採用面接は得意でしょうか?【人を残すvol.145】

経営者向けメールマガジン「人を残す」fromJAIC

採用面接は得意でしょうか?

皆様、ジェイックの知見寺(ちけんじ)でございます。

弊社では、今年4月から中途採用を強化することになり
その採用目標のコミットを、私がしています。

 

中途採用マーケットの実態を理解することと
弊社のそれぞれの採用ポジションの採用要件を確認するために
書類選考と1次面接を、役員である私が担当するように 採用フローを変更しました。
(以前は、採用部門のマネージャー陣が担当していました。)

 

4月から10月末までに、127名の1次面接を実施。
数名、選考進行中の方がいらっしゃいますが、この中から14名の採用ができました。

 

1次面接からの採用率は、11%。

 

この率をどう評価するかは難しいですが、弊社は中途採用もある程度
ポテンシャル採用をしていますので、応募書類からはわからないことも多く
会って確認しようとするので、この程度はありかと自己判断しています。

一方で、面接時間1時間、その前後の準備・対応の時間を含めて、
1.5時間と試算すると、総計190時間。
月当たり27時間、週当たり6.8時間、毎週ほぼ1日分の稼働時間を
投入していることになります。

 

そこで、面接のあり方・やり方について、再度、整理して学び直そうと思い
HR系の会社が開催しているウェビナーに3回参加しました。

 

また、そこで推薦図書として紹介されていた書籍も3冊購入して読んでみました。

今回は、ここから得た3つの学びをご紹介させていただきます。

【1】応募者の志望度について

最近は、新卒も中途も売り手市場になっていますので、1次面接の段階で
自社に対する勉強不足を感じる方が増えている印象があります。
中途は、ダイレクトリクルーティング型の転職サイトから
エントリーされることも多いので、特に強く感じます。

 

応募者からしますと
「私の経歴に興味があったので、スカウトしてきたんですよね!」
という感覚ではないかと思います。

 

従いまして、応募者の自社への志望度は、採用側が高めるものと
考え方を切り替える必要があります。

 

前述の通り、私は中途採用の1次面接で登場しますが
「ジェイックへの応募理由」
は、質問しません。

 

応募してきた方が、どんな理由で転職を考えていて、
次の転職先に何を求めているのか、そしてそれはなぜかを聞いています。
その志向にあわせて、ジェイックなら何ができそうで、何が難しそうかを
説明しています。

 

特に、面接の経験値が少ない若手が面接を担当すると、
自社への志望度が高い応募者を高く評価する、あるいは、
志望度が低い応募者を低く評価をする傾向がありますので、注意が必要です。

 

採用選考フローの前半においては

「志望度◎かつ活躍期待度△」の人材ではなく
「志望度△かつ活躍期待度◎」の人材を口説いて

志望度を◎していくことが、求められていると思います。

 

【2】面接の目的は何か?

いろんな書籍でも紹介されていますが、選考方法として
「単なる面接の妥当性は低い」とされています。

 

しかし一方で、適性検査や書類選考のみで、面接することなしに
採用を決める会社もないのではないでしょうか?

 

では、面接を行う目的は何でしょうか?

 

面接以外の選考手段を組み合わせることによって、
面接のみでは低かった妥当性を高めて、採用するかしないか判断する
選考手段になっていることは、間違いないと思います。

 

もう一つの側面は、面接することによって、応募者の志望度を
高めることにあります。

 

この視点に対する意識が低い方を、時折見受けます。
特に、ポジションの高い方にその傾向が強いように感じます。
「偉い方が面接はうまい」とは限りません。

 

また、よく言われることに、
Aクラス社員は、Aクラス候補者を採用したがるが
Bクラス社員は、Cクラス候補者を採用したがる、
という指摘があります。

 

この点に関するエビデンスデータを観た記憶はありませんが、
感覚的にはあるかもなと思います。
従いまして、誰が面接をするのかの設計は、
採用を成功させるために、重要なポイントとなります。

 

【3】面接では何を聴けばよいのか?

面接でよくある質問に、
「長所と短所を教えてください」があります。

 

この質問だと、応募者の自己認識を聴くことになります。
これは、正直に答えてもらっていたとしても、正しいかどうか判断ができません。

 

そこで、更に
「それが長所だと感じた具体的な出来事を教えてもらえますか」
と追加質問をして、客観的な事実を丁寧にヒアリングします。
その情報を元に判断をします。

 

また、「学生時代、一番長くしていたアルバイトは何ですか?」
という質問に対して、「飲食店です」と回答があった場合

 

いつから、いつまでアルバイトをしていたのか
週何日くらいのシフトで、何時から何時までアルバイトしていたのか
その飲食店は、どんなタイプの飲食店か
チェーン店か、個人店か
お店の場所はどこにあったのか
どんな客層なのか
1日平均何人くらいお客さんがきて、だいたい一人平均単価どれくらいだったのか
最終的には、どんな業務を担当していたのか
など、
どんな環境で、何をどれくらいしていのか、明確にイメージできるところまで
私は、確認しています。

面接で確認すべきことは、
「意見ではなく、事実です」

 

採用活動を担当されているみなさんのご参考になれば幸いです。

最後に、読んだ書籍をご紹介させていただきます。

『人材の適切な見極めと獲得を成功させる採用面接100の法則』曽和利光著 日本能率協会マネジメントセンター刊

『採用面接評価の科学』今城志保著 白桃書房刊

『コンピテンシー面接マニュアル』川上真史・齋藤亮三著 弘文堂刊

 

今回の執筆者:「知見寺直樹」
(株式会社ジェイック 取締役)

著者情報

知見寺 直樹

株式会社ジェイック 取締役|上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 副董事長

知見寺 直樹

東北大学を卒業後、大手コンサルティング会社へ入社。その後、株式会社エフアンドエム副本部長、チャレンジャー・グレイ・クリスマス常務取締役等を経て、2009年ジェイック常務取締役に就任。総経理として上海法人(上海杰意可邁伊茲企業管理咨詢有限公司 )の立ち上げ等を経て、現在はHumanResourceおよび事業開発を担当する。

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