チームビルディング研修とは?効果や研修内容、事例、サービスを紹介

更新:2023/12/27

作成:2023/04/22

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

チームビルディング研修とは?目的や効果、研修内容や具体的な事例を紹介

現在までの数十年、知識労働に従事する人が増えたなかで、チームビルディングの重要性が増し、チームビルディング研修の需要も高まっています。また、チームビルディング研修を取り入れる企業も増えています。

 

そこで本記事では、効果的なチームビルディングを行なうための基礎知識として、チームビルディングの概要とチームビルディングに取り組むうえで基本となるタックマンモデルを解説します。

 

後半では、チームビルディング研修を提供する研修会社としての知見も踏まえて、チームビルディング研修の実施形式や内容、事例を紹介します。

 

<目次>

チームビルディング研修とは?

笑顔で会議をしている男性

 

チームビルディングとは、目標達成に向けて積極的に協働する“チーム”をつくることです。

 

チームビルディング研修の目的

チームビルディング研修の目的は大きく以下の2パターンに分けられます。

  • チームをつくること
  • チームビルディングができるリーダーを育成すること

上記における「チーム」とは、「メンバーの協働を通じて高い相乗効果を生み出し、共通目標を達成していく集団」のことです。

 

明確に意識して使い分けることは少ないですが、ただ人が集まっただけの「グループ」と目標達成するための協働組織を指す「チーム」はじつは大きく異なる概念です。

 

 

チームビルディング研修のメリット・効果

チームビルディング研修を実施すると、以下の効果やメリットが期待できます。

 

心理的安全性の強化

心理的安全性とは「チームメンバーを信頼して、自分の能力不足や弱さを見せるチャレンジングなコミュニケーションがどれぐらい出来るか?」をあらわす概念です。

 

チーム内の心理的安全性を確保することは、チームビルディングを成功させるうえで非常に大切です。

 

チームの心理的安全性が高いと、各メンバーは相互の信頼感から生まれる安心のなかで、叱責や批判を恐れずにのびのびと仕事できます。また、自分の不安や懸念、疑問、相談、アイディアなどを抱え込まずに発信することで、より質の高い意思決定や相互支援が実現します。

 

チームのパフォーマンスが向上する

チームビルディング研修を行うことで、チームのパフォーマンスを向上させることができます。これは、チームビルディング研修を行なうことで、メンバーの間の信頼関係が向上し、心理的安全性の高いチームになるからです。

 

心理的安全性の高いチームでは、それぞれが自分の力を発揮しやすくなったり、上司部下や先輩後輩といった立場を超えたコミュニケーションも活発になったりします。活発化した結果、チームの生産性が高まります。

 

メンバーのモチベーションが高まる

チームビルディング研修を行うことで、メンバーの仕事へのモチベーションが高まります。

 

心理的安全性の高い状態とは、自分の率直な意見、また、自分の失敗・無知・懸念などを安心してほかのメンバーに開示できる状態です。

 

心理的安全性の高いチームでは、人間関係の悪化などを恐れて遠慮・萎縮することがなく、高いモチベーションで自信を持って仕事に取り組みやすくなります。

 

さらに信頼関係ある仲間と共通の価値あるゴールを目指すことは、結束力やメンバーの「チームに貢献したい」というモチベーションを高めます。

 

メンバーのモチベーション向上は、個人とチームの生産性を高め、さらなるモチベーション向上を生み出すという好循環につながります。

 

メンバーの定着率がアップする

チームビルディング研修によって、メンバーの定着率も高まります。上司とメンバー間に高い信頼関係があれば、チーム内の人間関係も良くなり、以下のような離職原因も生じにくくなります。

  • 上司のやり方が納得できない
  • 上司や先輩に自分の意見が言えない
  • 自分の能力を発揮できない など

したがって、チームビルディング研修は、定着率アップや離職防止にも効果的でしょう。

 

個人のパフォーマンス向上

チームビルディングに成功したチームでは、各自がほかのメンバーの目を気にすることなく、のびのびと自分のパフォーマンスを最大限に発揮できるようになります。

 

また、自分のパフォーマンスが低下したときにも、メンバーに相談したり助けを借りたりすることで、改善に向けたアイデアや打開策などももらいやすくなるでしょう。

 

各メンバーが最大限のパフォーマンスを発揮し続けられるようになれば、目標達成の確度やスピードもアップします。結果として、組織や個人の生産性が向上するでしょう。

 

イノベーションが生まれやすい風土醸成

心理的安全性が確保されたなかで、異なるスキルや価値観を持つメンバーがコミュニケーションを図り協働すると、相乗効果が生まれやすくなります。

 

異なる価値観を持ったメンバーの発言に刺激されたり、異なる視点をかけ合わせたりすることは、新たなイノベーションが生まれやすくなるでしょう。

 

さらに、チームビルディング研修のプログラムによっては、相互理解のプロセスのなかで、チームの共通言語を獲得できます。共通言語があると、チーム内のコミュニケーションがより活発化します。

 

若手なども上司や先輩に遠慮することなく、新しく個性的なアイデアなどを出しやすくなり、イノベーションが生まれやすくなります。

 

チームビルディングに際して知っておくべきタックマンモデルとは

チームビルディングを成功させるうえで、チームビルディングに関する代表的な理論であるタックマンモデルは押さえておきたい知識です。

 

チームビルディング研修を実施するに際しても、「今のチームがどの状態なのか?」によって、どういった研修が適しているかも変わってきます。「チームの今」を知るために有効なのがタックマンモデルです。

 

タックマンモデルとは?

タックマンモデルとは、心理学者のタックマンが1965年に提唱した組織の成長段階を示した理論です。

 

個人が集まっただけの「グループ」が協働から相乗効果を生み出す「チーム」となって、最終的には「解散」するまでの5ステップを示したモデルになります。

 

タックマンモデルを知ることで、組織が今どのような段階なのか、チームメンバーにどのような変化が起こっているのか、リーダーにはどのような役割が求められているのかがわかります。

 

タックマンモデルにおけるチームビルディングのステップ

タックマンモデルには、以下5つのステップがあります。

 

ステップ1:形成期

目標達成に向けて、チームが結成されたばかりの時期です。形成期のメンバーは、緊張や遠慮をしていることも多いです。

 

相互理解のために、チームの親睦を深めることも大切になります。また、並行して実務的に動き始めるために、リーダーはチームの目標やそれぞれのメンバーの役割を協議・決定していく必要もあります。

ステップ2:混乱期

混乱期はチームの目標が決定され、プロジェクトが動き出す時期です。チームでの活動を進めていくうちに、価値観ややり方の違いなどでメンバー間で衝突が起き、混乱が生まれます。

 

混乱期に大切なことは、異なる意見の裏にある価値観・体験を共有し、メンバーの相互理解を深めていくことです。

 

ステップ3:統一期

混乱期を乗り越えると、お互いの理解が進みメンバーの関係性が安定します。統一期では、チームの目標達成に向けて情報共有や役割分担をすることが大切です。

 

ステップ4:機能期

チームに結果が出てくる時期です。機能期になると、協働から生まれた成果や成功体験から、結束力やメンバーのモチベーションも高まりやすくなります。

 

機能期に大切なのは、高まった良い状態を維持することです。

 

ステップ5:散会期

プロジェクト終了やメンバーの異動などで、チームが解散する時期です。組織編成に紐づくチームは年度等でメンバー入れ替わったり、プロジェクトが終了すればチームは解散して、所属していたメンバーは新しいチームで仕事を行うことになります。

 

チームビルディングが成功し、メンバーの協働による目標達成がうまくいった場合、離ればなれになることや解散を惜しむ声も出てくるでしょう。良い気持ちでチームを離れるためにもリーダーは雰囲気作りを行う必要があります。

 

タックマンモデルからわかるチームビルディング研修のポイント

タックマンモデルからわかることは、チームの現状に合わせてチームビルディング研修の内容も変える必要があるということです。

 

チームビルディング研修を実施することで、すぐに安定的に協働や相乗効果を生み出せるチームができるわけではありません。形成期のメンバーは互いに遠慮や緊張をしていることが多いですし、混乱期にはメンバー間の意見の衝突が起こりやすくなります。

 

こうしたなかでチームビルディングをするには、タックマンモデルを通じてチームの現在地を把握し、現状に合った研修プログラムを実施することが効果的なのです。

 

チームビルディング研修の種類

スーツを着て話しを聞いている女性と男性と手を挙げている人

 

チームビルディング研修には、さまざまな実施形式があります。研修の効果性を高めるには、チームの現状や強化したいポイントに合った形式を選択することが大切です。

 

ゲーム形式

ゲーム形式のチームビルディング研修には、メンバーが主体的に楽しみながらできるものが多いです。代表的なものとしては、ペーパータワーやバースデーライン、マネジメントゲームなどがあります。

 

メンバー同士の親睦も深められるため、チームがつくられたばかりの形成期や、対立が起こりやすい混乱期などにもおすすめとなります。

 

手軽なものであれば、統一期より以降のアイスブレイクなどでも利用できるでしょう。

 

 

アクティビティ

アクティビティは、グループで共通の目標に取り組む研修であり、グループワークの一種です。

 

「ディスカッション」や、チームで山に登る「タフネス研修」、チームで“売れる竹とんぼ”づくりを体験する「竹とんぼ研修」もアクティビティの一種になります。

 

いわゆる「同じ釜の飯を食う」アプローチをすることで、親睦や信頼関係を深めやすくなるのが特徴です。ただし、現実のビジネス課題とは少し離れた内容になってしまうという欠点もあります。

 

合宿研修

合宿研修には、宿泊施設までの移動時間や食事などを通じて、相互理解や親睦を深められる利点があります。

 

十分な時間を確保できるため、機能期にじっくり意見交換することでチーム力を活性化する、などにもおすすめです。

 

ワークショップ

ワークショップは、いわゆる体験型の研修です。自己発見系のワークショップは、形成期や混乱期の相互理解に役立ちます。

 

また、関係性ができている組織の場合、ビジネス課題にフォーカスしたワークショップを実施することが増えますが、合宿研修+ワークショップといった組み合わせが多くなるでしょう。

 

チームビルディング研修で行うべき内容

チームビルディング研修では、具体的にどのようなプログラムを取り入れれば良いかわからないこともあるかもしれません。本章では、具体的な研修の事例を紹介します。ぜひプログラム設計の参考にしてください。

アイスブレーキング

アイスブレーキングは、研修や会議の緊張感や堅苦しい雰囲気を氷(アイス)に例え、緊張や堅苦しい雰囲気を壊すという意味であり、研修に取り入れることで以下のようなメリットが期待できます。

 

  • 積極的な発言が促される
  • チームメンバーの相互理解が深まる
  • ファシリテーションの支援になる

研修のアイスブレーキングでは、緊張緩和と価値観共有、相互理解につながるお題がおススメです。短時間でできるアイスブレーキングには以下のようなものがあります。

 

共通点探し

お互いの共通点を挙げて、それらをホワイトボードにたくさん書いていくものです。各自の共通点を見つける過程で、コミュニケーションを図れる利点があります。

 

あだ名決め

メンバーの距離感を縮めるには、「あだ名決め」というお題もおススメです。特に企業内での研修においては、呼び方に「役職」等が入ると、発言や場が普段の上下関係に囚われがちです。ニックネームまでせずとも「さん」付けで統一する等を実施することがおススメです。

 

強みや価値観の共有

「仕事で一番大切にしたいことは?」といった質問への答えや、ストレングスファインダー等の診断結果の共有も短時間で実施できるワークです。

 

相互理解

相互理解を深めることも、チームビルディング研修で大切な要素です。チーム内の信頼関係や安心感は、メンバーがお互いの価値観や考え方、強みの違いを理解してこそ高まるものです。

 

たとえば、以下のようなワークショップを行ない、結果を共有したりすることで、メンバーの相互理解が深まりやすくなります。

  • ソーシャルスタイル:人のコミュニケーションや立ち居振る舞いの傾向を4つに分類したもの
  • ミッションステートメント:自分の人生の目的、ありたい姿を記したもの
  • ストレングス・ファインダー(R):自分の持つ34種類の資質(才能)がわかる才能診断ツール

 

自己開示、内省

普段のビジネス場面ではなかなか話さない自分の原体験などを見出したり、そうしたものを自己開示したりすることで、深い相互理解を生み出すことが可能になります。深い相互理解は、チームの心理的安全性の向上につながります。

 

「ジョハリの窓」のワークショップなども自己開示に活用できます。内省や自己開示とは、ジョハリの窓でいう盲点の窓や未知の窓に関するフィードバックや自己開示を通じて、解放の窓を広げていくプロセスです。

 

 

価値観や原体験の共有

価値観や原体験の共有は、チームメンバーの判断基準や価値観のルーツとなる原体験を共有するものです。価値観や原体験を共有することで、メンバー間の相互理解を深めることができます。

 

「今の会社に入社した理由」「仕事で最もうれしかったこととその理由」「理想的な仕事のやり方」「最高のチームとは」といった問いへの答え、また人生の大きな選択や価値観、目標達成に関する体験を共有することがよいでしょう。

 

これらのワークを通じて、普段は知ることのできないメンバーの想い、ポリシー、考え方を理解することができます。

 

チームのミッションやビジョン、バリューの協議や決定

チームが機能するためには、目的や目標の共有が必要です。しかし、多くのビジネスシーンで、組織の目標やゴールは事業計画から逆算されて設定されたものであることが多く、メンバー全員が自分事として感情移入した目的や目標になっていないことが多いものです。

 

そこで有効なのがミッションやビジョンをチームメンバーで協議して決定することです。自分たちで意思決定したミッションやビジョンは自分事としてオーナーシップを発揮しやすくなりますし、議論の過程で価値観の違い等も見えてきます。

 

価値観の違い等も見えてきたなかで、組織として守るべき共通の価値観・仕事の進め方が「バリュー」です。守るべき共通のルールがあるからこそ、お互いの違いを受け入れやすくなります。

 

ミッション、ビジョン、バリューが明確なチームは、意見の衝突や混乱、対立が生じたときに、すぐに原点に立ち返って解決、意思決定することができるでしょう。

 

ビジョン構築、計画立案

チームビルディング研修では、チームのビジョンの構築や計画の立案を行う場合もあります。ある程度信頼関係ができているチームであれば、ビジョン構築や計画立案をチームで行うことで、主体的な関わりを促すとともにモチベーション向上が期待できます。

 

以下のようなフレームワークを使った研修で、チームが目指すべきビジョンや目標、実施計画などを考えていきます。

  • GROWモデル
  • ブレスト
  • マンダラート
  • カスタマージャーニー など

チームで協議をして検討するなかでは、意見の相違や衝突も起こります。しかし、意見の相違・衝突自体が、いわばタックマンモデルのプロセスを歩むことになります。

 

ある程度の心理的安全性が確保されている場合、こうしたビジョンや計画立案のワークショップに本気で取り組むことが有効となります。ただし、心理的安全性が確保されておらず、表面的な意見交換になってしまうと、チームビルディングの深い効果は生まれませんので、チームの状況に応じて選択することが大切です。

 

ドラッカー5つの質問

組織のボードメンバーや事業をけん引するマネジメント層のチームビルディングにおいては、「ドラッカー5つの質問」と呼ばれる質問を協議することもおすすめです。

 

「ドラッカー5つの質問」は、名前のとおり、経営学者であるピーター・ドラッカーが経営において検討すべき問いとして提唱する5つの質問です。

  • 第1の質問:われわれの使命は何か?
  • 第2の質問:われわれの顧客は誰か?
  • 第3の質問:顧客にとっての価値は何か?
  • 第4の質問:われわれの成果は何か?
  • 第5の質問:われわれの計画は何か?

 

質問の主語である「われわれ」は、経営や事業運営を個人ではなくチームで実行する前提を意味しています。

 

ドラッカー5つの質問は、自分たちが何を成し遂げるのかという共通目的・目標を明確にして、「われわれ」がチームとして協働して実現するのだという自覚を生み出します。

 

チームビルディング研修を提供する企業5選

1.ジェイック

ジェイックは、HRドクターの運営会社であり、チームビルディングやリーダーシップ、コミュニケーションなどのヒューマンスキル分野の研修を強みとする会社です。「ストレングスファインダー®」や「7つの習慣®」「原田メソッド®」など、効果の高いフレームワークを使用した研修なども積極的に行っています。

 

チームビルディングに関しては、「コミュニケーション研修」「7つの習慣®研修」「ストレングスファインダー®研修」などがあります。
 

「7つの習慣®」では、一人ひとりが主体性やセルフリーダーシップを身に付け、周囲との信頼関係を築き、組織の成長を促すことができます、また、「コミュニケーション研修」ではチーム内での協力関係の構築方法とともに、円滑にコミュニケーションを取るためのスキルが身に付けられます。

 

「ストレングスファインダー®研修」では、自分の強みを知りそれをうまく生かすノウハウを身に付けながら、自己開示や相互理解を通じてチームビルディングを実施できます。

 

このように、チームビルディングに関して、自社のニーズに合わせて様々な角度から支援を受けることができます。

 

2.チームビルディングジャパン

株式会社 チームビルディングジャパンは、2006年創業のチームビルディング専門会社です。

 

「心が動くからチームが動く」をテーマに、自分の内側から行動したいという欲求を促すことを大事にしています。

 

1Dayチームビルディングプログラムやチームビルディング研修・合宿などの様々な研修によって、時代の変化に適応できるフラット型組織を作る支援を行っています。

 

3.ANAビジネスソリューション

ANAビジネスソリューションは、ANAグループで培われたノウハウを基に、教育・研修、人材派遣・紹介、アウトソーシング、ANAグループ収入管理・キャリア支援などを行っている企業です。

 

チームビルディング研修では、「良いチームとは何か?」の理解とともに日常業務のなかでどのようにコミュニケーションを取ればよいかを演習。メンバー全員が同じ方向に向かって行動し、組織力で成果を高めていく意識、方法を学べます。

 

講師はANAの客室乗務員や空港係員を務め、ANA社員を育ててきた経験豊富な講師が担当してくれます。

 

4.SMBCコンサルティング

SMBCコンサルティングは、三井住友銀行グループ傘下に属するコンサルティング会社です。

 

年間1,800講座以上のビジネスセミナーを行っており、三井住友銀行グループだからこその実績豊富な講師のネットワークがあります。

 

研修では、チームとは何か、どのようにコミュニケーションをすべきかを見直すとともに、強いチーム作りのポイントを学ぶことができます。

 

5.インソース

インソースは、個人や組織の力を最大限引き出すために、研修や教育コンテンツを提供している会社です。

 

インソースのチームビルディング研修では、心理的安全性の高いチームを目指します。様々なビジネスゲームを行うとともに、自己理解・相互理解を行うことで、チームワークの重要性や仕事におけるコミュニケーションを学ぶことができます。研修によって仕事はチームで行うものということが理解できるようになります。

 

各企業ごとの要望に合わせて研修を作ってくれるので、自社にあったチームビルディングが可能です。

 

チームビルディングを成功させるためのポイント

チームビルディングを成功させるには、リーダー主導で心理的安全性の高い“良いチーム”の構築を目指す必要があります。

 

この章では、いわゆる“良いチーム”をつくるために必要な実践ポイントを解説します。

 

チームのミッション、ビジョンの明確化

チームとしての方向性を定めるため、まずは、チームのミッション、ビジョン、そして目標を明確にして共有することが大切です。

 

ミッションやビジョンが明確になっていなければチームは方向性を見失います。達成すべきゴールや判断基準が不明瞭な状態では、メンバー同士の連携も難しいでしょう。

 

なお、ビジネスにおけるチーム(組織)は、“目標”だけは当初から設定されていることが多かったりします。

 

ただ、チームビルディングを実施する際には、ミッションやビジョン、目標の意味づけをきちんと実施することが大切です。

 

“目標”だけある状態でスタートして、チームがうまく機能していないと感じるときは、根本に戻って、ビジョンの明確化や目標の意味付けから取り組むことがおすすめです。

 

リーダーの主導

タックマンモデルで紹介したとおり、メンバーが集まった当初は、互いのことを知らなかったり、ライバル意識を持っていたりするといった理由で、混乱や様子見などが生じやすいものです。

 

こうした組織を目標達成に向かわせるには、チームを率いるリーダーの役割が非常に大きくなってきます。

 

たとえば、形成期の朝礼やミーティング時には、チームリーダーが、メンバーの緊張を和らげ相互理解を深めるお題を出していくこともおすすめです。

 

チームの状態が混乱期や統一期にシフトをしたら、リーダーの役割も各メンバーのフォローや情報共有などに移行していきます。

 

目的・目標の「共有」と違いの「相互理解」を両立

チーム内の信頼関係や安心感は、メンバーがお互いの価値観や考え方、強みの違いを理解してこそ高まるものです。

 

チームビルディング全体で見れば、目的・目標の「共有」と、違いの「相互理解」を両立させることが大切になります。

 

チームの形成期や混乱期には、メンバー同士の相互理解ができないことで緊張や対立などが起こりやすくなります。

 

この問題を解消し、統一期につなげていくには、価値観を共有するために以下のような場を設けることも有効でしょう。

  • 社内イベント:立場や年齢の異なるチームメンバー同士の相互理解を深める
  • 研修・合宿:創造性の刺激や業務改善の新しいアイデアを出し合う
  • ゲーム:自己紹介や信頼関係の構築をしやすくする

相互理解では、各メンバーがお互いの価値観や考え方が違うことを知り、違いの存在を受け入れることが大切になります。

 

役割や責任の明確化

役割や責任の明確化も重要なポイントです。

 

信頼関係が薄い状態で役割や責任を明確化すると縦割り組織になってしまいますが、同時に、役割や業務領域が曖昧過ぎるとメンバーの主体性は発揮されにくくなります。

 

マネジメントする側は、個々のメンバーが最大限に能力を発揮でき、効率的に仕事が進められるように配置や役割を考えることも大切です。役割や責任、目標を明確にするからこそ、個々が自立をして主体的に判断しやすくなります。

 

役割や責任を考える際には、各メンバーが能動的に取り組める個人目標の設定も大切です。一人ひとりが個人目標を持つことで、より責任感を持って主体的に行動できるようになるでしょう。

 

ただし、繰り返しになりますが、役割や責任を明確化することで小さなチームが縦割り組織のようになってしまっては本末転倒です。チームとしてのビジョン、共通目標などによる求心力と相互支援が失われないように注意しましょう。

 

メンバーの強み活用

チームビルディングを効果的に行なうためには、メンバーの強みを生かすことが大切です。強みを生かすことで人はやりがいを感じますし、生産性も向上するでしょう。

 

チームを編成する時点で、弱みを補完し合い、強みを発揮し合えるようなメンバーを選定することも大切です。また、役割や責任を明確化する段階でもチームメンバーの強みを生かせる分担を検討しましょう。

 

さらには、役割や責任を超えた相互支援を生み出すうえでは、再度、タスク分担などを通じて、お互いの強みを生かして弱みを補い合う関係を生み出すことが大切になります。

 

「心理的安全性」の確保

心理的安全性はチームビルディングを成功させるうえで欠かせないものです。

 

心理的安全性の高い組織は、メンバーが不安や恐怖を感じることなく、安心して自分の意見を主張し、行動できる状態になります。

 

チームの心理的安全性を確保するには、先述の相互理解のほかに、ミーティングやディスカッションといった話し合いの場において、すべてのメンバーに意見を求めたり、発言機会が偏らないようにしたりする配慮も必要です。

 

また、目的・目標の共有を通して、競争ではなく協力を生まれやすくする風土づくりも大切になります。

 

まとめ

目標達成に向けて協働できるチームをつくるには、チームビルディングが不可欠です。チームビルディングの研修を実施すると、以下の効果やメリットが期待できます。

  • チームのパフォーマンスが向上する
  • メンバーのモチベーションが高まる
  • メンバーの定着率がアップする
  • 共通言語が獲得できる
  • 新しいアイデアが生まれやすくなる

チームビルディングを考えるうえでは基本となる理論が、タックマンモデルです。

 

研修の対象にしたいチームが、タックマンモデルのなかで今どこにいるかも踏まえて、チームビルディング研修の内容を検討するとよいでしょう。

 

なお、チームビルディング研修は、以下のような形式を組み合わせて実施されることが大半です。

  • ゲーム形式
  • アクティビティ
  • 合宿研修
  • ワークショップ

HRドクターを運営する研修会社ジェイックでも、チーム力の向上に活用できるさまざまな研修を実施しています。

 

たとえば、メンバー一人ひとりの主体性を高め、チームの協働性を改善するなら、「7つの習慣(R)」研修がおすすめです。

 

また、自己開示や相互理解につなげるなら、自分の強みを知り、うまく生かすことでパフォーマンスを向上させる「ストレングス・ファインダー研修(R)」が有効です。

 

今挙げた研修に興味がある人は、ぜひ以下の資料をダウンロードしてください。

著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

・新入社員の特徴と育成ポイント
・ニューノーマルで迎える21卒に備える! 明暗分かれた20卒育成の成功/失敗談~
・コロナ禍で就職を決めた21卒の受け入れ&育成ポイント
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