「高倉健さんが大切にした1枚の写真」【人を残すvol.67】

2021/03/03

経営者向けメールマガジン「人を残す」fromJAIC

「高倉健さんが大切にした1枚の写真」

皆 様

 

いつも大変お世話になっております。

株式会社ジェイックの梶田です。

 

間もなく東日本大震災から丸10年が経ちます。

 

先日も、東北地方を中心とした地震がありましたが、

あの震災の余震とのことでした。

 

インフラはほぼ復旧し随分と復興が進んでいるようですが、

一方で、まだ4万人を越す方々が避難生活を

余儀なくされているそうです。

 

 

先日、日経新聞に、2014年にお亡くなりになった俳優、

高倉健さんにまつわる記事が掲載されていました。

とても良い記事だったのでご紹介します。

 

 

遺作となった2012年公開の「あなたへ」(配給:東宝)、

その出演オファーを受けたのは震災が起こる前年でした。

 

突然、日本を襲ったこの悲劇に、健さんといえども、

「俳優に何ができるだろうか…」と迷いや戸惑いがあったそうです。

 

そんな折、健さんは一枚の写真を目にしたそうです。

 

それは、震災の瓦礫の中、両手に水を持って歩く少年の写真でした。

 

その写真について、当時日経電子版で連載されていた記事で、

健さんは、以下のように述べておられます。

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気仙沼の被災地のがれきの中を歩く少年は、

 

避難所で支給されたものでしょうか?

袖丈の余るジャンパーにピンク色の長靴をはいています。

 

両手には一本ずつ、焼酎の大型プラスチックボトルを握っています。

 

彼は、給水所で水をもらった帰りなのです。

その水を待っているのは幼い妹でしょうか?

 

年老いた祖父母なのでしょうか?

 

私の目をくぎ付けにしたのは、

うつむき加減の少年のキリリと結ばれた口元でした。

 

左足を一歩踏み出した少年は、全身で私に訴えかけてきます。

 

「負けない。絶対に負けない…」

 

私は、その少年の写真をB5版のサイズにしてもらいました。

映画の台本の大きさです。

「あなたへ」の台本の裏表紙にその写真を貼りつけた時、

胸の奥からほとばしった熱情。

 

クランクインは、数日後に迫っていました。

 

(中略)

 

この写真の少年のおかげで「あなたへ」の75日間、

総移動距離9050キロを走り続けることができました。

 

坊や、ありがとう!

 

(2012年3月16日 日経電子版「高倉健のダイレクトメッセージ」より引用)

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「あなたへ」が公開された2013年当時、高倉健さんは81歳でした。

 

長い間、日本映画界を牽引し、誰もが知る素晴らしい実績を持つ

高倉健さんでさえ、震災の様子に心を痛めるばかりか、

その瓦礫を歩く少年の姿に感銘を受け、自分を奮い立たせることが

あったという事実に、私は胸を打たれました。

 

いくら歳を重ねても、

他人を想い、その心情を理解しようと努める謙虚さ。

 

高倉健さんという人を名俳優たらしめたのは

そういった共感力や豊かな感情移入の力かなと思えました。

 

学ぶべき一つの姿だと思います。

 

 

「マネジメントとは謙虚さと共感である」

 

10年前の震災で、大変な苦労をされた方々がおられます。

 

今もなお、その時の被害やなにがしかの傷を負われた方々が、

頑張っておられる事にも思いを馳せて、コロナ禍を乗り越える

力にしてまいりたいと思います。

 

ちなみに、この映画「あなたへ」は、とても素晴らしい映画です。

日本人の心情を映し出したとても繊細で情緒豊かな物語です。

 

是非ご覧になってみてください。

 

著者情報

梶田 貴俊

株式会社ジェイック|西日本代表講師

梶田 貴俊

前職、通信機器ベンチャー商社勤務時代にリーマンショックを経験。代表取締役として、事業再生計画を推進し同社のV字回復を実現した。現在はジェイックの講師として研修事業を牽引している。 著書『会社を潰さないためのSunday Management List ―中小企業のリーダーがやるべき日曜日のマネジメントリスト』

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