
採用の失敗パターンに陥らないためには、どのような対策を採れば良いのでしょうか。有効な解決策を7つご紹介します。
適切なKPI設定と数値によるマネジメント
採用活動においても、事業活動と同様に数値によるマネジメントが重要です。とくに採用人数が多い場合や新卒採用は、ある程度は数値による確率論で動く部分もあります。一般的には、採用目標人数の20倍程度の母集団が目安です。厳選採用の場合には50~100倍程度です。
従って、内定承諾数のゴールから逆算して、内定数、最終面接数、一次面接数、説明会参加者数等を主要なKPIとして、いつまでにどの指標を何件まで持っていくかという数値計画とマネジメントが有効です。
数値によるマネジメントをおこなうことで、採用の進捗が明確に把握でき、軌道修正や追加施策も早期におこなえます。数値を基にしてPDCAを回すことで、自社の採用力も向上していきます。短期的に「改善」に繋がる施策ではありませんが、施策をおこなって検証するうえでの肝となる部分ですので、不十分だと感じるようでしたら、必ず強化しましょう。
KPI設定と数値によるマネジメントについては、以下の記事も参考にしてください。
ターゲット設定
母集団形成において、まず重要なことはターゲット設定(ペルソナ作成)です。採用市場の動向と自社の採用力を踏まえて、ターゲットを設定しましょう。
自社の採用力は、母集団を集める力(会社の知名度や業界・職種の人気度等の外部要因と求人広告の作成力等の内部要因)、口説く力(内定承諾を獲得するための仕事自体の魅力や待遇等の条件面と、選考プロセスや面接官の魅了付けする力)の2つでなりたちます。
採用市場の状況を踏まえて、自社の採用力で達成可能な範囲で目標設定をしないと、そもそも応募を集めることは難しいです。また、自社の採用力を超えたところで採用したいのであれば、それだけのリソース(コストや工数、優秀な人材)を投下する必要があります。
採用ターゲットは、経験、能力等といった採用基準の設定から入ることが考えやすいでしょう。その上で、社風や価値観とのマッチングから考えた性格特性や価値観を付け加え、仕事に求めることや就職の軸、行動スタイル等、「人」としての側面を肉付けしていきましょう。
こうしてペルソナを設定すると、この先でおこなう採用チャネルの選定や自社の魅力抽出もスムーズにいくでしょう。
適切な採用チャネルの選定
採用チャネルの選定は、ターゲット(ペルソナ人材)がいる場所を選ぶことが一番重要です。表現が適切ではありませんが、魚がいない場所に網を投げても、魚はとれません。自社が採用したい、会いたいと思うターゲット人材がどこにいるかを考えましょう。
ターゲット人材がいる場所を考えた次に、再び「自社の採用力」を併せて採用チャネルを検討します。自社の母集団形成力(会社や業界の人気度、広告等の作成力)が高ければ、ターゲットが多くいるマス媒体(大手求人媒体等)を使うのが効率よくなりますし、逆に、母集団形成力が相対的に高くないのであれば、マス媒体を使うよりも接近戦を挑む(対面できるイベント、専門媒体、ダイレクトリクルーティング等)のが定石です。
最後は、採用に使える工数との見合いで決定しましょう。あまり工数を割けないようであれば、人材紹介やマッチングイベントが良いですし、工数を割けるのであればダイレクトリクルーティングやイベント等も選択肢に入るでしょう。
ターゲット視点での自社の魅力分析
自社の魅力をしっかりと分析することは、求人広告等を作るうえでも、選考途中における魅了付けにおいても重要です。自社の魅力分析は、次に挙げる4つの「P」を棚卸しすることがおすすめです。
- Philosophy(会社の理念や目的)
- Profession(事業の優位性や仕事のやりがい、得られる成長)
- People(人や風土の魅力)
- Privilege(待遇や働き方)
魅力分析をする際には、「採用ターゲットの目線」で考えることが重要です。「自社が打ち出したいもの」ではなく、「採用ターゲットの目線で見て魅力になりそうなもの」を考えていきましょう。
また、各魅力を洗い出したら、母集団形成で打ち出すもの、説明会で伝えるもの、面接で伝えるものと区分しましょう。魅力がしっかりと伝わるように、具体例や証拠となる数字、エピソードや共有できる写真や顧客の声等も準備していきましょう。
魅力付け視点からの選考フローとの見直し
いまの選考フロー内で魅了付けが不十分だと感じるようであれば、選考フローにも見直しが必要かもしれません。例えば、魅了付けに振り切った“面談”を入れているか、面接の前後でどんな関わり方をしているか、応募者が意思決定するために十分な人と会っているか、等です。
面接官トレーニング
課題感があれば面接官のトレーニングも必須です。面接官のトレーニングは、魅了付けと見極め、2つの視点が必要です。
・魅了付けの視点
⇒「面接は選考の場であると同時に、自社の魅力を伝える場でもある」という前提条件の共有、相手の緊張をほぐすためのアイスブレイク、魅了付けするための面接の流れ、質疑応答の中で魅了付けする方法、相手のコミュニケーションタイプや動機に合わせた情報抵抗の仕方、志望度や競合状況等のヒアリングポイントetc
・見極めの視点
⇒面接で生じやすい心理的なバイアスの存在、基本的な質問項目と質問してはいけない項目、相手の実力や特性を見極める構造面接の手法、フィードバックを通じて相手の性格を探るやり方etc
全社の協力体制
採用は、人事と現場と経営者が一体になっておこなうことで初めて成功させられるものです。とくに魅了付けにおいては、現場のエース社員、経営陣の協力が不可欠です。「採用活動は全社の将来にとって重要であり、面接や面談に時間を割くことが必要である」と、共通認識を作ることは非常に重要です。