Off-JTは、集合研修やセミナーのように、業務の時間と切り離して実施する手法です。
Off-JTのメリットは大きく2つあります。1つ目は、業務の土台となる知識や理論を体系的に学べる点、2つ目は一度に多人数を教育できる点です。
一方、デメリットとしては、業務とは別の時間で行なうため、通常業務が一時的にストップする点、また、研修の目的とゴールを適切に設定しておかないと、知識をインプットするだけの場になってしまうことです。
従って、Off-JTを効果的にするためには、研修内容をしっかりと実務に紐づける、ロールプレイングやディスカッション等を使って理解度を深める、各自が実践行動へと落とし込む、実践をフォローアップするといった工夫が大切です。
OJT(On the Job Training)
OJTは、現場での実践を通じて、実用的な知識やノウハウを身に着けることを目的とした企業教育の手法です。
OJTのメリットは、「実際の現場の実務を通じて学ぶため、実践的な技能が身に付く」ことです。
実際の業務では、想定外の事態やマニュアルに無い状況も当たり前のように発生します。こういった、実際の現場に即したノウハウを体得できることが、OJTの大きな利点です。
逆にデメリットとしては、OJTは一人の指導者が1~2人の受講生について行なうことが多く、Off-JTと比べ一度に多人数を教育できない点が挙げられます。
また、OJT指導者の指導力や熱意によって教育効果にバラツキが出やすい、知識が断片的になりがちで応用が利きづらいということも大きなデメリットです。
OJTとOff-JTのより詳細なメリットとデメリット、および職場での実践ポイントに関しては、以下の関連記事をご覧ください。
eラーニング
eラーニングは、インターネット上の動画を活用して行なう学習方法です。パソコンやスマートフォンなどの電子端末に教材コンテンツを配信して行なう方法が一般的です。
eラーニングのメリットには、受講者がそれぞれ自分の都合よい時間や場所で学習できることです。また、集合研修のような会場手配やスケジュール調整にかかる手間がなくなることで、コストや運用面においても優れています。
一方で、動画による一方的な配信となるため、受講者は学習中に不明点や疑問があってもその場で質疑応答やディスカッションが出来ません。
また、学習する時間も場所も個人の自由に任せる分、「忘れてしまった」「やる気が出ない」「忙しい」などの理由でなおざりにされてしまうなどの問題もあり、受講を促す働きかけを運営側で行なう必要があります。
全般的に、「知識のインプットや定着」という点では優れていますが、「実践への落とし込み」という点では、双方向でコミュニケーションを取りながら進める対面やオンラインの研修には劣る部分があります。従って、eラーニング単独で企業教育を設定するのではなく、他の研修と組み合わせることが大切です。
OJD(On the Job Development)
OJDはOn the Job Developmentの略で、最近注目されている人材育成の概念です。OJDは現場での実践をとおして業務知識や能力を身に着けるという点では、OJTと共通しています。
しかし、OJTが新人や若手社員等を主な対象として当面の職務遂行に必要な技術の習得に主眼を置いているのに対し、OJDは社員が将来求められる能力、特にマネジメント能力の開発を目的としている点が、大きな違いです。つまり、OJDはOJTよりも長いスパン、キャリア形成やリーダー・幹部育成を視野に入れたOJTともいえます。
日本では大手企業を中心に従前から、異なる職種や部門を異動させることでジェネラリストを育成する、というキャリア形成の概念がありました。OJDはジェネラリストの育成を目指すわけではありませんが、概念としては上記に近い部分があります。
企業教育を考えるうえで、大きなポイントとして、「仕事を通じて学ぶ・成長する」という点があります。知識や体系をインプットすることは不可欠ですが、一方で、インプットした知識を実際の業務における活用・体験すること(アウトプット)しなければ、本当の意味で自分のものとはなりません。
だからこそ、企業の中長期的な幹部やリーダー候補の育成を考える際には、「次のキャリアステップに向けて、どんな部門やポジションを経験させると良いか?」という現場体験からキャリア形成を考えるOJDの概念が大切になってきます。