最近の若手社員の特徴とは?
HRドクターを運営する株式会社ジェイックは研修会社ですので、多くの人事や経営層から若手社員の育成に関する相談を数多く受けます。
そのなかで増えているのが、「もっと自分で考えて仕事してほしい」「受け身ではなく、当事者意識を持って取り組んでほしい」といった主体性に関する相談です。
主体性に関する悩みは、ある意味では普遍的に存在する悩みです。私自身も若手だった頃、上司や先輩に「もっと考えて仕事しろ」「当事者意識を持て」とよく言われたものです。
一方で、以前より若手社員の主体性に関する相談が増えているのも事実です。本章では相談が増えている理由と最近の若手の特徴を紐づけて紹介します。
特徴1 効率的に仕事がしたい
デジタルネイティブ世代といわれる今どきの若手は、ITの力を駆使し、仕事を効率的にしたいという気持ちが強くなっています。
例えば、ある上司は「話を聞くときはメモをとるように」と指導したところ、指導していた若手社員はスマートフォンを取り出して「わかりました。録音します!その方が聞き漏れもないですし」と言われたそうです。
昭和世代の上司からすればおかしいと思うかもしれませんが、若手の言い分も一理あります。たしかに効率的で、聞き漏れはなく、後になって「言った、言わない」の議論にもなりません。若手にしたら録音するほうが効率的なのです。
便利なITツールやアプリに囲まれて成長して、働き方改革などの意識も浸透しているなかで、今どきの若手が持つ「最小限の努力や工数で合格点を取りたい」「効率的に仕事をしたい」という意識は非常に強くなっています。
この特徴を知らずに「いいからメモを取れ」「量をこなすなかでわかるものがあるんだ」「決まったやり方なんだからいいからやれ」といった指示をすると、若手はしぶしぶ実行するかもしれませんが、心の中では「古い仕事のやり方を押しつける上司は尊敬できない」「この会社はダメなんじゃないか」と思いがちです。
特徴2 自分の時間を大切にしたい
2016年に日本生産性本部が実施した若手社員向けの意識調査(※1)で、「残業が少なく帰宅後に自分の時間を持てて趣味などに費やせる職場が良いか」とたずねた質問では、実に86.3%の人がそうだと回答しました。
それまで過去15年ぐらいは65%前後を推移していましたが、2015年に80%を突破し、急増しています。
出典:2016年度 新入社員 秋の意識調査 | 調査研究・提言活動 | 公益財団法人日本生産性本部
特徴1でもコメントした働き方改革やワークライフバランスの概念が浸透した影響が大きいといえるでしょう。最近は「成果」や「成長」と同じぐらいの重みで「自分の時間を大切にしたい」という欲求が強くなっている傾向があります。
特徴3 失敗したくない
誰だって失敗することは避けたいものです。これは若手に限らず、ベテランでも同じです。しかし、最近の若手は昔以上に失敗を恐れる傾向があります。
それゆえ、本当にやらないといけない状況が差し迫っていても、「失敗が恐い」という理由でやらないという選択をする若手も増えています。
周囲から見たら「なぜ、やらないのか?」と思う状況でも、「失敗したくない」という心理で行動を起こさないことがあります。
失敗を恐れる傾向が強まっている理由は「周囲からできない人間と思われたくない」という心理です。この心理は承認欲求の裏返しです。
また、今どきの若手はSNSなどで芸能人や有名人が失言や失敗を叩かれて炎上している姿を見て育っていますし、学校やコミュニティの中でも怪我につながるような“危ないこと”や“挑戦”から遠ざけられて育てられている傾向もあります。
失敗した経験が少ない、失敗して叩かれている姿を見た経験、承認欲求の強さといった掛け合わせが、「他人の目を気にし過ぎて、失敗を恐れる」という傾向につながっています。
なお、上司が、失敗を恐れる若手の姿を「面倒くさがって仕事をやらない」「主体的に欠ける」と誤解しているケースも珍しくはありません。







