【文例付】不採用通知メールの例文3パターン!作成時に意識したいポイントも解説

更新:2023/07/28

作成:2022/10/14

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

コピペして使える不採用通知メールの例文3パターン!作成時に意識したいポイントも解説

不採用通知は「不合格=自社では採用できないこと」を伝える内容であり、求職者にネガティブな印象を与えがちです。近年では、インターネットが普及したことで求職者の心を傷つけるような不採用通知のやり方は、SNSなどで拡散されて自社のイメージを落とすケースもあります。また、自社が不採用通知メールを出した求職者が、将来の顧客になったり、取引先、パートナーになったりすることもあり得ます。
 

そのため、不採用通知メールを出す際は、相手の心を傷つけず好印象で終われるようにする、そして、ファンにする機会と捉えることが大切です。
 

記事では、不採用通知メールの基本構成や送る際の注意点を解説します。具体的な例文も紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
 

<目次>

不採用通知メールの基本構成

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不採用通知メールは、以下の構成が基本となり、選考ステップやそれぞれの求職者に合った形に少しカスタマイズするとよいでしょう。

  • 件名
  • 宛名
  • 応募のお礼
  • 不採用の事実通知(必ずしも具体的な理由を書く必要はありません)
  • 相手の心理的負担を和らげるクッション(後述するような絶対基準ではなく比較や相性、今後の可能性への言及)
  • 結びの挨拶

真似して使える不採用メールの例文3パターン

不採用通知のメールを作り慣れていない場合、どのような文面が適当かわからないこともあるでしょう。

 

本章では、初めての人でも真似できる不採用通知メールの例文と、実際に作成するときのポイントを解説します。

 

書類選考の不採用メール|テンプレートと注意点

 


件名:【書類選考の結果に関するご連絡】株式会社◯◯◯
 
△△△様
株式会社◯◯◯の採用担当××と申します。
 
この度は、求人サイト●●より、弊社の新卒採用選考にご応募いただき、ありがとうございました。
 
今回、非常に多くの方から応募をいただいたこともあり、△△△様にお送りいただいた書類をもとに社内で厳正なる選考した結果、誠に残念ではございますが、ご期待に添えない結果となりました。
 
大変申し訳ございません。
何卒ご了承いただけますよう、お願いいたします。
 
数ある企業のなかから弊社にご応募いただいたことに、御礼を申し上げます。
末筆になりますが、△△△様のこれからのご活躍をお祈りしております。
 
株式会社◯◯◯
採用担当××


 
【ポイント】
本メールは、用件のみを手短に記載したシンプルなものです。テンプレートのままでは、特にプラスの印象がありません。そのため、以下のような一言を添える余裕があれば、ベストになります。

  • △△△様のこういう経験は素晴らしいのですが、採用ニーズと一致しない部分があり……
  • 今回は応募者が多く、その中でより採用要件にフィットしたご経験の方に……

なお、すべてのパターンにいえることですが、求職者には、就活関連の案内やメッセージがたくさん届いています。

 

そのため、ほかのメールに埋もれることなく開封してもらうには、ひと目見ただけで採用試験の結果だとわかることが大切です。

 

最近では、応募書類も電子ベースでの提出になっているため、書類の返送などが生じることは少なくなっています。

 

しかし、書類の返送や廃棄等が生じる場合は、不採用メール内に「お預かりした履歴書などの選考書類につきましては、履歴書に記載されておりますご住所に郵送させていただきます。」などと記載しましょう。

 

近年では、個人情報への意識が高まり、少し敏感になっている求職者の方もいます。個人情報の扱いなどに関して社内で決まっていることがあれば、記載しておくとよいでしょう。

 

一次面接の不採用メール|テンプレートと注意点

 


件名:【一次選考の結果に関するご連絡】株式会社◯◯◯
 
△△△様
株式会社◯◯◯の採用担当××と申します。
 
この度は、弊社の新卒採用選考にご応募いただき、ありがとうございました。
 
また、先日はお忙しいなか、弊社の採用面接にお越しいただいたこと、重ねて御礼申し上げます。
 
さて、選考の結果ですが、応募書類や面接を踏まえて社内で厳正に検討をしたところ、誠に残念ではございますが、今回は、採用を見送らせていただくことになりました。
 
ご期待に添えず申し訳ございませんが、何卒ご了承お願いします。
 
今回、弊社内での採用枠や価値観やキャリアパスなどとのフィットを踏まえて見送らせていただくことになりましたが、△△△様の話をお聞きして、大学時代のボランティア活動で培った傾聴力や価値観は、この業界で仕事をされるうえで必ず役立つものだと感じます。
 
数ある企業のなかから弊社にご応募いただいたことに御礼を申し上げるとともに、△△△様のこれからのご活躍をお祈りしております。
 
株式会社◯◯◯
採用担当××


 
【ポイント】
上記の不採用通知メールでは、一次選考の面接で聞いた「大学時代のボランティア活動」のエピソードと、活動から感じたスキルなどを盛り込むことで、無機質な印象を解消できています。

 

ただし、一次選考では、エピソードまで掘り下げたコミュニケーションをとらないケースが多いでしょう。
 

また、一次選考の場合、不採用メールの作成件数も多くなるため、中堅以上の企業ではここまで多くの手間はかけられないかもしれません。
ただ、好印象をもってもらいたいようであれば、こうしたひと言が大切になります。

 

なお、書類選考や面接の選考結果に関しては、なるべく早く通知することが大切です。

 

また、「通過者の方には後日通知します」といった形になると、求職者はいつまでも不安な気持ちで待つことになります。不合格の場合にも、合格時と同様に早く通知することが大切です。

 
企業側からすると、後々の選考辞退や内定辞退が発生する可能性を踏まえて、合否のボーダーライン上にいる人を一種“キープ”しておきたいといった思惑が働くこともあるかもしれません。
しかし、近年は、一昔前と違って、SNS上などで「○○社の面接、いつ受けて、いつ結果がきた」なども共有されている時代です。不誠実な対応は、印象を悪くします。注意しましょう。

 

最終面接の不採用メール|テンプレートと注意点

 


件名:【最終面接の結果に関するご連絡】株式会社◯◯◯
 
△△△様
株式会社◯◯◯の採用担当××と申します。
 
この度は、弊社の新卒採用選考にご応募いただき、ありがとうございました。
 
弊社の選考のために、適性検査や面接などで度々お時間を割いていただき、重ねて御礼申し上げます。
 
△△△様との面接でのお話などを踏まえ、社内で慎重に検討をしましたところ、誠に恐れ入りますが、今回は、ご希望に添いかねる結果となりました。
 
何度もご足労いただいたにも関わらず、大変申し訳ございません。
 
なお、今回は、希望される事業所への配属が難しいという理由で採用見送りとなりましたが、△△△様の高齢化社会への問題意識や介護の仕事への情熱は、今後のキャリアを必ず後押しするものになると思います。
 
また、△△△様との時間は、同じ介護職として働く我々にも、大きな刺激となりました。ありがとうございます。
 
数ある企業のなかから弊社にご応募いただいたことに、御礼を申し上げます。
末筆になりますが、△△△様のこれからのご活躍をお祈りしております。
 
株式会社◯◯◯
採用担当××


 
【ポイント】
最終選考の場合、構造化面接などで相手の経験や内面などの掘り下げを行なっています。そのため、一次選考よりも一段深い感想や評価を伝えるのがおすすめです。

 

ただし、求職者の好印象ポイントをあまりにたくさん並べすぎると、不採用の判断に矛盾が生じやすくなります。丁寧さは残しつつ簡潔にまとめることがおすすめです。

不採用メールの作成時に意識したいポイント

冒頭で紹介したとおり、不採用通知メールは、不採用を告げるという内容ですので、求職者にネガティブな印象を与えがちなものです。

 

しかし、応募者は将来の顧客や取引先、パートナーになる可能性も十分あります。以下のポイントを押さえて、悪印象を与えずに通知することが大切です。

 

結果がわかり次第すぐに作って送る

採用活動は、スピードが命です。たとえば、さんざん結果を待たされた挙句に不採用では、求職者からの印象は悪くなります。

 

自社の印象を良くするためには、採用・不採用どちらのメールであっても、求職者が待っていることを想像して、早く送信することが大切です。

 

企業イメージを損なう言葉選びに注意する

不採用通知メールを作成するときには、無機質・冷たい・傲慢といったイメージにつながる文章にならないように注意する必要があります。

 

面接の不採用メールの場合、本人から聞いたエピソードや、エピソードへの感想などを盛り込むことで、無機質な印象は解消できます。

 

しかし、先述のとおり、一次選考であまりに送信するメール本数が多くそれぞれの感想を盛り込む余裕がない場合は、クッション言葉をうまく活用するのもおすすめです。

 

クッション言葉とは、相手への依頼・反論・指摘・謝罪・意見などのケースで使われる、以下のような前置きの言葉になります。

  • 恐縮ですが~
  • よろしければ~
  • 重ね重ね申し訳ございませんが~
  • 差し支えなければ~
  • あいにくですが~
  • 心苦しいのですが~ など

たとえば、「◯◯さんは不採用の結果になりました」とぶっきらぼうに要件だけを伝えるよりも、以下のようにクッション言葉を盛り込んだほうが、無機質で冷たい印象を解消しやすくなります。

  • あいにくですが、今回は不採用の結果に……
  • 大変心苦しいのですが、今回は不採用の結果に……
  • 誠に申し上げにくいのですが、今回は不採用の結果に……

人事担当者の場合、不採用通知のほかに、内定通知やスカウトメッセージといったさまざまなメールを書く機会があるはずです。

 

メッセージのなかで、傲慢や無機質な印象を与えないためには、日頃から上記のようなクッション言葉のバリエーションを増やしておくのもおすすめとなります。

 

相手の心理的負担に配慮する

不採用メールは「採用できない」という事実を伝えることが目的となるため、求職者にマイナスの心理的負担を与えるものです。

 

求職者の心理的負担を最小限にするには、絶対的な能力などではなく、他者との比較や今回の採用で求める素養、社内で描けるキャリアパスや価値観とのマッチングという旨を記載するのがおすすめとなります。

 

メールの誤送信などのミスは徹底して防止する

以下のようなメール送信に関するミスも、SNS上での投稿・拡散から、自社のイメージダウンにつながるものです。

  • 過去にエントリーした求職者全員に誤送信をしてしまう
  • 不採用メールの内容と宛先がミスマッチしてしまう

上記のようなことは当たり前だと思われるかもしれませんが、有名企業で上記のようなミスが生じてニュースで騒がれたこともあります。

 

不採用メールを作成・送信するときには、求職者に失礼にならないように、宛先・メール内容の確認をすることがもちろん大切です。

 

また、各求職者の選考がどこまで進み、どのような連絡メールを送信済みかの管理や送信フローを確立することも、ミスを防ぐためには必要なものとなります。

次へつなげるためにメッセージに一工夫を

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採用基準から見てNGというわけではないものの、他との比較で惜しくも不採用となった求職者は、他職種での採用や業務委託など、他の形で将来、縁があるかもしれません。

 

また、前述のとおり、将来の顧客になる、また、パートナーや取引先としてご縁がある可能性も十二分にあるでしょう。

 

中途採用やその他の採用、他職種での採用可能性などがある場合は、不採用メールに他の可能性を丁寧に追記することで、今後の採用につなげられます。

  • 今回は、営業職のほうで不採用となりましたが、もしよろしければ、◯◯様の経験・スキルを活かせるコールセンター部門に応募いただけますと幸いです。
  • 弊社では、業務委託デザイナーの募集を通年で行なっております。もしよろしければ……。
  • ◯◯地域のIoT化を一緒に盛り上げていきましょう。 など

 

改善できるポイントのフィードバックやアドバイスを記載する

不採用の通知をする場合でも、今後につなげるためにメッセージに一工夫を盛り込むことは大切です。その際は併せて、応募者の今後のキャリアに役立つようなフィードバックやアドバイスを記載しても良いでしょう。
 
以下は、フィードバックやアドバイスの一例です。

  • 「面接中に、受け答えがぎこちない点が気になりました。緊張されていたかと思いますが、弊社の場合、接客業になるため、面接での受け答え等は選考の基準となっています。 ただ、受け答えは練習すれば必ず向上しますので、トレーニングや場数をこなすことをお勧めします」
  • 「自己PRをするときに、自信がないように思えました。●●さんの自己PR、とても良い内容だと思いますので、ぜひ自信をもって堂々と伝えることを心がけてみてください。」

なお、フィードバックやアドバイスを入れる際は、注意する点が2つあります。
 

1点目は、新卒採用の就活生や20代の若手であれば、フィードバックを望んでいる人も多いですが、キャリア層の経験者や年配の求職者に“上から目線”で求められていないアドバイスをすると逆効果にもなりません。相手を選ぶ、また、相手の気持ちへの配慮を忘れないようにしましょう。
 

また、2点目として、フィードバックや助言は、相手の今後に役立つもの、相手が改善できることにフォーカスを当てるとよいでしょう。改善できない点をフィードバックしても、相手にとっては役立ちません。ただし、改善できない点、たとえば、経験値の不足等をフィードバックする場合も、「補うために、こういうことを実践する・アピールすると良いと思います」など、改善策とセットであればよいでしょう。
 

不採用メールで好印象を生み出すポイント

不採用メールで好印象を生み出すには、上記までの工夫をしたうえで、相手の長所や強み、評価点を確認してあげることも大切です。

 

また、新卒や若手の場合には、改善できるポイントのフィードバックやアドバイスなどを記載してもよいでしょう。

 

上記の文章を書けば、当然のことながら、手間はかかります。
しかし、不採用メールのフィードバックが今後の就職活動やキャリアに役立てば、ネガティブな印象になりがちな不採用メールを逆に武器にすることもできるでしょう。

まとめ

採用活動で接点を持った人は、将来の顧客や取引先、パートナーなどになる可能性が、十分にあり得ます。

 

そのため、企業には、不採用メールを通して、自社のイメージを落とさないことが求められます。

 

また、近年では、人材の流動化によって、新卒で入社した企業で一生を終えるのではなく、キャリアの途中で何度か転職をするケースも当たり前になっています。

 

たとえば、新卒の最終選考で不採用にした人材が、中途採用などで縁がつながるケースも十分あり得ます。

 

こうした人材と再びつながるためにも、不採用メールは、相手の心理を傷つけないような丁寧な文面で作成し、悪印象を与えないように注意しましょう。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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