足りないことに悩む人はたくさんいます。時間は私たちに平等に与えられていると同時に、使ったら取り戻すことのできない有限の資源でもあります。

従って、使い方を考えず時間を無駄に過ごしてしまえば、後になってから「すべきこと」や「本当に大切なこと」に使う時間が残されていないことに気づくことになるでしょう。時間の使い方は、私たちの人生を大きく左右するといっても過言ではありません。

 

世界中のビジネスリーダーから支持される書籍『7つの習慣』、第3の習慣「最優先事項を優先する」には、日常を4つの領域に分類して優先順位を決めるタイムマネジメントの原則が書かれています。第3の習慣を実践することで、私たちは本当に大切な事柄に時間を使い、自分の得たい結果、思い描く人生を手に入れることができます。

 

記事では、第3の習慣「最優先事項を優先する」で紹介されている4つの領域を使った時間管理の原則をテーマに、最も重要な“第2領域”の活動に集中するポイントを解説します。

<目次>

『7つの習慣』における時間管理のマトリクスと4つの領域

『7つの習慣』、第3の習慣では私たちの日常を「緊急か/緊急でないか」「重要か/重要でないか」という2つの軸を組み合わせた4つの領域に分類します。これが「時間管理のマトリクス」と呼ばれるものです。

日々の活動を4つの領域に当てはめて考えることで、私たちは、タスクに適切な優先順位を付けて成果を上げ続けることができるようになります。

 

以下の図は、時間管理のマトリクスの4つの領域を表したものです。本章では、4つの領域それぞれの意味を解説します。

時間管理のマトリクスと4つの領域

第1領域(緊急かつ重要な「必須の領域」)

図の左上、第1領域に入るのは、最優先で取り組む必要のある事柄です。例えば、「仕事で発生したクレームの対応」や「怪我や病気で病院に行く」といった重要かつ緊急性が高い活動です。仕事でいえば「明日が納期の提案書作成」や「重要顧客との商談」などが第1領域に入るでしょう。

 

第1領域の活動を実施しないと、状況が悪化したりトラブルが起こったりするでしょう。前述したような活動をやらないとどうなるかを想像すれば、実施しないリスクの高さは想像できるでしょう。短期的なトラブルだけではなく、周囲の人にも悪影響を及ぼしたり、人間関係を壊したりすることにも繋がりますので、殆どの人は第1領域を最優先で取り組みましょう。

 

第2領域(緊急ではないが重要な「効果性の領域」)

図の右上、第2領域は、例えば、「健康のための運動」や「家族と過ごす時間」「将来のキャリアを考える」といった将来の成長や豊かな人生を送る上で重要となる活動です。ビジネスでいうと「新規顧客の開拓」や「人材育成」、「新商品・新規事業の企画・開発」など、今すぐの売上につながるわけではないけれど、会社の将来には欠かせない取り組みが相当するでしょう。

 

第2領域の特徴は、緊急ではない、ことです。従って、いま取り組まなくても目に見えて悪化したり短期的に問題が生じたりするわけではありません。例えば、ジョギングをせず運動しなかったとしても影響が出るのは数年後かもしれません。同様に、人材育成しなくても明日困ることはないでしょう。従って、多くの人は「第2領域の活動は大事だ」と認識していながらもつい後回しにしがちです。

 

第3領域(緊急だが重要ではない「錯覚の領域」)

図の左下、第3領域は、「くだらないメールやSNSの返信」、「電話の対応」、「無意味な会議や人付き合い」といった、重要ではありませんが、日時が決まっていたり、相手が待っていたりするような活動です。第3領域の活動を「さして重要でない」と認識している人は多いのですが、「緊急性」が高いためつい優先して実施してしまいがちです。

 

例えば、「無駄と感じているのに継続される定例会議のように、相手がいたり日時が決まっていたりするために緊急性が上がり、つい習慣や惰性で継続してしまうのが第3領域の特徴です。

 

第3領域の活動は、急を要する割に成果に対する影響はごくわずかです。従って、第3領域の活動に時間を使っていると、日々忙しいわりに成果が上がらない。成果が上がらない一方でタスクに追われてストレスがたまるという状況になりがちです。

 

第4領域(緊急でも重要でもない「浪費・過剰の領域」)

図の右下、第4領域には、「噂話や無駄話」、「見せかけの仕事」、「単なる遊び」など、重要でも緊急でもなく、習慣でつい時間を費やしてしまう活動が入ります。第1領域が”取り組まないと状況が悪化してしまう”活動であるのに対し、第4領域は”行うことで現状を悪化させてしまう”活動であるといえます。

 

なお、無駄な領域というと、誤解されやすいのですが、必ずしも遊びや息抜きが不要というわけではありません。集中力を維持するための息抜きや気分転換、プライベートの趣味や休息も私たちにとって大切な時間です。これらは第4領域ではなく、むしろ第2領域に入る事柄と考えることもできます。

 

一方で、過度な休憩やストレスから逃避してダラダラ遊んでしまう、やるべきことから逃げるための雑談などは第4領域に入ります。HRドクターを運営する株式会社ジェイックは『7つの習慣』に基づく研修プログラムを企業向けに提供しています。

 

数年前に、とある顧客で『7つの習慣』研修を実施した時のことです。受講生の一人が、「私にとって、タバコ休憩の1本目は第2領域ですが、2本目のタバコは第4領域です」と話していました。これは第2領域と第4領域の違いと見事に言い表すエピソードといえるかも知れません。

『7つの習慣』の第2領域こそが、私たちが取り組むべき最優先事項である

前章では4つの領域をそれぞれ解説しました。私たちがより良い人生を送るためには、どの領域の活動を増やし、どの領域に使う減らすべきでしょうか。

 

第2領域の活動を優先すべき理由

『7つの習慣』では、時間管理のマトリクスにおける4つの領域の中で、第2領域に集中して時間を割くべきだと説いています。なぜなら、第2領域の活動は、わたしたちの生活の質や仕事の生産性、そして長期的な人生に大きく影響するものだからです。

 

一方で、1日に与えられた24時間という時間は有限です。従って、第2領域の活動を増やすためには他の領域の活動を減らす、無くす必要があります。

 

私たちは、日常生活の中で、緊急性の高い第1領域と第3領域に優先的に取り組みがちです。第1領域と第3領域ばかりに集中していると、いつしか心身が疲弊して第4領域の活動に逃げ込んでしまい、更に使える時間が減っていくという負のスパイラルに陥ってしまいます。

 

もちろん第1領域の活動は重要なことですが、それ以上に重要なのが第2領域の活動重要です。なぜなら「第2領域の活動は、第1領域の活動を減らすことにつながる」からです。

 

例えば、第2領域に含まれる健康維持やストレス解消、気分転換の活動を適切に実施するとどうなるでしょうか。病気になったり健康診断で引っかかったりすることもありませんし、常日頃から集中して仕事に取り組むことでパフォーマンスが上がったりミスが減少したりするでしょう。そうすれば、病院にいく、追加で余計な仕事をする、クレームに対応するといった第1領域の活動は減少します。

 

同様に、人材育成を日ごろからしっかりと実施していればどうでしょうか。日常の仕事や新規のプロジェクトなども適切なメンバーに割り振って、自分が時間に追われることはありません。しかし、人材育成を怠っていると、仕事を誰にも任せられず、顧客対応から発注、経費の精算からプロジェクト進行まで全部自分でやらざるを得ず、時間がいくらあっても足りない、ということになりがちです。

 

このように第1領域の活動は「必須」なものですが、第2領域の活動をしっかりと実施することで、そもそも第1領域の活動自体を減らすことができるのです。だからこそ、第2領域は「効果性(望む結果を長期的、継続的に得続ける)」の領域と呼ばれ、第2領域の活動をより優先して取り組むことが大事になるのです。

 

第2領域を増やせない理由

第2領域の活動に取り組む重要性を話すと、頷く人が殆どです。しかし、「第2領域に時間を使っていますか?」と質問すると、手を挙げる人は稀です。

 

繰り返しになりますが、第2領域は、重要ではあるが緊急性が低いため、大事だとわかっていても疎かにしてしまうのです。大切だしやるべきだ分かっているが、忙しくて気づいたらやる暇がなかったということが往々にして生じます。

 

なぜ第2領域を増やすことが難しいのでしょうか。理由は、1日24時間の大半が第2領域以外の活動で占められているからです。例えば、中身いっぱいに砂が詰まっているバケツに、大きな石を入れることはできません。第1領域や第3領域に時間を使っている限り、第2領域の時間を確保することはできないのです。

第2領域の時間を増やすための3ステップ

第2領域の活動は、将来起こりうる問題への備えであり、私たちがより良い人生を送れるかどうかに大きく影響する取り組みです。第2領域で活動する時間を増やすためには、具体的に何をすれば良いでしょうか。本章では第2領域の活動を増やす3つのステップを解説します。

 

ステップ1:第3・第4領域の活動を洗い出す

時間を効果的に使うためのポイント

 

時間を効果的に使うためのポイントは、4つの領域の「重要・重要でない」を分ける線より上、すなわち第1領域と第2領域に時間を割くことです。第1領域と第2領域の時間を捻出するために、まず第3領域と第4領域の時間を減らすことが必要です。

 

多くの人は、第3領域の活動が得たい結果にあまり影響しないことや、第4領域の活動が時間の浪費であることを心の中では認識しています。それなのに、減らすことが出来ないでいるのです。

 

それは何故かと言うと、何かしら自分なりの理由があって第3領域、第4領域に時間を使っている場合が殆どだからです。自分でも無駄と思っている行動を取るにはそれなりの理由があります。例えば、人間関係が壊れるんじゃないかと思ってNoと言えない、忙しくしていることで充実感を得ている、暴飲暴食して一時的にストレスを紛らわしているといった形です。

 

そこで、まずは自分にとっての第3領域の活動、第4領域の活動を洗い出していきましょう。洗い出してみると、意味のない会議や報告書の作成、惰性や習慣で動画をだらだら見ていた…など、無駄な時間が多いことに気づいたかもしれません。いきなり止めようとするのではなく、まずは洗い出してみましょう。

 

ステップ2:第3、第4領域の活動にNoを宣言して減らすための方法を検討する

ステップ1で洗い出した第3領域・第4領域の活動を減らすためには、第3領域の活動を生じさせている相手や、第4領域に逃げ込んでいる自分に対して、きっぱりとNoを宣言することが必要です。そして、実際に減らすための施策を考えましょう。

 

例えば「家に帰るとスマホでYouTubuを見ながらダラダラだらだら過ごしている」というのであれば、

 

  • 家に帰ったら、まずカバンの中身を整理し、明日の予定を確認する。
  • 寝る時間までにやるべきことをやったら、1時間だけ動画を見る。
  • 布団の中にはスマホを持ち込まない。

 

といったルールを決めることで不必要に第4領域の時間に費やす時間を減らすのです。

 

また、第3領域の活動に対しても、他人に任せた方が効率良くなる、自分が参加する必要はない、そもそも不要なのではないかということを洗い出して、勇気を出して調整していきましょう。小さなNoをいうためには大きなYesが必要です。何をするために第3領域を削りたいのか、削ることでより大きな貢献が出来ることなどをしっかり説明して、一つひとつ根気強く削っていきましょう。

 

ステップ3:第2領域の活動に時間を割き、第1領域の時間を減らす

第3・第4領域の活動を削減することで、第1領域と第2領域の時間を確保できるようになります。最後のステップでは、第1領域の活動を減らすことを検討します。

 

第1領域の活動は重要かつ緊急であるため最優先で取り組む必要があります。しかしお伝えしたように、第1領域の活動に追われると、溜まった疲労やストレスから逃避するために第4領域の活動が増えてしまうこともあります。従って、ステップ3で実践するポイントは、第1領域の活動が増えないよう事前に手を打つということです。

 

第2領域の活動は、緊急性が低いため後回しになりがちですが、第2領域に時間を割くことは、結果的に第1領域の活動を減らすことにつながります。第2領域の活動は、第1領域の活動を増やさないための備えとなるのです。

 

例えば、第1領域として「新規顧客から契約を獲得する」という業務目標があったとします。大切なのは、第1領域の活動を削る、しなくて良い状態にするための、第2領域の活動を考えることです。

 

先ほどの業務目標に対しては、「見込み段階の顧客に対して、製品の導入事例やお役立ち情報を送る」といったことが出てくるかもしれません。見込み客への情報提供を、日ごろからコツコツと実践することで声をかけてもらえたり、話を聞いてもらえたりする関係が生まれます。

 

第1領域を減らす、しなくて良い状態にするための第2領域は何かを考えて、しっかりと実践していきましょう。そうすることで、結果的に、第1領域の活動が減り、更に多くの時間を第2領域に投下していけるというプラスの循環が生まれます。

まとめ

記事では、『7つの習慣』第3の習慣で解説されている「時間管理のマトリクス」4つの領域をテーマに、第2領域に時間を割くべき理由、第2領域の活動に集中するための3ステップを解説しました。

 

まずは第3領域、第4領域の活動に対してNoを言って、第1領域、第2領域に時間を使える状態を実現しましょう。そして、生み出した時間を第2領域の活動に優先して取り組むことで、第1領域の活動を削減していきましょう。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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