「釜石の奇跡」に学ぶ想定外を生き抜く力【人を残すvol.22】

2020/03/04

「釜石の奇跡」に学ぶ想定外を生き抜く力

いつも大変お世話になっております。

株式会社ジェイックの梶田です。

 

間もなく、あの東日本大震災から丸9年がたちます。

 

死者1万5898人、行方不明者2531人という、

非常に痛ましい被害を被ることになりました。

(2019年9月11日時点「警察庁」)

被災された方やご親族の皆様には、謹んでお悔み、

お見舞い申し上げます。

 

この震災は、非常に多くの被害とともに、現代に生きる

我々に多くの教訓も残すことになったと思います。

 

とりわけ“釜石の奇跡”と謳われるエピソードは、

我々、組織を率いるマネージャーにとっても学びがあります。

 

 

岩手県釜石市は津波による甚大な被害を被りました。

 

しかし、市内に住む3,000人近い小中学生のほぼ全員が

避難し奇跡的に無事だったことが“釜石の奇跡”として、

語られています。

 

津波により最も甚大な被害を受けたのが沿岸部に位置する

鵜住居(うのすまい)地区という町でした。

 

しかし、マグニチュード9.0の地震発生直後、

 

同地区の釜石東中学校の生徒達は、各々が直ちに

一目散に高台をめがけて走ったそうです。

 

彼らが目指したのは自治体が想定するハザードマップ

(災害予測地域)の区域を大きく超える高台でした。

 

中学生たちは年下の児童達を助けながら走り続けたそうです。

 

彼らを見て近所の鵜住居小学校の児童や先生達もあとに続き、

さらには多くの住民もそれに倣ったそうです。

 

結果、市内の小中学生の生存率は99.8%でした。

 

そもそも、三陸地方は、むかしから何度も津波の被害に

襲われてきた地域です。

 

その教訓で、

釜石市には国内最大規模の防波堤が築かれていました。

 

防災ハザードマップ(災害地域)は、その防波堤も計算に

入れられて設定されていました。

 

しかしながら、3.11の津波は、その想定をはるかに

越えたものでした。

 

釜石東中学校の生徒たちが、その”想定外”を超えて、

各々が、率先して避難行動が取れたのは、

 

東京大学大学院情報学環 特任教授、片田敏孝氏による

「防災教育プログラム」の成果です。

 

元々、河川洪水防災の専門家だった片田教授は、

2004年インドでおこった津波災害を目の当たりにして、

日本の沿岸地域での防災教育を推進してこられました。

 

片田教授が子供たちに教えたことは大きく分けて3つ。

 

教訓1.想定にとらわれるな!

(過去の産物であるハザードマップを信じるな)

 

教訓2.最善を尽くせ!

(自分と他人の命を守るためのベストをつくせ)

 

教訓3.率先避難者となれ!

(様子を伺うな、同調するな、自分の命は自分で守れ!)

 

過去の慣習に囚われない、この教育プログラムが

被害の大きなこの地区で99.8%の生存率を生み出したのです。

 

最初、片田教授は、

津波の危険や経験にさらされていた三陸地方の子供たちに、

 

「津波がきたらどうする?」と訊いたところ、

 

「親が逃げないなら逃げない」と答えたのを聞いたそうです。

 

その時から、

”子供たちが自分で自分の命を守れる”ように、と強く思い、

その為の教育プログラムが実を結んだわけです。

 

子は親の背中を見て育つものです。

 

震災発生当時、釜石東中学校の生徒は、多くは学校にいて、

親元を離れていました。

 

その結果、彼らは、片田教授のプログラムに従って、

各々が率先者となり、先生や地域の大人を高台まで走るように、

けしかけたそうです。

 

もしかすると、彼らは大人の管理下にいなかったことで、

率先者としての行動がとれたかもしれません。

 

 

皆様の会社、組織ではいかがでしょうか?

 

過去の経験を基にマネジメントをしていても、時として、

状況は過去を超えてきます。

 

今回の新型コロナウィルスも”想定外”の事態でしょう…。

 

”想定外”を超えるには、”予測と準備”が必要であり、

それが個々の率先力となったことを、この物語は教えてくれます。

 

「マネジメントとは、予測力と準備力である」、

 

ということが言えそうです。

 

いかがでしたでしょうか。

 

私共ジェイックでは、今後も

 

変化する環境や不測の事態でも、自らが率先力を発揮する人財と

組織形成を実現する組織たりえることを目指し、その結果と教訓を

皆様にご助言できるように、まい進致してまいります。

 

引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

株式会社ジェイック

教育事業部ゼネラルマネージャー

梶田 貴俊

著者情報

梶田 貴俊

株式会社ジェイック 西日本代表講師

梶田 貴俊

前職、通信機器ベンチャー商社勤務時代にリーマンショックを経験。代表取締役として、事業再生計画を推進し同社のV字回復を実現した。現在はジェイックの講師として西日本の研修事業を牽引している。

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