組織で大きな仕事を成し遂げるには、人と協力していくことが不可欠です。また、営業や販売などの職種であれば、対人系のポータブルスキルは成果に直結するでしょう。
ただし、キャリアを長期的に作っていくうえでは、まずはセルフマネジメント、セルフリーダーシップにつながる対自分力、そして、タスクマネジメントを実施する対課題力が不可欠になります。
したがって、対自分力と対課題力のなかでも基礎となる決断力、規律力、持続力、また、計画力や推進力、分析力などを磨くために下記の3つを強化するのがおススメです。
業務の優先順位を意識し、計画性を磨く
自分が抱えている業務の優先順位を設定して消化していくことで、ポータブルスキルにもある計画性を磨けます。
優先順位の付け方がわからないときには、『7つの習慣』で紹介された優先順位付けの考え方である「時間管理のマトリックス」を使うことがおススメです。
時間管理のマトリックスでは、自分の抱えている仕事を4領域に分類し優先順位を考えます。

- 第1領域(必須の領域):緊急かつ重要なタスク
- 第2領域(価値の領域):緊急ではないが重要なタスク
- 第3領域(錯覚の領域):緊急だが重要ではないタスク
- 第4領域(無駄の領域):緊急でも重要でもないタスク
多くの人はタスクの優先度をつけるときに、「緊急度」、すなわち納期やスケジュールで優先順位を付けてしまいがちです。
しかし、仕事のなかには、
- 将来の成約につながる顧客との信頼構築
- 新規事業の計画や挑戦
- 人材育成
- 自分自身のスキルアップ
- 心身の健康維持
といったように「緊急度は低くても重要なもの」があります。
時間管理のマトリックスを使うことで、自分の仕事に対する分析やいまやるべきことの決断なども行なえるようになるでしょう。
緊急タスクが舞い込んできても臨機応変に対応する
自分で設定した優先順位やスケジュールどおりにタスクが進まないことがあった場合、状況に応じて計画を変更する力を磨くことも、ポータブルスキルのトレーニングになります。
臨機応変に対応するためには、『7つの習慣』で紹介される考え方である「刺激と反応の間で一時停止する」、「影響の輪に集中する」という2つのことを意識するのがおススメです。
わたしたちが目標達成に向けて施策を実施しているなかでは、以下のようにさまざまな状況が生じます。
(状況や変化=刺激)
- 信頼関係を築いたお客様が転勤になった
- 製造元の機械トラブルで納期が遅れる
- 新型コロナウイルスの影響で客先訪問ができなくなった
こうした「刺激」から生じた感情に流されると、ネガティブな感情や怒りのままに、メンバーに八つ当たりをする、製造元に怒りの電話をするなどの行動(反応)をしてしまう可能性もあるでしょう。
大事なことは、ネガティブな気持ちを他者に伝えるという「反応」の前に一時停止をする習慣をつけることです。
自分が得たい結果を冷静に考えて、例えば、以下のような臨機応変な選択をすることができれば、より良い結果が手に入ることも増えるでしょう。
- 信頼関係のある担当者から新しい担当者を紹介してもらう
- 製造元に順次納品などでどのような対応が可能かを確認したうえで顧客に連絡する
- 積極的にオンライン商談を取り入れたり、提案書を整備したりする
また、『7つの習慣』では、主体的に生きるために「影響の輪」に集中することを勧めています。『7つの習慣』では、私たちの興味や関心事を、関心の輪と影響の輪の2つに分類します。

- 関心の輪:関心あることのうち、自分でコントロールできないこと
- 影響の輪:関心あることのうち、自分でコントロールできること
例えば、先述の信頼関係を築いたお客様が転勤になったとき、「転勤を中止にする」ということは自分がコントロールも働きかけもできない関心の輪です。
しかし、「新しい担当者につなげてもらえるように連絡する」といったことは自分自身でコントロールできる影響の輪です。
設定したゴールに向けたタスクやスケジュールがうまく進まないとき、自分で制御できない「関心の輪」ではなく、自分がコントロールできる「影響の輪」に目を向けて行動をすることで、目標達成に向けて確実に歩みを進められるようになります。
何事も目標をもって業務に取り組む
仕事においては、どれほど小さな作業でも、納期や生産性、ゴールなどの目標を設定し、達成するための計画を考えて実行していくことも大切です。
目標設定の基本は、SMARTの原則を使うことです。
- Specific:具体的である
- Measurable:測定可能である
- Achievable:達成可能である(現実的にチャレンジできる)
- Related:上位目標の達成につながる
- Time-bound:期限がある
また、設定した目標には必ず意味づけを行ない、自分事として取り組めるようにしましょう。目標を設定しただけでは、ゴールに到達できません。
したがって、必ず目標に至るまでの行動計画を立てるようにします。計画内容まで立てたら、実施と振り返り、改善のPDCAをまわしましょう。
この目標設定から達成までのG-PDCAサイクルを動かす力は、ポータブルスキルの基本となる力です。