管理職に生じる「不の育成スパイラル」【ザ・現場ギャップvol.41】

更新:2023/07/10

作成:2019/03/20

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

管理職に生じる「不の育成スパイラル」

お世話になっております。

HRドクターを運営する株式会社ジェイックにて

取締役 兼 教育事業部長を務めます

東宮美樹と申します。

 

 

 

 

先週の金曜日、3月15日に

「【ザ・現場ギャップ】コンソーシアム」

という、人事の方を対象とした

無料の人事交流会セミナーが開催されました。

 

ご参加いただいた皆様、

ありがとうございました!

 

 

 

 

今回も皆様、活発に意見交換をしていただき、

おかげさまで、会場はとても盛り上がりました。

 

 

やはり、ご参加者様それぞれ、

様々なお悩みを抱えていらっしゃり、

その会社や、そのお立場ならではの悩みや、

話してみると共通していて、共感しあえる悩みなど、

沢山のお声をいただきました。

 

 

 

 

私は全体のファシリテーターとして、

皆様のお声を頂戴していたのですが、

セミナー全体を通して、

 

特にご反応が大きかったな、と

感じたテーマがあります。

それは、

 

 

管理職に生じる「不の育成スパイラル」

 

 

でした。

 

今回は、このテーマについて、

お話しようかと思います。

 

 

 

 

新人育成をする方というと、

貴社ではどなたが挙げられるでしょう。

 

多くの会社では、新人研修期間を過ぎると、

新人育成の担当は、現場の管理職になります。

 

そのため、配属後の新人の定着・成長は、

管理職が大きな影響を及ぼしていることは

間違いないかと思いますが、、、

 

 

 

それでは、貴社の管理職はどれだけ

教育に力を入れていらっしゃるでしょうか。

 

 

 

 

管理職の方というのは、

常日頃お忙しくされているかと思います。

 

それでも課された仕事をこなしたり、

目標達成をしていくためには、

 

「いかに効率的に仕事をこなしていくか」

 

ということを常に考えるようになります。

 

 

 

もちろん、

それ自体は必要な考え方ですが、

そのように考えていくうちに

時間的余裕がなくなり、

部下育成にも時間を割けなくなると

 

・すぐに仕事をこなせる部下に仕事を振り

・少し時間がかかる部下には仕事を振らない

 

というような、

仕事の偏りが生まれ始まります。

 

 

 

これを、何も工夫せずに

放置し続けてしまうと

どうなるかというと、、、

 

・すぐに仕事をこなせる部下は

多忙、業務過多になって、

ストレスが蓄積されていき

 

・少し時間がかかる部下は

同僚との比較をしてしまい、

モチベーションが低下していく

 

といった、負の資産が蓄積され始めます。

 

 

これらを更に放置してしまうと、

「人が辞めていく・人が育たない組織」

になってしまうのです。

 

 

こうなると、

管理職に生じる「不の育成スパイラル」は

もう始まってしまっています。

 

 

人が育たず、辞める組織は、

メンバーに仕事を割り振れないので、

結局、管理職自身がプレイヤーとなって

仕事をするしかなくなりますし、

 

そのような管理職は、

ますます部下育成の時間は取れないので、

やはり、自分で仕事をするしかなくなります。

 

 

そしていずれは

管理職自身が疲弊し、職場の崩壊へと

繋がっていってしまう、、、

 

 

 

これが

 

管理職に生じる「不の育成スパイラル」

 

なのです。

 

 

 

近年では、働き方改革が進み、

「働く時間が減る」というより、

「働ける時間が減る」というような感覚で

働き改革を捉えている管理職もいます。

 

 

「業務の効率」と「教育の効果」

どうしたら両方のバランスを保てるか、

という視点を持って取り組むこと。

 

 

 

そして、上記のような取り組みを

「人材育成は、管理職だけの仕事」

として捉えるのではなく、

 

社員全員で一丸となって

新卒社員や、入社したての中途を

育てる風土創り。

 

 

 

それこそが、

育成の難易度が上がってきている現代に

求められているのかもしれません。

 

 

 

 

今週はここまでとさせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

来週もよろしくお願いいたします。

 

著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

・新入社員の特徴と育成ポイント
・ニューノーマルで迎える21卒に備える! 明暗分かれた20卒育成の成功/失敗談~
・コロナ禍で就職を決めた21卒の受け入れ&育成ポイント
・ゆとり世代の特徴と育成ポイント
・新人の特徴と育成のポイント 主体性を持った新人を育てる新時代の学ばせ方
・“新人・若手が活躍する組織”は何が違う?社員のエンゲージメントを高める組織づくり
・エンゲージメント革命 社員の“強み”を組織の“強さ”に繋げるポイント
・延べ1万人以上の新人育成を手掛けたプロ3社の白熱ディスカッション
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