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KPIの設定は、最終目標である『KGI』を定めるところからスタートします。その上で過去データから『歩留まり率(ステップ率)』を設定して、KGIから逆算してKPIを設定します。
まず、ゴールは何か?
最終ゴールとなる『KGI』を設定するところが最初のステップです。結果にしっかりコミットできるように、KGIとKPIは常にセットで考えるのが基本です。KGIの設定後は、過去の歩留まり率(ステップ率)から逆算して必要なKPIを割り出します。
採用でのKGIは基本的に『入社人数』ですが、とくに新卒採用の場合には採用活動のタイミングから入社までが長期にわたるため、『内定承諾数』を実質的なKGIとして設定することが大半です。
また、採用ポジションや状況・課題に応じてKGIとして『内定承諾数』と並んで、『人材の質』に関する指標を設定する場合もあるでしょう。質を重視する場合、母集団形成の段階からターゲットを強く絞り込むことが大切です。
採用活動の場合「内定を出す」という時点である程度、質にする絞り込みはされています。その上で、加えて質のKGIを設定すべきか否かは、自社の状況を考慮して検討しましょう。
過去データを参考にする
KPIはプロセスを評価する指標であり、明確に『数値化』することが重要です。過去に実施した採用活動のプロセス実績を活用して、KPI項目と数値を設定しましょう。
以下は採用プロセスをデータ化した場合に、数値化できる項目の一例です。
- 入社人数 = 内定承諾数 × 内定承諾からの入社率(1-承諾後辞退率)
- 内定承諾数 = 内定数 × 内定承諾率
- 内定数 = 最終面接のセット人数 × 参加率 × 通過率
- 面接数 = 手前の選考の通過者数 × 面接のセット率 × 参加率
- 書類選考の通過者数 = 書類選考の応募者数 × 通過率
- 書類選考の応募者数 = 説明会の申込数 × 参加率 × 選考応募率 × 書類の提出率
上記のようにKGIを分解して『どのようなアプローチで何人に反応があったのか』『書類選考を通過したのは何人か』『そのうち何人が採用面接を受けたのか』を細かく調べると、現状が把握できます。
目標達成に対して重要な項目、また、改善する項目を優先的にピックアップし、KGIから逆算して3~5個のKPIを設定していきましょう。
フローごとの歩留まり率で課題を把握する
『歩留まり』とは製造現場でよく使われる専門用語で、投入した原料に対する出来高を指す言葉ですが、採用活動においても使われます。採用活動では、歩留まり率をステップ率と呼ぶことも多いでしょう。
採用における『歩留まり率(ステップ率)』は、採用フローで前のステップから次のステップに進んだ人数の割合です。歩留まり率が高いほど通過者数が多く、低いほど通貨が少なかったり辞退が多かったりする状況を意味します。
歩留まり率 = (選考通過数 × 次選考の希望率)÷ 選考対象数 × 100
各フローの『歩留まり率(ステップ率)』を算出することによって、現状の課題が把握できます。例えば説明会から書類応募までの歩留まり率が低ければ、説明会での魅力付けやアピールが不十分であったり、応募ステップが分かりづらかったりする可能性があるでしょう。
また、内定から内定承諾の歩留まり率が低い場合、先行途中で魅了付けが十分に出来ていなかったり、内定出しの方法やタイミングが適切でなかったりする可能性があるでしょう。
採用活動におけるステップ率は高ければ高いほどいいというものではありません。自社の適正値を見極めることが大切です。ただし、「次選考の希望率」や「内定承諾率」が低い場合には、改善の必要性を疑ったほうがよいでしょう。
ロジックツリーを作成する
『ロジックツリー』は、物事の構成要素を分解して考えるフレームワークの一つです。樹幹が枝分かれしていくように、抽象的な概念を一段ずつ具体化していくのが特徴で、主に『問題解決のツール』として用いられます。ロジックツリーで『KPIツリー』を作成することで、全体を構成するKPIが俯瞰できます。
最初に、KGI(重要目標達成指標)をツリーの頂点に配置し、KGIの分解した KPIを抽出して、下の階層に配置します。さらに、抽出したKPIの要素となる『KPIのKPI』を抽出していくことを繰り返して完成させます。
ツリーを作るときのポイントは、MECE(漏れなくダブりなく)を意識することです。MECEに分解していくことで、全ての可能性が網羅でき、見落としが抑制できるのです。逆に、分解した要素に漏れがあると、要素が抜けたまま物事が進行してしまい、取返しが付かなくなる場合がある点に注意しましょう。
MECEを実現するためには、KGIを可能な限り、「四則演算」で分解していくと良いでしょう。例えば…「内定承諾人数」を「自社の魅力度」と「母集団形成」といった形で定性的に分解してしまうと抜け漏れが生じやすくなります。それよりも前述したように「内定者数 ×内定承諾率」といった形で 分解することがお勧めです。