上述の通り、社内教育には社内研修も含めてさまざまな方法や手段があります。ここでは、社内教育の種類と具体的な実施方法について解説します。
研修
社内研修は実施する場所や時間によって、大きく3つの種類に分類できます。
●Off-JT
Off-JTは、Off the Job Trainingの略で、基本的に職場以外の場所、または、実務以外の時間で実施される研修です。
社内外の講師によるセミナーや講義などになり、知識のインプットなどを目的とした座学、グループワークなどを行うアクティブラーニング、ZoomなどのWeb会議システムで各拠点などをつないで講義するオンライン研修などの方法があります。
●OJT
OJTは、On the Job Trainingの略で、実際の現場で、実務をしながら実践的なスキルやノウハウを身に付ける研修です。
上司や先輩が指導者(OJTトレーナー/OJT担当者)となり、実務を通じて新人社員や部下に対して業務の流れやスキルを教えます。
OJTは、Show(やってみせる)、Tell(説明・解説する)、Do(やらせてみる)、Check(評価・フィードバックする)という4ステップで進めていくのが基本です。
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●事例共有、ロールプレイング
Off-JTとOJTの中間的な位置づけで、日常業務内において短時間で実施するOff-JTの一種といえるでしょう。
事例共有は、朝礼やミーティングなどの一部を使って、業務における成功事例や失敗事例を、チームや部署などに共有するやり方が一般的です。
また、ロールプレイングは、実務の場面を想定し、数人で顧客役と営業役などを演じるやり方です。
営業や販売などが強い会社の多くは、Off-JTやOJTなどの仕組みに加えて、事例共有やロールプレイング、または後述するマネジメントを通じた日常的な社内教育を盛んに実施しています。
eラーニング
eラーニングは、インターネットを使った学習形式を指し、時間を同期させて実施するオンライン研修を含むこともありますが、一般的には動画やアプリなどを使った学び方を指します。
Off-JTの一種と位置づけることもできますが、集合教育の時間を取らないという面で、別物として考えることが多いでしょう。
知識のインプットが主になってしまうという限界はありますが、時間と場所を選ばず、個人の好きなタイミングで受講できるという点が大きなメリットです。
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自己啓発支援
自己啓発支援は、従業員の自主的な学びや成長を支援する取り組みや制度を指します。
具体的には、資格取得のサポートや自由に使えるeラーニングの導入、自主的に受講するセミナーや外部研修などへの金銭的・時間的支援などが該当します。
また、自己啓発のための書籍や教材の購入を負担する制度を設けている会社もあります。
マネジメントを通じた社内教育
マネジメントを通じた社内教育には、ティーチング、コーチング、日報、朝礼・夕礼、1on1ミーティングなどがあります。
ティーチングとコーチングは社内教育の方法というよりは「コミュニケーションの取り方」ですが、日常のマネジメント内で上司がティーチングとコーチングを意識的に使い分けることで、社内教育につながってきますので解説します。
●ティーチング
ティーチングとは、指導する側である上司が、部下に対して自身が持つスキルや知識を教える指導法です。
マニュアルに沿って説明したり、経験や体験から得たノウハウを教えたりします。1対1で教える場合もあれば、複数に対して教えることもあります。
ティーチングの際には、部下からの質問や相談、テーマに対しては、WHY(なぜ)・WHAT(何を)・HOW(どのように)を明確にして、ロジカルにわかりやすく伝えることが肝心です。
ティーチングの際には、理解度を確認したり深めたりするために、教えた後に部下にポイントや要点を復唱してもらうと効果的です。
●コーチング
コーチングは、適切な問いを投げかけることで、対話のなかで部下から選択肢や意思を引き出し、自発的な行動を促す指導法です。
自分自身で考える答えを導き出す、また決定することから、部下の思考力を高めたり、主体性を引き出したりすることに役立ちます。
ティーチングとコーチングは優劣があるわけではなく、2つの特徴を把握してうまく使い分けていくことが非常に大切です。
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●日報
1日の活動を報告する日報も、記入項目を工夫することで、有効な社内教育になりえます。
日報の項目を設計する際には、自身の経験を振り返って気付きや学びを見つけ出し、他の状況に応用する「コルブの経験学習モデル」をベースにすると良いでしょう。
たとえば、「今日の業務で良かった点は?(自己肯定)」「もっとうまくやるにはどうすれば良い?(再現性の創造)」「もう一度やり直すなら?(振り返りと完了)」「明日必ず達成することは?」などの項目がおすすめです。
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●朝礼・夕礼(定例ミーティング)
朝礼や夕礼、ミーティングなども、やり方次第で社内教育となります。
通常、目標達成に向けた業務進捗の確認や施策の検討などが主となりますが、事例共有やフィードバック、判断基準の共有など、社内教育としても有効に活用できます。
1on1ミーティング
1on1ミーティングは、定期的に上司と部下が1対1で面談する方法です。
人事評価や業務進捗のためではなく、部下との対話を通じて、部下の悩みや問題の解決や成長をサポートするのが主な目的です。
1回30分〜60分程度で、部下が話しやすい場所やテーマを選んで実施します。
単なる雑談にならないよう、面談の記録を残して連続性のあるコミュニケーションにすることもポイントです。
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人材配置(OJD)
人材配置は実務を通じた社内教育です。
従業員の能力や適性、またキャリア開発を踏まえて人材配置や抜擢を行うことをOJD(On the Job Development)と呼びます。
日本では大手企業を中心に、複数の職種や部門、事業などを異動する中で、多様なマネジメントの経験、修羅場体験をさせて、幹部候補となるジェネラリストを育成する社内教育がありました。
OJDはジェネラリストを目指すものではありませんが、配置や異動・抜擢などの人材配置を通じて人材育成していくという考え方は、上記の発展版といえます。
近年は、各職種の専門性が増してジョブ型雇用が重視されつつありますが、ジェネラリスト・プロフェッショナル関係なく、3年・5年・10年のスパンでキャリアを考えて人材配置や抜擢をすることが大切といえるでしょう。
人事評価
人事評価制度は「従業員のパフォーマンスを評価する」ということだけに留まらず、評価制度や等級制度を軸に、目標設定や進捗サポート、フィードバックを通じて、人材育成するという機能を持っており、社内教育のひとつと捉えることもできます。
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