ハラスメント防止と部下育成を両立できる管理職をどう育てるか? Vol.2

ハラスメント防止と部下育成を両立できる管理職をどう育てるか?Vol.2

本記事は、全2部構成でお送りします。Vol.1は下記よりどうぞ。

<目次>

リーダーがリスキリングすべきスキルとは?

リスキリングすべきスキル

 

ここでハラスメントの話に戻ります。もちろんハラスメントは一定の基準はあります。ただ、ハラスメントと感じる範囲は1人1人異なります。相手がハラスメントと感じるのかを知るためには、相手の関心事がどこにあるのかを知る必要があります。

 

そのために必要なスキルが「対話力」であり、ハラスメントの基礎知識を知ったうえで、リーダーが対話力を身につければ、ハラスメントが起きるようなことはなくなります。

 

逆に、管理職が対話力不足になると、何が起きるのでしょうか。

 

世界的な調査会社ギャラップの調査で、マネージャーが組織従業員エンゲージメントに与える影響は70%というデータが出ています。

 

マネージャーのマネジメントスキル、リーダーシップが不十分だと部下のパフォーマンス向上の明確な妨げになるということです。

 

管理職・マネージャーが組織に与えるインパクトはそれだけ大きいのです。

 

だからこそ、「ハラスメントしないように関わりを避ける」のではなく、「ハラスメントにならないようにポジティブなメッセージを発信していく」ことが大切です。

 

組織のあり方を左右する

リーダーシップのリスキリングトレーニング

ハラスメントを意識せずに関わりができるようになっていくと、従業員満足や帰属意識が高まっていきます。そして帰属意識が高い人たちは、成果にコミットするようになっていきます。

 

リスキリングの効果

 

「成果にコミットする社員を増やそうと思ったら、ハラスメントを黙認しなきゃいけない」と思っている人は今の時代にはいないでしょう。

 

もちろんそんなことはありません。しっかりと管理職がしっかりと対話力を磨くことで、従業員の満足度を高め、帰属意識を高め、成果にコミットする従業員を生み出すことができます、今こそ、組織の中のコミュニケーションが大事になってくるのです。

 

コミュニケーションの必要性

 

ハラスメントも含めた大体の問題は、どこかで発せられた「言葉」が原因で起こります。そのため、発する「言葉」自体を変えていくトレーニングに取り組んでいくほうが、ハラスメントの事例を知るよりも、はるかに効果が高いでしょう。

 

ハラスメントを恐れてコミュニケーションを取ろうとすると、「対話」ではなく「会話」になります。「会話」ではなく、相手の関心に合わせて話ができるような「対話」力を身につけることが大切です。

 

対話と会話の違い

対話力を高める方法

対話力を高めるためには、正しい順番で鍛えていく必要があります。

 

対話力を高める方法

 

まず人間関係や信頼関係ができていないと、相手から協力を得る段階に進むことはできません。

 

同じことを言っているにも関わらず、ハラスメントになる人とならない人の違いは「信頼関係ができているか、いないか」です。

 

ハラスメントを防止するためには、信頼関係を醸成して、相手から協力を得られる段階に進まなければなりません。信頼関係が醸成されていれば、ハラスメントなど起きないでしょう。

 

そして、協力を得られる段階に入ったら、リーダーシップを発揮するようにしましょう。これがまさに、部下を育てること、ハラスメント防止と部下育成の両立です。

 

ハラスメントの事例を共有して、知識を身に付けてもらって、ハラスメントが起こらないようにすることも大事です。しかし、ハラスメントの事例を共有すればするほど、管理職は委縮してしまいます。対話も減ってしまいます。

 

大切なのはハラスメント研修を繰り返すことではなく、管理職の対話力を高め、部下と信頼関係を築いてもらい、リーダーシップのリスキリングをしていくことです。

対話力を高めるデールカーネギートレーニング

対話力を高めるためにジェイックが社内で実施しているのが、デール・カーネギー研修です。

 

DCCトレーニング概要01

 

デール・カーネギーのトレーニングは、人を動かす30の原則を身に付けるものです。

 

人間関係がしっかりできていないときは「30原則」のうちの1から9を使うことで、信頼関係を高めることができます。

 

人間関係は強化されたものの、協力を得られる関係性ができていない場合は、10から21の原則を体現していくことで対話力を身につけられます。

 

22から30の原則を体現できるような対話力を身につけていくと、リーダーシップを発揮していくとサークル型のマネジメントがより効果的に実践できるようになっていきます。

 

DCCトレーニング概要02

 

なぜジェイックがデール・カーネギーのトレーニングを選んだのかというと、100年前に開発されたトレーニングであるにも関わらず、今でも研修効果が高く愛され続けているからです。

 

アメリカのトップ500の企業のうち90%の企業が、リーダーのコミュニケーショントレーニングとしてデール・カーネギーのトレーニングを取り入れています。

 

実績が高い研修、継続して利用されている研修というのは、行動変容に繋がりやすい研修です。確かに、デール・カーネギーの研修は学んだ人が明らかに変わっていく、行動が変わっていきます。

対話力を高める1日版トレーニング概要

コミュニケーショントレーニングというと、ものすごい種類の研修があります。ただ、その中で発する「言葉」に注目するトレーニングはそう多くありません。なぜなら、発する「言葉」に注目するトレーニングは研修トレーナーの腕が問われてしまうからです。

 

デール・カーネギーのトレーニングを実施できるトレーナー資格の取得には、半年ほどの時間を要します。合格率もあまり高くありません。それだけのトレーニングを積んだトレーナー兼講師が実施するからこそ、行動変容につながります。

 

デール・カーネギーの人を動かすトレーニングの中では、自分が話す言葉にアドバイスをもらえるだけではなく、話し方のフォーマットもたくさん用意されています。

 

1日版トレーニング

 

このフォーマットを一つずつ学んでいくだけでも話し方のバリエーションが増えていきます。相手のモチベーションを高めながら、物事を伝えることができるようになります。

デール・カーネギーのトレーニングで高まるエンゲージメント

デール・カーネギーのトレーニングは、さらにエンゲージメントレベルも高める効果もあります。

 

エンゲージメントレベル

 

上記における上2つのゲージは、デールカーネギートレーニングを受講してない一般的な大手企業、中小企業のエンゲージメント率を示しています。それぞれ29%、36%という数字です。

 

これに対して、一番下のゲージが示しているのはデール・カーネギーのトレーニングを受講したことのある組織のエンゲージメント率であり、なんと47%です。

 

デール・カーネギーのトレーニングを受講させることで、社内の対話が豊富になり、エンゲージメント全体が上がるということです。

 

こういった効果が得られるからこそ、管理職の対話力を高めていくことが大切です。

 

ハラスメント防止のキーワードは「リーダーシップのリスキリング」です。リスキリングの土台になるのが対話力です。

 

会話ではなく、対話を通じて、互いの理解を深めて、行動を変化させ、成果を作り出していく組織を作っていきましょう。

 

自社内でハラスメント研修や、リーダー育成を検討されている場合は、お気軽にご相談いただければと思います。

 

 

著者情報

近藤 浩充

株式会社ジェイック|常務取締役

近藤 浩充

大学卒業後、情報システム系の会社を経て、ジェイックに入社。執行役員としてIT技術者の派遣を行う「IT戦略事業部」の創設、全社のマーケティング機能を担う「経営戦略室」室長を歴任。取締役/教育事業部長として、社内の人材育成、マネジメントで手腕を磨く。2013年には中小企業向け原田メソッド研修の立ち上げを企画推進し、自部門および全社の業績を向上させた貢献により、常務取締役に就任。カレッジ事業本部長、マーケティング本部長、教育事業本部長等を歴任。

著書、登壇セミナー

・社長の右腕 ~上場企業 現役ナンバー2の告白~
・今だからできる!若手採用と組織活性化のヒント
・withコロナ時代における新しい採用力・定着率向上の秘訣
・オンライン研修の「今と未来」、社員育成への上手な取り入れ方
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・社長の右腕 10の職掌 など

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