子供からの手紙【人を残すvol.79】

2021/06/02

経営者向けメールマガジン「人を残す」fromJAIC

子供からの手紙

皆 様

いつも大変お世話になっております。
株式会社ジェイックの梶田です。

先日、日本経済新聞の夕刊で連載されているコラム、
「あすへの話題」で心に沁みるお話が紹介されていました。

夕刊の1面ですから目にされた方も多いと思います。
書き手は、伊藤忠商事会長CEOの岡藤正広さんです。

伊藤忠商事では、毎年夏に社員の皆さんがお子さんを
会社に連れてくる「キッズデー」を設けているそうです。

そこでの岡藤会長と、ある社員のお子さんのやり取りが
書かれていました。

5年目の「キッズデー」で、ひとりのお子さんが
社員食堂で岡藤会長に声を掛けお手紙を手渡したそうです。

以下抜粋します。

“「岡藤社長様へ 
  私はお父さんが大好きです。だから私も将来、伊藤忠に
  入ることができたらいいなと思います」
 
 最後には、
 「お父さんは社長タイプではないので副社長になってほしい」
 というオチまで付いている。
 
  (中略)
 
 子供が父親の背中を見て「自分もこうなりたい」と思うのは、
 なんてすてきなことだろう。もう胸がジーンとした。”
    (日本経済新聞 夕刊 1面 「あすへの話題」2021年4月26日抜粋)

私の父親は、自営業者でした。
地場の斜陽産業のひ孫請けの小さな工場を経営していました。

学校から帰ってくると、
出来上がった製品をホロのついたトラックに載せるのを手伝い、
そのまま、たばこの匂いのしみついた助手席に乗り込み、
発注先への配送、積み荷降ろしに駆り出されていました。

代金の受け取りは、殆どが約束手形で小切手や現金は稀でした。
なかには、為替手形や裏書きされたものもあり、不渡り手形を
つかまされたこともありました。

子供のくせに手形に詳しくなりました(苦笑)

仕事が集中した時に、深夜まで、自宅兼工場の機械が動く音は
今でもありありと思い出せます。

父子家庭でしたから、そういう時は、仕出し弁当の残りや、
近くの定食屋につれて行かれました。

夜中に工場の隅の古い机で電卓を叩いて請求書を作っていた
父の姿もよく覚えていますが、、、

働くことの厳しさをなんとなく学びはしたものの、
「自分もこうなりたい」とは思えませんでした。

それから、35年以上が経ちました。
何年か前に、私の息子が高校受験を控えていた時に、
将来の仕事について、少しだけ話をしました。

はじめて、将来の仕事やそこへ繋がる大学生活について
思いを巡らせた息子は、こう訊いてきました。

「ジェイックに入ろうと思ったらどんな大学に行けばいい?」

心がジーンとして言葉に詰まりました。

それから4年ほどがたち、彼は今、関東の大学に進学し、
1人暮らしをしています。

コロナ禍でなかなか会いに行くことはできませんが、
少しずつ自分の将来を作ろうとしています。

とうに私の背中から離れ、
その目は、様々なものを映していることと思います。

彼の記憶の中にある私の背中が、なんらかの力になれれば、
それはすてきなことだなと思います。

「マネジメントとは“子育てと同じ”である」

目の前にある仕事に懸命に向かい、共に働く仲間と共に、
もっとよりよい仕事を探求していくこと。

それは自分の子供を大切に育てることと同じように思います。

私は、父と同じようになりたいとは思いませんでしたが、
それでも、たくさんのことを父の背中から学びました。

皆 様のお父様はどんな方でしたか。

著者情報

梶田 貴俊

株式会社ジェイック|西日本代表講師

梶田 貴俊

前職、通信機器ベンチャー商社勤務時代にリーマンショックを経験。代表取締役として、事業再生計画を推進し同社のV字回復を実現した。現在はジェイックの講師として研修事業を牽引している。 著書『会社を潰さないためのSunday Management List ―中小企業のリーダーがやるべき日曜日のマネジメントリスト』

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