採用におけるKPIの設定方法。具体的な項目や運用方法を押さえよう

更新:2023/07/28

作成:2020/08/07

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

採用におけるKPIの設定方法。具体的な項目や運用方法を押さえよう

採用におけるKPIマネジメントとは採用活動を事業活動として捉え、数値による管理・運営を通じて採用活動を成功させるための手法です。目的達成までのプロセスが数値化されると、採用活動の進捗が順調かどうか一目で分かり、早め早めに手を打っていくことが可能になります。

 

採用におけるKPIの設定方法や運用のポイントを解説します。

<目次>

採用におけるKPIとは?

採用におけるKPIとは?
(出典) photo-ac.com
KPIとは営業やマーケティングの分野でよく使われる指標です。採用におけるKPI設定では採用を営業やマーケティングと同じように捉え、各工程を数値化します。まずはKPIの意味と設定方法について基本的な理解を深めましょう。

 

 

最終的なゴール「KGI」に向けた中間目標

KPIは『Key Performance Indicator』の略で、日本語訳は『重要業績評価指標』です。最終目標(ゴール)を達成するために、目標達成への進捗合いを測る中間指標と考えると分かりやすいでしょう。

 

たとえば、営業活動でいえば、最終目標が「売上」だとすると、KPIは「商談数」や「提案数」です。ゴールを達成するためのプロセスで、達成に強く影響する指標がKPIとなります。KPIを設定しないと、例えば、『半年後までに営業部で5名を採用する』という目標を立てても、具体的にどう達成すればよいか、現状が順調なのかが分かりません。

 

そこでエントリー人数や選考の応募数・一次面接の通過率といった中間目標をKPIとして設定することで、現状の進捗が可視化されると同時に何をすればよいかも明確になります。

 

KPIと対になる用語が『KGI(Key Goal Indicator)』です。KGIの日本語訳は『重要目標達成指標』で、最終目標の達成度合いを測る指標です。先ほどの営業活動でいえば、「売上高」がKGI、KGIを達成するためのKPIが「商談数」や「提案金額」です。採用活動において、『入社人数』『内定承諾数』などをKGIとすることが一般的です。

 

 

リアルタイムで確認できる分かりやすい指標

『〇〇に向けて努力する』といった抽象的な表現では、目標達成までのプロセスが不明瞭です。実現性が低い・目標との関連性が薄いKPIは形骸化につながりやすい上、目標達成を阻害する要因にもなりかねません。従って、KPIは現実的で分かりやすい設定が基本です。

 

具体性があり、かつ達成度が計測できる項目・数値を設定しましょう。環境要因に左右され過ぎず、担当者の工夫や努力で改善できる要素であることも重要です。

 

目標の内容にもよりますが、KPIの数は3個程度が妥当です。5個や10個になると管理が複雑になり、何をすべきかよく分からなくなります。指標としてチェックしておく数値はもう少し増えてもよいですが、「Key」として注力する指標は3個ぐらいに絞りましょう。

KPIを設定するメリット

KPIを設定するメリット
(出典) photo-ac.com
優秀な人材の獲得競争が激化する中、KPIを取り入れて効率的な採用活動を実現している企業は増えています。KPIの設定は採用活動にどのようなプラスの影響をもたらすのでしょうか?

 

 

先行管理が可能になり採用目標を達成できる

KPIは、最終的なゴール(KGI)に至る手前の指標です。KPIを達成した先にKGPがあります。当然、KPIの結果は必然的に早く出るため、KPIの達成度合いを見れば、『目標や計画に対して順調に進んでいるか』が把握できます。

 

KPIの未達成は、『最終的なゴールが達成できない可能性』を示唆しています。KPIの未達成の時点で何が問題なのかを把握し、手遅れになる前に改善策を打っていくことで、採用目標を達成へと導くことができるのです。

 

例えば、内定承諾数というKGIに対して、一次面接の通過者数をKPIとすることで、採用活動が予定通りに進んでいるかどうかが判断できます。そして、ショートしている場合に「一次面接を通過した応募者へのフォローを強化する」「新たな母集団形成の手を打つ」などの手を打つことが出来るのです。

 

もし、KPIを設定せずに内定承諾者の数だけを見ていると、修正や改善のタイミングが遅れ、結果的に最終目標が達成できない恐れが高まるでしょう。

 

 

効率的な母集団形成が可能となる

母集団数に対して量と質のKPIを設定することで、母集団形成も効率よく行えます。なお、『母集団』とは統計学で頻出する専門用語で、調査や観察の対象となるデータ(集団)全体を指します。採用活動では自社に応募する人たちを指し、自社に興味を持つ応募者を集めることを『母集団形成』、一般的に「応募者数」や「説明会への申込数」を母集団と呼びます。

 

採用活動のKPIとしては、応募者数や面接件数などの『量』を設定することが王道です。しかし、いくら応募者を多く集めても、『質』を高めなければ、採用効率は上がりません。母集団形成に関しては、まず量のKPI(応募者数や説明会の申込数)を設定することが基本です。

 

自社の実績を基にしたステップ率を設定したうえで、目標達成に向けて必要な母集団人数を設定してクリアすることで、採用目標を達成できる確度が大きく高まります。その上で、量がある程度クリアできる場合には質に関するKPIや指標もチェックしておきましょう。

 

質に関するKPIは「筆記試験の通過率」「上位校比率」「適性検査のA以上比率」など、自社において内定につながる確度が高い要素を基にして設定することがお勧めです。

 

 

関係者の負担が減る

採用活動では説明会の開催やスケジュール調整・進捗状況の報告など多くの業務が発生し、担当者は激務に追われます。KPIを設定していない場合、何から手をつければよいか分からず、目標達成までに時間がかかる恐れがあります。限られたリソースが圧迫されたり、先が見えなかったりして、担当者は大きなプレッシャーを感じるでしょう。

 

KPIを設定すると、目標達成に必要な質と量が『可視化』されるのがメリットです。無駄に量を追い求めずに済み、かつ社内への説明も不要となることから、業務効率が大きく向上します。また、チーム全体で数値をきちんと管理していれば、どの過程でつまずいているのかが一目で分かります。問題や課題に対してもスピーディに対処できるでしょう。

KPIの設定方法

KPIの設定方法
(出典) photo-ac.com
KPIの設定は、最終目標である『KGI』を定めるところからスタートします。その上で過去データから『歩留まり率(ステップ率)』を設定して、KGIから逆算してKPIを設定します。

 

 

まず、ゴールは何か?

最終ゴールとなる『KGI』を設定するところが最初のステップです。結果にしっかりコミットできるように、KGIとKPIは常にセットで考えるのが基本です。KGIの設定後は、過去の歩留まり率(ステップ率)から逆算して必要なKPIを割り出します。

 

採用でのKGIは基本的に『入社人数』ですが、とくに新卒採用の場合には採用活動のタイミングから入社までが長期にわたるため、『内定承諾数』を実質的なKGIとして設定することが大半です。

 

また、採用ポジションや状況・課題に応じてKGIとして『内定承諾数』と並んで、『人材の質』に関する指標を設定する場合もあるでしょう。質を重視する場合、母集団形成の段階からターゲットを強く絞り込むことが大切です。

 

採用活動の場合「内定を出す」という時点である程度、質にする絞り込みはされています。その上で、加えて質のKGIを設定すべきか否かは、自社の状況を考慮して検討しましょう。

 

 

過去データを参考にする

KPIはプロセスを評価する指標であり、明確に『数値化』することが重要です。過去に実施した採用活動のプロセス実績を活用して、KPI項目と数値を設定しましょう。

 

以下は採用プロセスをデータ化した場合に、数値化できる項目の一例です。

 

  • 入社人数 = 内定承諾数 × 内定承諾からの入社率(1-承諾後辞退率)
  • 内定承諾数 = 内定数 × 内定承諾率
  • 内定数 = 最終面接のセット人数 × 参加率 × 通過率
  • 面接数 = 手前の選考の通過者数 × 面接のセット率 × 参加率
  • 書類選考の通過者数 = 書類選考の応募者数 × 通過率
  • 書類選考の応募者数 = 説明会の申込数 × 参加率 × 選考応募率 × 書類の提出率

 

上記のようにKGIを分解して『どのようなアプローチで何人に反応があったのか』『書類選考を通過したのは何人か』『そのうち何人が採用面接を受けたのか』を細かく調べると、現状が把握できます。

 

目標達成に対して重要な項目、また、改善する項目を優先的にピックアップし、KGIから逆算して3~5個のKPIを設定していきましょう。

 

 

フローごとの歩留まり率で課題を把握する

『歩留まり』とは製造現場でよく使われる専門用語で、投入した原料に対する出来高を指す言葉ですが、採用活動においても使われます。採用活動では、歩留まり率をステップ率と呼ぶことも多いでしょう。

 

採用における『歩留まり率(ステップ率)』は、採用フローで前のステップから次のステップに進んだ人数の割合です。歩留まり率が高いほど通過者数が多く、低いほど通貨が少なかったり辞退が多かったりする状況を意味します。

 

歩留まり率 = (選考通過数 × 次選考の希望率)÷ 選考対象数 × 100

 

各フローの『歩留まり率(ステップ率)』を算出することによって、現状の課題が把握できます。例えば説明会から書類応募までの歩留まり率が低ければ、説明会での魅力付けやアピールが不十分であったり、応募ステップが分かりづらかったりする可能性があるでしょう。

 

また、内定から内定承諾の歩留まり率が低い場合、先行途中で魅了付けが十分に出来ていなかったり、内定出しの方法やタイミングが適切でなかったりする可能性があるでしょう。

 

採用活動におけるステップ率は高ければ高いほどいいというものではありません。自社の適正値を見極めることが大切です。ただし、「次選考の希望率」や「内定承諾率」が低い場合には、改善の必要性を疑ったほうがよいでしょう。

 

 

ロジックツリーを作成する

『ロジックツリー』は、物事の構成要素を分解して考えるフレームワークの一つです。樹幹が枝分かれしていくように、抽象的な概念を一段ずつ具体化していくのが特徴で、主に『問題解決のツール』として用いられます。ロジックツリーで『KPIツリー』を作成することで、全体を構成するKPIが俯瞰できます。

 

最初に、KGI(重要目標達成指標)をツリーの頂点に配置し、KGIの分解した KPIを抽出して、下の階層に配置します。さらに、抽出したKPIの要素となる『KPIのKPI』を抽出していくことを繰り返して完成させます。

 

ツリーを作るときのポイントは、MECE(漏れなくダブりなく)を意識することです。MECEに分解していくことで、全ての可能性が網羅でき、見落としが抑制できるのです。逆に、分解した要素に漏れがあると、要素が抜けたまま物事が進行してしまい、取返しが付かなくなる場合がある点に注意しましょう。

 

MECEを実現するためには、KGIを可能な限り、「四則演算」で分解していくと良いでしょう。例えば…「内定承諾人数」を「自社の魅力度」と「母集団形成」といった形で定性的に分解してしまうと抜け漏れが生じやすくなります。それよりも前述したように「内定者数 ×内定承諾率」といった形で 分解することがお勧めです。

採用で意識しておきたいKPI

採用で意識しておきたいKPI
(出典) photo-ac.com
KPIは数が多ければ多いほどよいわけではありません。10個を超えると複雑化し、逆にゴールを見失う恐れがあるため、採用活動の鍵となる項目に焦点を絞りましょう。

 

 

「面接設定数」のKPIは必須

採用目標の達成において、『面接数』のKPIは欠かせません。どのくらいの面接数を設定すれば目標とする内定承諾数を達成できるかは、自社の歩留まり(ステップ率)で変わります。当然、『一次面接』と『最終面接』でも必要な面接数は変わってきます。従って、面接数のKPIを設定する際は、『内定承諾率』『各面接の通過率』『面接設定後の実施率』などの実績を踏まえることが大切です。

 

なお、最終面接の設定数をKPIにすると、目標とする内定承諾数との相関性はかなり高くなりますが、先行管理するためのKPIとしては機能しにくくなってしまいます。ゴール目前ではなく、一次面接の設定数・通過数のあたりで設定することがお勧めです。

 

 

見落としがちな「面接設定率」

『面接設定率(予約率)』の設定も場合によってはKPIに入れると良いでしょう。KPIに入れないとしても指標としてはチェックしておくべき値です。面接設定率をチェックすることで、『応募者への対応は適切であったか』『説明会や面接で十分に魅了付けできているか』等が分かります。

 

歩留まり率(ステップ率)が低い場合は課題を洗い出し、面接設定率を上げる工夫と努力が必要です。

 

面接設定率の例

Ex)一次面接の設定数 ÷ 説明会の参加者数
二次面接の設定数 ÷ 一次面接の通過者数

 

複数の企業に応募している求職者の場合、他社での内定が出たり、自社の魅了付けが十分でなかったりすると、面接を辞退してしまう可能性があります。例えば、自社への興味が薄れる前に、書類選考後にできるだけ早く対応したりすることもステップ率を改選するための基本となる方法です。

 

特に上位校の学生や特別なスキルを持った人材・留学生などは、多くの企業からスカウトを受けます。書類選考の段階で他者に流れる可能性が高い応募者をピックアップし、優先的に連絡をすることもおススメです。

 

 

採用効率を高めるための「内定承諾率」

『内定承諾率』とは内定を得た応募者が、入社を決める(内定承諾する)割合です。内定者は、他社が欲しがる優秀な人材でもあるため、内定承諾をいかに決意させるかが鍵となるでしょう。

内定承諾率:内定承諾者数 ÷ 内定者数

 

採用活動では、内定までに大半の工数と費用の大半を費やしますので、内定承諾率が低くなればなるほど、採用にかかる工数や費用が膨らんでいきます。例えば、内定承諾率が50%と25%の場合、1人採用するのに必要な内定者数や応募者数には2倍の差があり、それだけ手間やコストもかかってしまいます。

 

内定承諾率が低下する要因の一つとして、「この会社で働きたい」と思うような魅力が十分に伝わっていない状況が挙げられます。魅了付けが十分に出来ていたかと並んで、採用プロセスの中で応募者に不安感や不信感を与えていなかったか、対等な関係で接していたかも振り返ってみると良いでしょう。

 

なお、内定承諾率は高ければ高いほど良いとは言い切れません。内定承諾率が高すぎる場合、『他社でも内定が出るような優秀な応募者』を集められていない可能性があります。実績や自社の採用プロセスを踏まえながら『自社の適正値』を探りましょう。

 

内定承諾率は、採用活動が終わらないと数値を出せませんので、先行管理するためのKPIにはなりませんが、採用活動全体の効率性を決める数値になりますので、振り返り等の際には必ずチェックが必要です。

 

 

ゼロに近付けたい「早期離職率」

採用活動を行う上では、『採用した人材が入社後にどれだけ企業に貢献できるか』も大きなテーマです。早期離職率は採用活動のKPIとは言えないかもしれませんが、採用活動全体を振り返る上では、内定承諾率と並んでチェックしたほうが良いでしょう。

 

早期離職率とは、採用から3年以内に離職した人の割合を指します。厚生労働省が発表した『新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)』によると、2017年の卒業者のうち就職後3年以内に離職した人の割合は、高卒で39.5%、大卒で32.8%です。

 

採用コストや育成コスト・離職までに発生した給与を考えると、早期退職は企業にとって大きな痛手です。新卒採用者が多く離職すれば、5年後・10年後に中核的役割を担う中堅社員が少なくなり、企業の競争力に影響を与える可能性もあるでしょう。

 

早期離職を未然に防ぐには、採用時に『企業とのマッチング率』を見誤らないことが肝となります。また、面接での適切な見極めが出来ていたか、入社後ギャップにつながるような情報の出し方が生じていないか、入社後の受け入れ態勢が十分かといった点も確認しましょう。

参考:新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)を公表します|厚生労働省

 

採用方法の見直しに有効なKPI

採用方法の見直しに有効なKPI
(出典) photo-ac.com
広告を出しているのに応募者が少ない・費用対効果が実感できないという企業は、採用方法を根本から変える必要があるでしょう。採用方法の見直しに有効なKPI項目には、『応募率』や『採用単価』が挙げられます。

 

 

魅力的なPRの打ち出しで「応募率」を改善

応募率は説明会参加者や求人サイトの登録者の中で「自社の求人広告を見た人数」、ダイレクトリクルーティングなどであれば「メッセージを送信した人数」などを分母として、「実際にエントリーしてきた人数」を分子とする指標です。

 

応募率 = 応募者数 ÷ 求人広告の閲覧数・スカウトメッセージの送信数

 

応募率は自社の求人広告やスカウトメッセージがどれだけ応募者に魅力的だったかを測る指標が応募率です。応募率が他社と比べて低い場合には、自社の魅力やメリットが応募者に伝わっていない可能性が高いでしょう。他社と比べ、労働条件や環境がイマイチである可能性もあります。

 

採用競合のHPや説明会・求人サイトを分析した上で、採用メッセージやブランディング、待遇条件の見直し、クリエイティブの改善などを実施しましょう。

 

 

「採用単価」を設定してコストを意識

人を雇うには『採用コスト』がかかります。求人媒体に支払う広告費やエージェントへの成功報酬(外部費用)はもちろん、面接官や人材担当者の人件費(内部費用)も採用コストの一種です。

 

採用活動の効率性、費用対効果を測るうえでは、『採用単価』というKPIが有効です。採用単価は、『採用コストの総額 ÷ 採用人数』で算出されます。

 

採用単価が上昇する要因には、有効求人倍率の上昇といった外部要因に加えて、求人媒体への過剰な掲載、採用コストの高いチャネルの利用、内定承諾率の低迷といった要因があります。とくに内定辞退者や早期離職者が出ると、内定や採用までにかかった費用は水の泡になってしまうため、ミスマッチを生じさせないための対策が必要です。

 

ただし、採用活動は投資ともいえるため、単価を低く抑えればよいというわけでもありません。採用単価は1人につき数十万円の違いですが、採用後のパフォーマンスは、優秀な人材と普通の人材では年間数千万円の差が出るケースもあります。

 

自社が求める人材を採用するのにどれぐらいの費用が妥当かを考えつつ、中長期的にリファラル採用などの『低単価の採用手法』を上手に取り入れて、採用単価を低減しましょう。

KPIの運用方法

KPIの運用方法(出典) photo-ac.com

KPIを設定した後は、どのような運用と管理を行うのが適切でしょうか。実際の運用では、短期間でPDCAサイクルを回すことが重要です。KPIの進捗を可視化して組織内でタイムリーに共有するために、必要に応じて外部ツールやサービスの導入も検討すると良いでしょう。

 

 

リアルタイムで管理を行う

採用状況は常に変化しており、想定が大きく外れるケースも珍しくありません。KPIの数値管理は、採用管理ツールやExcelなどを使ってリアルタイムに把握することが大切です。可視化されたデータ(数値)を基に、定期的な振り返りを行いましょう。

 

KPI未達成の原因には大きく、『外的環境の変化』と『内的要因』の二つが挙げられます。KPIの設定が適切ではなかったのであれば軌道修正が不可欠です。大切なのはKPIが未達だった時に、ネックになっているポイントや改善策をチームで話し合う姿勢です。『KPIがうまく行かないときの施策』も事前に考えておくのが理想です。

 

 

管理ツールや代行サービスの活用も検討する

数値をリアルタイムで把握するには、管理ツールが欠かせません。管理方法は企業によってさまざまで、Excelで手入力する場合もあれば、採用管理ツールを使っている場合もあります。

 

採用に関する数値は多くの人がリアルタイムで共有できた方が好ましいため、応募から採用までのプロセスを一元管理できるシステムの導入も検討しましょう。KPIの管理に手間取って実務がおろそかになるようであれば、採用代行会社にオペレーション業務を外注する手もあります。

まとめ

KPIはゴール達成までの各過程が、きちんと実施されているかどうかを数値化して評価するための指標です。KPIを設定することで、ゴール(KGI)となる入社人数や内定承諾人数の達成に向けて順調かどうかの判断、達成させるための先行管理が可能になります。

 

KPIは設定するだけでは意味がありませんので、達成に向けて短期間でPDCAを回す動きを意識しましょう。採用活動を事業活動と見なして、数値によるマネジメントを行うことが『採用に強い会社』になる鍵です。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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