管理職に必要な「対話力」のリスキリング
これからの時代に、管理職にとって特に必要になってくるのが「対話力」です。どうして対話力を磨く必要があるかについて、まずは背景を見ていきましょう。
指導方法の変化
人材育成に時間をかけることのできた昭和の時代には、「仕事は見て覚えろ」というやり方が中心でした。しかし、今の時代の若者は、「コスパ」や「タイパ」という言葉もあるように、効率を重視し、無駄なことはやりたがらない傾向があります。そのため、たくさんの仕事をこなす中で徐々に感覚をつかんでいくのではなく、最初から具体的なやり方を教わることを望むことが多くなります。
同時に、ITが発達する中で人に求められる仕事は高度化し、たとえば、会議の資料をコピーする、電話対応する、議事録を取るといった仕事はなくなりつつあり、新人であろうといきなり高度な業務をこなすことが求められるようになっています。
また、「我慢してやれば、将来で待遇や役職で返してもらえるから我慢する」という価値観は薄れ、仕事に対する意味付けが重視される中で、上司は適宜、新人や若手を勇気づけ、強みを見抜くような指導が求められるようになっています。
ボトムアップ型・価値共創型組織への移り変わり
明確な正解のあった時代には、正解に効率よくたどり着けるようにマネジメントすることが重要でした。そのようなマネジメントを実現するために、組織はピラミッド型の管理と統制が中心のものとなり、上司は上からの指示を一方的に伝え、実行を管理することが役目でした。
しかし、正解のない時代になり、変化に柔軟に対応する、現場の声を素早く吸い上げてイノベーションにつなげていくことが求められる中で、組織は上意下達のピラミッド型からフラットなサークル型の組織になりつつあります。
分かりやすいように組織とマネジメントの変化を表にまとめると、以下のような形です。
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表で示したように、これからの組織パターンは、いくつものサークルが集まったものとなり、管理職などは各サークル内をリーダーとしてけん引することが求められるようになっています。
従来のような上下関係での指示・命令ではなく、対話によって部下の感情をポジティブなものに変え、自発的に考える姿勢を引き出し、イノベーションを創出していくことが求められます。
このように、組織形態が大きく変化するなかで、管理職層も変化に応じてマネジメントの能力をリスキリングする必要性が出てきます。
人的資本経営時代の到来
従来の経営においては、人材を「資源」と捉え、いかに効率よく人材を活用して成果に結びつけるのかが重視されていました。しかし、現在は人材を「資本」と捉えて投資の対象とし、その価値を最大限に引き出そうとする方向にシフトしています。
正解がある時代とない時代では、人材に対する捉え方も大きく異なり、人材をマネジメントする上司の側も、新しいマネジメントの方法を身につける必要が出てきます。人材の価値を引き出せるようにするためには、対話によって潜在的な能力やアイデアを引き出せるように、上司の対話力が重要になってきます。









