大人は楽しいですか?【人を残すvol.147】

経営者向けメールマガジン「人を残す」fromJAIC

大人は楽しいですか?

ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

サッカー・ワールドカップもベスト4が出揃いました。
それぞれ実力あるナショナルチーム同士の戦いですから
何が起きるかわからない感覚が、ワクワクさせてくれます。

 

その中でも、クロアチアの勝負強さが目を引きます。

 

前回大会で、準優勝。
今大会も、1次リーグ最終戦で世界ランキング2位のベルギーと引き分け
1次リーグを突破。
決勝トーナメントでも、日本戦、ブラジル戦を共にPKで勝ち上がりました。

 

(今朝、アルゼンチンに敗れ、準決勝敗退してしまいました。)

 

独立国家としての現在に至るまでの支配と戦いの歴史が影響しているのでしょうか?

(クロアチアの歴史に興味がありましたら、以下をご参照ください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%83%81%E3%82%A2%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2 )

さて、今回は年末年始にご一読をお薦めしたい本の紹介です。

その本は、
『好奇心とクリエイティビティを引き出す 伝説の授業採集』

 

電通でクリエイティブの仕事をされている倉成氏が、面白いな、クリエイティブだな
と思う授業や課題・宿題を、多くの識者から収集しています。
そのリサーチ集のタイトルが、「伝説の授業採集」

 

日本のみではなく海外からも、
また学校の授業だけではなく企業研修や家庭の教育のものも、
現在実施されているものから過去のものまで関係なく収集しています。

 

倉成氏が、人に会うたびに「あなたが受けた“伝説の授業”はなんですか?」と
聞きまくって集めたもの、自ら足を運んでヒアリングしたものもあります。

この本で紹介されているのは、全20講座。

 

その中から、授業をひとつご紹介させていただきます。

 

2時間目「テーブルを拭く。という入社試験」

元電通の社員で、現在は独立されている仲畑貴志氏が自社の採用試験として

「ここにあるテーブルを、布巾で拭いてください。」

という問題を出題していました。

 

このお題に、テーブルを縦に拭いて、横にずれてまた、縦に拭くことを繰り返す人。
クルクルと円を描きながら、隅々まで拭く人など、みなさん、表面をピカピカにします。

 

テーブルの表面はとってもきれいにしますが、
テーブルのエッジ(横)や裏を拭く人は、非常に少ない。

 

もしかすると、誰かが何かをこぼしたときに、エッジが汚れたかもしれない。
あるいは、テーブルを動かすときにテーブル板の下を持って動かすので
そこも汚れているかもしれない、と想像できるかどうか。

 

この問題では、どれだけ気遣いを持てるかが試されています。
机を見るだけでなく、机を使う人までも想像できた人が合格になります。

 

このやり方を、倉成氏は
ミネルバ大学(キャンパスを持たずに、世界中を移動しながら学ぶ大学)の
日本でインターンシップを受ける学生向けに実施しました。

 

この授業の趣旨は、皆さん外国人の学生でしたので、
日本の企業でインターンシップを受けるときに面食らわないように、
日本独特のコミュニケーションを教えてあげるというものです。

 

「Thoughtfulness」日本語でいうと「気遣い」。
相手を想像して、行動すること。

 

日本から出国する直前に、再度、ミネルバ大学の学生と倉成氏が会うと
「現場でとても助かった! 何より面白かった!」
などのプラスの感想を数多くもらったそうです。

 

他の19講座も面白いです。教育や研修に関わっている方はもちろんのこと
人材育成に関心のある方にはご一読をお薦めします。

 

また、年末年始は、子供や学生に会う機会も多いと思います。
その際、本書のあとがきに書かれていることは、参考になります。
(参考というか、耳が痛いです。)

 

いつも子ども~大学生向けの講演や授業で最後に話す、僕が子どもの頃に
学校、そして大人たちに、教えてほしかった(けど教えてもらえなかった)2つのこと。

 

1つ目は、「大人は楽しい」ということ。
(中略)
ある中高一貫校で、このことを伝えたら、こんなことがあった。
1人の先生が、教室に帰った後、ホームルームで生徒たちに聞いたらしい。
「倉成さんはああ言っていたけれど、自分の周りに3人以上、楽しそうな大人がいる人、
手を挙げてみて」
そして挙手したのは。40人中、3人だけ。その楽しそうな大人は誰か聞いたところ
両親ともう1人、おじさんとか、身近な人だったらしい。
つまり、その先生は、自分は楽しい大人になっているだろうと思っていたら
生徒たちの誰からもそうは思われていなかったという話。

 

大人が楽しそうじゃなかったら、これから大きくなる子どもたちに
希望が持てるわけがない。子どもが大人になりたくない国に、未来はあるのだろうか。

 

どうしたら大人が日々楽しそうになるか? 次に書く2つ目にヒントがある。

 

2つ目は、本当に「正解はない」、ということ。
物事の答えは1つではない。教科書ですら僕らの頃と変わっている。
そして、世界のどんな有識者でも未来はわからない。だから、自分が正しいと思うこと
感じることを自分で選んで欲しい、と若者たちに話している。
さらに1つ注意ポイントを付け加える。
「大人も教育業界も『正解はない』と言うけれど、そのくせに
すぐに答えを求めたがるから、気をつけろ!」と。

 

文中、何度も繰り返し書いてきたが、自分の頭で考えたものではなく
欧米で流行っている概念を輸入してばかりの日本社会。
短期の利益ばかりを追い求めて、長期目線がどんどん薄くなっているビジネス界。
子どもたちにやってほしいことは、大人ができていないことだらけだ。

 

倉成英俊.『好奇心とクリエイティビティを引き出す 伝説の授業採集』.宣伝会議.2022年9月.p.350-351
https://www.amazon.co.jp/dp/4883355500/

 

今回の執筆者:「知見寺直樹」
(株式会社ジェイック 取締役)

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 執行役員|上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 副董事長

知見寺 直樹

東北大学を卒業後、大手コンサルティング会社へ入社。その後、株式会社エフアンドエム副本部長、チャレンジャー・グレイ・クリスマス常務取締役等を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海法人(上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 )の立ち上げ等を経て、現在はHumanResourceおよび事業開発を担当する。

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