さきがけ税理士法人|顧客志向の徹底した理念共有を通じて、全社員が同じ未来を描き、成長する

更新:2024/03/06

作成:2023/03/11

さきがけ税理士法人

十数年前に自宅兼事務所で開業し、瞬く間に拡大し事業のグループ化を成し遂げた、さきがけ税理士法人。

 

Great Place to Work® Institute Japan「働きがいのある会社」ランキング小規模部門においてベストカンパニーに選出されています。

 

士業という特性のなかで資格や知識だけに囚われない、顧客志向の人材育成について管理部の西岡由季子様と工藤栄爾様にお話を伺いました。

会社名:さきがけ税理士法人
設立:2008年(平成20年)1月
社員数:80名/パート社員
事業概要:税務・会計を基軸にしたコンサルティングや支援業務を行う。税務顧問、税務セカンドオピニオンなどの税務サービスをはじめ、創業支援・融資サポート・財務コンサルティングなど、様々なサービスを手掛けている。

<目次>

Q.貴社の事業内容とその特徴について教えてください。

さきがけ税理士法人 西岡様
西岡様:当社は「さきがけグループ」として、さきがけ税理士法人、さきがけ社会保険労務士法人、株式会社さきがけ、さきがけ行政書士事務所、一般社団法人相続手続支援センターの5社で構成されています。

 

税理士法人では経理代行や各申告のお手伝いなどを行い、社会保険労務士法人では社会保険関係の手続きのフォローや労務・人材に関するご相談などを行っています。

 

さらに株式会社さきがけでは、融資・創業融資相談や経理アウトソーシングのほか、企業が保険に加入することによるお客様である社長や会社のリスク対策などを行っています。

 

また、さきがけ行政書士事務所と一般社団法人相続手続支援センターではお客様の相続対策・手続きなどを行っており、お客様に必要なサービスラインナップを厳選し総合的にサポートできる体制を築いております。

Q.開業して15年、ますます組織が急成長していますが、人事担当としてのやりがいは?

西岡様:2020年に、グループ会社の「さきがけ社会保険労務士法人」が設立されたときに、組織が大きくなったことを改めて実感しました。

 

事業拡大はお客様により貢献できる範囲が広がるだけでなく、働く社員もやりがいを感じています。

 

人事担当者としては、入社した社員の活躍を見られるのは、この仕事のやりがいにつながっています。

 

工藤様:一方で組織拡大に伴い、自社に合った人員の確保が課題になってきています。そのため、会社の魅力付けはますます重要となり、優秀な人材を採るべく応募者に向き合っています。

Q.組織が大きくなっていく中で、苦労されていることは何でしょうか?

西岡様:人が増えるにつれて理念浸透をはじめ、情報共有の難しさを痛感しています。

 

当社には、創業メンバーをはじめ、古参・中堅社員・新入社員といった様々な年次の社員がいます。

 

立場や経験が様々なので、たとえば会社方針に対する受け止め方の温度差は大きく、社員によっては、方針の内容に賛同できず、モチベーションが低下しているようにも見受けられます。

 

工藤様:見方を変えると、時流や環境を鑑みて代表の黒川は素早く意思決定をするので、社員がそれに対応しきれず、なかなか社内に浸透しにくい面があるのかもしれません。

 

とはいえ、当社は他社と比較し、“これ”と決めたものに対して同じ方向を向き、順応するスピードは早い方だと思います。

Q.資格や知識が必須の税理士法人の採用で、「人柄」を重視されていると伺いました。

さきがけ税理士法人 工藤様
工藤様:士業として、まずベースとなる資格や知識を持つ人材は当然求められていますが、特に未経験者についてはポテンシャルを考慮し、人柄を重視しています。

 

当社は顧客志向が非常に強く、そこでは専門知識のみならず人間性も重要となります。

 

そのため、コンサルティング能力や傾聴力が不可欠で、依頼されたことに応えるだけではなく、それ以上の提案で期待に応え、成果を出すことができる人材が求められます。

 

西岡様:また、当社では、税理士の仕事を「サービス業」と捉えており、これを実践していくことが当社代表の信念でもあります。

 

当社では普段、フリーダイヤルで新規ご相談などを受け付けていますが、そこで税理士の乗り換えについてのご相談がよくあります。

 

事情を伺うと、担当税理士が淡々と事務的な仕事しかせず、冷たい対応をされたことへの不満が多く聞かれました。

 

税理士はお客様から「先生」と呼ばれることもある仕事ですが、そこで舞い上がらず、常にお客様と対等な立場で、何ができるかを考えなければなりません。

 

工藤様:お客様と一心同体となり精神的な支えとなれるよう実践しています。

 

例えば、お客様が誕生日のときはメッセージを贈ったり、新店をオープンしたときなどは店舗のイメージ画やロゴマークを作って、プレゼントしたりしています。

 

そのロゴマークをそのまま店舗の看板に使っていただいたときは、こちらも嬉しくなりました。

Q. 採用時のポイントについて教えて下さい。

西岡様:先ほどの人柄の面でいえば、表情や雰囲気などコミュニケーションの仕方をまずは見ることが多いです。

 

また、当社が創業10数年で100名規模の会社となった背景には、社員一人ひとりがベンチャー気質ということもあり、自己成長に貪欲な人を求めています。

 

「自由にできるけど、あなた次第」という環境なので、その中で自律できる人が合っているといえるでしょう。

 

工藤様:そうした点から考えると安定志向の方を求める職場ではないので、会社に依存しすぎず、常に自ら考えて行動でいるが働きやすいと思います。

 

当社では「成長」を一つのキーワードにして発信しておりますが、それには内面的なやりがいを見出し、自走できる力を持てることがカギとなります。

 

自分から動けばいくらでも成長でき、やりがいを感じられる職場づくりをしています。

 

その他、これは長所と短所が表裏一体にある話ですが、当社では他社にあるような体系的な教育研修プログラムを組んで育てることよりも、すぐに現場に出て、経験を積みながら学べるようにしています。

 

そうした話を求職者の方が聞くと、当社にはきちんとした社員教育の場が備わってないというように誤解されてしまうこともありました。

 

西岡様:これは見方を変えれば、成長意欲を高く持った方には、経験をすぐ積めるというメリットがあります。

 

会社は社員一人ひとりのタイプを慎重に見極め、活躍していただきたいと考えています。

 

このように、採用時に当社の求めるポイントは明確なので、あとはお客様第一にサービス業の視点を持てるか、それらがご自身に合うか合わないかを面接を通して見極めていきます。

Q.士業という性質から社員の独立も多いと思いますが、どのように人材育成や組織づくりに取り組んでいますか?

ミーティング風景②ボカシ
西岡様:確かに会社を辞め、独立していく社員もおりますが、その後も連絡を取り合い、良好な関係を続けています。

 

他業種では競業することもあるかと思いますが、私たちの業界的では共生していくことが多いです。

 

辞めたスタッフが店舗を出店したり、新事業をスタートしたりするとき、当社が顧問の税理士法人として選定されることもあります。

 

また、税理士業界では事務所同士の連携があり、セミナーを通じて新規開拓の方法や営業の仕方をレクチャーしたり、情報交換したりすることもあります。

 

数年前ですが、同業者向けに会社事務所を公開し見学会を行っておりました。そうした交流活動で、業界全体の活性化へとつなげることが狙いです。

 

工藤様:そうした状況もあるので、当社では独立して社員が羽ばたいていくことに否定的な見方はありません。

 

むしろ自分から学び、向上するマインドを持つ方にとっては働きやすい組織環境だと思います。

 

独立も視野に入れつつ、本人が経験を早く積めるように会社としてサポートしています。

 

会社側としてもある程度の入れ替わりは予測しており、さらに独立できるほどに成長したスタッフが続々と現れているということは、人材育成の面ではむしろ成果だと捉えています。

 

西岡様:一方で組織がこれまでどんどん大きくなっている中で、人材定着ができておらず、特に中途採用メンバーでの早期離職が課題にもなっています。

 

ただその一因がそうした独立関連でもあり、社員教育を積極的に実施し、どんどん経験を積んでもらった結果、離職率にも反映されてしまっている側面もあります。

 

その分、新しいポジションが空くため、「成長の連鎖」のような、独立も踏まえつつ、社員の層を厚くする努力を会社側も続けています。

Q.今の人材育成の仕組みをもう少し詳しく教えてください。

工藤様:新卒から30歳くらいまでの社員で10人ほどのチームを組み、そこで若い年齢からチームマネジメントの経験を積めるようにしています。

 

新卒採用では、それらの取り組みがキャリアアップの具体的なイメージとして伝わっているようです。

 

さらに、入社後すぐにクライアントを任されることも特徴の一つです。

 

当社では個人事業主や中小企業の経営者が主なお客様となりますから、業務を通じて経営視点に早くから触れられることも成長メリットになっています。

 

西岡様:そのほか、未経験者の中途採用者については担当者が熱心にOJTを行っています。

 

また、新卒社員は毎年4~6名ほど一括採用しており、入社後約半年間は教育ユニットに配属し、基本的な業務について、実践を交えながら身につけていきます。

 

その後の本配属先はバラバラになりますが、最初にユニットを組んだことで、新卒社員同士の結束力が高まり、良好なコミュニケーションのきっかけにもなっています。

 

この教育形態は2~3年前に導入しており、その以前は、新卒社員は入社後すぐ現場配属され、そこでの環境の違いにより、教育の質の差が出てしまっていました。

 

そうした中、このユニット制が始まってからは同期がお互いの状況を確認できたり、わからないところを確認しあったりできるなど、定着にも顕著な効果が表れているようです。

Q.コロナ禍での働き方や組織づくりと、今後の新たな取り組みについて教えてください。

ミーティング風景①
工藤様:昨年(2021年)までの状況と変わり、特に今年(2022年)になってから、コロナが収束へと向かう状況を受けて、改めて出社の重要性が見直されるようになりました。

 

一時期はリモートワーク主体となり、オフィスも縮小しておりましたが、今はオフィス拡大の動きも伴って、出社方針を打ち出しています。

 

もちろん、在宅制度の基礎は確立できているので、リモートワークの選択も残しつつとはなりますが、社会情勢を見ながら、すぐさま施策を打ち出すのは、代表のスピード感ならではかと思います(笑)

 

西岡様:さらに言えば、会社がそもそも顧客志向による業務を行っておりますので、代表もリモートではなく、直接対面で親身になって価値を提供していくことを優先した結果の判断ではないかと思います。

 

顧客第一・優秀で自社に合った社員の採用と成長環境・高い質のサービス提供。そこはコロナに関係なく、設立からの一貫しているところになります。

 

当社では「虎の巻」と呼ばれる、企業理念や行動指針、トップメッセージを収めた冊子を発行しています。

 

先ほど理念浸透や情報共有が難しいと述べましたが、今後も顧客志向を強く打ち出し、社員に理念が浸透するように努力していきます。

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