満足度が高い1dayインターンシップの設計方法とは?プログラムの具体例も紹介

更新:2023/07/28

作成:2022/10/16

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

満足度が高い1dayインターンシップの設計方法とは?プログラムの具体例も紹介

 2018年に経団連が就活指針の策定中止を発表して以降から、新卒採用の早期化は一段と加速しています。

 

コロナ禍による混乱もあって目立たなかったものの、3月1日時点の内定率を比較すると14卒では5.5%だったものが、10年後の23卒では28.6%という数字になっています。

 

つまり、インターンシップと早期選考を通じて、3月1日の主要媒体のオープン時、すでに3割近い就活生が内定を持っているということです。

 

参考:株式会社ディスコ、3 月 1 日時点の就職活動調査 キャリタス就活 2023 学生モニター調査結果(2022 年 3 月発行)

 

こうしたなかで優秀な新卒を採用するには、大学3年生を主対象にした1dayのサマーインターンシップなどのイベントは不可欠なものとなっています。

 

記事ではまず、1dayインターンシップの概要や位置づけを確認します。そのうえで、1dayインターンシップのプログラム内容を考えるときのポイントやプログラム例を紹介します。

<目次>

1dayインターンシップとは?

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まず、インターンとは、採用活動における母集団形成を目的に開催される社内イベントのことです。
そのうち、1日間で開催されるもの、もしくは0.5日などの開催も含んで1dayインターンシップと呼ばれます。

 

本来のインターンシップは、「学生の就業体験」として教育機関が主導して作られた仕組みです。

 

しかし、現在では、学業の一環として行なわれるインターンシップと、採用活動の一環として行なわれるインターンシップが明確に分かれる形になっています。

 

そのなかでも、1dayインターンシップという形式は、採用活動の一環としてインターンシップを行なううえで、低い工数負荷で複数日程を開催したい企業が生み出したものです。

 

大学などの教育機関からは「就業体験としての目的を果たせない」という批判もありますが、1dayインターンシップには、学生視点でも「気軽に複数企業のインターンシップに参加しやすくなる」利点があります。

 

こうした背景から、学生と企業、双方のニーズを満たすことで、採用活動におけるインターンシップは、1dayインターンシップが完全に主流となっています。

1dayインターンシップを開催するメリット

1dayインターンシップを開催すると、企業には以下2つの効果やメリットが得られます。

 

運営工数を抑えられる

1dayインターンシップの場合、長期的なインターンシップと比べてできることは限られますが、準備や実施にかかる工数が抑えられることから、回数を実施することができるでしょう。

 

また、1dayインターンシップの場合、実務に携わらないことが多いため、その点でもさまざまな現場との調整やリスク対応などが生じず、人事のみで完結させやすい点も魅力です。

 

賃金の負担がない

インターンシップには、無給と有給のものがあります。

 

たとえば、長期インターンシップで実際の仕事を経験させたり、既存社員の補助的役割を担ってもらったりする場合、企業と学生に使用関係や主従関係があるとみなされ、賃金の支給などに関する労働基準法などが適用される可能性も高いです。

 

また、長期インターンシップ中の学生はアルバイトができなくなることもありますので、長期インターンシップの大半が有償で行なわれています。

 

その点、1dayインターンシップの場合、実際の業務を経験させることはなく、学生の拘束時間も少ないことから、基本的には労働基準法などの適用がされません。

1dayインターンシップの内容は学生のニーズから逆算して考える

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学生からすると、インターンシップにおける大きな参加目的は、「仕事理解」と「業種理解」の2つです。

 

そのため、いずれかのニーズを満たすプログラム内容にすることで、満足度の確保と集客につなげられます。

 

したがって、1dayインターンシップの内容やプログラムを考えるときには、まず、学生のニーズ×自社の魅力から「両者が交わる点はどこか?」という視点で考えるとよいでしょう。

 

なお、学生からすると、インターンシップは「企業説明会の一種」であり、「早期選考」の機会でもあります。

 

この点も踏まえて高品質なプログラムを用意すると、採用成果につながるインターンシップになるでしょう。具体的な内容は、次章でご紹介します。

1dayインターンシップのプログラム例

この章では、1dayインターンシップにおすすめのプログラム例を紹介します。一般的にインターンシップは、いくつかのプログラムを組み合わせて設計することが多いです。

 

以下のなかから、自社へのニーズ×魅力に合うものを組み合わせるとよいでしょう。

 

企業紹介

企業紹介は、基本的に以下の内容をベースに考えます。

  • 企業概要
  • 沿革
  • 事業内容
  • 事業規模
  • ビジョン
  • 働き方の選択肢 など

ただし、1dayインターンシップに参加する時点の学生は、3年生3月以降などの就職活動が本格化する時期と比べて、仕事観が固まっていないことが大半です。

 

また、企業への応募意思も低い可能性が高いでしょう。したがって、

  • この業界は成長性がありそうだ
  • この仕事はやりがいがありそうだ
  • 仕事を通じて成長できそうだ

など、自社に魅力付けする手前で「業界」や「仕事」への魅力付けを意識するとよいでしょう。

 

ビジネスや仕事のレクチャー

ビジネスや仕事のレクチャーでは、職場見学や業務体験、グループワークなどの前に知っておいたほうが良い仕事・ビジネス・業界知識などを講義形式で伝えます。

Ex)
  • 飲食店の従業員には、どのような役割があるか?
  • 営業職とはどのような仕事か?営業職に必要なスキルはなにか?
  • 自社の製品が業界No.1の理由(こだわり)はなにか?
  • そもそも、マーケティングとはどのような活動か? など

ビジネスや仕事のレクチャーも、企業紹介と同じで“業界他社と比べた自社の特徴”などにフォーカスしすぎるよりも、仕事自体の面白さなどを伝えることを意識するようよいでしょう。

 

職場見学

職場見学とは、既存社員が働くオフィス・実店舗・工場などの現場を見てもらうものです。いわゆるストアツアーのことになります。

 

ただし、実店舗や工場などの場合、安全上の問題や通常業務に支障が出るなどの理由で、実際の見学はできないことがあります。

 

その場合、職場見学ムービーなどを作成し、疑似体験してもらうこともおすすめです。職場見学ムービーは採用サイトなどでも活用できるでしょう。

 

業務体験、ロールプレイング

業務体験では、実際の仕事の体験や既存社員の補助をすることで、入社後に働くイメージを具体化してもらいます。

 

ただし、職場見学と同様に、業種・職種によっては機密情報の扱いや安全上の問題などから、現場での業務体験ができないことがあるかもしれません。

 

また、実際の業務体験は、受け入れられる人数の上限、現場との調整などハードルとなることも多いでしょう。

 

したがって、実際の1dayインターンシップでは、以下のような形でロールプレイング(疑似体験)を行なう場合も多いです。

  • 学生同士で接客やカウンセリングのロールプレイングをする
  • 既存社員が顧客役になって、商談や提案などを行なってもらう
  • 設定されたケースやヒアリングをもとにしてシステム設計をしてもらう

 

グループワーク、グループディスカッション

グループワークとは、4~8人ぐらいのグループで、自社の仕事・事業に関するテーマに関して議論・発表をするものです。

 

以下のようにさまざまな種類があり、いわゆるビジネスゲームも狭義のグループワークになります。

  • プレゼン型:チーム内で自由な議論をして結論を発表するもの
  • 選択型:与えられた選択肢のなかでメンバーと合意形成をしながら、最適解を出すもの
  • 課題解決型:ビジネスに即した事例に関して、解決方法を考え発表するもの
  • 作業型:メンバーと協力し合って工作をしたり、体や手を動かしたりするもの
  • ゲーム型:学びと楽しさの両方を兼ね備えたもの

なお、グループワーク・グループディスカッションは、学生の見極めにも活用できます。

<グループワークやディスカッションで見ることができる学生の資質>

  • 積極性
  • 主体性
  • リーダーシップ
  • 論理的思考力
  • 発想力
  • コミュニケーション力
  • 協調性 など

短時間のグループワークやビジネスゲームを、企業紹介やレクチャーといった座学のアイスブレイクとして活用することもおすすめです。

 

新規事業、新規サービスの考案

学生から人気が高い新規事業や新規サービスの考案なども、1dayインターンの定番です。

 

新規事業・新規サービスの考案とは、以下のようにさまざまな新規事業や新規サービスの創出をするワークショップになります。

Ex)
  • 飲食店Aで、ファミリー層を増やすための新サービス・新キャンペーンとは?
  • 顧客体験の変革につながるスマートフォンアプリとは?
  • 自社の販売サイトにもたせたほうが良い新機能とは?
  • 顧客満足度の向上につながる新カスタマーサポートとは?
  • 自社で次に取り組むべき新規事業を考案する  など

新規事業やサービスの考案は、グループワーク形式で実施することが大半です。グループワークと同様に、主体性やコミュニケーション力の見極めに役立つメリットがあります。

 

最後に、考えた企画の発表、順位付け、講評などを行なうことで、プログラムとしてきれいに収まるでしょう。

 

既存社員との交流会

職場の雰囲気を感じてもらううえで、社員との交流会も1dayインターンでおすすめのプログラムです。学生の以下のような不安・疑問を解消することで、自社の魅力付けにつながります。

  • どのようなときにやり甲斐を感じる?
  • 仕事で大変なことは?
  • 仕事と子育て・家事は両立できる? など

時間の少ない1dayインターンシップの場合、ランチ交流会などにするのもおすすめです。

 

ただし、既存社員の話し方や回答内容によっては、学生に不安や悪印象を与えることがあります。また、交流会の参加メンバーは誰でも良いわけではありません。

 

予想される主要な質問に対しては、事前に考えをまとめておいてもらうなどの準備も大切です。

まとめ

1dayインターンシップは、採用活動の母集団形成を目的に、一日あるいは半日の日程で開催されるインターンの種類です。

 

1dayインターンシップには、運用工数を抑えられるとともに、賃金負担などが発生しないメリットがあります。

 

1dayインターンシップの効果性を高めるには、「学生のニーズ×自社の魅力」が交わる点からプログラム内容を考えることが大切です。

 

これから初めて1dayインターンシップを導入する場合、以下のような定番プログラムを組み合わせて実施するとよいでしょう。

  • 企業紹介
  • ビジネスや仕事のレクチャー
  • 職場見学
  • 業務体験、ロールプレイング
  • グループワーク、グループディスカッション
  • 新規事業、新規サービスの創出
  • 既存社員との交流会

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著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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